【ピンポン】孤独な天才・スマイルの全て!笑わない最強選手の戦いを振り返る!

松本大洋の傑作漫画『ピンポン』のもう一人の主人公であるスマイルは、才能に努力を重ね最強の選手となりました。今回は、そんなスマイルの戦いを振り返りスマイルの魅力に迫ってみたいと思います!

『ピンポン』に登場する孤高の天才スマイルとは?

眼鏡がトレードマークのカットマン

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スマイルは漫画、およびそれを原作とした映画、アニメ『ピンポン』に登場するもう一人の主人公です。スマイルはあだ名で本名は月本誠、スマイルというあだ名はたまに見せる笑顔が結構かわいいということから親友であるペコによって付けられました。
スマイルの使用ラケットは右のシェーク、回転のかけやすい両面裏で、戦型はカット主戦型、守備的で耐え忍ぶ戦い方をします。親友であるペコの前陣速攻の攻めるスタイルとは対象的な戦い方です。
基本的に無口で無表情に卓球をするため、周りからはロボットというあだ名も付けられています。人付き合いを自分から避けているところがあり、いつも一人で鼻歌を歌いながらルービック(アニメ版では携帯ゲーム機)で遊ぶ孤高の選手です。

アニメ版の声優は内山昂輝、映画版ではARATA(現・井浦新)が熱演!

アニメは人気声優内山昂輝が担当


『ピンポン』はアニメ・実写映画化されているのですが、そのどちらも人気や評価の高い作品として知られています。ペコを演じているのは、アニメ版では内山昂輝、映画版ではARATA(現・井浦新)が担当しています。
スマイルを演じた内山昂輝は、1990年埼玉出身声優の声優で、幼い頃に劇団ひまわりに入り、子役としてテレビドラマなどにも出演していたそうです。また声優としても海外映画の吹き替えで少年役などを演じていたのですが、2005年に演じた『キングダム ハーツII』のロクサス役が評判となり、声優の仕事が増えていきました。
『ピンポン』のスマイル役以外の出演については、初主演作『ソウル・イーター』ソウル役、『IS 〈インフィニット・ストラトス〉』織斑一夏役、『ハイキュー!!』月島蛍役、『ユーリ!!! on ICE』ユーリ・プリセツキー役など、数々の人気作品でメインキャラクターの声を務めている人気声優です。
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『ピンポン』のスマイル役で有名になったARATA(現・井浦新)

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映画版でスマイルを演じたのはARATA(現・井浦新)さんです。井浦新さんは1974年東京出身の俳優で、俳優業と並行してファッションモデルとしても活躍しており、数々のファッション誌の表紙を飾った他、1990年代の後半にはパリコレや東京コレクションなど様々なファッションショーでトップモデルとして出演しました。
また、1998年には独自ブランド「REVOLVER」を立ち上げ、2007年にブランド名を「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」に改名してから本格的にファッションデザイナーとして活動を行っています。俳優業としては1999年に初主演でデビューし、2002年に演じた『ピンポン』のスマイル役が話題となり知名度を上げました。
2012年には、自身が主演を務める映画『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』のエンドロールにアルファベットの名前が出るのは好ましくないとして、芸名を本名の井浦新に変更しました。現在も映画やテレビドラマを中心に俳優業を続けており、第一線で活躍を続けている名俳優です。

才能が覚醒するもチャイナとの試合で情に流されるスマイル

ペコ相手にも無意識に手加減をしていたスマイル


ストーリーの始め、スマイルはあまり卓球に対して乗り気ではなく、「卓球なんて、死ぬまでの暇つぶしだよ」などの発言をしています。また、自分の才能に甘えて努力を怠っていたペコに対しても、自分のヒーローを傷つけないようにと無意識に手加減をしてしまっていました。
しかしその後恩師となる小泉先生にその才能を見出されペコに対して「僕、先に行くよ、ペコ。」と宣言し、スマイルは卓球の特訓を受けるようになります。しかし卓球の腕がどんどん向上していく一方で、それでも「卓球に人生をかけるなんて気味が悪い」など卓球に否定的な気持ちを持っていました。

試合に対して甘さが出てしまうスマイル


その後インターハイ予選に出場したスマイルは、チャイナこと孔文革(コン・ウェンガ)と対戦しました。始めはチャイナに対して優位に戦っていたスマイルでしたが、途中でチャイナがコーチに中国語で喝を入れられているのを聞き、勿論その内容を理解できていたわけではないのですが、手加減をしてチャイナに敗れてしまいました。
スマイルは「プレーする事で何かを犠牲にしたり、勝つために誰かを引きずりおろしたりしたくないんだ。」とも話しており、事実チャイナはインターハイで結果を出さなければ母国での選手としての道が断たれてしまうという立場であったため、ここでもスマイルの試合に対する甘さが出てしまいました。
この試合内容に対してスマイルはコーチの小泉先生に「あの手の試合は関わる人間、みんな苦しむことになるんだよ。二度とするな!」と叱責されてしまいます。実際チャイナはその後最強の実力者ドラゴンと対戦して敗北してしまいました。

最強の実力者ドラゴンからの勧誘とスマイルの失踪


インターハイ予選の後、スマイルはインターハイ予選で優勝、その後インターハイ本選でも優勝した(アニメ版ではオリンピックユースでも優勝)ドラゴンから自身の学校である強豪校海王学園に勧誘を受けました。勿論スマイルはこれ華麗にスルーしましたがこれに海王学園の生徒であるアクマが納得できず二人は試合をすることに。
しかしここでスマイルはアクマに対する情を捨てたったの15分で完膚無きまでに叩きのめしてしまいました。打ちのめされたアクマはその帰り道で傷害事件を起こして2週間の停学処分となり卓球部を退部してしまいました。
同時にペコが卓球部をやめてしまい、スマイルはますます部内で孤立、更に恩師である小泉が海王学園の引き抜きの件をスマイルに自由にしていいと言ったことからスマイルは突然失踪をしてしまいます。しかし、その後小泉先生から選手時代の後悔などを聞き、二人はより一層絆を深めたのでした。

ヒーロー・ペコの帰還に最後は笑顔を見せたスマイル!

かっこいいペコの姿に目からは涙が・・・


一方ペコはアクマに再起を促され、オババの元でインターハイ予選のための特訓を始めました。そしてインターハイ予選当日、順調に勝ち上がったスマイルは、準決勝で見事にドラゴンを破ったペコと決勝で戦いました。
スマイルは激しい戦いの中で、子供の頃にいじめから救い出してくれた、今までずっと待ちわびていたヒーローの復活を感じました。自分と戦うかっこいいペコの姿にスマイルは作中で初めて笑顔を見せ、感情をむき出しにして涙を流しながらペコと死闘を繰り広げました。
結果としてスマイルは決勝で敗れ、予選2位という結果に終わってしまいましたが、写真に写っていたその姿は子供のころと変わらない可愛らしい笑顔をした少年そのものでした。
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プロにはならずタムラの卓球コーチに就任

スマイルはその後教師を目指すことに


インターハイ予選決勝から5年後、ペコがドイツと思われる国の一部リーグでプロ選手として活躍している一方で、スマイルはプロには転向せず小学校の教師を目指していると作中で語られています。
また、教師を目指す一方でオババの経営する「タムラ卓球場」で子供たちに卓球を教えるコーチとして就任しており、高校時代の無表情が嘘のように楽しげに子供たちと戯れていました。その言葉の端々からは恩師である小泉先生の口調やペコのしゃべり方がにじみ出ていて、二人の影響が彼を変えたことがよく分かる演出となっています。
また、ドラゴンも同様にプロ選手として活躍していること(アニメ版ではチャイナも選手として活躍)が語られており、スマイルと穏やかに語らっている姿も描かれました。

スマイルこそ『ピンポン』の真の主人公!


『ピンポン』はペコがヒーローとして復活し、スマイルやその他の卓球をしている選手たちを救う物語ではありますが、その一方でスマイルが人間として成長していく人間ドラマとしての側面も持ち合わせています。
スマイルはとても優しい性格を持つが故に卓球と向き合うことができずにいましたが、小泉先生との出会いによって悩み、迷いながらもペコよりも先の道を行き、道しるべとなることでペコをヒーローとして復活させました。ペコとの決勝で見せた、スマイルの笑顔や涙に心を打たれた人も多いのではないでしょうか?
スマイルは卓球界の前線からは退いてしまいましたが、その顔は実に穏やかなものであり、それこそがスマイルが最も望んだ結末だったことが分かります。その穏やかに笑う姿は、『ピンポン』の真の主人公にこそふさわしいものなのではないでしょうか。
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