【エンジェル伝説】爆笑と感動の名言・名シーン20選!最恐の顔を持つ心優しき少年の苦労の記録…!

『クレイモア』などハードな世界観を持つ漫画家・八木教広による『エンジェル伝説』。その主人公、最強にして最強の大番長・北野誠一郎……。彼が碧空高校に転校してくると、周囲の高校の不良たちまで倒しまう。しかし、実は北野くんは不良では無く至って真面目な生徒だった。どのようにして北野くんは番長まで上り詰めたのか?不良マンガの歴史に残る善良な番長と、勘違いから恐怖に慄く周囲が巻き起こすパニックを描いたツッパリギャグマンガの傑作を名場面と共に振り返る。

目次

碧空町に舞堕ちた天使の様な悪魔が町を恐怖に陥れる

エンジェル伝説とは


1993年から2000年まで月間少年ジャンプに連載されていた八木教広によるハートフルヤンキーコメディマンガ『エンジェル伝説』天使の心と悪魔の顔面を持つ少年・北野誠一郎と、その仲間たちや、学校、更に親までも巻き込んで引き起こされる碧空町の一風変わった日常を描く。全15巻が発行され、序盤の一部はOVAにもなった。
連載初期はデフォルトされたギャグ色の強い絵柄だったが、途中よりリアル寄りになっていく。それに伴い内容も単なるドタバタコメディから北野くんを含めた仲間たちに成長の話が増えていき、ただ面白だけではなく、胸を熱くする青春群像劇となっていく。

あらすじ


某県立・碧空高校に悪魔の如き恐ろしい顔を持つ少年・北野誠一郎が転校して来た。転校初日から番長グループを壊滅させ、校長からの刺客や、近隣の不良と激突して学校内外を恐怖に陥れていく。しかしその強面と裏腹に彼は天使の様な純真な心を持っていた。
北野くんが起こす行動が、周囲では「不良としての所業」とされ、「完全に隠ぺいしている」などと扱われるなど、誤解が誤解を呼び本人の意思とは無関係に最強の不良として様々な「伝説」を作り出すも、本人にその意思は無く、偶然の産物であり、すべてが勘違いで事が進んで行く。
そんな中、徐々に理解者も増え、少々誤解はあるがクラスに溶け込んていく。本人は不良のつもりも、恐れられていることも意識が無いため引き起こされる、そんなドタバタスクールライフを彩る名シーンを振り返ってみよう。

伝説の名場面・第20位「そんな顔していいと思ってるんですか」菱田春華

「生まれつきなんですけど」北野誠一郎


北野くんの顔を「被り物」や、「反社会的な顔」などと言ってきた特別生活指導員・菱田春華が発した一言。北野くんが今一度説明しても「テンドン」扱いし、「冗談も重ねると“嘘”になる」と言い返してくる。失神しかけながら話す中、怖さを中和する策として髪を下ろそうと、“うっかり”花瓶の水を北野くんの顔面にぶちまけ、振り返るとそこには「怒髪天を衝く」北野くんの姿が・・・。
この頃になると、理解者も増えて結構落ち着いてもいた時期で、なおかつここまではっきり「最強フェイス」に言及したのも珍しいお話。さすがの北野くんも少しショックを受けていたのが印象的。寝癖大爆発はどこかでも・・・?

伝説の名場面・第19位「やっぱ強ぇじゃねーか俺」荻須高志

「碧空のナンバー8荻須高志 暴れてやるぜー」荻須高志


碧空に転校するまで、負け知らずで通してきた荻須。しかし、この町に来て以来、ただの一度も勝つことができずにいた。そんな中で、飛騨高のヤンキーが数にモノを言わせ攻めてきた際、彼の本当の実力は発揮される。
この時点ですっかりやられ役が板についてきた荻須だが、ザコ相手を蹴散らしながら思わず自問自答するように語ったのがこのセリフである。しかし、改めて周りを見ると自分以上に活躍する面々。それを見て、自分の強さも確認し、弱さも受け入れ、「碧空のナンバー8」を自称することとなる。実際は5番手くらいはあるはずだが、本人は気付いていないのがまた悲しい(涙)

伝説の名場面・第18位「竹ぼうきなんかでいったいどうする気なんスか?」黒田清吉

「ゴミ掃除に・・・竹ぼうきはつきものじゃないか」北野誠一郎


黒田番長の提案で近所の公園の不良を倒す“ゴミ掃除”をすることとなった北野ファミリー。しかし、北野くん一人本当の“ゴミ掃除”と思い込んでおり、掃除の為にホウキを要求した際の一コマ。竹久くん曰く「自然で目立たない格好のエモノ」として、ホウキを武器に立ち回りしっかりと不良を駆除していく。
ホウキを持った北野くんにも敵が襲い掛かるも、顔の怖さのみで撃退し、大量の死t・・不良がそっと寝かされている状態になっていく。北野くんの最凶フェイスと何気ない一言を竹久くんがを不良モードで受け取るなど、基本フォーマットの様なお話だったりする。

伝説の名場面・第17位「この道を通りたきゃこの俺を倒してからいきな!」荻須高志

「そーか俺にケンカ売ってたのか 悪ィ悪ィ気付かなかったよ」竹久優二


碧空に引っ越してきた荻須だが、いきなり白雲の小島にやられ黒田には言いくるめられ、派手な赤頭を「実力がない奴ほど派手にする」となじられ、たまたま次に会ったのが金髪ツンツンヘアの竹久くんだった。ケンカを売るもまるで相手にされる気配もなく、思わず飛び出た一言がコレ。
竹久くんも「格闘マンガの敵キャラか」とツッコミを入れるも、なんだかんだでようやく理解してくれる。その後一方的にやられ、更には良子からハイキックかまされ、荻須の転落人生が始まっていく。とてもテンポが良く、「いち、にの、さん」みたいに順当に主要キャラに負けていくのはとても小気味よさまで感じるほどである。でもいくらなんでも突飛な一言でもあるなぁ(笑)

伝説の名場面・第16位「私があなたに教えてあげるのよ 負けるという事をね・・・」小磯良子

「私は負けることが怖かった 負けることに恐怖したんだ」白滝幾奶


北野くんの更生のため父親と共にやってきた幾奶だが、北野くんの顔に恐怖を覚える。それを払拭するため暴徒と化すも、かつての自分に重ね合わせた良子が、北野くんに代わって戦うことになる。格闘シーンが多めの回で、結構シリアスモードで進んでいく。幾奶は戦闘マシンのように育てられていたようだが、この一件で良子と親友になり、北野くんとの三角関係が出来上がっていく。
幾奶もだが、良子も両ヒロインの成長の回。良子は北野くんだけではなく幾奶を助けようと思ったのだし、このあと「お父さんも倒そう」はその気持ちの表れだろう。本当の強さを考えさせられるお話だと思う。

伝説の名場面・番外編1・玲雄・ハルフォードの告白

出典:https://www.amazon.co.jp

悪魔に憑りつかれた少年・玲雄は目の前に現れた天使・幾奶に「北野誠一郎という悪魔を倒して」と頼むも「友達かな」と言われる。結局悪魔祓いを請け負い、望みを叶えるが、それは「綺麗なのに言動がもったいない」など言う玲雄に人は見かけでは無いという事をわからせるための一芝居だった。
苦しむ幾奶を見て、それに気づいた玲雄は、泣きながら謝罪をする。北野くんに幾奶を嫌わないで、と頼むも、「いつものこと」と笑われる。二人の強さを知った玲雄は敵わないと分かりながら強くなることを決意する。たとえ本当の悪魔相手でも負けないくらい。
多分一目惚れで、初恋だったのかもしれない。同時に失恋も味わったかもしれない。でも少年が少し大人になる物語で、誤解から理解へと変わる「エンジェル伝説」を凝縮したようなエピソードだと思う。

伝説の名場面・第15位「こい・・・今こそ悪魔を地獄に送り返してくれる」小磯平三

「やっぱり武術の道って厳しい物もんなんだな」北野誠一郎


荻須に頼まれ小磯流古武術の道場にやってきた北野くん。そこには当然父親の小磯平三がおり、更に平三は北野くんを倒すためにわざわざ呼び寄せた次第である。娘が悪魔に魅入られていると勘違いする平三は娘を奥義で失神させてまで北野くんを倒そうとするも、本人はどこ吹く風。
校長に匹敵するくらいの敵対心は娘を守らんとする親の愛であり、父子家庭なので尚更だろうけど、親父のふりキレがヤバいレベルになっていて、常軌を逸するほどである。古武術なのにラリアットなんかでるし。結局空回りの末良子との連携で倒されてしまう平三があわれ(笑)

伝説の名場面・第14位「やることなすことがさつで・・・ほんとどうしょうもないよね」小磯良子

「僕良子ちゃんといると元気になれるんだ」北野誠一郎


黒田番長らが道場に稽古に来ているときに、北野くんと良子はデートをしていた。途中で良子が男に絡まれ、ぶっ飛ばしていると、転んで足を痛めてしまう。それは北野くんが助けたのだが、折角のデートにケンカばかりの自分を自嘲する一言。
このときに良子の三つ編みが解け、母親との思い出を語る場面があり、「がさつ」な面が多く取り上げられる良子の珍しくしおらしい一面が垣間見えた貴重なシーン。確かに相変わらず好戦的で黒田番長は蹴られ続けているからな・・・。

伝説の名場面・第13位「助けようとしているように見えるのか?」白滝幾奶

「やっぱり幾奶さんは僕の天使だったんですね」玲雄・ハルフォード


幾奶は父親に戦闘マシンのように育てられてきた。任務として戦い、「負け」は許されなかった。しかし、お人好しな北野くんたちとの触れ合いで、無意識に「おせっかい」をするようになっていた。玲雄が不良に絡まれているのを見て「手が滑った」と裏拳で撃退。「助けるのか?」と問われると逆に「そうなのかな?」と訊く始末。
玲雄の頼みで北野くんと戦うのもそうだが、人との触れ合いがなかった幾奶が「人間」になっていく過程なんだと思う。幾奶自身気付かないけど、吹っ切れて感情が出てくるようになったんだろう。なんとなく、このときのドギマギな幾奶がとても萌えて、かわいかったりもするのだ。

伝説の名場面・第12位「何十発も殴ったり蹴ったりしてるのに何故立ってられるんだ」白滝元

「僕が負けるわけにはいかないんだ」北野誠一郎


碧空高校で暴漢騒ぎが起こる。原因は幾奶だが、それを知らない北野くんは幾奶を心配して追いかけ、人気のない場所へと進む。そこで彼を指導にきた元とぶつかることとなる。この時北野くんの特技である受け流しが封じられるなど圧倒的にピンチになるも、元を暴漢と勘違いした北野くんがみんなを守るため自らの意思で敵を倒す珍しいシーン。
格闘家として北野くんの特技を見抜き、効果的に攻撃を仕掛け、一番ダメージを与えた相手ではある。しかし、結局いつものようにたまたまが重なりイーブンになっていく。そしてこの親父を倒すことにより幾奶の呪縛が解けていくきっかけになったのだろう。

伝説の名場面・第11位「そんなところでしゃがんでないで・・・ 俺尊敬してるんスから」竹久優二

「だれだおまえーっ なんのつもりだー」入江


校長の呼び寄せた第一の刺客入江教諭。様子見に教室に向かうと北野くんは席を外しており、竹久くんと取りちがえる。そこに戻った北野くんに竹久くんが言った一言を自分に向けてと勘違い。意気揚々と「北野」を呼び出すも、現れたのはさっきの「北野」よりも凶悪で・・・。
この日は北野くんポマードが足りず気合で髪を抑えていた。って気合で寝癖って落ち着くのか?ともかく呼び出された時点で「口を開いただけで爆発しそう」な状態で、黙って立て居ると殴られてそのはずみで大爆発。これだ!「テンドン」の一発目だ!春華先生が言ってたのはこれだったんだ!

伝説の名場面・番外編2・白滝幾奶の告白


幾奶はいままで転校を繰り返してきた。一所に留まることは少なく、来ている制服も二つ前の学校の物らしい。そんな中で、碧空は幾奶曰く珍しく自分を受け入れてくれるらしい。なんだかんだですっかり仲間として溶け込んだ幾奶は父にも「ここに居たい」と話し、北野くんの停学問題でも駆け回る。
「誠一郎と良子が上手くいけばいいと思っている」と告白をする、初めは恐れた北野くんの顔面についても、玲雄に対し「愛らしい」としたり、写真家の鏑木清美の「凶行」写真も「凛々しい」とする中、身を引くのかと思いきや「そして2人が愛人として囲ってくれれば」なんて言い出した。
多分2人のことが好きで、2人の関係も好きなんだろうと思う。でもやっぱり北野くんへの思いは特別で、間を取った幾奶らしい発想なのかもしれない。

伝説の名場面・第10位「ごおおおお!」北野龍一郎

「きええええ!」北野誠一郎


ある日の早朝、北野くんがジョギングをしていると、不審者と勘違いされ殴られてしまう。鼻血を出し血まみれで倒れていると、いつしか登校時間となり、学生が溢れてくる。そこで目を覚ます北野くんだが、その見た目は刺されたかのよう。
そこに父・龍一郎が通りがかり思わず心配で声を上げる「ごおおおお!」それに答える息子「きええええ!」一応親子の会話です(笑)傍から見るとヤクザとやり合ってるようにしか見えず、また誤解が広がっていく。

伝説の名場面・第9位「幾奶って北野くんのこと どう思ってるの?」小磯良子

「好きだぞ 優しいし強いしおもしろいしな」白滝幾奶


明らかに北野くんに好意を寄せている幾奶に対し、良子が思い切って訊いた質問。幾奶もはっきりと答えている、が、この後に良子も荻須も、クラスのみんなも好きだと「本音」を語る。「転校ばかりして、こんな性格の自分を受け入れる」珍しいことだと感慨にふける。
誤魔化した訳でもなく、本当の気持ちではあるのだろうけど、北野くんは幾奶にとって特別に「面白い」存在であることは間違いないだろう。案外自分の気持ちに良く気づいてないだけだったりもしそうな気もする。恋愛に関してはずっと遅れてそうな気もする。

伝説の名場面・第8位「ははは面白いね・・・ これもお遊びなんでしょ」北野誠一郎

「すみませんでした ほんの出来心だったんです」黒田清吉


「北野さんを倒す」その意気込みで習得した小手返し。とりあえず一度ひっくり繰り返せば「倒した」と胸を張れる、そう考えた黒田番長、必死で試みるも気取らて上手くいかない。じつは北野くん、日差しにめっぽう弱く、眩しいと怖い顔がより険しくなってしまうのだが、勘違いで攻防が繰り広げられる。
北野くんの顔と表情、黒田の勘違いからのびびり、まさに「theエンジェル伝説」の様な話。因みにこのあと白滝元も同様の技を仕掛けて時に北野くんは「流行ってる遊び」とまだ思っていたりもする。

伝説の名場面・第7位「これからも大好きな友達として仲良くやっていけるんだなぁって」北野誠一郎

「私もお前のことが好きだぞ 誠一郎」白滝幾奶


玲雄がきっかけで戦うことになった2人だが、北野くんは「理由もわからないまま倒れられない」と立ち続ける。そしてすべて勘違いで、何かあった訳ではないと分かると、気が抜けたように倒れながらこう幾奶に話す。
北野くんはやっぱり人を想う人なんだなと思う。幾奶が襲ってきた理由は自分にあると思い立ち上がっていて、そのせいで怒ってると思い込んでいた。だから他意無く「大好き」と言えるし、そいう言って貰うと素直に受け入れるんだろう。でも逆に深い意味があっても気付かない人でもあるんだよなぁ・・・(笑)

伝説の名場面・第6位「怖いじゃないのよ 最大級の凶行の瞬間じゃないのよ」鏑木清美

「なんだか知らないけど僕迷惑をかけちゃったみたいで」北野誠一郎


鏑木清美は不良たちの写真を撮っていた。ある日偶然北野くんを撮影してからは、なんとしても「悪魔な一面」を撮ろうとするも、ファインダー越しでは普通の人にしか見えない。そこで部下をけしかけるも、結局何も撮れず終わる。徹底的な密着レポートと最終的に不注意で事故りそうなところを助けられ、北野くんが普通の人であることを逆に確信してしまう。
しかし、そのことを認められず・・・と今までと少し違うアプローチで恐怖の顔面に向かう人を描いている。恐怖の顔を追いかけ、その顔に魅了されるなど、すでに北野くんのキャラが定着してしまったから変化球みたいになっていてよかった。

伝説の名場面・番外編3・荻須高志の告白

「あんたじゃないとだめなんだ」と、ある日、北野くんに突然告白する荻須。居合わせた幾奶から「そっちの趣味があったのか」などとヤジられるも、そうではなく、自分を鍛える為のことで、あくまでケンカの話ではあった。
別の回では、親友・育子に焚きつけられた良子が北野くんと良い感じになりそうなところ、それを見守る竹久・幾奶にノリノリで合流。本人は“出入り(抗争)”と思っているので「燃えてきた」なんて言ってるが、2人から「ノゾキにアレとは真の変態」と扱われてしまう。
不憫にも荻須、変態キャラになってしまった(笑)黒田以上に単純バカなので、いいいとこ無しの印象しかない。大抵瞬殺されて、幾奶に挑んではボコられて・・・あぁ、そっち系の変態だったのか(笑)

伝説の名場面・第5位「そんなに死に急ぐものじゃない 命は大切にしなきゃ」北野誠一郎

「この人にはかなわなぇ」竹久優二


竹久くん陥落の瞬間。竹久くんが停学中に転校してきた北野くんと初めて会ったとき、ガンの付け合いに負け、なんだかんだでケンカに発展していく。そして竹久くんがナイフを取り出し、構えるもそれを自殺しようとしていると勘違いした北野くんが止めようとする。
北野くんに初めての友達ができるお話で、全ての勘違いの元凶とも言えるものでもある。でもあながち間違いでもなく、命の尊さを度々竹久くんに説くなど決してこの場の勘違いだけではない。北野くんの為人が分かると共に、番長への第一歩になった一戦。

伝説の名場面・第4位「先生はがんばってください 北野くんの更生」菱田春華

「わかったよ まかせておけ」白滝元


北野くんを退学寸前まで追い込んだ菱田春華だが、結局のところ失神して何も覚えていない。それを利用した校長の策略もあったが、北野くんと触れ合う内に自分の思い込みにうっすらと気付く。そして「自身の記憶にないことで退学にできない」と最後は北野くんを救う。
碧空を去る時に、「北野くんは真面目かもしれない」と元に後を託していく。元々彼女を苦手としていた元だが、聞き入れる。先生たちとの信頼も生まれつつある回で、特に元は正体に気付いて何とかしようともしていた。

伝説の名場面・第3位「信じてもらえないのはなれてるはずなんだけど 急に情けなくなってきて」北野誠一郎

「あなた まさか 本当に普通の人なの」小磯良子


不良を叩きのめすことで自らの存在を確認していた良子は、最大の不良・北野くんに挑む。たまたま初対面の時、良子の蹴りをかわした際に拾った“500円”を彼女の物で、それを取られると思っていると勘違いした北野くん。説明しても、お金を返しても信じてもらえず思わず涙が・・・。
北野くんに初めて本当の理解者が現れた瞬間。それまでは良子も「不良」としか見ていなかったが、北野くんの涙を見て、ようやく話しをまともに聞いてくれるようになる。北野くんの優しさと、天然な部分がよく出たエピソードで、物語の重要なターニングポイントでもある。

伝説の名場面・第2位「北野さんは小磯良子をどう思っているんですか」黒田清吉

「特別な感情を抱いた事なんて一度もないよ ごめんやっぱり嘘ついてたや」北野誠一郎


良子との関係が噂され始め、北野くんも戸惑っていたときに、同じく良子に思いを寄せる黒田が思い切って訊ねた一言。こんな噂話自体初体験で、このことが無ければ北野くんは自分の気持ちに気付けずにいた。「良子ちゃんが好きみたい」という北野くんに、良子も「言われてうれしかった」と晴れて最強カップルが誕生した瞬間だった。
北野くんは「極度の博愛主義」とされる程人当たりも良く、特定の人を贔屓するとかもほとんどしない。そんな中で「彼女」なんて特別なものなんて考えられなかったのかもしれない。ということは北野くんにとっては“初恋”だったのかも。素直な北野くんの告白がとても好印象で、かっこよかった。

伝説の名場面・第1位「どーせてめーもあの怖い顔にだまされたクチだろう?」塩田

「なにより俺の大切な友達であることに間違いはねーんだ」竹久優二


ある日、竹久くんが町でケンカで倒した相手は中学時代に世話になった先輩・塩田のグループだった。仕返しか、と思えば、北野くんの正体を耳にしたから、一緒にボコろうというものだった。そのことが信じられない竹久くんは遂に禁断の質問をする。
「北野さんは不良ですよね?」「ううん、違うよ」本当はうすうす気付いていた竹久くん。思い悩むもこれまでの北野くんを見てきた竹久くんは塩田らを撃退する。そして、何事もなかったかのようにいつもの「舎弟」であり「弟分」であり、そして「親友」に戻っていく。
このお話がものすごく好きで、特に最後で、竹久くんが「おーす、北野!」とかに変わらず、敬語のままなのがステキすぎると思う。全部わかってるけど、全部わかったからこそのこの態度。そんな竹久くんの成長ストーリーに感動してしまった。

碧空に棲む悪魔の様な天使たちが織り成す青春群像の傑作


人は見た目が大事とはよく言う物で、そのことを痛感させてくれる内容である。でも同時に、人を見かけで判断してはいけないと、そう教えてくれる物語でもある。北野くんも竹久くんも、良子も幾奶もどこか問題があり、人から避けられる存在であった。
北野くんと出逢い、人として成長していき、そのみんなに支えられて、北野くんも大きくなっていく。口より先に手が出ることの多いヤンキーで、口も悪いがみんな根はいいヤツばかりの北野ファミリー。そんな彼らの送る笑って泣けて感動できるハートウォーミングなツッパリコメディの傑作。
自分が他人を外見の印象で判断しないために、他者に自身が与える見た目の心象が大事だと刻み込むために、心のバイブルとしてこの「悪魔の経典」、是非とも一度手に取ることをお勧めしたい。