【ワールドトリガー】あらすじ&ストーリー見どころまとめ【最新ネタバレ有】

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『ワールドトリガー』は週刊少年ジャンプで連載された後、月刊誌のジャンプSQに移行して連載が再開されたSF系バトル漫画です。本作は全73話でアニメ化されるほどの人気作品で、100名を超える登場人物や緻密な戦略などによる濃厚なストーリーが魅力。本記事ではあらすじと見どころを一挙にご紹介していますが、すでに内容を知っているファンでも共感間違いなしの名シーンが目白押し!

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目次

ワールドトリガーってどんな漫画?あらすじをおさらい!

ワールドトリガー 1 (ジャンプコミックス)

『ワールドトリガー』は日本を舞台にしているSFバトル漫画です。

剣も魔法もない平和な日本の三門市に、ある日突然異世界と繋がった門が出現します。禍々しい雰囲気を放つ門を通じてやってきたのは、三門市を襲う大勢の怪物達。未曽有の脅威が三門市に襲い掛かったとき、街を守るべく颯爽と立ち塞がったのが「ボーダー」という防衛組織です。

ボーダーが街を襲った脅威を退けてから幾年を経て、ボーダーに入隊して訓練生として過ごす主人公の「三雲 修(みくも おさむ)」でしたが、異世界からやってきたという転校生「空閑 遊真(くが ゆうま)」と三雲修が出会ってから物語は急加速を始めます。

とある理由から異世界へと消えた幼馴染の兄を探しに行くために、ボーダーが秘密裏に行っている「異世界遠征」への参加を目指すことになる三雲修。異世界遠征に参加するには未知の力に対抗する実力が必要なため、空閑遊真や他の仲間達と協力しながら着実に力をつけていくのでした。

本作は、三門市にとって脅威となる敵を退ける防衛戦と、味方同士で切磋琢磨しあうランク戦が物語の根幹となっています。

個性豊かな隊員達が特定のチームを組んで隊員同士で繰り広げる戦略性の高いバトルや、チームの垣根を越えて迫り来る怪物を撃退するために共闘するシーンが激アツです!

読み終えてから納得させられる伏線も多く、思わず読み終えたページを読み直してしまうことも多々あることでしょう。

【ワールドトリガー】主人公・三雲修と空閑遊真の出会い

ワールドトリガー 2 (ジャンプコミックス)

主人公の三雲修はとても正義感の強いメガネくん

三雲修は、ケンカは弱いが曲がったことが許せない、真面目な学級委員長タイプの中学三年生です。

三雲修が通う学校に転校してきた空閑遊真は不良達のからかいの的になってしまいますが、三雲修はそんな嫌がらせに対しても毅然と注意をする正義漢だったのです。

そんな三雲修を見て、空閑遊真が抱いた印象は「オサムは頑固な面倒見の鬼」。

三雲修の警告も聞かず怪物が出現する警戒区域に空閑遊真を連行した不良達ですが、案の定不良達の前に怪物が出現。訓練生ながらもボーダーの一員である三雲修は身体を張ってみんなを守ろうとしますが、三雲修が苦戦する怪物を空閑遊真があっさりと撃退。

ここで空閑遊真は「おれは門の向こうの世界から来た」ということをカミングアウトします。空閑遊真が強い理由は、怪物達がひしめく世界で戦いの日々を送っていたからなのでした。

空閑遊真は異世界からやってきたもう一人の主人公

ワールドトリガー オフィシャルデータブック BORDER BRIEFING FILE (ジャンプコミックス)

空閑遊真が自分は「近界(ネイバーフッド)」という別の世界からやってきた人間であると三雲修にカミングアウトしてから、物語は大きく動き始めます。

空閑遊真が三雲修たちが住む世界にやってきた理由は、父が「ボーダーにいる知り合いに会え」という言葉を遺していたから。

しかし日本において近界からやってくる怪物達は「近界民(ネイバー)」と呼ばれ、全てが憎き敵であるという印象を持たれていました。そのため空閑遊真もあらぬ誤解を受けかけてしまいますが、面倒見の鬼である三雲修が誤解を防ぐために世話を焼くのでした。

父の知り合いに会うという空閑遊真の目的のためにも協力を惜しまない三雲修でしたが、残念ながら目的の人物はすでにこの世を去っていたのです。

唯一の目的を果たせなかった空閑遊真は故郷に帰ろうとしますが…それを引き止めたのは三雲修。異世界へと消えていった幼馴染の兄を探すため、協力をしてほしいと空閑遊真に願い出ます。

幾ばくかの問答の後、空閑遊真は三雲修の願いを了承。なんでも、空閑遊真を助けて亡くなった世話焼きな父と面倒見の鬼である三雲修の性格が似ているために気になってしまうんだとか。

確かな実力者である空閑遊真の協力を得て、三雲修たちは大きな目標への確かな一歩を踏み出したのでした。

【ワールドトリガー】黒トリガー争奪戦のストーリーと見どころ

ワールドトリガーでは、人が生まれながらにして持っている「トリオン」というエネルギーを利用する「トリガー」と呼ばれる武器を使って戦闘を繰り広げます。

形状は剣タイプだったり銃タイプだったりと、使用者の個性に合わせて武器を選択できるようになっています。

基本的にはボーダーが量産したノーマルトリガーが使用されますが、中には「黒トリガー(ブラックトリガー)」と呼ばれる異質な武器が存在するのです。

黒トリガーは、優秀なトリガー使いの命と全てのトリオンを注ぎ込むことで作成できる代物。まさしく、命を込めた逸品と言えますね。

命と莫大なコストがかかっている分、黒トリガーの威力は想像を絶するものです。国同士の戦争では、追い込まれた国が生み出した黒トリガーで戦況がひっくり返ることもあるのだとか。

そして、空閑遊真が持っているトリガーは遊真の父の命で作り出された黒トリガーだったのです。ボーダー上層部の過激派はそんな空閑遊真を危険視し、黒トリガーを奪い取るための刺客を放つのでした…。

A級1位・太刀川慶をはじめとする猛者達の壮絶な戦い!

ワールドトリガー 15 (ジャンプコミックス)

黒トリガー争奪のために駆り出された刺客は、なんとA級1位の攻撃手「太刀川 慶(たちかわ けい)」などを始めとするA級上位の隊員達でした。

A級1位という存在は、ボーダー隊員の中で最強であることを意味します。その上、A級2位の狙撃手である「当真 勇(とうま いさみ)」やA級3位の「風間 蒼也(かざま そうや)」などを共に送り込んでいる点からは、ボーダー上層部がどれほど黒トリガーを危険視しているかがわかります。

その猛者たちを相手するのは空閑遊真…ではなく、「迅 悠一(じん ゆういち)」でした。

迅悠一はボーダー公認の黒トリガー使い。その実力は、A級6人を同時に1人で相手しても勝ち越せるほど!黒トリガーはあまりにも強力すぎるため、成果に応じて変動するランキング制度から除外された存在とされています。

余談ですが、後からコミックスを読み返すことで「マジでヤバいやつらが戦ってたんだな…」ということがわかるシーンでもあります。A級隊員は異世界の幹部クラスの強敵とも渡り合う実力を備えていますので、決してA級隊員6名が弱かったわけではないのです。

希少なS級隊員の迅悠一が黒トリガーを使用する

ワールドトリガー 4 (ジャンプコミックス)

迅悠一は黒トリガー使い=S級隊員という扱いで、積極的に戦闘を行うことは稀です。そして、黒トリガーの詳細を知っているのはボーダー本部や上級の隊員の一部ぐらいだそう。

そんな迅悠一が持つ黒トリガーの名称は「風刃(ふうじん)」。刀のような形状をしたトリガーで、「視界全てが射程圏内の遠隔斬撃を放つことができる」あるいはマップで指定した位置に高威力の斬撃を発生させるという超強力な性能を備えたものです。つまり、瞬きをする間に視界に入る全てのものを切り裂くことができるのです。

さらに迅悠一の強さを後押しするポイントが、「未来視」と呼ばれるサイドエフェクト(特殊能力)を持っていることです。本人曰く「風刃とおれのサイドエフェクトは相性が良すぎるんだ」とのこと。

A級上位の人物たちは確かな実力者ですが、黒トリガー&未来視というチート級の能力を誇る迅悠一を相手にしたのが運の尽きと言わざるを得ません。

【ワールドトリガー】ボーダー入隊編のストーリーと見どころ

ワールドトリガー 10 (ジャンプコミックス)

三雲修、奮戦!実力をカバーする観察と戦略が実を結ぶ

三雲修は真面目で正義感が強いですが、残念ながら戦闘力はかなり低い少年でした。

戦闘員の強さを分ける要素は様々ですが、その中でも大きく能力を左右する要因として、生まれ持ったトリオン量の多さという要素が存在します。トリオン量によって武器の威力や耐久力が左右されるため、トリオンが多ければ多いほど戦闘力が高い傾向にあると言えます。

オフィシャルデータブックでは各隊員の能力を数値化したパラメータがありますが、三雲修のトリオン量を示す数値はなんと「2」。トリオンが低いと言われている隊員でも4程度の数値を示しており、トリオンが豊富な隊員では10以上の数値を記録しています。そのため、三雲修はトリオン量の不足によりボーダー入隊試験で不合格になってしまったことがあるほど。

そんな三雲修は自身の戦闘力が低いことを自覚しており、敗北から相手の特徴を学び、緻密に組まれた戦術によって実力をカバーする戦い方を主体としています。

A級隊員からの誘いで行った模擬戦では三雲修が24連敗を喫しましたが、25戦目にはA級3位の隊員と引き分けることに成功するのです。武器の使用方法を工夫しつつ、裏をかいて読み合いに持ち込むなどの戦略を練って挑んだ戦果でした。

対戦相手の隊員の評価は、「はっきり言って弱いが、知恵と工夫を使う戦い方は嫌いじゃない」とのこと。

隊員たちが考え尽くした戦略こそがワールドトリガーの真髄と言っても過言ではありません!三雲修の奥深い戦略が楽しみになる一戦でした。

雨取千佳は基地の壁に風穴を開けるトリオンモンスターだった

ワールドトリガー 3 (ジャンプコミックス)

雨取 千佳(あまとり ちか)」は、三雲修の幼馴染。異世界へと消えた兄を探すため、ボーダー入隊を決意して三雲修と共に戦うことを選んだ小柄な少女です。

入隊時には希望するポジションを選択しますが、雨取千佳が選んだのは狙撃手。狙撃手の武器には、次のような特徴があります。

・アイビス:威力重視のライフル銃。トリオンが多い程、威力が増す。
・イーグレット:射程重視のライフル銃。トリオンが多い程、射程が増す。
・ライトニング:弾速重視のライフル銃。トリオンが多い程、弾速が増す。

まずは指導官の指示通りアイビスで試射を行った雨取千佳でしたが…周囲の全隊員の度肝を抜く結果となりました。あまりにもトリオンが多すぎたため、射撃が基地の壁に大きな穴を開けてしまうほどの威力を発揮してしまったのです。

オフィシャルデータブックによると、今までの隊員の中で通常時のトリオン量の最高値を記録していた人物のパラメータは「14」でしたが、雨取千佳のパラメータはなんと「38」

これは黒トリガーを装備してパラメータが増強された迅悠一のトリオン量「37」すら超える記録で、雨取千佳の素質を大きく知らしめた瞬間でした。

トリオン量が豊富であれば、かなり幅広い戦術を取れるようになります。三雲修の戦術眼と合わせて、今後の成長が気になる人物です。

ノーマルトリガーでA級隊員をボコボコにする空閑遊真

入隊後の訓練では、仮想敵を相手にした模擬戦闘で史上最速記録の0.4秒撃破を達成したほか、各訓練では当然のように1位を獲得し続けた空閑遊真

それだけでも充分隊員たちの注目の的ですが、次に空閑遊真のターゲットとなったのはA級4位の実力者である「緑川 駿(みどりかわ しゅん)」でした。

緑川駿は弱冠14歳にしてA級まで勝ち上がった若き天才。そんな緑川駿はボーダーのカリスマ的存在である迅悠一の大ファンだそうですが、三雲修が迅悠一に目をかけられているのが気に食わないようです。憂さ晴らしのためか、緑川駿は三雲修を晒し上げるかのごとく新米隊員の前で模擬戦を行って叩きのめすのでした。

そんな様を見て、空閑遊真は静かに激怒。緑川駿に10本勝負を挑み、あえて緑川に2本先取させた上で8連勝を重ね、圧倒的な強さを見せつけました。

他のA級隊員曰く、「緑川は覚えた芸を見せたくて仕方ない犬のようだが、空閑は淡々と相手をうまく殺すための動きをしている」とのこと。

戦い終わった後は緑川駿も空閑遊真の実力を素直に認め、三雲修に対する非礼をしっかりと詫びることができました。憎たらしいキャラクターがおらず、終始さわやかな雰囲気であるのもワールドトリガーの魅力の1つです。

【ワールドトリガー】大規模侵攻編のストーリーと見どころ

ワールドトリガー 8 (ジャンプコミックス)

ボーダーに新規入隊した空閑遊真と雨取千佳がB級昇格のために鍛錬していたところですが、一方で未来を予知できる迅悠一は「近いうちに異世界からの大規模侵攻が行われる」ということを予見していました。

その予知は想像以上に早く現実のものとなります。街に不気味な暗雲が立ち込めるとともに、強力な震動を伴った転移用の門が市街地の各地で発生。開かれた門からは異世界に存在する国「アフトクラトル」の怪物が、トリオンの供給源となる人間を拉致するために次々と攻め入ってきたのです。

大規模侵攻編はボーダー隊員総出の総力戦で、物語の中でも屈指の見せ場が多いのが注目ポイント。全編通じて魅力的なシーンが多いですが、その中から注目ストーリーをご紹介したいと思います。

敵国最強の黒トリガー使い・ヴィザと空閑遊真の死闘

三雲修たちが暮らす世界「玄界(ミデン)」に攻め込んできたアフトクラトルの人物の中でも独特な雰囲気を放つ老齢の戦闘員がいます。その人物は好々爺然とした振舞いをしていますが、彼の実力は、アフトクラトル最強と名高い実力を持つ「ヴィザ」。

老齢ながらも衰えぬ戦闘センスの所以は、未知なる相手との戦闘を好み、長きにわたって膨大な戦闘経験を積んできたからでしょう。

そんなヴィザが使用するトリガーは国宝級と言われる黒トリガー「星の杖(オルガノン)」。任意の円周上にブレードを超高速で走らせるリングを自在に放つ特殊能力を持つトリガーです。さらに、ヴィザ自身の剣術の腕前も達人クラスという老練の猛者です。

命のやり取りをする戦場で戦い続けた空閑遊真が、父の黒トリガーを使用しても「この爺さんの厚みには勝てない」と言わしめるほどの戦いぶりでした。

しかし、戦いの結果は空閑遊真が勝利を収めて終了しました。空閑遊真がヴィザ自体の戦闘力を上回ることはできませんでしたが、戦闘状態が解除された通常状態であってもトリガーが使えるという空閑遊真だけが持つ特性を利用した不意打ちで、ヴィザを下すことができたのです。

持てるものは全て使い、一つでも相手に勝っている強みを最大化して、自分よりも強い相手に打ち勝つ。最後まで手が読めない、戦略的で面白い戦いでした!

黒トリガー使いのエネドラとノーマルトリガー最強の忍田本部長が激突

刺客として送り込まれたアフトクラトルの幹部の黒トリガー使い「エネドラ」。トリガーの能力で自らのトリオン体を液体および気体に変化させることができ、体内にある弱点の移動や液体・気体化したトリオンを硬質化させてブレード状にして攻撃することも可能な攻防万能なトリガーです。

特にトリオン気体化の能力が凶悪で、相手が吸い込んだトリオンを体内でブレード化させるという不可避の攻撃を仕掛けることができるのです。この技によって、A級3位の風間蒼也が撃破されてしまいます。

大暴れするエネドラはボーダー基地への侵入を果たしますが、この緊急事態を受けてボーダー本部ノーマルトリガー最強の男「忍田 真史(しのだ まさふみ)」が出撃します。

忍田真史は平常時は本部長として軍事指揮を行っていますが、その経歴は現A級1位の太刀川慶に剣を教えた師匠。ノーマルトリガー最強の異名に違わず、異世界の黒トリガー使いに対しても圧倒的な技術に裏打ちされた戦闘力を見せつけるのでした。

ちなみに、忍田真史が作中で戦闘するシーンを披露するのは今のところこの一戦のみ。短い出番でしたが、強烈なインパクトを残した一戦です。

捨身の総攻撃!三雲修・空閑遊真・三輪秀次の連携

ワールドトリガー 9 (ジャンプコミックス)

アフトクラトルの大侵攻に対して、ボーダー隊員を総動員した大防衛戦はついに最終局面。

しかし、ボーダーの隊員達の武器や身体をトリオンキューブ化して無力化させる黒トリガーを使うアフトクラトル遠征隊長の「ハイレイン」によって、三雲修と雨取千佳は絶体絶命の窮地に立たされてしまいます。

迅悠一の予知によると、三雲修と雨取千佳がボーダー基地に逃げ込めるかどうかが未来の分岐点とのこと。

トリオンキューブ化された雨取千佳を抱えて基地を目指す三雲修でしたが、ボーダー基地の正門前で立ち塞がったのはワープ能力を持った黒トリガー使い「ミラ」でした。

雨取千佳を奪うべく三雲修にハイレインが襲い掛かったところで、「三輪 秀次(みわ しゅうじ)」が牙を剥きます!三輪秀次は近界民である空閑遊真や仲間の三雲修を激しく嫌っていましたが、三門市を襲う脅威を排除するために共闘することを選んだのです。

ここで三輪秀次が抜いた刀は、いつものノーマルトリガーではなく「風刃」でした。風刃と言えば迅悠一が持つ遠隔斬撃を放つ黒トリガーですが、未来を予知していた迅悠一が「使うべき時が来る」と三輪秀次に託していたようです。

この記事の筆者である私が特に気に入っているシーンでもあり、「風刃起動!」の掛け声とともに抜かれたとっておきの切り札には、思わず口を押さえて感嘆してしまうほど。この状況に至るまでのストーリー構成が非常に秀逸であり、ぜひとも全編を通じて読んでいただきたいところです。

【ワールドトリガー】B級ランク戦のストーリーと見どころ

ワールドトリガー 12 (ジャンプコミックス)

アフトクラトルによる大規模侵攻編が終了し、物語はB級ランク戦に突入します。

ランク戦制度はボーダー内において隊員の実力の計測および向上のために設けられたシステムであり、ワールドトリガーを特色づけるチーム戦の見せ場でもあります。

チーム単位での参戦が基本で、必ずしも個人の強さが勝敗に直結しないのが面白いポイント。そして、同時に3~4チームが同じマップで戦闘を繰り広げるので、組み合わせ次第で戦況がガラリと変わるのも大きな醍醐味です。

あえて不利を取った地形戦での三雲隊の戦略勝ち

ワールドトリガー 11 (ジャンプコミックス)

ランク戦ではチームの組み合わせのほかに、地形選択という要素が存在します。

高低差の大きいマップや建物が少なく平たいマップでは遠距離タイプのトリガーが有利となりますが、逆に近距離タイプのトリガーは対戦相手に近づくことが困難になり、不利を強いられる戦いになります。

そこでピックアップしたいバトルは、三雲隊が高低差のある市街地マップを選択して挑んだ『荒船隊 vs 諏訪隊 vs 三雲隊』です。

荒船隊はチーム3人全てが狙撃手という、遠距離戦特化チームです。対して諏訪隊は狙撃手不在の近中距離型のチームであるため、3チームの中では荒船隊が地形的有利を一方的に享受するかのように思われました。

しかし実際は、一方的有利な荒船隊を抑え込むために「荒船隊 vs 諏訪隊 & 三雲隊」の構図が出来上がるのです。

チームの特色を理解して挑んだ戦いは、地形戦略が功を奏した三雲隊が大勝利を収めて終了するのでした。

初敗北を乗り越えて進化した三雲隊の戦略的快勝

ワールドトリガー 17 (ジャンプコミックス)

三雲隊は連勝を重ねてB級6位となり上位入りを果たしますが、初めて上位陣と対戦した結果は惨敗。エースである空閑遊真に頼った試合運びが多かったことを反省して新しい攻撃手段を取り入れた三雲修でしたが、中途半端な攻撃で負ったリスクで戦術がおろそかになってしまうことに。

そこで三雲修が周囲の人物に教えを請いながら用意した新たな戦略は、ワイヤーによる罠エリアの生成。直接的なダメージを与えることはできませんが、相手の行動阻害やワイヤーを活用した空閑遊真の立体的な機動による攻撃など、戦略にバリエーションが生まれる結果となりました。

加えて、罠エリアに囲まれた地帯から雨取千佳の砲撃を仕掛けることで、狙撃手である雨取を倒すためには三雲修たちに有利な罠エリアを抜けなければいけないという状況を作ることもできました。

終始相手に対応を迫る状況作りができた三雲隊は、圧倒的勝利を収めてB級上位陣への復帰を果たすのでした。

アフトクラトルのヒュースが三雲隊に加入!?

ワールドトリガー 16 (ジャンプコミックス)

アフトクラトルの若き軍人であった「ヒュース」ですが、アフトクラトルの陰謀によって三雲修たちが住まう玄界に置き去りにされてしまいます。忠誠心が強く優秀な部下であったヒュースは、自分が置き去りにされた理由を知るはずもありません。

アフトクラトルの目的は、類稀なるトリオンを持ち「金の雛鳥」なるコードネームまで付けられた雨取千佳の奪取です。ヒュースの意思はもちろん本国の目的を果たすことですが、今は孤立した現状を抜け出して本国へ帰還することが最優先と考えます。

そんな中、三雲修は主力を空閑遊真に頼った作戦に限界を感じていたため、新戦力を探していました。ここでつまづいていては、三雲修たちは遠征に参加することはできません…。そう、ここで三雲修たちとヒュースの「遠征に参加する」という目的が合致するのです。

そこでヒュースと三雲修がボーダーに対して提案したことは、なんとヒュースを三雲隊の一員として加え、ボーダー本部の近界遠征に同行させろというものでした。代わりに、近界の内情に詳しいヒュースが未知の世界で大きな危険が伴う遠征におけるガイド役を買って出ると言うのです。

ボーダー本部は「遠征隊選抜はB級2位以上」という条件を課したものの、ヒュースの協力というメリットは大きいと判断。敵国の主要人物と協力関係を結ぶという、奇妙な約束が実現してしまいました。

しかし、敵国の軍人とはいえヒュースは約束したことを必ず守る大変真面目な男。B級ランク戦でも常に先のことを考えて合理的かつ効率的な判断を下し、三雲隊勝利のために大きく貢献することになるのでした。

【ワールドトリガー】194・195・196話最新ネタバレ!

ワールドトリガー 21 (ジャンプコミックス)

2020年5月時点では単行本化されていない188話以降のストーリーですが、最新194~196話ではついにB級ランク戦の最終戦の決着がつきます!

対戦カードは「二宮隊 vs 三雲隊 vs 生駒隊 vs 弓場隊」という組み合わせ。三雲隊にとっての二宮隊は、惨敗を喫し苦い思いをさせられた相手ですので、なんとか乗り越えてB級上位の座を勝ち取りたいところ。

ヒュースの三雲隊加入はとても大きい要素ですが、それに伴った隊員達の精神的成長も見どころの一つ。最終戦の見どころと結末をご紹介したいと思います。

雨取千佳が覚醒!ついに人を撃てるように…!?

雨取千佳は史上最高値を記録するほどのトリオンの持ち主ですが、人を直接撃てないという大きな弱点を抱えていました。戦闘時はトリオン体という戦闘用の身体に換装して戦うため、生身には傷一つ付きません。しかしそれでも人を撃てない理由とは、人を撃つことで恨まれたり責められたりすることが怖いという思いからでした。

人々の悪意に晒されることを恐れた雨取千佳は、「自分は弱いから人を撃てない」という殻に閉じ籠ることで不安を振り払っていたのです。同時に、本当の戦いから目を逸らしている自分に自己嫌悪してしまうのでした。

そんな雨取千佳は、遠征隊選抜がかかった最後のランク戦では対戦相手を撃って倒すことを決意して最終戦に臨みます。

直接相手を狙わないサポート射撃などでは遺憾なく実力を発揮する雨取千佳でしたが、それでも心の奥底に根付いた恐怖を振り払って相手に致命傷を与える攻撃は出来ずにいました。しかし、ヒュースが集中攻撃に遭ってついに撃破されてしまったことをきっかけに、雨取千佳の顔つきが変わります。

三雲修の背後から二宮隊の隊員の刃が迫ったときに、雨取千佳はついに殻を打ち破るのです。

本当に最後の最後でした。三雲修が倒されれば二宮隊の隊長を撃破することは絶望的という瞬間で、三雲修を守るために相手を撃ち抜くことができたのです。

そのときに雨取千佳が使用したライフルはアイビス。トリオンが多い程に威力を増すライフルなので、どんなに強力なシールドでさえも貫いて「絶対に相手を倒す」という強い意志を込めて弾丸を撃ったのでしょう。

雨取千佳の決心の一撃によって三雲修はピンチを免れ、二宮隊長への致命傷につなげることが出来たのでした。

三雲修の隠し玉が二宮隊長を貫き、B級2位確定

三雲修はトリオン量が少ないので、工夫に工夫を重ねた戦い方で今まで生き残ってきました。

そして、「三雲じゃ到底二宮隊の脅威にはならないな」という二宮隊長でしたが、嘘を見抜く力を持った空閑遊真いわく「つまんないウソつくね」とのこと。つまり、二宮隊は三雲修の戦術を脅威と感じているため、周到な対策と分析を行ってきているということがわかります。

三雲修のパラメータ分析なども行った二宮隊は、実際の戦闘を通じてトリオン量の少ない三雲修にできることを読み切っていたつもりでした。

ですが、三雲修は自分が分析されていることを逆手にとった切り札を用意していたのです。それは、「曲がるはずがない弾を曲げる」という技でした。

三雲修のトリオン量では、複数の射撃トリガーを使用するほどトリオンに余裕はありません。威力は高いが曲がらない通常弾と、威力は下がるが相手を追いかけるように曲がる追尾弾の併用はできないのです。三雲修は、今まで使っていた通常弾のような直線的なラインで追尾弾を撃つことで、追尾する弾があるという警戒をさせなかったのです。

その追尾弾も、軽率に使っていては相手に致命傷を与える手段にはなり得ません。最後の最後まで温存し、相手を揺り動かしてベストなタイミングで使うことが出来たからこそ、致命傷として命中させることができたのです。

最後は空閑遊真との連携で二宮隊長を下し、見事にB級2位確定の座を掴み取りました。ヒュースを含むチームメイトが、それぞれ最大の活躍をした結果の大勝利でした!

まとめ:ワートリはチーム戦の連携が最高に面白い

チーム戦を主題にした漫画は数多くあれど、『ワールドトリガー』ほど多彩なキャラクターと戦略を展開する漫画はなかなかお目にかかることができません。

余談ですが、チーム戦であることや射程距離ごとの戦術、立ち回りの重要性などが大変面白く描かれているため、筆者は思わずチームバトルゲームのスプラトゥーンをやりたくなってしまいました。

それはさておき、魅力的な話が多すぎて残念ながらご紹介できなかったバトルもありますが、それぞれの隊員が抱える思いやドラマも必見の価値ありですよ。

アニメ第二期の製作が決まって、注目度が高まっている『ワールドトリガー』。もしもコミックスを読んだことがなければ、これを機にお読みになってみてはいかがでしょうか?

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