【銀河英雄伝説】ヤン・ウェンリーの魅力6選!不敗の魔術師を振り返る!

遠未来の銀河系で巻き起こる自由惑星同盟と銀河帝国両国の戦いを描いたスペースオペラ「銀河英雄伝説」。今回は自由惑星同盟側の主人公、卓越した戦術センスで味方を救い続けた「不敗の魔術師」ヤン・ウェンリーの魅力をご紹介します!

「不敗の魔術師」ヤン・ウェンリーとは?

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田中芳樹原作の小説「銀河英雄伝説」とは、遠未来の銀河系を舞台に、自由惑星同盟と銀河帝国両国の戦いを描くスペースオペラ。ヤン・ウェンリーは、その自由惑星同盟側の主人公にあたります。類まれなる戦術センスを持ち、「不敗の魔術師」「ミラクル・ヤン」などと様々な異名を持つヤンは、母を5歳の頃に亡くしており、星間交易船船長である父と幼少期の多くを宇宙で過ごしました。
元々は歴史研究家になりたかったヤンですが、大学進学を目前にして父が事故死。父の遺品の骨董品のほとんどが贋作であったため無一文になってしまったヤンは、しかたなくタダで歴史を学べる士官学校戦史研究科へ入学します。しかし在学中に戦史研究科が廃止されることとなり、止むを得ず戦略研究科へ転科することに。


その経緯からも分かるように、軍人になりたかったわけではないヤン。士官学校卒業後の勤務態度も勤勉とは言えず、「無駄飯食いのヤン」などと揶揄されていました。そんな彼が注目を浴び始めたのは卒業から1年後、惑星エル・ファシルから300万人の民間人を救出した功績により「エル・ファシルの英雄」と称され少佐へ昇進。ここからヤンの意志とは裏腹に軍人として躍進していくこととなります。

ヤンの魅力1 演じた声優は富山敬!


ヤン・ウェンリーを演じたのは富山敬(とみやまけい)さん。10代の少年から老人、熱血漢のヒーローから悪役まで演技の幅が広く、天才と称された素晴らしい声優でした。代表作としては「タイガーマスク」伊達直人「宇宙戦艦ヤマト」古代進「ちびまる子ちゃん」さくら友蔵(初代)など。また、松本零士作品に数多く出演していることでも知られています。
 
富山さんが青二プロダクションに所属していた頃の後輩であり、今や声優界の大御所となった古谷徹さん曰く「業界内では先輩後輩問わず慕われていた」とのこと。その他にも神谷明さん、井上和彦さんらベテラン勢からも尊敬されている存在でした。
 
何よりも仕事を一番に考えていたため、1995年8月21日に倒れた際も「自分が休むと他人に迷惑がかかる」と仕事を優先。その結果病院に担ぎ込まれ、手の施しようがない末期の膵臓癌と診断。それからわずか1か月後、9月25日にこの世を去っています。


また、富山さんが病に倒れたのは奇しくもOVA第三期でヤンがテロリストの凶弾に倒れるシーンを演じてまもなくのこと。ヤンの声を中心にバランスを見てキャストが決まっていたという銀河英雄伝説において、富山さんの訃報は計り知れない影響を与えました。
 
富山さんが亡くなられた後の第四期でもヤンの台詞収録が予定されていましたが代役は立てず、回想やユリアンの中でヤンが呼び掛けるシーンなどは全てナレーションやユリアンのモノローグで行われています。
また、後に作られたOVA外伝では郷田(ごうだ)ほづみさんがヤンの声を担当。こちらは富山さんの代役としてではなく、あくまで「若き日のヤン」としてキャスティングされているとのこと。ヤンという人物を表現するにあたって、どれだけ富山さんの声が重要だったかがうかがえますね。

ヤンの魅力2 アスターテ会戦を救った戦術


「不敗の魔術師」ヤンの戦術を語るならば、やはりアスターテ会戦の「負けないための戦術」は欠かせないでしょう。銀河帝国率いる艦隊約20000隻と自由惑星同盟の艦隊約40000隻がアスターテ星域で戦闘を行ったこの会戦。帝国側の主人公ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤンが初めて互いに艦隊指揮官として対峙した戦闘でもあります。
 
この戦闘では兵力で勝る同盟軍が侵攻してくる帝国軍を、右翼に指揮官パエッタ中将やヤンが乗船する第2艦隊、中央に第4艦隊、左翼に第6艦隊を配置し三方から包囲するという、かつてダゴン星域会戦で帝国軍に勝利した際の戦法をなぞらえて戦う予定でした。しかしその作戦はラインハルトに見透かされており、帝国軍は三方に分散された同盟軍艦隊を各個撃破する策を講じます。


この時、実は作戦開始前の時点でヤンは帝国軍が各個撃破に乗り出してくる可能性を指摘して対応策をパエッタ中将に上申していましたが、自軍が有利な状況にあるのに考えが消極的過ぎるとして却下。その結果、中央の第4艦隊は帝国軍に強襲され戦闘態勢が整わないまま敗北、続いて第4艦隊の救援に向かっていた第6艦隊も壊滅状態、残る第2艦隊も被弾しパエッタ中将が重傷を負ってしまいます。
 
ここでようやくパエッタ中将から今後の総指揮はヤンが執るようにと命令が下されヤンの出番。帝国軍の中央突破を利用して左右分断されたと思わせた同盟軍艦隊を逆進させ、帝国軍の後方へと付きます。しかしラインハルトがこれに素早く気づき、両軍は互いに先頭が相手の後尾を攻撃する輪の状態に

消耗戦となったこの状況を無益とみたラインハルトによって帝国軍は後退。ヤンもそれに合わせて同盟軍を引かせアスターテ会戦は幕引きとなりました。この闘いで第4、第6艦隊の壊滅という大きな被害を受けた同盟軍ですが、ヤンの戦術により帝国軍を退け星域を守り切ったという点で負けてはいない闘いになりました。この時ラインハルトは自らの完全勝利を確信していましたが、阻止したヤンへ向けて称賛の電文を送っています。

ヤンの魅力3 不敗の魔術師が放った名言の数々

作中で数々の名言を放ってきたヤン・ウェンリーですが、その中でも私が心うたれたヤンの名言をいくつかご紹介します。
 

「いいか、ユリアン。誰の人生でもない、お前の人生だ。まず自分自身のために生きることを考えるんだ」

ヤンはよくユリアンに諭すような言葉をかけますがその中でもこの台詞は私にとって印象深く、誰にも縛られずに自分だけの人生を自分の納得いくように歩んでほしいというヤンの思いが込められていて、特に大好きな台詞です。

「ペンは何百年も前の独裁者や何千年も昔の暴君を告発することができる。剣をたずさえても歴史の流れを遡行することはできないが、ペンならそれができるんだ」

俗に言うことわざ「ペンは剣よりも強し」をヤンが言うとこうなるんですね。その時代の権力者に届かない剣よりも後世で批判できるペンの強さを評価するあたり、軍人ではなく元々歴史研究家を志していたヤンらしい台詞です。

「私が嫌いなのは、自分だけ安全な場所に隠れて戦争を賛美し、愛国心を強調し、他人を戦場に駆り立てて後方で安楽な生活を送るようなやからです」

ヤンは戦争において後方の安全なところで身を隠しながら命令だけを下すような権力者を嫌っているため、そういった者たちを容赦なく批判する台詞が多いです。しかし、それがヤンの本心であること、そして富山さんのお声の力もあり、皮肉った台詞でもあまり嫌味に聞こえません。


「まもなく戦いが始まる。ろくでもない戦いだが、それだけに勝たなくては意味がない。勝つための算段はしてあるから無理せず気楽にやってくれ。かかっているのはたかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利に比べれば大した価値のあるものじゃあない。それではみんな、そろそろ始めるとしようか」

クーデターを企てたルグランジュ提督率いる第11艦隊との対戦となったドーリア星域会戦を前にして、ヤンが艦隊全員に向かって発した言葉。その前のルグランジュ提督の訓令が祖国への献身を唱えていたため、対照的なヤンらしい台詞で印象深いです。

「政治の腐敗とは政治家が賄賂を取ることじゃない。それは政治家個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂を取ってもそれを批判できない状態を政治の腐敗と言うんだ」

エベンス大佐との通信の中で大佐の主張を真正面から切り捨てたヤンの名言。しかしエベンス大佐はクーデターが失敗に終わったのみならず帝国に踊らされていたことが判明してもなお自分の信念を曲げず、一方的に思想をぶちまけこの通信の後に自害しています。

ヤンの魅力4 義理の息子ユリアンとの関係

ヤンを語る上で欠かせないのが、彼の養子にして後継者であるユリアン・ミンツの存在。軍人だった親が早くに亡くなり戦争孤児となったユリアンは、トラバース法(戦災孤児育英法)によってヤンの元へ養子として迎え入れられます。
 
学力や運動神経もよくあらゆる分野で優秀なユリアンは、逆に私生活でだらしないヤンをお世話するような状態でした。また、紅茶を淹れる腕前に関しては達人の域に達しており、大の紅茶好きなヤンを降伏させるほど。これはユリアンの父がヤン以上の紅茶好きであり、ユリアンに茶葉の種類や淹れ方を伝授していたため。作中にもヤンの紅茶エピソードはたくさん出てきており、その中でもユリアンの紅茶は大事なキーワードになっています。
 
日常生活能力は酷くても軍人としての才能は天才的だったヤンに憧れを抱いたユリアンは尊敬するヤンや亡くなった父と同じく軍人となることを決意。何とか違う道を歩ませたいヤンに幾度となく説得されますが、ユリアンの意思は揺らぎませんでした。


誰よりもヤンに心酔しヤンのためにその能力を惜しみなく使っていたユリアンだったので、息絶えたヤンを見つけた時の取り乱し方は辛くて見ていられないほどでした。その後テロリストの残党に斬りかかり相手が絶命してもなおその手を止めず、味方に止められてやっと我に返るなど、ユリアンがヤンを失った怒りと悲しみは計り知れません。
 
ヤン亡き後はその跡を継ぎ、若くして革命軍司令官に就任したユリアン。その後の戦闘においてもヤン譲りの奇策や臨機応変さをもってラインハルトとの戦闘停止を取り付けました。最終的にはヤンが本来なりたかった歴史研究家の道を歩み、後世にヤンの生涯に関する記述を残しています。

ヤンの魅力5 ラインハルトとの最初で最後の会見

バーミリオン星域会戦の停戦後、ようやく会見が叶った両軍の英雄。ラインハルトも言及していますが、両者が初めて指揮官として相対したアスターテ会戦から3年後のことでした。この会見でラインハルトはヤンに帝国元帥の座を用意し同盟軍から引き抜こうとしますが、ヤンはこれを謝絶。「自由の身になった後はどうするのか」と問われ「退役します」と即答するのがヤンらしいです。
 
余談ですがアスターテ会戦の折に電報を送ったラインハルトが「私は卿から返信をもらえなかった」と残念そうに言い、ちょっと微笑むのが可愛いです。また、この会見で帝国側から出された飲み物はコーヒー。しかし、紅茶派のヤンでもわかるほど上質な豆と洗練された技術で淹れられた極上品だったとか。
 
この会見から約1年後に起こった回廊の戦いの後、もう一度顔を合わせる機会を得たヤンとラインハルト。しかし会談に向かう途中でヤンはテロリストの凶弾に倒れ絶命、2人の2度目の会見は叶いませんでした。

ヤンの魅力6 容姿は「見る人によってはイケメン」

ヤンの容姿は公式の見解で「見る人によってはイケメンに見えなくもない」「ごくありきたりのハンサム」とされています。つまりは中の上といったところでしょうか。原作では明記されていませんが、OVA外伝で提示された身分証明書によれば21歳の時点で身長172cm、体重65kg
 
見た目は実年齢より2~3歳ほど若く見え、頭髪はおさまりの悪い黒髪、軍人と言うよりは学者に見えるとのこと。同盟軍の制服は見慣れているのもあってかなかなか様になっていますが、もし帝国側に生まれていたらあのカッチリとした制服は確かに似合わないかもしれないですね。

ヤンがイケメンに!?再アニメ化に期待!


今なお根強い人気を誇る銀河英雄伝説ですが、なんと2018年4月より再アニメ化されることが決定しました!新たなアニメのタイトルは「銀河英雄伝説 Die Neue These(ディノイエテーゼ)」。制作は「攻殻機動隊」「PSYCHO-PASS サイコパス」「進撃の巨人」などでお馴染みの「Production I.G」が担当します。
 
2018年4月からファーストシーズン12話がTV放映され、セカンドシーズンの12話が4話ずつ全3章に構成され2019年に劇場公開が予定されています。放映に先駆け第一弾PVも公開、現代版にデザインが一新されたヤン・ラインハルト・キルヒアイス3名の姿を見ることができます。
今回ヤンの声は鈴村健一(すずむらけんいち)さんが担当。さわやかなお声に加えてかなりイケメンになったルックスで、旧アニメよりちょっと若返った印象を受けますね。新しいヤンはどんな風になるのか今から楽しみです!
 
かつて膨大な登場人物のほとんどが兼役なしで1人1役でキャスティングされ、その時代の男性声優をほぼすべて使い尽くすほどの起用で「銀河声優伝説」との異名もあった銀河英雄伝説。新アニメではそのこだわりは受け継がれるのでしょうか?続報に期待ですね!