【幽遊白書】仙水はなぜ闇に堕ちたのか…元霊界探偵の悲しき秘密に迫る

今でも根強いファンに支えられる大ヒット漫画『幽遊白書』!その中の作品後半に登場する最強の敵、「仙水忍(せんすい しのぶ)」という人物についてご紹介いたします。それまでに作品内で登場してきたボスキャラたちとはひと味違う仙水。その強さや彼の目的、そして仙水の秘密にまで言及していきます!

『幽遊白書』仙水忍とは?

パーフェクトな元霊界探偵!それゆえにもろく…。

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「仙水忍」とは、『幽遊白書』「魔界の扉編」仙水編とも呼ばれる。)に登場する最後の敵、つまりラスボスです。誕生日は6月6日、物語の進行時点で26歳。背が高く、スラッとしたスタイルきちんとまとめた黒髪切れ長の瞳の美男子です。

元霊界探偵(2代目)で、小さな頃から霊力が高いせいで妖怪に幾度と命を狙われていました。そんな境遇のため、妖怪は「完全悪」というのが仙水の認識であり、人間を守る霊界探偵という仕事にも生真面目に取り組んでいたのです。

…が、ある事件をきっかけに仙水の感情は180°変化してしまうことに!もともとがパーフェクトな存在であっただけに、堕ちる時は一直線…圧倒的な強さを誇りながらも人間らしい弱さを持った仙水。今でもファンに愛されるキャラクターなのです。

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アニメ版の声優は大ベテラン・納谷六朗と石田彰が担当

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アニメ版での仙水の声を演じるのは、大ベテラン声優の「納谷六朗(なや ろくろう)」さん。そして学生時代の仙水を演じるのは「石田彰(いしだ あきら)」さんです。

納谷さんはすでに故人の大ベテラン。「ルパン三世」シリーズの「銭形警部(ぜにがたけいぶ)」や、「聖闘士星矢(せいんとせいや)」の水瓶座の「カミュ」など、多くの魅力溢れるキャラクターを演じられてきました。仙水というクールで渋いキャラクターにはピッタリ合いますね!アニメ版、非常にかっこよかったです!

そして回想の中で登場する若い仙水を演じるのは石田さん。同じくベテラン声優さんです。独特の少女のような声を持つ石田さんは、特にミステリアスな役を演じられることも多く、やはり仙水にピッタリ!代表作としては「新世紀エヴァンゲリオン」の「渚カヲル(なぎさ かおる)」が有名ですね。

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【ネタバレ注意】『幽遊白書』仙水編のあらすじ紹介

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仙水が登場するのは物語の後半、act113から153の「魔界の扉編」です。暗黒武術会も無事終了し、平和な日常に戻った「浦飯幽助(うらめし ゆうすけ)」(本作の主人公)たち。そこに再び不思議な事件が…。

「蟲寄市(むしよりし)」特殊能力を持つ人間が次々に出現し、現霊界探偵である幽助に調査の要請がきました。原因は魔界と人間界をつなぐ境界トンネルが開こうとしていること。そのトンネルのせいで能力者たちが生まれているのです。

魔界へのトンネルを開こうとしているのが、何を隠そうこの仙水。仙水は魔界への扉を開き、人間たちを全員皆殺しにしようと企んでいるのです。当然幽助たちは阻止すべく仙水と戦うことに…。しかし仙水は強く、幽助たちはボロボロ。そしてなんと、幽助、殺されてしまうのです!!主人公が殺されてどうする!!!連載終了か!?

…と、まあそんなことはなく、幽助は無事生き返るんですね。(そういえば幽助、連載開始からいきなり死んでいましたっけ。よく死にますね。)実は幽助は魔族の子孫であり、このたび魔族として覚醒を果たしたのです。

「魔族大隔世」によって復活した幽助によって、あの圧倒的な強さを見せつけていた仙水が簡単にねじ伏せられてしまいます。幽助は無事仙水を倒し、魔界の穴もふさぐことができたのでした。

仙水の闇落ち。過去には何が!?


もともと霊界探偵として非常に優秀だった仙水。正義感の強かった彼が、いったいなぜ人間たちを滅ぼそうと考えるようになってしまったのでしょうか?仙水の過去に何があったのか!?

ある日仙水は霊界探偵の調査中、見てはならない光景を目の当たりにしてしまうのです。仙水の信じていた「人間=善、妖怪=悪」という認識とは正反対、人間が妖怪をいいようにもてあそぶ光景が…。仙水は発狂せんばかりに叫び、その場にいた人間全員を殺してしまいます。

仙水はその後霊界探偵を辞め、人間のありとあらゆる汚い部分を集めた「黒の章」という極秘のビデオテープを盗んで行方をくらまします。そして今まで守るべき存在だと信じてやまなかった人間たちを、今度は皆殺しにしようという考えに落ち着いたのでした。

その強さ、圧倒的……仙水の能力を徹底分析!

飛影・蔵馬・桑原を圧倒!仙水の戦闘能力

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今まで戦ってきたキャラとは違い、(例えば暗黒武術会編戸愚呂兄弟のような)パワーによる圧倒だけではなく、スマートな戦い方を見せる仙水。戦闘能力は、妖怪の中でも最も強いと言われるS級妖怪と同程度でした。

仙水が1度幽助にとどめをさし、魔界の穴が開いた後、飛影(ひえい)・蔵馬(くらま)・桑原(くわばら)の3人で戦うことになりますが圧勝。桁外れな強さを見せつけられます。

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仙水の必殺技①「裂蹴拳」

仙水の戦い方はスタイリッシュ!上半身は相手の攻撃をかわす防御の役目をしつつ、その後下半身の足技攻撃にて相手を打ち負かす「裂蹴拳」という格闘技を用います。あらゆる肉弾系格闘技を極めたものでないと体得は難しい、史上最強といわれる足技主体の格闘技です。

さらに「裂蹴拳」に霊気も合わせた「霊光裂蹴拳」では、自らの霊気を技の中に組み込んで攻撃をすることに。霊気の容量が非常に高く幽助の約10倍はあるため、霊気を惜しみなく使える攻撃スタイルは圧巻です。

必殺技としては「裂蹴紅球波」、「裂蹴紫炎弾」の2種類があります。「裂蹴紅球波」はボール状の霊気を蹴って相手に攻撃をする技です。ちなみに、いったん足から放たれた後も、霊気の動きはコントロールできるのでとてもやっかいです。

「裂蹴紫炎弾」は蹴りだす霊気をもっと細かく、数を多くした強化バージョン。1つ1つの霊気の威力は少なくなるものの、多方向から攻撃をしかけることができます。大人数を相手にする時に重宝しますね。

仙水の必殺技②「気硬銃」

仙水の右腕に仕込まれている銃のカタチをした武器。弾に該当するのは自分の霊気であるが、銃という明確な形を持っているのがなかなか面白いですよね。ちなみに右手は義手で取り外しが可能な状態となっています。作中では咄嗟に使用しなければならなかったため、取り外しなんて悠長なことはしていませんでしたが…。

仙水の必殺技③「聖光気」


「聖光気」とは人間が会得できる究極の闘気です。幽助の師匠である「幻海(げんかい)」でも会得できなかった技であり、恐ろしいほどのパワー。聖光気を上手く利用することで「気鋼闘衣」という防具のような形にすることも可能です。単に身体を守るだけでなく、攻撃主体の形へと変形もできます。パンチの威力だけで攻撃をする「裂破風陣拳」も見られますよ。

7人の仙水!?多重人格による精神の救済。


ところで、仙水の中にはなんと7人もの人格が存在するのです!それぞれの人格に決まった役割があり、中には女性の人格もいるんですよ。生まれついてのものではなく、仙水が闇堕ちしてから現れたもの。この多重人格は、仙水が自身の精神を支える上で作り出していったものでした。

まずは元の人格である「忍」。幽助たちとの戦いの最後でようやく姿をあらわします。長いこと人前には姿をだしていなかったようです。普段よく出ていた人格が「ミノル」。もとの人格である「忍」に1番近い人格だったようで、作中ではほとんどミノルが活躍していたようですね。

他にも「カズヤ」凶暴な戦闘狂武器商人だという「ジョージ」。そして「ナル」という人格が女性で、泣き虫。樹の前にしか姿を見せないそうです。「マコト」「ヒトシ」という人格もいて、それぞれ家事を担当したり、自分の飼育する動植物の世話をしたりしているとか。

作中で実際に登場したのは「忍」「ミノル」「カズヤ」だけでしたが、仙水の繊細な性格を考えると他の人格が形成されるのも頷けますね。個人的には他の人格の仙水も、ぜひ見てみたかったです…。

歪んでいるがかっこいい!『幽遊白書』仙水の名言4選!

そんな歪みつつもかっこいい仙水の名言を勝手に選抜!あくまでも個人的な好みによりますのであしからず…。ここで選んだものの他には、「ミノル」のやたら長ーい理屈っぽいセリフが楽しかったですねー。

「ここに人間はいなかった。1人もな。」

仙水の闇堕ちの瞬間です!醜悪な人間たちの姿を目の当たりにし、その場の人間全員を殺してからのひとことでした。

「皆殺しだ皆殺しだ皆殺しだ!」


まだ幽助たちが黒幕の存在を探していた時、人の心の声を聞きとる能力者によってくみ取られた仙水の声。このシーンはかなりインパクトがありました。

「俺は、花も木も虫も動物も好きなんだよ。嫌いなのは・・・人間だけだ」

何というか、仙水は潔癖ですよね。仙水の純粋さがあらわれた一言。人間の残虐性と自身が信じていたものへの失望……そういったものが一気に仙水を押しつぶしてしまったのでしょうか。残ったのは人間以外への慈しみ……。

「魔界へ来てみたかったんだ。本当にそれだけだったんだよ」

仙水最後の時のセリフです。詳しくは次の章で…。

仙水の目的とは…?

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「魔族大隔世」を遂げた幽助に倒された仙水。実は仙水の身体は病に侵され、余命いくばくもなかったのです。そんな仙水の本当の目的とは「ただ魔界に来てみたかった」ということ。自分の命が残りわずかと知り、その願いを叶えるべく行動に移したのでした。

「人間を皆殺しにする」というサイコキラー的な考えを持ったキャラクターかと思いきや、目的はいたってシンプル。憧れの「魔界」に来てみたかっただけだったのです。境界トンネルの開通は、魔界への手土産程度のものだったとか。(ちょっとどころじゃありませんが…)

仙水の願いとしては原作版とアニメ版で少々違っています。原作では、次に生まれる時は魔界で、という魔族への転生の願いを。対してアニメ版では、自分より強い妖怪に殺されることが夢だったようです。

最後は病に倒れ、相棒の樹と消える…

病に身体を蝕まれ、最後の時を自分の願いを叶えるべく精一杯駆け抜けた仙水。やっていることはとんでもないのですが、その純粋さに憎めない気持ちになってしまいます。そんな仙水、命の尽きた後は、樹と共に亜空間へと消えていきます

樹とは霊界探偵時代に知り合い、その後パートナーに。「仙水を見て生きて帰れた魔物はいない」と言われるほどであったにも関わらず、樹は殺されることはありませんでした。当初は樹も仙水のターゲットだったのですが、死ぬ間際に樹が人間臭いセリフを口にしたことで仙水の気持ちが変化したようです。(ちなみに翌日テレビで放映の音楽番組が視たかったようですよ。)

樹の存在は、今まで「悪」だと認識していた妖怪にもいろいろな奴がいるんだ、ということで仙水にとってはカルチャーショックだったようです。樹と雑談した後の仙水の表情はかなり子供っぽい顔をしていますね。

樹にとっての仙水は何とも複雑な、屈折した愛情の対象だったようです。樹は仙水が人間の汚い部分を知り、堕ちていくのをただ見ていたかった、と語っています。はたから見ると歪んでいますが、それでも仙水の1番の理解者だったことは間違いないでしょう。

「死んでも霊界には行きたくない」という仙水の遺言通り、樹は仙水を連れて消えます。2人がその後どうなったのかは全く分かりません。

強さゆえの弱さ。人を惹きつけてやまない仙水!


いかがでしたか?仙水忍はかなり強烈なキャラクターです。ただ強いだけではない、強いからこそ持たねばならない、精神の弱さがありました。本人は人間のことを憎悪していましたが、仙水自身が非常に人間らしい存在でしたね。

クールで知的な印象も相まって、人を惹きつけるカリスマ性を持った仙水。敵であるにも関わらず、『幽遊白書』の中でも人気が衰えないキャラクターの1人です。仙水編は作者である富樫義博(とがし よしひろ)氏の後の作品『HUNTER×HUNTER』にも通じるものがあります。未読の方はぜひ1度読んでみてほしいですね!