
アニメも始まった人気漫画『かぐや様は告らせたい』は、主人公のかぐやと白銀がいかに相手から告白させるかの頭脳戦を馬鹿らしくも可笑しく描いた作品ですが、実はその登場人物たちの名前が『竹取物語』に由来していることをご存知でしょうか?そこで今回は名前だけに留まらない『かぐ告』と『竹取物語』の類似点について徹底考察したいと思います!
目次
登場人物の名前は『竹取物語』に由来!内容にも関連が?
『かぐや様は告らせたい』は、主人公のかぐやと白銀がいかに相手に告白させるかを描くラブコメディで、1月からはアニメも放送されている人気作品です。
しかし、この『かぐや様は告らせたい』に登場するメインキャラクターの名前は、実は生徒会役員を始め『竹取物語』に登場する人物に由来しており、作中でも『竹取物語』の内容を彷彿とさせる話がいくつか登場しています。
そこで今回は、『かぐや様は告らせたい』と『竹取物語』の類似点について徹底的に考察し、今後登場するであろうキャラクターについても予測していきたいと思います!
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かぐや=なよ竹のかぐや姫
まず主人公の四宮かぐやですが、こちらは説明するまでもなく、『竹取物語』の主人公・なよ竹のかぐや姫です。『竹取物語』のかぐや姫は、この世のものとは思えない美しさで、様々な男性から求婚されました。
その中でも特に5人の男性から熱烈に求婚され、かぐやは男性たちを諦めさせるために存在しない宝物を要求しました。『かぐ告』のかぐやとの共通点としては美しい美貌と性格(白銀と原作者のアカ先生曰くかぐや姫は性悪)などが挙げられます。
また、第104話『四宮かぐやの無理難題「燕の子安貝」①』で石上に3年の先輩・子安つばめを手に入れるように命令するなど、『竹取物語』に沿った話も存在します。因みに「なよ竹」はかぐやの母親の名前「名夜竹」として登場しています。
白銀御行=大納言大伴御行
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『かぐ告』のもう一人の主人公・白銀御行は、かぐや姫の5人の求婚者の1人「大納言大伴御行(おおとものみゆき)」が由来となっています。大納言大伴御行は、かぐや姫から「龍の首の珠」を要求されました。
大納言大伴御行は自ら宝を取りに行くため船に乗り、大海原へと繰り出しました。しかし、龍の怒りに触れた船は大嵐に遭い、龍に懇願して命からがら逃げ出して家へと帰りつき、かぐや姫を諦めました。
白銀との共通点としては偽物などを用意せずに自ら宝を取りに行こうとする誠実さなどが挙げられます。
龍の首の珠=龍珠 桃?
かぐや様は告らせたいが裏背景的に「竹取物語」をモチーフにしている事は周知の事実で、そこから石上→つばめ先輩の告白はほぼ失敗に終わる事が確定的なんだけど(燕の子安貝)、1つ気になるのが龍珠桃というキャラの存在なんだよね。ほぼ出番がないにも関わらず要所要所で姿を見せる彼女が今後どう pic.twitter.com/NYtu5G54wN
— 四季十色 (@shiki_toiro02) October 13, 2018
「龍の首の珠」とは、文字通り龍の首元にある光る玉のことなのですが、この「龍の首の珠」は文化祭で白銀が龍ごと手作りしている描写があります。
また、「龍の首の珠」についてはもう一つ「龍珠 桃」が存在し、そちらも該当しています。龍珠桃は天文部の部長で広域暴力団「龍珠組」組長の娘であり、これまで白銀との接点は部活連の予算案会議で一緒になっている程度しかありません。
しかし、他の5つの宝は基本的に人物として表現されていることから龍珠桃も重要な役割を持っていると考えられ、さらに白銀が好きな天文に関する部活の部長であることなどから、手作りの龍と合わせて今後どう関わっていくのか注目です!
藤原千花=車持皇子(藤原不比等)
生徒会書記・藤原千花は、5人の求婚者の一人「車持皇子(くらもちのみこ)」のモデルとなった人物「藤原不比等(ふじわらのふひと)」(不比等の母は車持氏)に由来しています。車持皇子は「蓬莱の玉の枝」を要求され、これを職人たちに作らせました。
姫はその見事な造りに騙されそうになりましたが、職人たちが代金を請求しにきたため偽物とバレ、結婚を断られました。また、車持皇子はこの事を恥じて深い山の中へ身を隠しました。
藤原書記も様々な策を弄するもすぐにバレてしまい、恥ずかしそうにしており、車持皇子とは性格もそっくりなようです。
蓬莱の玉の枝=??
一番最初に宝物(偽物)を持ってくるのは車持皇子。声を担当したのは橋爪功さん。蓬莱の玉の枝を持ってくるのも代金の支払いを求める職人によって贋物だと露見するのも原作通りです。#かぐや姫の物語 pic.twitter.com/sENUuLuu4d
— キャッスル (@castle_gtm) May 18, 2018
蓬莱の玉の枝」とは、東の海にある『蓬莱山』に存在するといわれる根が銀、茎が金、実が真珠でてきている木の枝のことですが、『かぐ告』では、まだこの「蓬莱の玉の枝」に該当する物や人物は登場していないと思われます。今後藤原書記とどのように関わっていくのか、注目です。
石上優=中納言石上麻呂足
生徒会会計・石上優は5人の求婚者の1人「中納言石上麻呂足(ちゅうなごんいそのかみのまろたり)」が由来となっており、石上麻呂足は、かぐや姫から「燕の子安貝」を要求されました。
中納言は自分で直接龍に乗って子安貝を採ろうとしましたが、誤まって龍から転落し、大怪我を負ってしまいました。中納言は転落する直前に子安貝を掴んでいましたが、大怪我を負ってまで手に入れたそれは子安貝ではなく燕の糞でした。
これを聞いたかぐや姫は中納言を気の毒に思って歌を送り、それを受け取った中納言は姫に返歌を送りますが、すぐに息を引き取ってしまいました。
燕の子安貝=子安つばめ
「燕の子安貝」とは、燕が生むという不思議な貝のことで、子安貝とは、タカラガイという小さな貝の別名であり、古くから安産のお守りになるという言い伝えがあるそうです。『かぐ告』における「燕の子安貝」は、体操部部長・3年子安つばめを指します。第104話のラストには実際の子安貝のイラストも描かれていますね。
『かぐ告』の石上は『竹取物語』の中納言の共通点はその不幸な境遇と、かぐやに子安つばめを手に入れることを命じられ、実際に(無意識ではあるものの)公開告白までこぎ着けているというところです。
石上は史実に則って、石上のつばめ先輩への恋は成就しないと噂されていますが、つばめ先輩からの告白は3月まで保留となっているため、どんな展開を迎えるのか注目です!
伊井野ミコ=石作皇子
生徒会会計監査・伊井野ミコは、5人の求婚者の1人「石作皇子(いしつくりのみこ)」が由来となっています。『竹取物語』では、石作皇子はかぐや姫から「仏の御石の鉢」を要求されました。
石作皇子は天竺(インド)で鉢を探すといいながら日本に留まり、3年の期限ギリギリまで待ってから大和の国(奈良県)の山寺で見つけたすすけた鉢を「仏の御石の鉢」と偽ってかぐや姫に差し出しましたが、鉢が光を放たなかったためすぐに偽物と見破られ、姫に冷たくあしらわれましたが、諦めずに歌を送り続けました。
ミコは非常に正義感が強く超が付くほど真面目な人物であり、特に石作皇子が行ったような不正行為を激しく嫌っているため、性格としては石作皇子と正反対ですが、メンヘラ気質なところは共通しているようです。
仏の御石の鉢=大仏こばち
【かぐや様は告らせたい】
本日発売のYJ49号に「第75話 大仏こばちは取り締まりたい」掲載中!メガネっ子の名前が明らかに!?
また、JF2018で作者のサイン会も行われます!
※電子派の皆様、今しばらくお待ち下さい!https://t.co/nc7YHX8Tdb pic.twitter.com/v6w6bkWZSN
— 週刊ヤングジャンプ編集部 (@young_jump) November 2, 2017
「仏の御石の鉢」とは、釈迦が使っていたと言われる鉢のことで、四天王が奉った鉢を重ねて押し、使用していました。一説によれば4リットルもの容量があり、雑色ながら色は黒く、光沢のあるものだったと伝えられられています。
『かぐ告』における「仏の御石の鉢」は、ミコの親友大仏(おさらぎ)こばちです。こばちは小学校時代からのミコの幼馴染であり、一緒に風紀委員も務めています。また、生徒会長選挙では応援演説をしたり、ミコの相談にのったりと、様々なサポートを行っています。
『竹取物語』では、石作皇子は「仏の御石の鉢」を手に入れることができませんでしたが、ミコは既に親友として「仏の御石の鉢」を手に入れているとも解釈できるため、今後この手に入れた宝が物語にどのように関わっていくのか、注目です。
生徒会6人目のメンバー=右大臣阿倍御主人?
●阿倍御主人?
5つの難題を出された貴公子の1人である阿倍御主人をモデルにした人物がまだ登場していない
生徒会には現在1名の空きがあり、今後加わる人物がそうである可能性は非常に高い
そうなった時、生徒会にはかぐや姫と5人の貴公子のモデル全員が揃うことになる#かぐや様 #竹取物語 pic.twitter.com/jBzZvBJbuH— YUU@ポロン (@TwopieceYuu) October 13, 2017
生徒会では現在まだ庶務の席が空席となっており、この席は5人の貴公子の最後の1人に由来する名前の人物が庶務に就任するのではないかと予測されます。この最後の1人は「右大臣阿倍御主人」と言い、かぐや姫からは「火鼠の裘」を要求されました。
右大臣は、大金を使って天竺から火鼠の裘を取り寄せ、かぐや姫に贈りましたが、偽物と疑った姫は火鼠の裘は焼いても燃えないはずと考え、衣に火を付けるように命じました。右大臣は衣に火を放ちましたが、衣は簡単に燃え尽きてしまい、かぐやに冷たくあしらわれました。
右大臣阿倍御主人は既に登場している?
あ~…今巻も面白かった。藤原書記より早坂近侍の方が好きになった。実は臆病で泣き虫とか良すぎ。石上会計も良いキャラしてたし…何より会長がかぐや様のことどれだけ好きなのかが期末試験回で分かったのかが大きい。会長イケメン過ぎんだろ… #かぐや様は告らせたい pic.twitter.com/zRVFd6QE5f
— 柄@ニート脱却(仮) (@tuka_utorismf) October 26, 2016
まだ想像の難しい生徒会6人目のメンバーですが、実は名前だけ既に登場しているのではないかと思わせる描写があります。それは第30話と第105話で登場した1学期と2学期の期末テスト成績上位者の貼り出しです。
ここで実は2年生1学期の4位に「阿部和音」と1年2学期の4位に「阿部夜由代」の名前があります。名前の読み方はおそらく和音(わおん)と夜由代(やゆよ)で、二人は姉妹か兄妹であることが予想されます。
火鼠の裘=不知火ころも?
有朋堂文庫の『平安朝物語集』1913には、竹取、伊勢、大和、落窪、住吉、唐物語の6篇が収められているが、ところどころ挿絵があり楽しい。図は「火鼠の裘」の実験。「火の中にうちくべて焼かせ給ふに、めらめらと焼けぬ」 「火の精 サラマンデル 燃えよ」はファウスト。 pic.twitter.com/kfv33HpW6m
— Shu ENKZN (@silverfaxx) December 15, 2017
「火鼠の裘」の火鼠とは、南海の山に住むと言われている想像上の白鼠のことで、その火鼠の皮で作られた衣類は、汚れたら火で焼けば綺麗になると伝えられていました。
『かぐ告』では、恐らく「不知火ころも」が「火鼠の裘」に該当すると考えられます。不知火ころもも同じく2学期1年の期末テストの結果で49位に名前が登場、その後マスメディア部に「1年の妖精」と崇められるような人気者であることが判明しました。
生徒会メンバーの枠は残り1枠となっており、不知火ころもが1年生であることから、より縁の深そうな夜由代が生徒会入りする可能性が高いと考えられますが、どちらになるのか、こちらも注目です。
最後の求婚者は「帝」=四条帝?
@tos 恐ろしいことに気付いてしまった…会長が模試で勝てない四条帝…かぐや様のお見合い相手説が濃厚…まだ名前しか出てないけどこれ伏線凄いな…
竹取物語でかぐや姫も帝とお見合いするから登場人物の名前にも意味があったんだ…感動……赤坂アカ先生天才… pic.twitter.com/cXg8jSdmyb— あんだー@サカナ2/16参戦! (@tn9ts) January 31, 2019
さて、かぐや姫を語る上で欠かせないのが、かぐや姫と文通までこぎ着け、不老不死の薬を渡されるもそれを焼いて捨ててしまった最後の求婚者「帝」です。しかし実は帝に関しても4話の全国模試の結果で既に「四条帝」という名前が登場、今後間違いなく物語に絡んでくるでしょう。
また、四条という名字、そして東京在住の高校生という情報から、ほぼ間違いなくかぐやの再従祖伯叔母(はとこおおおば)である四条眞妃と関係があると考えられています。ちなみにファンブックでは眞妃に双子の弟がいると判明しており、この双子の弟が四条帝である可能性が現在濃厚となっています。
ついに文化祭で告白!?まだ見ぬ登場人物にも注目!
かぐや様読んでる人にはネタバレ注意なんだけど
俺が11巻の後に13巻読んで12巻の内容ないのに違和感感じなかったのは
この11の終わり方からの
この13の開幕だからなのよ。
文化祭で告る!って言って終わったあとに
初日から物語始まったらそりゃ気づかないよね!?
12巻なんの話!
準備フェーズですか pic.twitter.com/j1qyIIAm9a— りゅーさん。@ノイズ (@Ryusan_51) February 3, 2019
現在文化祭もクライマックスを迎え大盛り上がりの『かぐ告』ですが、この物語は『竹取物語』が史実だったかも知れないIF世界を描いた作品で、脇役であるはずの白銀がかぐやを手に入れることができるかどうかがポイントとなっています。
※各キャラクターの『竹取物語』とのリンクについてはファンブックでアカ先生の所見も書かれているので、興味のある人はそちらもチェック!(ダイマ)
また、白銀は6巻の月見回で帝の美談を否定し、「俺なら絶対かぐやを手放したりしないのに」と豪語しています。つまり『かぐ告』は「帝」が登場してからが本番、回収されていない伏線もまだまだ存在していますので、今後も『かぐ告』の展開に注目していきたいと思います!