2016年に公開され、大ヒットとなった長編アニメーション映画『君の名は。』。奇妙な「入れ替わり現象」に巻き込まれた高校生の男女2人の恋模様が、繊細に、ロマンチックに描かれました。その男女2人が「瀧三」こと、立花瀧と宮水三葉。本作に登場す
る2人のエピソードの数々を厳選してご紹介していきます!
目次
『瀧三』とは?
立花瀧×宮水三葉
『君の名は。』は、2016年に公開された長編アニメーション映画。監督は『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』などを手がけてきた新海誠さん。高校生の男女2人が互いを探し求め合うロマンチックなラブストーリー、錚錚たるスタッフによってつくられた美しい風景描写、人気ロックバンド・RADWIMPSによって手がけられた音楽などが話題を呼び、最終興行収入250.3億円を記録するほどの大ヒットとなりました!
「瀧三(たきみつ)」は、この映画の主人公である立花瀧(たちばな・たき)と宮水三葉(みやみず・みつは)のカップリング。ある日突然不定期に互いの意識が入れ替わるという奇妙な現象に巻き込まれた2人は、些細なことでケンカを繰り返しながらも、徐々に惹かれあっていくようになります。そして2人が互いを慕う気持ちは、やがて三葉を含めた多くの人の命を救っていくことにもなるのです。
立花瀧は、東京の都心に暮らす男子高校生。絵を描くことが得意で、運動も得意。意外にも「やられたらやりかえす」タイプの喧嘩っ早い性格。年頃の少年らしく、バイト先の先輩である大人の魅力たっぷりの女性・奥寺ミキに対して憧れを抱いています。
そんな瀧の声を担当したのは、人気俳優の神木隆之介さん! 俳優でありながらも声優経験が豊富で、これまで『サマーウォーズ』の主人公・小磯健二役、『借りぐらしのアリエッティ』の病弱な少年・翔役などを好演してきました。本作では、思春期の最中にある瀧の心の機微を見事に声で表現。その年の「声優アワード」では主演男優賞を獲得しました!
宮水三葉は、岐阜県糸守町に住む女子高校生。活発で素直な性格で、妹とともに実家である「宮水神社」の巫女を務めています。その神社の風習や、町長である父親の政治活動に嫌気がさし、東京の華やかな生活に対して大きな憧れを抱いています。
声を担当したのは、いま期待の若手女優である上白石萌音(かみしらいし・もね)さん! 女優としては、これまでに『舞妓はレディ』の西郷春子役、『ちはやふる』の大江奏役などを好演。これまでに声優経験があまりなかったにもかかわらず、本作で宮水三葉を声だけで見事に演じきり、その年の「声優アワード」の主演女優賞に輝きました!
ちなみに、歌手としてリリースしたカバーアルバム『Chouchou(シュシュ)』には、本作のED主題歌のカバーである「なんでもないや(movie ver.)」が収録され、ソフトで透明感のある素晴らしい歌声を披露することとなりました!
今回はそんな君の名は。の中でも特にキュンとした「瀧三」の公式エピソードを厳選してご紹介いたします!
「瀧三」エピソード1:入れ替わり生活の始まり!喧嘩をしてもだんだんと・・・?
お互いの顔に「バカ」「あほ」と書くシーン
ぱ、、、ぱぱぱ、、、、パートチェンジ、、、ほぷみんが、、、、入れ替わってるぅーーーーー!!??!?!!?? pic.twitter.com/53DBnuM1bt
— ? 세연 ? SLOW(願望) (@CHIMANG_UOxOU) June 8, 2018
映画の序盤、お互いの身体が不定期に入れ替わっていることに気がついた2人は、入れ替わってしまったときは「これをやってはいけない」「あれをやってはいけない」と、互いに対して様々なルールを課していきます。
そうではあっても、入れ替わった際の相手の勝手な行動というのは、たとえちょっとしたものであってもやはり気になるというもので、2人はお互いに伝言を残して喧嘩を繰り返していきますが、それによって心の距離をどんどん詰めていくことになります。
そのうちの一部が、お互いの顔に「バカ」「あほ」と書き残すシーン。むしゃくしゃしてお互いの顔にそんな単純な悪口を書いてしまうところが、思春期の男の子と女の子という感じがして最高に可愛いです!
「瀧三」エピソード2:「誰、お前」2人の初めての出会いが切ない
三葉が東京まで瀧を探しにいくシーン
大ヒット映画「君の名は。」では、瀧くんと奥寺先輩がデートをした場所として、六本木ヒルズ展望台 東京シティビューが登場しています! 君の名は。公式サイト:https://t.co/l9ojRct0hR#君の名は #東京シティビュー #tokyocityview #YourName pic.twitter.com/vp0U0WABvH
— 六本木ヒルズ展望台 東京シティビューTokyo City View, Roppongi (@tokyo_cityview) January 3, 2018
瀧と入れ替わっているとき、三葉は瀧の憧れの女性である奥寺先輩と親しくなっていきます。瀧の中にいる三葉は奥寺先輩とデートの約束をすることに成功し、元の身体に戻った瀧が奥寺先輩とデートに行くことになります。
自分で約束をとりつけたはずなのに、三葉は「瀧が奥寺先輩とデートをしている」という事実にいてもたってもいられなくなり、1人で新幹線に乗って東京へと向かいます。歩き慣れない街の中で必死に瀧を探し回り、混み合う電車の中でようやく瀧の姿を見つけ出します。
三葉は初めて直接会う瀧に大きな緊張を覚えますが、瀧の方は三葉にまったく気づきません。三葉が勇気を出して「瀧くん」と呼びかけ、「覚えて、ない?」と問いかけると、瀧から返ってきたのは「誰、お前」という素っ気ない言葉でした。
君の名は せつない過ぎて泣いた。ラストは良かった。一番せつなかったのは三葉が瀧に会う為に東京へ行くシーン。会いたい感情が溢れて意を決して東京まで来て足が痛くなるほど必死に探してやっと会えたのに”時間”というすれ違い。どうする事も出来ないもどかしさ。三葉の気持ちがせつない。 #君の名は pic.twitter.com/nrRWRA6nhH
— じゅりぇった (@fortunairis) January 3, 2018
実は瀧と三葉が入れ替わっていた時に、2人の間には3年というタイムラグがありました。三葉は自分の今生きている時間から3年後の瀧と入れ替わっていたのであり、三葉と同じ時にいる瀧はまだ三葉のことを何も知らなかったのです(そのため、瀧と奥寺先輩のデートは、三葉が東京で瀧を探し回ってから3年後の出来事になります)。
三葉は去り際に瀧に名前を尋ねられたときに、必死に自分の名前を答え、自分の長い髪を結んでいた組紐を瀧へと手渡します。そして東京から戻ってきた後、瀧の反応に大きなショックを受けてしまった三葉は、髪をばっさりと切り、ショートカットになります。三葉のことを思うと、本当に切ないシーンでした・・・!
「瀧三」エピソード3:「君の名前は!?」時空を超えて出会えた場面が綺麗すぎる!
かたわれ時にやっと出会えたシーン
君の名は…
DVD借りてこうかなぁ
また、見たくなってきたかも pic.twitter.com/scBKWEQ03h— しゅん (@shunkun0803) January 11, 2018
映画の後半、瀧は三葉を含めた糸森町の人々が彗星の破片の落下によって死ぬ運命にあったことを知り、それから全員の命を救うために行動を起こすことになります。そしてその最中、日が落ちる寸前の「かたわれ時」に、時空を超えて、やっと2人はお互いの存在を知った上で対面を果たすことになるのです。
入れ替わりを繰り返していたときのように、文句を言い合ったり、ちょっとしたことで笑いあったりする姿が大変微笑ましい名シーン。新海誠監督の映画は風景描写が美しいことで知られていますが、この時の2人の背景が本当に美しいんですよね。ほんの少しの日差しを残して薔薇色から藍色に染まっていく空と、丘に立った2人の足元に広がるその色に染められた雲海は、「美しい」という形容詞以外が見つからないと思えるほどです。
かたわれ時の終わり、この奇跡のような時間が終わってもお互いの存在を忘れないように、2人はお互いの名前を掌に書き残しておこうとします。しかし、瀧が三葉の掌に文字を書いた後、今度は三葉が瀧の掌に文字を書こうとした時にその時間は唐突に終わりを告げてしまいます。
2人のお互いに関する記憶は急速に失われていき、2人はお互いの顔も、名前すらも思い出せなくなってしまいます。心の奥底にお互いへの想いは残っているのに、その苦しくて切実な気持ちが何なのかももうわからないのです。
君の名は。このシーン好きなの僕だけ??? pic.twitter.com/VzyyfDj8jy
— Ren (@shou_aoyama) March 14, 2018
三葉は糸森町を彗星の欠片から救おうと走り続け、転んでしまったとき、もう思い出すことのできない瀧が掌に書き残してくれた言葉を目にします。そこにはただ一言「すきだ」と書かれていました。三葉は「これじゃ、名前、わかんないよ・・・」と涙しますが、掌に書かれたその言葉をまるで宝物のように大切に握りしめ、瀧からもらった勇気を胸に再び走り出したのでした。
「瀧三」エピソード4:「ずっと誰かを探していた」無事に再会を果たす場面が泣ける
街中の階段で出会えたシーン
なんらかの不思議な力で、瀧と三葉がすれ違ったあの一瞬だけ電車の速度が秒速5センチメートルになったよね。 pic.twitter.com/urYnTleISp
— つーふぃ (@tsu_feet) January 4, 2018
奇妙な「入れ替わり現象」を経験してから数年後、社会人となってもなお、2人は「ずっと誰かを探している」という想いを漠然と抱き続けていました。その相手が誰かも、何なのかもわからないのに、ふとしたときに探し続けてしまう。そんな不確かで、けれど切実なその想いは、互いの姿をようやく見つけだしたときに確信へと変わるのです。
今年で瀧は18歳、三葉は21歳になる。瀧は大学受験で忙しく、三葉は就職活動に視野を入れている頃。だけど2人には、ある寂しさがある。あの日確かに逢ったのに、名前すら思い出せない寂しさ。涙出る毎日。
でも大丈夫だ。
あと4年半待てば、再会できるから。幸せが待ってるから。#君の名は #12月1日 pic.twitter.com/7n2cZawv3k— 螺旋雷牙@8/11-15「君の名は。」聖地巡礼in飛騨 (@rasenraiga) November 30, 2017
その時に向かいの電車に乗っていた2人は急いで電車を降り、お互いを探すために走り出します。そして、街中の階段の上下を挟んで、2人はやっと再会を果たすのです。お互いが探し求めていた相手に違いないと感じてはいても、初対面だと思った2人は、一度は声をかけないまますれ違ってしまいます。
けれど、瀧が勇気を出して三葉に声をかけたとき、三葉は涙を流しながらその声に応えます。何年もの長い間、「誰かを探している」という漠然とした想いを抱き続けた2人が、やっとその想いに答えを出すことのできた名シーンでした!
「瀧三」は本来なら出会えるはずのなかった運命の2人!
撮った写真見返してたけど、これもう込み上げてくるものが抑えられなくてやばい
はぁ瀧三……瀧三…… pic.twitter.com/blX8NMeIuh
— へれ (@helename328) December 4, 2017
ここまで「瀧三」のエピソードをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
遠い場所に住み、生きる時間すらも異なる瀧と三葉は、本来であれば出会えるはずのなかった2人でした。けれど、「入れ替わり」という不思議な現象の間に生まれた2人の恋心は、三葉を含めた糸森町の人々全員の「死」という運命を覆し、その後の「名前も顔もわからない」という状況すらも乗り越えていきます。
この一途で、ひたむきな2人の恋こそが「瀧三」の大きな魅力なのではないでしょうか。