『からくりサーカス』の主人公の加藤鳴海は、真っ直ぐな芯の通った人物です。他人の対して自らの感情を惜しみなく注ぐことができるからこそ、伝わってくる熱さがあります。鳴海を知れば知るほど『からくりサーカス』の魅力にも繋がりますので、詳しく紹介していきます。
目次
『からくりサーカス』とは?
『からくりサーカス』は、『うしおととら』の作者である藤田和日郎の描いたしろがねと自動人形との戦いです。錬金術師である白金と白銀は兄弟で、共にフランシーヌを愛してしまいます。
フランシーヌに受け入れてもらえなかった白金は歪んだ愛情からフランシーヌに似せた自動人形を産み出します。そこから次々と生まれた自動人形は、人を襲い白金は治療不可能の病気であるゾナハ病までも世界中にまき散らしました。
それに対抗するために白銀は自らの命を水に溶け込ませた生命の水をゾナハ病に苦しむ人に与えて白金を倒すための新たな人類のしろがねを産み出しました。
そこから自動人形としろがねの戦いが始まり、世界中を巻き込んだ白金の計画を止めるための展開へと進んでいきます。鳴海、勝、エレオノールとフェイスレスとの世界の命運を分ける戦いが描かれています。
加藤鳴海に関する知識1:若くして武術の達人
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鳴海は、幼い頃に泣き虫で体も小さくて弱かったので、武術を習うことになりました。しかも本場の中国で拳法を習うのですが、師父と呼ばれる梁剣峰はおそらく世界でも最強の存在かもしれません。
鳴海が手も足もでない最古の四人のひとり、パンタローネを相手にしてもまるで子ども扱いでした。そんな男に拳法を習った鳴海は若くしてその極意を身に付けて実戦で生かすことが出来ました。
相手に気を叩きこむ発勁をベースにして硬気功や軽気功、崩拳や形意拳などを使って相手が自動人形だろうが、人間だろうが構わず倒してきました。
しかしそんな鳴海も師父から見るとまだまだ未熟な存在のようですが、人間の域を超えた自動人形の動きを捕えられることができるのは、鳴海しかいません。
加藤鳴海に関する知識2:優しい心と強い信念の持ち主
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鳴海は曲がったことが大嫌いです。だから常に正しいことをしようとしています。特に子どもを泣かす存在は絶対に許しません。自動人形であろうが人間であろうが、弱者を虐げる者には確実に制裁を加えているのです。
芯が強く自分の思ったことを曲げないので、周囲の人間も諦めてしまうほどですが、そんな鳴海の行動を見てたくさんの人間が勇気をもらっていることも事実です。更に優しい心の持ち主なので、誰でも助けてあげたいと思ってしまいます。
しかしそれが自らを苦しめてしまうことも多々あるので、不器用な鳴海らしいとも言えますね。それでも鳴海は最初から最後まで己の信念を通し続けたのでこれは称賛に価します。
加藤鳴海に関する知識3:常に成長し続ける強さの持ち主
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鳴海は、勝と出会った頃から殺し屋相手にも余裕で戦える強さを持っていました。しかしそれは、あくまでも人間同士の戦いで、自動人形との戦いから強さが変化しました。記憶を失い、しろがねとなって体の一部が機械化したことで、基本的な戦闘力がまずは上がりました。
そしてたくさんの仲間やゾナハ病にかかった子どもたちの死を見ることで、心の強さも変わってきたのです。他人の命を背負って戦うということが伝わってくるほどの気迫が感じられ、自らの力を上回る強者と戦うことで強くなっていきました。
最終的には、最強の自動人形ブリゲッラやハーレクインに勝ってしまうほどなので、最初の頃から考えると物凄い成長速度です。
加藤鳴海に関する知識4:エレオノールに抱く愛情
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エレオノールのことは、出会ったばかりの頃は変な奴程度にしか思っていませんでした。しかし勝を護るために戦っていくうちに好きだという気持ちが芽生え始めました。
記憶を失って再度出会うことになるのですが、その時はゾナハ病の秘密を知っている自動人形と勘違いして、敵と見ていました。そのまま一緒に行動することになるのですが、何度も何度もエレオノールに対して冷たい態度をとっていました。
しかし時間と共に記憶が戻っていて、本当は好きなのに敵のような素振りを見せた手前素直になれずにいたのです。そしてハーレクインとの戦いの時、二人で息の合った動きの末に勝つことができた時に鳴海の感情は爆発します。
今まで抱いていた気持ちをはっきりと伝えたのです。これに対してしろがねは、最高の笑顔を見せて相思相愛の二人がやっと結ばれた感動の瞬間となりました。
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加藤鳴海に関する知識5:勝との関係性
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才賀勝『人間がみんな「昔」を背負って、「今」を生きなきゃなんないなら、 この世は幸せになっちゃダメな人間だらけじゃないかァ!!』#からくりサーカス#karakuri_anime pic.twitter.com/M0pr91Db78— TVアニメ「からくりサーカス」公式 (@karakuri_anime) July 20, 2018
鳴海にとって勝は弟的な存在でした。自らの過去の自分を見ているようでもあったので、勝には強くなって欲しいという願いもありました。そして鳴海は自らの背中で勝に強さというものを語っていて、それが勝にも伝わっているのが分かります。
屋敷での戦い後に離れ離れになってしまいましたが、勝は鳴海がいなくても自らの意志で強くなろうと成長し続けます。鳴海も記憶を失っていましたが、勝を助けた記憶がうっすらと残っていました。だからこそ子どもを泣かせる存在は許せないとも体が感じています。
そんな二人が再会したのは、最終巻となりますが、鳴海は勝と気が付かずに息のあった戦いを見せてくれました。
加藤鳴海に関する知識6:心を熱くさせる名言
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時を経ても色あせない名シーン満載!第6回はこちら!加藤 鳴海『「死を必すれば即ち生く」根性を決めればたまにゃあ生きのこらァ。』#karakuri_anime pic.twitter.com/AVswvVe0OM
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鳴海の行動は心を熱くさせてくれるものばかりです。悲しい別れが何度も起こるからこそ、鳴海はその瞬間を一生懸命生きようとしているのも分かります。ブレないで真っ直ぐに前を向いているからこそ、人の心を奮い立たせたり、感動する言葉がたくさんあります。
「笑うべきだとわかった時は… 泣くべきじゃないぜ」
#後世に残したい漫画の名言
笑うべきだとわかった時は泣くべきじゃない pic.twitter.com/fUiORLzQw8— Arc (@Arc_cc_y) August 25, 2018
鳴海が必死に勝を奮い立たせるために掛ける言葉ですが、これぞ男だ!という感じの貫き通し方が良いです。絶体絶命のピンチでも悲観的になることはない、諦めなければきっと生き残ることができるという意味もあると思います。
それでも自らの身を挺して勝をかばっている鳴海には感動してしまいます。その後、腕のみを残して姿を消してしまう鳴海ですが、勝に大きな影響を与えたことには違いありません。鳴海の生きざまをそのまま勝が引き継ぐことになる重要な言葉でもあるので、これは状況と合わせても名シーンであり、名言と言えます。
勝はそこから今までの悲観的な自分を捨てて前を向いて歩くことを決めました。小学5年生にも係わらず自らの置かれている状況をしっかりと受け止めるのが凄いです。
「しろがね、お前を愛していた」
「#機械仕掛けの名言振り返り企画」
時を経ても色あせない名シーン満載!第59回はこちら!加藤鳴海「サーカスのテントではじめて会った時からずっと、しろがね、おまえを愛していた。」#からくりサーカス#karakuri_anime pic.twitter.com/hEwQrz2aoW
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エレオノールと鳴海の関係は出会ったばかりは、何も知らなかったからこそ良好な関係を築くことができました。しかし鳴海がしろがねになってしまったことで全ての歯車が狂い、エレオノールを敵としか見れなくなってしまったのです。
それでもエレオノールは鳴海のことを最後まで信じていました。一方で鳴海もエレオノールのことを完全に憎むことはできなかったのです。頭の中でエレオノールは敵だという理屈は分かっていても、心がそれを拒絶していたのです。
だから必死に葛藤していて忘れようと何度もしていたのでしょう。しかしそれを隠し通せることができずに出てしまったのがこの言葉ですが、エレオノールにとって待ち続けた言葉であり、最高の笑顔を引き出した言葉でもあります。
このおかげで、パンタローネもアルレッキーノも満足して活動停止することができました。
「でも、後ろのヤツーー頼もしいぜ!」
才賀勝と加藤鳴海に憧れる。 pic.twitter.com/KNkkx2wB
— インナー・フライト (@1nnerflight) March 19, 2012
鳴海が記憶を失ってから勝と出会うことになるのは、最終巻となります。しかも勝ということを知らずに一緒に戦っている状態でした。鳴海は鳴海で、勝は勝で苦難の道を歩むことでそれぞれ成長していったのですが、その成果を共に発揮しているのが最終戦でもありました。
背中合わせでの共闘となりましたが、共に信頼して命を預けるのにふさわしい人物だと心で感じているのが伝わってきます。鳴海は記憶をなくした状態でも勝のことをどこか覚えていました。子どもを泣かせる奴は許さない!そう思わせてくれたのが勝でもあるので心の中にはっきりと残っていたのです。
一方で勝は、泣き虫で逃げることばかりをしていたのに、鳴海の背中を見て逃げることを止め、自らの宿命を受け止め戦うことを決意していました。そんな二人がようやく出会えたことを嬉しく思う瞬間でもあります。
加藤鳴海は、最後までブレない心の持ち主!
私の大好きな漫画、からくりサーカスの主人公の加藤鳴海の名言でござぁます。
か弱いいじめっ子に対して「俺も昔お前みたいな奴だった、でも拳法やったら強くなれたんだ、お前もやらねぇか?」と言ったらそのいじめっ子が言った「じゃあぼくもお兄ちゃんみたくなれる?」への返しの一言デス。 pic.twitter.com/uDmys6Ah9L— みかう (@seamoon327) May 25, 2018
加藤鳴海は『からくりサーカス』で勝と肩を並べる主人公です。中国拳法の使い手で、かなりの強さを持つのですが、自動人形との戦いで何度も苦戦してしまいます。そして師父の言葉を思い出したり、弱者の心の叫びを自らの力の糧にしてどんどん強くなっていくのです。
そんな鳴海は、心がやさしく芯がしっかりとしていて、曲がったことが大嫌いだからこそ、元々あったしろがねの理屈なども吹き飛ばしてしまうのだと思います。
絶望しかないゾナハ病の患者やしろがねを救うために自分にできることを精一杯しているからこそ、周囲の人間にたくさんの勇気を与えてくれています。鳴海の魅力を知れば知るほど『からくりサーカス』を見たことのない人でも見たいという気持ちにさせられます。