シリーズ累計発行部数3000万部以上の大ヒット作品「東京喰種」シリーズ。2018年にシリーズが終了しています。最後まで謎の多かった「V」はCCGの中心にいた和修家でした。そこで、謎の組織「V」のメンバーや目的、正体などをご紹介していきましょう!
目次
『東京喰種』とは?
2011年から「週間ヤングジャンプ」で連載をスタートさせた「東京喰種」シリーズは、漫画家・石田スイ先生のダークファンタジー作品です。シリーズ累計発行部数は3000万部以上突破!
そして、2018年には原作版「東京喰種トーキョーグール:re」が完結、2018年10月には「東京喰種トーキョーグール:re」の最新アニメが放送決定しています。
「V」とは、「東京喰種」の最初から登場したわけではなく、「あんていく討伐」が行われる少し前に、店長の芳村の前に現れたマント姿の人物たちによって存在が明らかになります。少しずつ存在が大きくなり、いつの間にか「東京喰種」シリーズの中心にいた「V」は不気味でしたよね。
『V』の知識1:東京喰種史上最大の謎に包まれた組織!
「法の王」であり「独りよがりの籠の主」
やっぱ高槻泉が黒幕 pic.twitter.com/SxPYsj1vP4
— MCれしお? (@Ratio__kun) March 19, 2015
CCG(喰種対策局)、アオギリの樹、ピエロ、そして主人公の金木研(以下、カネキ)が属している喫茶「あんていく」など、大きい組織がいくつも存在しているのが東京喰種の世界。どの組織とも深く係わり合いがある描写が登場するのに、どういった組織なのか長い間判明しなかった組織が「V」なのです。
アオギリの樹のエトは、「『法の王』『混沌の調整者』…呼び方はどうでもいいが、玉座であぐらをかく、独りよがりの籠の主だ」「この世界を自らの所有物だと勘違いしている連中」と表現していました。このエトの言葉からも、巨大な組織なのだろうというのが伝わってきますね。
「V」と深いかかわりを持つRc検査ゲート
謎に包まれた組織だった「V」ですが、喰種がCCG内に潜入するのを防ぐRc検査ゲートにも深く関係していました。このRc検査ゲートは、ある条件では反応しないように設定されています。そのひとつは、クインクス班のメンバーが通っても反応しないようにという設定。
佐々木琲世率いるクインクス班のメンバーは、CCG捜査官が使用しているクインケ(喰種の赫子から作られた、喰種を殲滅するための武器)と同じ仕組みを赫子を体に入れ、喰種と似た能力を発揮できます。
体に赫子を内蔵しているので、半喰種と同じように片目が赫眼になり、Rc値(喰種の体内にある細胞で、このRc値が高いと喰種と同じように人間の食事を受け付けなくなる)も人間より高くなり、何も設定していないRc検査ゲートなら反応してしまいます。
そのたびにCCG内が大騒ぎになっていはいけないということで、除外する設定になっていました。ところが、エト(高槻泉)が通過しても反応しません(エトは「V」メンバー・芳村の娘)。クインクス班だけではなく、「V」メンバーも除外されている設定になっていたからでした。
だから、1人だけRc値が2753と異常に高いハイセ(Vメンバーの神代利世の赫包を移植されている)もRc検査ゲートをすり抜けることができたのです。Rc検査ゲートひとつとっても、「V」という組織がCCGに深く入り込んでいたのがわかりますね。
『V』の知識2:明らかにされるメンバーがツワモノ揃い
カネキを半喰種にした・神代利世
女子大生の神代利世(以下、リゼ)は、「大喰いのリゼ」と呼ばれる喰種で、カネキを捕食しようとして鉄骨落下事故に遭っていました。彼女が意識を失う直前で見た人物は、嗤っていたピエロを見ていたのをカネキが目撃しています。
鉄骨落下事故で瀕死の状態になったカネキに元CCG解剖医だった嘉納教授が、リゼの赫包を取り出して移植手術を施し、半喰種となってしまったきっかけを作った女性でした。しばらく死亡説が流れていたリゼでしたが、嘉納教授によって赫包培養器として生かされていたことが判明。
そして、子を産む母胎役として「V」のメンバーだったのですが、同じメンバーの旧多二福の手で逃がされていたというのが明かされています。
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「あんていく」店長・芳村功善
「他人にしっかり怒れるというのは大切な事だよ。その怒りが正しい方向に向いてさえいればいいんだ。」by芳村店長 東京喰種 pic.twitter.com/nIBPMR62El
— ☆アニメのいい言葉☆ (@animeno_kotoba) July 27, 2018
東京20区の商業施設にある喰種たちが集まる喫茶店「あんていく」の店長・芳村功善も「V」のメンバーでした。芳村は、カネキに喰種としての生き方を教える重要な人物でしたが、笛口リョーコ・雛実親子や、人肉を狩れない喰種たちの食事の面倒を見るなど、他の喰種にも頼りになる人物として登場。
喰種のなかでもただものではない雰囲気を持っていた芳村ですが、隻眼の梟の偽者としてCCGの前に現れています(本物は、芳村の娘エト)。「V」では始末屋としての役割を担っていた芳村は、自分の妻・憂那も「けじめをつけろ、功善」と指示されて始末しました。
CCG最強喰種捜査官・有馬貴将
CCG最高喰種捜査官として、数々の逸話を持つ有馬貴将も「V」の構成員でした。隻眼の梟討伐などでも活躍し、与えられた指示を確実にこなす有馬は、「V」にとってもCCGにとっても頼りになる人物。
様々なクインケを巧みに操る姿とは対照的に、「V」の指示で行動する有馬は、CCG最高喰種捜査官としての威厳や絶対的なパワーみたいなものはなかったですよね。
どうして、有馬が「V」の構成員だったのかというのは、彼の生まれが人間と喰種の間に生まれた「白日庭」出身の半人間だったためなのが濃厚で、CCGに入局したのも大きく影響していました。
有馬のもう1つの裏の顔といえば、アオギリの樹の隻眼の王ということ。Rc検査ゲートや「V」の家族構成などを、アオギリの樹に情報を流していたと推測できます。
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黒い風貌が特徴の芥子
ねえねえ
芥子さんって和修分家の出身の半人間じゃん
半人間の寿命って有馬さんの口ぶり的に30年位じゃん
芥子さんって店長のV時代の同僚じゃん
店長ってエトが生まれたらVと縁を切ってるじゃん
エトってだいたい20代後半から30手前ぐらいじゃん
あれ?芥子さん、歳いくつ????#東京喰種 pic.twitter.com/n8RVeMRk7C
— ベス@CCG大阪支部所属 (@StooryLover) July 8, 2018
黒い姿で芳村の前に現れた芥子は、「V」に長年仕え芳村を勧誘した人物。そして妻・憂那を始末する指示を芳村に告げた男でした。不気味な風貌と口から咀嚼音を立てる癖が怪しさをかもし出している芥子は「あんていく討伐戦」の直前に芳村の前に現れます。
「ヤツの存在そのものが、貴様の”V”への裏切りなんだよ…最後通告だ。ヤツを差し出し”V”に忠義を尽くせ」と「V」の存在をはっきりと言っていました。芥子の言っていた「ヤツ」とは、芳村と憂那の間に出来た人間と喰種の子・芳村愛支のことで、アオギリの樹の幹部・エトでミステリー作家・高槻泉です。
憂那を芳村に始末させたのですが、芳村はエトの存在を隠し続けていたのでした。アオギリの樹が暴れ、本物の隻眼の梟が芳村の娘だったというのを把握した「V」は、芥子を通じて芳村に圧力をかけてきたのです。
「東京喰種」から登場していた旧多二福
眼の右下の部分にホクロがあるCCG捜査官・旧多ニ福は、本名は和修旧多宗太で、和修常吉局長を父に持つ和修家(分家)の人間です。「東京喰種」では、霧嶋董香がカネキの大学に訪れた時に、カネキと間違えた人物として登場していました。
CCGではキジマ式班に所属している第一等捜査官。中世的な容姿と話しやすい人物として劇中では登場していますが、実は、冷酷で残忍な性格でした。鉄骨落下事故を起こしたぴえろ(宗太)であり、さらには和修常吉を殺害し、CCG内にいた和修家の人間も次々に殺害して権力を持って行きました。
「V」に所属していた母胎役のリゼを逃がしたり、リゼの赫包を移植して半喰種になっていたり、アオギリの樹に死体を積んだ護送車を伝えたりなど、「東京喰種」シリーズを影で動かしていたといってもいいキャラクターでした。
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『V』の知識3:和修家と深いかかわりを持つ
知れば知るほど和修家と関係があった
右のシルエット誰だ?芥子?#東京喰種#東京喰種re op #東京喰種reアニメ pic.twitter.com/LH0yyVqTkM
— ハジメちゃん⊿⁴⁶ (@haji_asu10) April 6, 2018
CCGを牛耳っているのは、和修家の人間でした。江戸時代から存在していた喰種を退治する組織が複数存在していましたが、喰種対策に長けていたのが和修家だったのです。そして明治1890年に入ると、国が国家機関「喰種対策院」を設立。
現在のCCGへと繋がっていき、江戸時代から喰種対策に長けていた和修家から、和修家宗家の和修大吉が初代総議長に就任しています。それ以降、CCGイコール和修家という構図ができあがったんですね。
CCG捜査官たちが、喰種と戦う時に使用しているクインケは、和修吉雨議長とドイツ局長・アダム・ゲッヘナーが開発したもの。そしてCCG総議長には和修常吉が就任しています。この和修総議長は、CCG最強捜査官・有馬貴将を見出した人物でした。
和修総議長の息子・和修吉時は、CCG本局局長で「あんていく討伐戦」で陣頭指揮を執っていた人物です。そして、吉時の息子・和修政は、CCG対策Ⅱ課の捜査官でオネエ言葉を発していました。
CCGは希望の光ではなかった?
「V」メンバーだったのが判明している有馬貴将や、CCG内に設置されているRc検査ゲートで「V」メンバーの持っている細胞パターンが反応しないようにしているなど、CCGとの関係がプンプンにおう組織でした。
CCGを牛耳っているのは、和修家です。元CCG解剖医だった嘉納明博教授が、CCGアカデミー候補生だった双子の姉妹・安久黒奈(クロナ)と安久奈白(ナシロ)をカネキと同じように、リゼの赫包を移植して半喰種化させています。
ナシロ、クロナ♡#東京喰種 pic.twitter.com/asEEGaolqi
— 東京喰種。好き。 (@lightpinkapple2) October 12, 2015
そして、スフィンクスの社長であり、クロナとナシロの父の安久七生は、喰種をどろどろにして作られたRc含有液を(Rc抑制剤や、クインケの製作に使用される)CCGに高値で販売していました。
Rc含有液のあった地下施設は、嘉納教授の手によって、クロナとナシロが半喰種化手術を施された場所。そしてスフィンクスの所有ではなく、CCGの所有物だったというのも明らかになっています。喰種対策のためとはいえ、余りにも「喰種」と「和修家」のシンクロ率は高く、さらに「V」も見え隠れしていました。
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『V』の知識4:正体が明かされ驚愕するファンが続出【ネタバレ】
次々と和修家を惨殺
和修家の分家の息子・旧多ニ福は、キジマ班に所属し、強い上司の後ろでにこにこしている部下として登場しています。しかし旧多は、財閥・月山家の討伐作戦で、使用人の1人・松前を無残なまでに惨殺した時に「ごめんね、MMさん」と言っていました。
これは喰種レストランをしていた美食家・月山習の呼び方です。この言葉をきっかけに、裏の顔を出していきました。そして、流島攻略計画が始まると、和修総議長をはじめCCGにいた和修家全てを惨殺。そのなかには、旧多の父・和修常吉も含まれていました。
旧多は、自分の名前を和修吉福と改名して、「クラウン(王冠)も”V”も、『和修の王(ぼく)』の手にある」と言って空席となった局長の座に就きます。
和修家に都合のいい人物で構成されていた
「V」とは和修家そのものだったのが明らかにされています。メンバーには和修家のさまざまな役割を持った「タネ役」や「母胎役」(これがリゼにあたります)、裏から根回しをする役(旧多など)、「雑用係」(有馬貴将など)が存在していました。
そして、和修家の正体を知った丸手斎捜査官が「和修家は『喰種の協力者』じゃねえ…『喰種そのもの』だ」と結論付けていました。また、嘉納教授は「和修は中東から渡ってきた”喰種”」と表現をしていましたが、和修家は、長い歴史で同族喰らいを繰り返してきた喰種だったのです。
CCGを牛耳っていたのも、喰種と戦って殉死したした捜査官を捕食するため…。いろいろな権力を持った和修家が、「V」を自分たちの血を絶やさないように動かす都合のいい組織として作ったのが、作中のいたるところにちりばめられていました。
【東京喰種】和修家が操るVは物語の『肝』になる組織だった!
「東京喰種」に登場する謎の組織「V」は、CCGを動かしていた和修家が作った組織でした。喰種を駆除するためにできたCCGは、同族喰らいをしていた喰種の和修家が動かしていた組織だったのは驚きでしたよね。
結局は、和修家の分家の息子・旧多ニ福が血縁者たちを次々に殺害して、「V」を乗っ取り、乗っ取った二福をカネキたち喰種とCCGを含む人間たち協力してが退治していました。喰種と人間が共存する世界を作ったので、本来のCCGは無くなってしまいますが、CCG捜査官たちの「本当の正義」で、形を変えて存続していきます。
結果的には「V」は悪として存在しましたが、有馬貴将や芳村など多くのメンバーは平和を願っていたのではないでしょうか…。