【この世界の片隅に】名言・名シーン16選!ありがとう、この世界の片隅にうちを見つけてくれて

2016年に公開されて大きな反響を呼んだアニメーション映画『この世界の片隅に』。こうの史代さんの同名の漫画を原作とし、片渕須直さんが脚本・監督を担当して制作されました。18歳で広島から呉にある北条家に嫁いだすずが、戦時下にあっても、持ち前の明るさと知恵で人々と豊かに生きていく姿が描かれます。そんな本作の名言&名シーンをご紹介していきます!

『この世界の片隅に』とは?

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『この世界の片隅に』は、2016年に公開された長編アニメーション映画。こうの史代さんの同名の漫画作品を原作に、『アリーテ姫』『マイマイ新子と千年の魔法』などで知られる片渕須直さんが脚本・監督を務めて制作されました。

主人公は、広島市の海苔梳きの家に生まれ育った少女・浦野すず。1944年に、18歳になったすずは軍港のある呉の北条家に嫁ぎます。戦時下にあっても、すずが持ち前の明るさと工夫によって、人々と豊かに生きていく様が細やかに描かれます。

ここからは、そんな本作の名言&名シーンをご紹介していきます!

『この世界の片隅に』名言&名シーン第16位

「こがいな絵じゃあ、海を嫌いになれんじゃろうが」(水原哲)

高等小学校で写生の課題を提出し家に戻ってきたすずは、海辺に座り込んでいる水原晢の姿を見かけます。水原はすずの同級生のガキ大将。すずが「はよ絵出さんと、いつまでも帰れんよ」と話しかけると、水原は素っ気なく「帰らん」と答えます。その頃、水原の両親は2人とも荒れていて、水原は兄を海難事故で失ったことから「海は嫌いじゃ。描かん」と言うのでした。

絵を描くのが得意なすずは、その場で水原の代わりに絵を描くことに。すずが水原と何気ない話をしながらあたたかみのある絵を描き上げると、水原はそれを取り上げて帰り支度を始め、「こがいな絵じゃあ、海を嫌いになれんじゃろうが」と言って、そこから去っていったのでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第15位

すずと周作が祝言を挙げるシーン

18歳になったすずは、縁談の申し出を受けて呉にある北条家に嫁ぐことに。すずの夫になる周作は、海軍軍法会議議事(書記官)を勤める北条家の長男で、真面目で優しい性格の青年でした。

北条家での祝言の日、花飾りを頭にさして薄紅色の着物を身にまとったすずは、紋付袴を身につけた周作の隣に座ります。のんびりとした性格からついうっかりをしてしまうすず、緊張から膝の上で拳を固く握ってしまう周作が可愛らしく思えるシーンでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第14位

「しみじみにやにやしとるんじゃあ」(北條すず)

秋の初めのまだまだ暑い日、すずは電話で周作から帳面を持ってくるように頼まれます。同じ家に住む周作の姉・黒村径子に叱られ、よそ行きの服に着替えて化粧をしてから周作の勤め先に向かったすずは、周作からこのまま街に出ようと誘われます。

すずがこの前街に買い物に出て楽しかったと言っていたのを覚えていた周作は、急ぎでもないのにわざとすずに帳面を持ってこさせたのです。周作の思いやりを知ったすずは「しみじみにやにやしとるんじゃあ」と、周作の腕を軽く叩きます。嬉しそうなすずの声に、観ているこちらまでにやけてしまうシーンでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第13位

すずが色々と工夫をして料理をつくるシーン

配給が大分減ってきた頃、すずは近所の人から聞いたことを活かして料理をつくります。路傍に生えているスミレ、はこべら、スギナ、たんぽぽなどを集め、配給でもらったものも使って4人分の料理をつくります。

食料が不足してきたときでも、知恵を使って家族のお腹を満たそうとするすずのたくましさが垣間見えるシーン。料理の過程がとても丁寧に描かれているのが魅力的なシーンでもありました。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第12位

憲兵に尋問された後に家族みんなで大笑いするシーン

畑の近くで軍艦の浮かんでいる海を描いていたすずは、陸軍の憲兵からそれを無理やり取り上げられてしまいます。すずがスパイなのではないかと疑った憲兵は、すずを連れて北条家までやってきて、そこにいた女性たちに尋問します。

日が暮れた頃に憲兵が帰り、入れ替わるようにして周作が仕事から帰ってきます。事情を聞いた周作は、のんびり屋のすずがスパイなわけがないと笑いをこらえられなくなり、北条家の女性たちも憲兵の話を聞きながら笑いをこらえるのに必死だったとお腹を抱えて笑ってしまうのです。その後に周作の父もそのことを知らされて笑ってしまい、すずは「つまり笑えんのはうちだけか」とすねてしまうのでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第11位

「水原さん、うちはずっとこういう日を待ちよった気がする。こうしてあんたが来てくれて、こんなに傍におってのに、うちは・・・」(北條すず)

冬、水兵になった水原が北条家にやってきます。水原はそのまま一晩北条家に泊めてもらうことになり、すずは周作から納屋に布団を準備された水原の元に、行火(あんか)を持っていくように言われます。すずがそれを持って外にある納屋の方に向かうと、周作から家の鍵を閉められてしまいます。

すずが北条家に嫁ぐ前、すずと水原は互いを憎からず想っていました。納屋で水原に身体を引き寄せられ、口付けられそうになったとき、すずは「水原さん、うちはずっとこういう日を待ちよった気がする。こうしてあんたが来てくれて、こんなに傍におってのに、うちは・・・」と水原を止め、水原の元に自分を行かせた周作への怒りを吐露するのです。水原はすずが今では周作を愛していることを悟るのでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第10位

「お前だけは、最後までこの世界で普通で、まともでおってくれ」(水原晢)

すずに口付けを拒まれた後、水原は布団の上ですずに膝枕をしてもらいます。海軍に入った水原は「わしゃあどこで、人間の当たり前から外されたんじゃろうかのう・・・」と心中を吐露し、「お前だけは、この世界で最後まで普通で、まともでおってくれ」と願うのです。

明け方、水原はすずに「おまえ、べっぴんになったでぇ」と笑って去っていきます。すずはそんな水原を「あほか!」と言って見送ります。すずがその前に手渡した水原の手帳には、死なずにここまで来てくれた水原に対する感謝が綴られていたのでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第9位

すずと周作が喧嘩をするシーン

すずの兄の葬儀が行われた帰り、すずは周作に水原が北条家に来たときの話を切り出します。そして夫である周作自らが、すずと水原を納屋の中に2人きりにさせたことに対して「夫婦ってそんなもんですか」と怒るのです。

周作はすずと水原がかつて互いに惹かれ合っていたことに気がついていました。怒っているすずに、周作は自分が無理を言ってすずを北条家に嫁がせたことへの後ろめたさを覗かせ、水原に見せるような怒った顔を自分には見せてくれないことへの嫉妬心を露わにするのです。そこからどうでもいい話題にまで発展してしまいながら、2人は帰る道中ずっと口喧嘩をし続けます。普段おっとりぼんやりしているすずと、寡黙な周作が子どものような喧嘩をしていることについ笑ってしまうシーンでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第8位

防空壕の入り口でのキスシーン

空襲警報が鳴るようになった頃、北条家の脇に防空壕がつくられます。土砂降りの雨が降ってきたとき、周作とすずは防空壕の入り口まで逃げ、すずの腰にさげていた手拭いでお互いの顔や髪を拭います。2人の身体が近づいたとき、周作はそっと手を握ってすずに口付けます。そのときに防空壕の奥から周作の両親が「よし、小降りになったのう」とやってきて、2人は恥ずかしさに真っ赤になってしまうのでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第7位

「あんたがついて・・・あんたがついておりながら。人殺し。人殺し。晴美を返せ」(黒村径子)

すずたちの住む呉は頻繁に空襲を受けるようになり、通常爆弾に混ぜられて時限爆弾も落とされるようになります。街中にある防空壕で空襲をやり過ごしたあと、径子の娘・晴美とすずが道で立ち止まっていたときに時限爆弾が爆発。晴美が亡くなり、すずも右手を失ってしまいます。

北条家の布団で包帯を巻かれたすずが意識を取り戻したとき、すずは径子から「あんたがついて・・・あんたがついておりながら。人殺し。人殺し。晴美を返せ」と責められます。すずはただ「ごめんなさい、ごめんなさい」と径子に謝り続け、何度も「もし、あの時」を想像しては後悔に苛まれるのでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第6位

「すずさんの居場所はここでもええし、どこでもええ。くだらん気兼ねはなしに、自分で決め」(黒村径子)

見舞いにきてくれた妹・すみが実家に帰っておいでと言ってくれたこともあり、すずは北条家を離れて実家に戻ることを決意します。その準備を進めていたとき、すずは径子から晴美の死をすずのせいにしてしまったことを謝罪されます。そして径子に髪を梳かれながら、「すずさんの居場所はここでもええし、どこでもええ。くだらん気兼ねはなしに、自分で決め」と言われるのです。

自分に対してきつく当たることもあった径子の優しさにふれ、すずは北条家にこのまま残ることを決めます。夫を病気で失い、息子の久夫を夫の実家に取られて北条家に戻ってきた径子にとって、娘の晴美まで失ってしまったことは、いくら心の整理をつけようと思ってもつけられるものではなかったはずです。それでも径子はすずに責任を押しつけ続けることを良しとせず、謝ることを選びました。径子の人間としての芯の強さが光った名シーンでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第5位

「なんでも使うて暮らし続けるのが、うちらの戦いですけえ」(北條すず)

小説 この世界の片隅に (双葉文庫)

実家に帰らず北条家に残ると決めたあと、すずは縁側で紙をもみながら、周作に「ここへおらしてください、ずっと」と言います。周作は庭で「心配かけおって、この阿呆が」と言いながら、竹刀で素振りを続けます。すずが「すみません」と言いながら丸めた紙を投げてきたので、周作は竹刀で打ち返そうとしますが、まったく上手くいきません。

そのときに周作はその紙が米軍の宣伝ビラであったことに気がつきます。すずは憲兵に届けてもどうせ燃やされるだけだから、揉んで落とし紙にしてしまう方がいいと言い、周作は「ごもっとも」とすずの隣に座ります。「なんでも使うて暮らし続けるのが、うちらの戦いですけえ」と言うすず。戦時下を生き抜いたすずのたくましさが見えるシーンでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第4位

終戦の日

ラジオで日本が敗北して終戦を迎えたことを知らされたあと、すずは水をためたバケツを畑まで持っていき、泣き崩れてしまいます。「ああ、なんも考えん、ぼうっとしたうちのまま死にたかったなあ・・・」と思い、顔を上げると、畑に一輪のかぼちゃの花がたくましく咲いていたことに気付かされます。

家に戻ったすずは、周作の母からひそかに貯めていた白米を炊くように言われます。径子と協力しながらそれを炊き上げ、白米をよそった茶碗と飲み物だけが並べられたテーブルを家族で囲みます。この時に、晴美との思い出の中から伸びたすずの右手が、すずの頭を優しく撫でて消えていきます。まるで失ったものたちが「よくがんばった」とすずに語りかけているようなシーンでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第3位

「ありがとう。ええよ。食べんさい」(北條すず)

すずと周作が終戦後の広島から呉に戻ろうとしていたとき、すずは戦災孤児の女の子から握り飯を差し出されます。それは右手を失ったすずが誤って地面に転がしてしまったものでした。

その女の子は母親を目の前で失ってからぼろぼろの状態で街をさまよい、お腹をすかせていました。けれど、その握り飯を拾ったときにすずに右手がないことに気づき、右手をなくした状態で亡くなった母親を重ねて、すずのことを労ろうとしたのです。

すずはその子に「ありがとう。ええよ。食べんさい」と、優しい声で語りかけます。その子はすずの隣で握り飯を食べ終えたあと、すずの右腕にしっかりと抱きつきます。すずと周作はその子を北条家に連れ帰り、育てていくことに決めたのでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第2位

「晴美さんはよう笑うてじゃし、晴美さんのことは笑うて思い出してあげよう思います。この先ずっと、うちは笑顔の入れもんなんです」(北條すず)

終戦後、近所の人の荷車引きを手伝っていたときに、すずは晴美を目の前で失った悲しみを思いやられます。すずは「晴美さんはよう笑うてじゃし、晴美さんのことは笑うて思い出してあげよう思います。この先ずっと、うちは笑顔の入れもんなんです」と話し、「そうよ。泣いてばっかりじゃもったいない」「塩分がねぇ」と言い合います。

大事なものを失うことがあっても、日は暮れて夜は明け、当たり前のように日常は続いていく。1日ずつをたくましく生きる人々の姿が見事に描かれたシーンでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン第1位

「周作さん、ありがとう。この世界の片隅にうちを見つけてくれて」(北條すず)

原爆を落とされた終戦後の広島の橋の上で、すずは周作と2人で話をします。周作はすずと初めて会ったのはこの橋の上であったと話し、すずは「周作さん、ありがとう。この世界の片隅にうちを見つけてくれて。ほんでもう離れんで、ずっと傍におってください」と言うのです。映画タイトルを用いた心温まる名シーンでした。

『この世界の片隅に』名言&名シーン番外編

エンディング

エンディングでは、すずと周作が拾った女の子が健やかに成長していく様が少しだけ描かれています。その子はすずに裁縫を教わり、径子とすず、そして自分に、揃いの生地を使った洋服をつくるのです。その子が北条家で大切に育てられていることがわかる心温まるシーンであり、未来への希望を感じさせるシーンでした。

『この世界の片隅に』は人々の暮らしを細やかに描いた傑作

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ここまで『この世界の片隅に』の名言&名シーンをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか? 2018年12月から、30分の新規シーンを追加した長尺版『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開される予定です。ぜひそちらの方もご覧になってみてくださいね。

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