【ソラニン】心に沁み込む名言12選。例えばゆるい幸せがだらっと続いたとして…

主人公である芽衣子と種田、そして彼らをとりまく人々の日常を描いた漫画である『ソラニン』。鬼才・浅野いにおが描く世界観にコアなファンが根付いている傑作です。今回は、そんな漫画版『ソラニン』より、名言・名シーンを私なりに12選しましたので、ご紹介していこうと思います!

実写化もされた名作! 漫画『ソラニン』とは?

芽衣子と種田の日常を描いた作品!

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漫画『ソラニン』は、『ひかりのまち』や『おやすみプンプン』などを手掛けた漫画家である、浅野いにおさんによって手掛けられた短編作品です。
2005年から2006年まで、『週間ヤングサンデー』にて連載され、非常に人気を博しました。単行本は全2巻で、その総売り上げは90万部超えを誇り、2009年には、「漫画界のアカデミー賞」とも称されている「アイズナー賞」の候補にも選出されるなど、海外でも注目を集めた作品です。
物語は、大学で出会った芽衣子と種田のカップルの日常や、恋模様、また周りの人々との人間関係を描いたものとなっています。短編作品ということで、空いた時間に読むことが出来るのも、この作品をオススメしたいポイントです!

実写版は宮崎あおい&高良健吾


原作漫画で人気を博した作品が、その後実写化されると言うのは、言わずと知れた鉄板の流れです。ソラニンもその鉄板の流れに乗ることとなります。
連載終了から4年後の2010年、後に『僕等がいた』『ホットロード』など数々の青春映画の監督を務めることとなる、三木孝浩さんによって実写化されることとなります。この作品で、三木さんは初の長編映画作品の監督を務めることとなりました。
主演を務めたのは、宮崎あおいさん高良健吾さんの実力派のお2人。その他にも、桐谷健太さん、永山絢斗さん、美保純さんら実力派俳優と呼ばれている面々が脇を固めました。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONが曲をカバー!


『ソラニン』と言えば、劇中で宮崎あおいさんがバンドのボーカルとして歌う姿も注目を集めました。実際に題名と同じ「ソラニン」という曲は原作にも登場しており、同曲は、人気バンドASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアンカンフージェネレーション)バージョンで主題歌にもなりました。
一説では、浅野さんが昔付き合っていた彼女の「アジカンの新しいアルバム、ソラニンって言うんだって」(実際は「ソルファ」)との一言により、浅野さんが語感と言葉の意味を気に入り、漫画のタイトルにしたことから、この実装が実現したと言われています。
実際にASIAN KUNG-FU GENERATION版も原作に登場した歌詞を語順は変えていますが、言葉はそのまま使用しています。原作を読んだあとに聞くと、聞こえ方が少し変わってくるかもしれませんね!

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第12位

「どうしていいのかわからなくて体に毒がたまってく」(1巻)


『ソラニン』名言・名シーンランキング第12位は、「どうしていいのかわからなくて体に毒がたまってく」という1巻の芽衣子の発言です。
東京でOLとして働いている芽衣子は、恋人である種田と同棲中の、どこにでもいる普通の社会人ですが、ある日の朝、朝食当番であった種田が仕事の都合で朝帰りすると、そのまま眠りについてしまいます。この発言はそんな種田に対して、嫌悪を抱きながら通勤している最中の芽衣子の心の声になります。
この発言の前の、「でもまだ若いから社会とか大人とかいろいろ不平不満が全然あって。」という発言と組み合わせると考えやすいかもしれません。若いうちって、何かと大人たちの思い通りに動きたくない気分になることが多々ないでしょうか?自分が置かれている現状に対して、問題提起したくなったりもしますよね?そんな青年期に抱える心情を、ストレートに吐露した発言だと思います!

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第11位

「幸せってなんなんだろう?」(2巻)


『ソラニン』名言・名シーンランキング第11位は、「幸せってなんだろう?」という2巻の芽衣子の発言です。
種田の不慮の事故死のあと、大学の同期で以前から口説かれ続けられていた加藤と交際することになった芽衣子。この発言は、その加藤との会話のあとの芽衣子の心の声になります。
この発言のあとに続く、「種田は少しでもそれに近づけていたのかな?」という1文と共に考察してみると、やはり芽衣子は種田のことが忘れられずに加藤と生きずりのまま交際してしまったということに繋がるのではないでしょうか?普通は自分のことを考えてくれる人と交際出来たら幸せなのだと思いますが、そんな現状に納得できていないもどかしさのようなものを感じました!

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第10位

「ソラニンを歌ってみたい」(2巻)


『ソラニン』名言・名シーンランキング第10位は、「ソラニンを歌ってみたい」という2巻の芽衣子の発言です。
亡き種田が夢中になっていた世界を見てみたいという一心で、交際中の加藤友人のビリーと共に、バンド活動を行うことを決心した芽衣子。かくしてバンドを始動させ、順調に練習を重ねていく芽衣子たちに、ある日転機が訪れます。加藤の後輩から、前座として曲を演奏してほしいという依頼が舞い込んできたのです!


しかし、ライブまでの期日が1か月ということもあり、ビリーは難色を示します。この発言は、その後ビリーから問いかけられた芽衣子が発したものになります。
ここまでの物語の展開上、芽衣子はどちらかと言えば自らアクションを起こしていくタイプの人間ではありません。そんな芽衣子が、初めて自らの意思で何かをやってみたい!という決意を表明した、今後の展開にも大きな影響を与えることとなる重要なシーンだと言えるでしょう。更に言うと、芽衣子は音楽のど素人。1か月で完成するかも分からないような状況下での決断です。
しかし、純粋な思いだけで前に突き進むことを決意した芽衣子の姿に、心打たれることも間違いないでしょう!

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第9位

「芽衣子、会社を辞める」(1巻)


『ソラニン』名言・名シーンランキング第9位は、1巻の芽衣子が会社を辞めるシーンです。
会社での業務、いやな上司への対応に嫌気がさした芽衣子は、会社を早退し、種田に「会社を辞めようかな」という旨の発言をします。その後、冗談を装う芽衣子に対し、種田から返ってきた一言は、「辞めちゃいなよ、どーにかなるさ」というものでした。そしてその後に「俺がどーにかするさ」という一言。この種田の発言を契機として、芽衣子はその日付での退職に踏み切りました。
就職と退職は人生の中においても、一大決心と言ってもいい位の重要な決断であると思います。その決断を迅速に遂行させてしまうほどの種田の影響力やいなや。この2人を見ていると、「本当に2人で1人なんだな」という印象を受けました。年を重ねるにつれ、1人で抱え込みがちになるところを、この2人を見ていると、「たまには依存するのもいいな」と思わせてくれる、そんな微笑ましくも羨ましくもなる描写だと思います!

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第8位

「大橋君、芽衣子に告白」(2巻)


『ソラニン』名言・名シーンランキング第8位は、2巻の大橋君が芽衣子に告白するシーンです。
ある日、後輩の大橋君にギターを教えてもらおうと思い、大橋君の元を訪れた芽衣子。そんな芽衣子を前にして、大橋君は自分と音楽の境遇について語り始めます。中学まで、何の目標もなかったという大橋君ですが、初めてギターを握ったとき、世界が開けたと言います。そして、その感じを、ゼロとゼロを合わせて無限であるとも。その後に、「我慢できない」と言い、芽衣子に想いを告げるのでした。
私は、このシーンを初めて読んだ時、「なんて、ピュアボーイなんだ!」という印象しか受けませんでした。もしかしたら、その前の楽器を握って世界が開けた感じと掛けているのかもとも思いました。道を切り開くためには、自らアクションを起こしていかなければならない!という、世界が開ける喜びを知ってしまった大橋君ならではのアプローチにも感じました。とりあえず1つ言えることは、とにかく甘酸っぱい・・・

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第7位

「大人はまあいいやのカタマリだ」(1巻)

『ソラニン』名言・名シーンランキング第7位は、「大人はまあいいやのカタマリだ」という1巻の芽衣子の発言です。
会社で後輩からコピー機の修理を頼まれた芽衣子は、その頼みを引き受けます。そして、後輩と会話をしながら修理を終えた後に、ふと漏れた芽衣子の心の声になります。
その後に、「お腹が出ててもまあいいや」や、「どこかで戦争が起きても、自分が幸せならいいや」といったような、他人事のような例えが並び、芽衣子自身の「この会社は給料がいいからまあいいや」というもので締めくくられています。初めて読んだ時には、確かにこれは自分にも当てはまる部分があるなという印象を受けました。
というのも、大人になるにつれ、理想と現実の線引きというものが如実に表れてくると思います。そういう意味では、「まあ何とかなればいいや」という多くの人が抱えているのではなかろうかという感情の核心を突いた発言だと思いました!

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第6位

「芽衣子と種田の出会い」(2巻)

『ソラニン』名言・名シーンランキング第6位は、2巻の芽衣子と種田の出会いのシーンです。
大学入学後、勧誘を受け軽音サークルの見学に訪れた芽衣子。何気なく訪れたこの見学こそが芽衣子の今後を大きく動かすこととなります。そうです!見学場所に訪れた芽衣子が出会った人物こそが種田なのでした。その後様々な行事を経て、2人の仲は親密に。そして、「サークルを辞めようかな」という芽衣子に対し、「2人でならどうにかやっていけると思うんだ」と返した種田。そして、2人の交際へと繋がっていくのでした。
このシーンは、本当に青春ど真ん中としか言いようがありませんね。若干種田の発言はキザっぽいですが(笑)しかし、こんな青春送ってみたかったなもう一度あの頃に戻ってやり直したいなという感情が沸々と湧き上がってくる名場面であることは言うまでもないでしょう。

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第5位

「芽衣子と種田の父との会話」(2巻)

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『ソラニン』名言・名シーンランキング第5位は、2巻の芽衣子と種田の父が会話するシーンです。
種田の葬儀から数日たったある日、種田の父が種田の荷物を引き取りに芽衣子の元を訪れます。そして、芽衣子と共に食事をしながら種田のことを語り始めます。久しぶりに会った変わり果てた息子の顔を見て、大人の男になってたんだとびっくりしたこと進路のことで大喧嘩したこと音楽を続けるからには最後までやり切れといったことなど・・・
そんな種田の思い出を柔和な笑顔で語る種田の父を見て、芽衣子は「種田と雰囲気が似ているなあ」という印象を受けていました。


そして帰り際、「私と出会わなければ種田はこんなことになっていなかったのかな」という芽衣子に対し、種田の父は「それは違うよ」と一言。そして、芽衣子に「息子のことを忘れないでやってくれ、息子が生きていたということを証明するのがあなたの役割なのかもしれない」と付け加え帰っていくのでした。
あくまで私の予想ですが、生前の種田と種田の父はそんなに深く会話をするような関係ではなかったのかもしれません。種田の前では、昔ながらの頑固親父でいたのかもしれません。しかし種田亡き後、息子の恋人に「どうか忘れないでやってくれ」という一言。これだけで十分なのかもしれませんね。種田の父の人柄がうかがい知れるとともに、作中でも屈指の「泣ける」シーンであることは言うまでもありません!

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第4位

「芽衣子、再就職そして引っ越し」(2巻)


『ソラニン』名言・名シーンランキング第4位は、2巻の芽衣子再就職、そして引っ越しのシーンです。
芽衣子にとって初めてのライブを終えた数日後、芽衣子は種田と一緒に住んでいた家から引っ越すことを決意します。そして、引っ越しと共に、再就職も果たすこととなりました。このシーンは、そんな芽衣子の新たな旅立ちを、仲間たちが祝福しながら引っ越しを手伝うというシーンです。
ビリーからの「辛くなったらまた仕事辞めるんじゃねーの」という問いに対し、「どーにかやるさ」という芽衣子の返しが個人的にはかなり好きです。根本的には変わってないなと思わされながらも、新たな船出をわくわくするとも表現した芽衣子。種田や仲間たちとの出会い、紆余曲折を経て、徐々に人間的にも大きくなってきた芽衣子の姿を垣間見ることが出来る名シーンです。

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第3位

「芽衣子、記念すべき初ライブ」(2巻)


『ソラニン』名言・名シーンランキング第3位は、2巻の芽衣子の初ライブのシーンです。
ライブへの出演依頼が来てから1か月後。遂に芽衣子の記念すべき初ライブの日となりました。当の芽衣子はというと、緊張でがちがちに。そんな芽衣子に加藤が、「チャチャっと格好良くやって、旨い酒で打ち上げしよう!」と声をかけ、「さあ、いこう!」の掛け声と共に、いざステージへと上がります。
ステージに上がり、挨拶を始めた芽衣子。この場所に種田が立っていたんだと再認識させられます。そして、いざ演奏へ。見事初ライブを成功へと導くことが出来たのでした。

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曲を演奏中、芽衣子は心の中で種田に「ソラニンは間違えずに歌えたよ」と語り掛けます。そして、ソラニンを歌っている間の芽衣子は、どこか異世界に飛ばされたような現実を喪失したような、そんな思いに駆り立てられながら歌っている姿が印象的でした。
要は、愛する人が遺してくれた曲を歌いたい!という一心だけでここまでやってきたわけですからね。歌っている間は様々な感情が込み上げてきたことでしょう。このシーンは読み手の感受性によって、様々な色に変化するような、『ソラニン』という作品を象徴する1シーンであると感じます!

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第2位

「種田、失踪そして事故死」(1~2巻)


『ソラニン』名言・名シーンランキング第2位は、1~2巻の種田の失踪、そして事故死のシーンです。
レコード会社から、アイドルのバックバンドとしてデビューしてみないかという話を断った帰り、種田を音楽の道に駆り立てたバンドのメンバーと遭遇します。そこから徐々に元気がなくなっていった種田。そしてある日、芽衣子と暮らす家で、芽衣子にキスをした後出かけたっきり戻ってくることはありませんでした。
種田が失踪して数日後、いきなり種田からの着信が入ります。内容は「ミュージシャンの道を諦めて、再就職する。そして芽衣子と2人で幸せになろう」というものでした。そして、「愛してる」と言いかけて電話を切ります。その後、バイク事故を起こし、帰らぬ人となるのでした

このシーンは、『ソラニン』を語る上では絶対に外せないシーンです。種田が亡くなってしまった後の芽衣子の心情は到底計り知れないほどの虚無感・喪失感でいっぱいだったでしょう。その証拠に、ギターを抱えて自転車を押しながら歩く大橋君に種田の姿を重ねたりしています。
人の死は自分に近しければ近しいほど、中々実感がわきませんよね?それも恋人や愛する人ならなおさらです。きっとこの時の芽衣子の心中は、作中を通して最もどん底だったでしょう。「死んじゃうなんてずるいよ、バカ」という芽衣子の言葉が痛いほどよく沁みる、そんな場面です。

『ソラニン』名言・名シーンランキング 第1位

「芽衣子とビリーとの会話」(2巻)

『ソラニン』名言・名シーンランキング第1位は、2巻の芽衣子とビリーの会話のシーンです。
電話しても出ない芽衣子のもとを訪ねたビリーは芽衣子を外に連れ出します。そして、「種田のことはもう平気か?」と切り出します。それに対し、「平気なわけないじゃん」と返す芽衣子。「でももう悲しんでばかりいられない」と強がりも言います。そんな芽衣子に「強いな」と言い、「でも俺はあいつのことを思い出すと涙が止まらねえんだ」とビリー。そして2人で涙を流すというシーンです。
実はビリー、芽衣子のことが好きなんですよね。好きな女性が喪失感でいっぱいであるところを前にして、「自分が支えてあげたい」と思っても不思議ではありませんが、ビリーにはそれを感じません。裏を返せば、告白できない小心者なのかもしれませんが、それでも、好きな女性の気持ちを汲み取ると共に、種田の代わりにはなれないから友人として芽衣子を支えていこうという思いが垣間見えるビリーが、最高に漢だ!ということで1位にランクインさせて頂きました!

実写のみならず原作もまた良き! 漫画『ソラニン』の世界に浸ろう


いかがでしたか?私なりの、漫画『ソラニン』の名言・名シーン12選でした。
個人的に『ソラニン』は、青年期に多くの人が抱えるような葛藤悩み周囲の人との関わりを通して描かれる人間模様など、どこか現実を生きている我々にもそう遠くないような、親近感を持つことが出来る作品だと思います!
『ソラニン』と言えば、どちらかと言うと実写版の方がピックアップされがちですが、個人的には原作版も、また実写版とは違った良さがあると思っています。1度読めば、『ソラニン』の世界に浸れること間違いなし!実写版は見たけど、原作は読んだことがないという方には、是非1度手に取っていただきたい作品です。