【最終兵器彼女】ちせは、ある日突然兵器になった…切なすぎる魅力と最期とは?

いわゆるセカイ系のはしりとも言われる高橋しんの漫画『最終兵器彼女』は、ちせとシュウジの切ないラブストーリーです。人類のために彼女が最終兵器となるSF作品にもなっています。そんな切なくもかわいいヒロインのちせの魅力を紹介する記事です。

【最終兵器彼女】ちせとは?

ちせはある日突然、兵器に改造された彼女

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ちせは『最終兵器彼女』に登場するヒロインです。主人公シュウジの彼女であり、最終兵器に改造されて敵と戦うことになります。が、その実態は北海道に住む素朴な高校3年生の女の子。『最終兵器彼女』の登場人物にはあえて苗字は与えられておらず、ちせも名前だけ明かされています。
成績も中の下と普通で、得意科目が世界史、苦手科目が英語です。子供の頃に病弱だったという過去があり、東京の病院へ通っていることもありました。父親はちせを厳しく育て、母親はちせに似ています。他に弟がいます。
『最終兵器彼女』のタイトルが示す通り、ちせが最終兵器になってしまう物語です。これから楽しい恋愛と甘い学園生活が始まろうとしているふたりの目の前に突きつけられた現実は過酷でした。軍属となり、中尉の階級を与えられたちせは苛烈な戦争に身を投じていくことになります……。

アニメ版の声優は折笠富美子

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アニメ版でちせの声を担当したのは、声優の折笠富美子です。三宅裕司主催の劇団スーパー・エキセントリック・シアターに在籍していた経験もあります。声優デビューは1999年に放映されアニメ『GTO』です。
このときの役は実写版で松嶋菜々子が演じた冬月あずさでした。他の代表キャラに『BLEACH』の朽木ルキアがあります。ゲームでは『幻想水滸伝V』のミアキス役など多くの有名作品に出演しました。
活発な少女からちせのような奥手なキャラクターまで幅広く演じ分ける声優です。
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実写版でちせを演じた女優は前田亜季

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2006年に公開された実写版では女優の前田亜季がちせの役を演じています。姉の前田愛と姉妹で子役として活躍していました。NHK教育テレビで放送していた『天才てれびくん』でのレギュラーメンバー(テレビ戦士)であった経歴を持ち、平成の「ガメラ」シリーズや『学校の怪談2』などにも出演しています。

『最終兵器彼女』はちせとシュウジのラブストーリー

不器用さから始まった切ない恋

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物語はちせの告白から始まります。ちせは気が弱くいつもオドオドしており、その告白も友人の後押しがあってのものでした。そしてその告白は見事に成功。ふたりは恋人同士の関係を始めます。
しかしその始まりも、順風満帆というわけにはいきませんでした。ちせはふたりの距離感をどうしていいかわからずに戸惑います。シュウジもちせのことは、顔がかわいいからという理由で付き合っていました。
そのことにうしろめたさを感じたシュウジはちせにそのことを告白します。そしてふたりは新たにスタートするという意味で交換日記を始めるのでした。始めは不器用な恋でしたが、徐々に距離を狭めていくふたりの成長を見守るのが楽しくもあり……哀しくもあり……。

別れを経験し、成長する想い


そんなふたりの恋もちせが最終兵器に選ばれることで、あえなく終わりを迎えてしまいます。世界が戦争状態に入り、敵を倒すためにちせは最終兵器として出撃。ちせもシュウジや友達を守りたい想いで闘うことを承諾してしまいました。
それは悲劇の始まりでした。兵器と融合したちせが人間の肉体を保つには薬を投与し続ける必要があり、自衛隊は薬を提供する代わりにちせに任務を強いります。殺戮を繰り返すなかで人間の心を失っていくちせはある決断をしました
ちせの決断……それはシュウジとの別れ。シュウジは日常生活を繰り返す中で、戦っているちせに想いを募らせていきます。ちせも任務で殺戮を繰り返す中で、日常の思い出であるシュウジのことを考えます。こうして悲劇的な恋心は強くなっていくのでした。

ついに結ばれたちせとシュウジ


戦地で色々な人間と出会い、兵器に心を蝕まれながらもなんとか人間の部分を保ち続けたちせ。最後にはシュウジへの想いが強くなり、戦うことを止めて彼のもとに戻ります。そしてちせとシュウジの逃亡生活が始まったのでした。
なんとか人間の部分を保とうとするちせは、世界の終わりが確実に近づくなかで、やっとシュウジと生活する道を選ぶことができたのです。そしてふたりは恋人としても肉体的にも結ばれる時がきます。
しかしふたりの幸せの時は長くは続きません。兵器と融合したちせは完全な人間に戻れるわけもなく、兵器としての変化が続いています。着実に悲劇へと向かって行くラブストーリーは胸が締め付けられるほど切ないです。

ちせは不器用さがかわいい女の子


兵器となる恐ろしい運命をもったちせですが、女の子としてはとてもかわいいです。体も小さく、童顔には守ってあげたくなるようなかわいさがあります。性格も気弱でオドオドしており、守ってあげたくなるほどです。
口癖が「ごめんなさい」なのもいじらしく思えます。トロくて行動も遅い一面も持っていますが、それだけに優しいキャラクターです。そんなちせが兵器にされ、人殺しの道具となった自分に戸惑う姿は見ていて同情を誘います

兵器に選ばれた理由はたまたま適性を持っていたから

圧倒的な強さと能力を秘めた最終兵器に…

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ちせが兵器に選ばれたのはたまたま適性を持っていたからです。これは病弱だった幼いころに東京の病院に通っていたのがきっかけで、検査の過程でその適性が見つかっています。そして日本を守る最強の兵器となるのです。
ちせは戦うたびに兵器自体が学習し、強くなります。初陣では戦闘機を撃ち落とすほどです。他にも鉄の扉を空間ごと圧し潰す恐ろしい能力を持っています。また人間としての肉体を保つには薬が必要で、交換条件として任務を与えられていました。

自分を女の子として見てくれるテツとの恋の寄り道


ちせはシュウジと別れ、戦地で任務に集中します。周りからは兵器として精神をすり減らすちせは厄介者でしかありません。そんな中で、テツは唯一ちせを女の子として見てくれました。
普通の女の子としての自分を保ちたいちせは、シュウジに雰囲気が似ているテツに恋がしたいと打ち明けますテツも昔の彼女をちせに重ねて、彼女と同じような服装をちせにさせていました。
しかしちせのシュウジへの想いを知ったテツは肉体関係を結ぶ前にちせの前から姿を消します。その後、ちせはシュウジのもとへと帰るのですが、ちせの精神が兵器寄りになっていく苦しみがわかる重たいエピソードのひとつです。

あまり語られない戦争の理由・原因

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『最終兵器彼女』はちせとシュウジの恋愛に重きを置いているため、戦争についてはそんなに深く触れられていません。ただちせが語るには、世界で核戦争が起き、生き残った人々が唯一の新天地となった日本を狙って攻めてきたとのことです。
相手がどの国なのかも一切語られていません。が、描かれる敵兵は人種がバラバラです。世界は核によって滅び、国も国境もなくなってしまったことが予想されます。絶望的なディストピアはまさに「この星で一番最後のラブストーリー」に相応しい設定です。

人類を滅ぼし、最終形態となって迎えた最後

原作漫画のラストは壮絶で寂しい……。


シュウジと逃亡生活を続けるちせですが、薬なしでは心まで兵器に支配されていきます。その病んだ精神で地球はもうダメだと判断したちせは、その圧倒的な力で人類を滅ぼしてしまいました……そして、シュウジひとりだけが残ります
ひとり残ったシュウジはちせを探し回り、変わり果てたちせの姿を見つけました。ちせは宇宙船の姿になっており、シュウジとふたりで死にゆく地球を離れます。誰もいない孤独な宇宙のなか、シュウジの回想で物語は終わりを告げるのです。
「自分はこのままここで死ぬが、ちせは誰もいない宇宙空間を永遠にさまよい続けるだろう」シュウジはそう締めくくっています。最終兵器となった女の子と最後の恋愛が迎える悲しくて寂しい結末……。

ちせの名セリフ・名シーン3選

「・・・ごめんね、シュウちゃん・・・あたし・・・こんな体に なっちゃった・・・」 

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国籍不明の軍隊に襲われて、シュウジは逃げまどいます。そのさなかにちせはシュウジの目の前に現れます。その姿は腕が武器に変形し、背中からは鋼鉄の翼が生えているというものでした。突然戦争が起こり、彼女が兵器なっているというショッキングなシーンです。

「ありがとう。 あたしを殺してください」

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テツと初めて出会った時のちせのセリフです。テツにとって衝撃的なひとことですが、ちせの苦悩が隠されたひとことでもあります。この時、ちせは理性を失い味方ごと街を消滅させてしまいました。この後も兵器に心を蝕まれていく苦悩を見ることになります

「実を言うと地球はもうだめです。 突然こんなこと言ってごめんね」

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人類を滅ぼすことを覚悟したちせがシュウジに送った手紙です。核戦争で地球が崩壊し、天変地異で人々が苦しみながら死に絶えることを知ったちせ。苦しませずに皆を殺せるのはちせだけでした。
不吉な文面はこれだけ見ると恐怖を喚起しますが、端々にちせの哀しみが垣間見えます。非常に印象的な台詞なので、この部分だけ知っているという方もいるのではないでしょうか……。
そして世界は滅び、シュウジだけが生き残ります。世界の終わりと物語の行く末を暗示した悲しい手紙です。
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ちせは兵器と普通の女の子との狭間で悩む切ないヒロイン

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「この星で一番最後のラブストーリー」を謳った『最終兵器彼女』は、最終兵器になってしまったひとりの女の子が描く地球最後のラブストーリーです。ひとりの女の子でありたいちせが体も心も兵器になっていく過程で悩み抜く姿が描かれています
女の子としてのちせは、ドジでトロく、だけど小さくて優しいかわいい女の子です。兵器としては最強で、街を消滅させてしまう力を持っています。さらに戦うたびに強くなっていくのです。
兵器としては頼もしいのですが、心まで蝕まれていき、ちせの普通の女の子でいたいという気持ちで悩みます。『最終兵器彼女』のちせは心が着実に兵器に蝕まれ、自分ではなくなるという耐え切れない恐怖と戦うか弱い女の子です。