マッドマックスといえば最新作の怒りのデスロードが有名ですが、初作もかなりの出来栄えと言えるでしょう。今回はそんな第1作目の魅力をご紹介します。
目次
狂気のバイオレンス「マッドマックス」
出典:https://images-na.ssl-images-amazon.com
みなさんマッドマックスという映画をご存知でしょうか。多くの方がマッドマックスと聞いて真っ先に思い浮かべるのはマッドマックスの最新作、「マッドマックス 怒りのデスロード」ではないでしょうか。八王子では狂ったような盛り上がりを見せ、上映期間は普通ではありえないほどの長さになるなど話題を巻き起こしました。
同作はオーストラリアで製作され、日本のみならず世界中で爆発的なヒット作品になりました。一部では2015年最高のアクション映画とまで評されたりもしています。しかし、今回皆さんに紹介したいのは怒りのデスロードではありません。
今回紹介するのはマッドマックスの原点でもある「マッドマックス」初作です。この作品は1979年公開で最新作と同じくオーストラリアの映画となっています。
仕事が嫌すぎて毎朝仕事場に行くまでの車で、マッドマックス1のナイトライダー並みに叫びながら運転してる。 pic.twitter.com/H5TO3i0FTc
— manta (@s_fratellis) 2017年9月24日
同作はまさかの低予算映画で、しかもその大半はフォード製のファルコンXBを改造したインターセプターをはじめとした車両の改造費に当てられたため・・・金銭的にはギリギリの撮影だったそうです。最新作でも制作費のうちのかなりの金額が車両の改造に当てられたそうですが、それでこそのあの迫力のあるカーチェイスが実現しているんですね。
しかし、そんな低予算映画にもかかわらずマッドマックスはオーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞。アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭、サターン賞など様々な品評会や映画祭に出品され賞を受賞しています。
映画「マッドマックス」あらすじ1 舞台は西部劇が繰り広げられるオーストラリア
串田アキラが唄う「マッドマックス」の日本イメージソング、ローリン・イントゥ・ザ・ナイトのサントラ。あれっ?レコードはどこいった?笑。新宿の二番館でマッドマックス1&2を上映したとき、1のラストにこの曲が流れたと思ったのは幻想か!? pic.twitter.com/bD4OUsDdbS
— クロケット (@crocket8314) 2017年5月2日
マッドマックスの舞台となったのは近未来のオーストラリアです。その時代のオーストラリア政府はすでに弱体化し、法を気にせずに好き勝手暴れ放題な悪漢たちが西部劇さながら我が物顔でそこらじゅうでのさばっています。
そんなある日、警察によって身柄を拘束されていたナイトライダーと呼ばれる凶悪犯がパトロール警官を殺害の上、特殊装備のパトカーを奪って逃走しました。その男を追跡する警官たちを乱暴な運転で翻弄し、激しいカーチェイスを制します。
しかし、警官の中のリーダー格の男かつ主人公のマックス・ロカタンスキーは抜群のドライブテクニックでナイトライダーを窮地へと追い詰め、なんとそのまま死へと追いやります。
映画「マッドマックス」あらすじ2 マックス突然の辞職!
#バイクの日 マッドマックス1より、暴走族が乗るバイクはほとんどが国産(輸出車)この並びは良いね~(^^) pic.twitter.com/WEbl4GcMrB
— 工藤雅人 (@showa460821) 2016年8月19日
一方のナイトライダーの仲間たちはその頃、街を襲い、強盗や暴行など好き勝手やりたい放題でした。そのうちの一人であるドラッグのせいで意識が朦朧となったジョニーという男がレイプの容疑で警察に逮捕され、裁判にかけられます。
しかし、彼らからの報復を恐れる住民は被害者すら法廷に現れません。結局ジェニーは無罪放免となり、仲間の元へと帰っていきます。案の定ジェニーは報復行動に出て、逮捕した警官を待ち伏せします。警官はジェニーに大火傷を負わされ病院へと運び込まれる始末に。
その姿を見たマックスは警官という職業を続けるのが嫌になり、辞職を申し出ます。しかし、彼の願いとは裏腹に上司に説得されとりあえずは休暇を取ることになります。
映画「マッドマックス」あらすじ3 マックスの妻子が犧牲に・・・
マッドマックス1のジェシーが素敵過ぎる。 pic.twitter.com/cBtTfyOXAz
— 大薮麻琴 (@MACOKOPELLI) 2017年1月23日
警官に嫌気がさして休暇を取ったマックスは久しぶりに家族と旅行に出かけることにします。そんな矢先マックス一家の目の前に例のナイトライダーの仲間、トーカッターが姿を表します。トーカッターは仲間を殺された恨みを持っていてマックスへの復讐を計画していたのでした。マックスは慌てて荷物をひとまとめにし、友人が営んでいる牧場へと家族共に逃げ出します。
しかし、トーカッターたちは丸腰で逃げ回るマックス一家を執拗に追い回し、マックスが留守のうちに彼の幼い息子を轢き殺してしまいます。さらには息子を抱いてハイウェイを逃げていたマックスの妻、ジェシーをもバイクではね、重症を負わせます。
マックスは路上に横たわる二人に駆け寄りますが、なすすべもなくその場に崩れ落ちました。
映画「マッドマックス」あらすじ4 怒りと復讐のカーチェイスが始まる・・・!
マッドマックス1と2をデジタルリマスターで観たけど素晴らしかったなぁ 2が‼台詞ここまで削ぎ落とすと絵や動きに集中出来るし迫力も増すわね!こんなん当時のクリエイターが魅了されないわけがないわね… pic.twitter.com/rfM81oCLsN
— アヤ (@AyaLV50) 2016年7月30日
マックスは大切な人を失った悲しみに暮れ、やがて復讐の鬼となります。警察のガレージから勝手にM.F.Pの特殊装備のパトカーを外へと持ち出し、息子を殺したトーカッターたちを追いかけ始めます。特殊装備のパトカーはアメ車顔負けのV型8気筒エンジンを駆使し、ギャングたちを1人ひとり血祭りにあげてゆくマックス。
トーカッターに運転を誤らせて殺した後、事故車の荷物をあさっていたジョニーを見つけます。ガソリンが漏っている車に彼の手首を手錠でつなぎ、爆死したくなかったら手首を切れと糸ノコを渡します。立ち去るマックスの背後で車は爆発。ジョニーも結局死んだようです。こうして長いマックスの復讐は終わりました。
マッドマックスの裏話1 スタントアクションが激しすぎる!
今日は六時前に起きて、白石さんの主宰する「マッドマックス・コンベンション」へ。マッドマックス(1)は、今までで一番繰り返し見た映画。初来日のグースは太って面影なかったけど、サングラス掛けると、ああー!という感じ。 pic.twitter.com/YXUtGUPtMi
— 田崎健太 KentaTazaki (@tazakikenta) 2016年7月17日
マッドマックスのスツァントアクションはかなり激しいものだったようです。そのあまりの激しさから無謀なスタントシーンの撮影により2名の死者がでたと噂されたほどです。DVDのコメンタリーでも死者が出たと言われていますが、実際は彼らへのインタビューでは否定されています。
クライマックスのトーカッターとトラックの激突シーンの撮影は、車両が大破することにトラックの持ち主が難色を示したため、車両前面に鉄製の頑丈なガードを設置して撮影が行われたそうです。
ガードに貼り付けられた板にはトラックについているライトをイメージしてい黄色く塗られている部分があるなどディテールにもこだわったようです。衝突場面はロングショットでの撮影でしたが、製作陣はそれではショッキングさが足りないとしてむき出しの車両のアップを挿入したそうです。
マッドマックスの裏話2 訛りのある英語はNG!
さらにマッドマックス1はメルギブソンなのか。 pic.twitter.com/ClHORYoaRc
— テツコ (@_tetsuko_) 2016年5月24日
英語は世界中で使用されている言語ですが、その国や地域によって日本語と同じように訛りというものが存在します。特にアメリカ人からすればイギリス人とオーストラリア人の英語は訛って聞こえるようです。
そのため、劇場公開時にはアメリカ人によって吹き替えがされた英語版に差し替えられたそうです。吹き替えは映画制作陣の判断ではなく、配給会社の判断だったようで、監督のミラーにすら事前の断りもなく実行されたそうです。
ミラー監督はこの事件に関して相当不満をあらわにしていたそうです。さすがに何の知らせもなく勝手に作品に手を加えられたらあまりいい気はしませんよね。
マッドマックスの裏話3 配役でも一悶着あり?
昨年公開された"マッドマックス怒りのデスロード"は自分はあんましピンとこなかった。
オリジナルのマッドマックス(1,2)こそが自分にとっての真のマッドマックスだ。 pic.twitter.com/XDaBBqcLsd
— FFC / 青山 (@ffc_aoyama) 2016年5月8日
主役を決めるオーディションにメル・ギブソンはボロボロの服装で登場したそうです。前日に喧嘩をしてそのままきたそうなのですが。しかし、監督のミラーはこの態度を気に入って主役が決まりました。メルは当時は演劇学校に通っていた学生です。
また、暴走族のリーダー、トーカッター役を劇中で演じているヒュー・キース・バーンはキャスト陣が決定し、発表された時点ではバイクの免許を持っていませんでした。そして撮影時には免許取立て初心者の状態で臨んたという逸話的な話があります。
作品に登場する暴走族はセリフのある者やスタントマンを除けばほとんどが本物だったため、撮影時の現場はいつも悪い雰囲気の中撮影が行われたそうです。当時オーストラリアでは暴走族が社会問題となっていて、彼らを実際に起用することで現実味をもたせました。
@DOZLOVE
そーそー!
マッドマックス 1と2の人ら何人か出てるって聞いてみたなった(笑) pic.twitter.com/4AytnDtlJ0— おしん (@fujsin13ctb1) 2016年3月1日
さらに暴走族を起用したのには別の理由があり、それは制作費のカットです。全くの素人を使うことで予算をかなり抑えることに成功します。トーカッターの右腕とも言える副リーダー、ババを演じたジョフ・パリーはセリフが少ない上に演技も達者とはとても言えない俳優でした。
彼の容姿も悪者っぽいオーラが全身から漂っているという理由から本物の暴走族だという噂が絶えませんでした。登用した暴走族グループの親分がこのパリーだと言われたこともあった道ですが、その後の日本のファンの調査によって暴走族ではなく俳優だということが判明しました。
マッドマックスの裏話4 主役の俳優も昔はやんちゃ?!
どこかマッドマックス1のインターセプターを出してくれないかな~。
メル・ギブソンM.F.P隊員服バージョンで。 pic.twitter.com/tsSqDYFmRb— 万絵の秋月翔 (@Sixshot87mind) 2016年2月7日
主役のマックス役を演じていたメル・ギブソンですが、彼はマックスというキャラクターに負けないくらいやんちゃな過去を抱えているそうです。今や世界的に名をはせるハリウッド俳優のメル・ギブソンは、女性への暴行や暴言疑惑、飲酒運転とスピード違反で逮捕された時には「糞ユダヤ人どもめ!」と言ったような発言が問題になりました。
映画業界ではすっかり嫌われ者となってしまっているギブソンですが、先ほども書いたようにオーディションにボロボロの服装でやってきました。なぜこんな格好をしていたのかというと、前日に酒場で3人のバイク乗りを相手に大喧嘩を繰り広げ、そのままオーディションに来たと言います。
しかし、最終的にはこれが決定だとなり、見事に主役の座を射止めたというのだから世の中何が正解かわかりませんね。
マッドマックスの裏話5 撮影現場は何でもあり!?
マッドマックス1を見る。 pic.twitter.com/pqjLU9WVgu
— タネ (@tane33) 2015年11月10日
マッドマックスの初作が作られたことのオーストラリアはまだまだ映画を産業として取り扱っていませんでした。そこでオーストラリア政府は映画を輸出する産業の一つとして盛り上げようとしていました。検閲も緩くなり、国内では映画制作への気運が高まっていました。
しかし、まだまだ歴史が浅い映画に関してオーストラリアはノウハウも人材も不足していました。撮影環境はデタラメで、許可も取らずに勝手に公道を封鎖したり、事故のシーンを撮影しようと思った実際に事故を起こしてしまったりなんてことも。まさにマッドマックスの劇中の世界さながらでした。
撮影で死人さえ出てはいないものの、けが人は続出したそうです。スタントマンのグラント・ペイジは撮影初日にバイクで転倒し、トラックに激突する場面で足を骨折しましたが、
マッドマックス 怒りのデスロードの原点を見逃すな!
マッドマックス1の撮影の様子 pic.twitter.com/t6YJPJ1FiD
— KOIOJIYA (@TeamEchigo) 2015年10月23日
いかがでしたでしょうか?マッドマックス1は今から数十年前に公開されたかなり古い映画ですが、それでも今からでも見る価値があります。気になったというかたはぜひチェックしてみてください!