【3月のライオン】切なくて温かくて心に沁みる。ただの将棋漫画じゃないストーリーの魅力をご紹介!

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ヤングアニマルにて連載中の3月のライオン。心が温まるストーリーの魅力をご紹介していきます。

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3月のライオンとは?

3月のライオンは、ハチミツとクローバーなどで知られる羽海野チカ先生による漫画作品で将棋を題材としており、棋士の先崎学さんが監修を務めています。ヤングアニマルにて2007年14号から連載開始しています。

2007年連載開始

3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

主人公の桐山零は東京の下町に住む17歳のプロ将棋の棋士となった少年です。連載当時の零は、C級1組五段となっています。

幼い頃に事故で家族を失い1人になってしまった零は、父の友人であった棋士の幸田に内弟子として引き取られ将棋の腕をめきめきと挙げて15歳でプロ棋士となりますが、幸田家での受難の日々と学校でも周囲に溶け込めず孤立してしまうなど深い孤独を抱えている少年でした。

そんな零の前に現れた川本家のあかり・ひなた・モモの3姉妹との出会いにより少しずつ変わっていきます。

高校の担任であった林田によると、最初は消しゴムみたいにのぺっとした感じだったが今では好きな子の横で笑顔を見せる年相応の表情を見せることにホッとしていると話しています。

ただの将棋漫画じゃない

3月のライオンはもちろん将棋の対局や勝つための研究など将棋に関するシーンはたくさん出てきますが、将棋の知識が全く無くても楽しめる漫画です。零をはじめ取り巻く人たちの温かさや優しさを感じ、孤独で周囲と打ち解けなかった零も次第に柔らかくなっていきます。

将棋の知識があれば、また違った面でも楽しめますが、零たちプロ棋士として生きる彼らの生き様にグッとくるものがあります。

また、将棋の棋士として生きることを選んだ零は1年遅れで高校へ編入することを決意しており、早くプロの道を選びたい年下の子の真っ直ぐな質問にもぶつかります。

10代の少年少女達の抱える悩みや甘酸っぱい青春も絡み合い、他者との交流が苦手だった零も次第に自分の気持ちを表現するようになっていきます。

3月のライオンの登場人物

3月のライオンの登場人物についてご紹介していきます。

桐山零

3月のライオンの主人公であり、作中では15歳で史上5人目となる中学生でプロ入りした若手棋士です。棋風は居飛車も振飛車も指すオールラウンダーであり、島田からは宗谷と雰囲気が似ていると評されています。

幼い頃に交通事故で両親と妹を失い、親戚で引き取ろうとする人はなく施設へ入らされそうになっていたが、生きていくために父の友人であるプロ棋士の幸田柾近に内弟子として引き取られます。

認めてもらいたい一心で将棋にのめり込むが幸田の実子とは上手く馴染めず家庭内で居場所がない故に持てる時間は全て将棋に没頭し、1人で早く自立したいと15歳でプロ棋士になる道を選びます。幸田の娘の香子が家を出ようとするのを引き止めるため、自分が家を出ることを決意し、中学卒業後に都内にある六月町で一人暮らしを始めます。

零は自分の力だけで生活することが出来れば、そこが自分だけの居場所になるんじゃないかと必死で盤に喰らいついていました。

一人暮らしを始めた当初は対局で良い結果が出せずにどこか投げやりで荒れた生活を送っていたが、棋士の先輩にお店で無理矢理お酒を飲まされ放置されて路上で倒れていたところ、偶然通りかかった川本あかりに出会い介抱されます。

初めてだけどどこか懐かしい雰囲気の川本家とその家族との出会いは孤独だった零の心をホッと温かくさせてくれる安心できる場所でした。

子供の頃から何度も対局で顔を合わせている二海堂の存在は熱血すぎて少し遠ざけているところがあったが、彼の真っ直ぐな言葉が少しずつ零の心に響いていきます。

将棋以外には何もないと自覚している零だが、これ以上頑張る理由が見つからず、かと言って負けるのは苦しくて嫌だと葛藤している自分の将棋に自信を無くしかけていました。

そんな時に対局した島田と出会い、自分の読みの浅はかさや経験値不足を実感し、二海堂も所属している島田の研究会に入ることを決意し零の世界が広がっていきます。

1年遅れで編入した高校は将棋対局のために学校を早退や欠席することが多く、出席日数は危うくなっているがなんとか進級することが出来ています。

プロの野球選手を目指しているひなたの同級生である高橋にプロになった後に1年遅れで高校に入学した理由は何かと真っ直ぐな質問をされ、零は言葉に悩みながらも人生を早く決めた事は後悔していないが逃げなかったっていう記憶が欲しかったんだと思うと答えます。

4月になり高校2年生へとなった零は未だに周囲に馴染めずにいたが、何のために編入してきたのかと悩んで高校生活を送っていた頃より林田先生や放課後将棋科学部の存在もあって少しずつ前向きになっていました。

同じ頃、中学3年生になりクラス替えがあった川本ひなたがいじめにあっていることを知り、零は林田に相談したり親身になって彼女にとって一番良い解決策は何かを考え、1人で大丈夫だろうかと身を案じて修学旅行先の京都まで駆けつけるなどの行動力を見せています。

最初は戸惑いがちだった零も川本家の皆んなが自分にとってかけがえのない存在になっていることを意識し、彼女たちを守ることの出来る存在になりたいと考えるようになり、次第にひなたに惹かれていきます。

零が通っている私立駒橋高校への受験をひなたが希望した際は、ひなたに熱心に勉強を教えて数学の平均点を30点近く上げさせています。

誠二郎の一件のタイミングでひなたとの結婚を考えていることを宣言する零の行動力は、最初の頃と比べるとかなり成長したんだなと感じさせられます。

無事に片付き、最後の文化祭でひなたにちゃんと告白するシーンは甘酸っぱくもあり、幸せになってほしいと願うばかりです。

川本あかり

3月のライオン 12 (ヤングアニマルコミックス)

料理上手な川本家の長女であり、亡き母の代わりに妹たちの面倒を見ながら、昼は祖父の経営する和菓子屋・三日月堂を手伝い、夜は週に2回ほど伯母が経営する銀座の店でホステスとして働きながら家計を支えています。銀座では評判の美人で常連客である棋士たちにもファンが多くいます。

痩せている動物や人を放っておけない性質で、猫を拾っては食べ物をたくさん与えてふくふくに太らせるなどしており、零の痩せ細った体と不摂生な食生活を嘆き、度々お家ご飯に呼んでいます。

母との約束を守るため母親を思わせる服を着たり口調を真似たりするようになります。母親代わりを務めるため普段は明るく気を張っているが、ひなたがいじめの標的にされた際は動揺し、心細さから零の前で涙を流すこともありました。

金銭感覚はしっかりしているようですが食べる量やカロリーに関する計算はかなり適当であり、ひなたと共に食べ過ぎては後悔する様子が度々出てきています。

1巻で登場した頃に比べて少々太り気味になっている様で、美咲からバーのドレスがどれも着られなくなったため、食生活にチクリと苦言を呈されています。

川本ひなた

3月のライオン 2 (ジェッツコミックス)

明るく元気な川本家の次女で、姉とは対照的に小柄で華奢な体型をしています。

妹のモモの面倒や祖父の店の手伝い、家事手伝いをこなすしっかり者で気配り上手で心優しい性格をしており、零が元気になったりしょんぼりしたり怒ったりと活発な女の子だと言っています。

中学3年のクラスで佐倉ちほをいじめからかばったことで今度はひなたがいじめの標的にされてしまいますが、泣きじゃくりながら「私のした事はぜったいまちがってなんかない」と叫ぶ姿も零は過去の心の傷から救われたと感じます。

いじめが解決した後、進路に悩んでいたひなたは零が通っている私立駒橋高校を希望し、苦手な数学を始め零に勉強を教えてもらい見事合格することが出来ました。

川本モモ

3月のライオン 3 (ジェッツコミックス)

天真爛漫で可愛い川本家の三女で保育園に通う園児です。姉たちだけでなく零にも懐いており甘える姿を見せています。作中に登場するアニメのキャラクター・ボドロに体型が似ている二海堂にも懐いています。

川本相米二

川本家の母方の祖父で、あかり達の母・美香子と美咲の父親であり和菓子屋・三日月堂の店主を務めており三月町の名物作りに励んでいます。人情味と男気に溢れる江戸っ子口調の相米二は孫娘たちをこよなく愛し、特に三女のモモには弱く甘やかしてしまいます。

戦後の少年時代に両親と弟を亡くし必死で生きてきたため、自身と境遇が似た零に対して仲間意識に近い思いがあり、将棋ファンでもある為、零の対局についても関心を寄せています。

好きに生きて好きに死ぬを信条としてきたが妻と娘に先立たれたため、あかりたちを一人で金屏風の前に立たすわけにはいかないと石にしがみついてでも生きると決意し、定期的に馴染みの医者の診察を受けています。

美咲

あかりたち3姉妹の伯母であり、あかりが勤める銀座のスナック・美咲のママをしています。3姉妹を気にかけ、母親役に徹してしまっているあかりを家事から解放するために店のホステスとして雇っています。

店の常連には棋士や将棋連盟の関係者、企業主などが多く、店を盛り上げるためにファンが多いあかりをしっかり守りつつちゃっかり利用するなど商売っ気が強く、父の相米二を恐れさせるほどであり、外面だけはいつも最高だったと言われています。

3姉妹の父・誠二郎の気質を知る人間の一人で、あかりたちに取り入ろうとするのを幾度となく間に入り守る一方で父親の悪い所をこれ以上あかりたちに知ってほしくなかったと零に本音を漏らしています。

二海堂晴信

3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)

零とは幼少期から子供将棋で何度も対局を重ねており、心友かつ終生のライバルであると自称し、自宅に押し入ろうとしたり引っ越し祝いとして家具を持ち込んだりと零に対して強引に接することが多く、零も戸惑うことがある様です。

島田の弟弟子であり島田の研究会に所属しており、棋風は居飛車党で居飛車穴熊を好んでいます。

富裕な家庭で育っているが、幼い頃から腎臓を患っている影響でふくよかな体型をしており、常に健康に不安を抱えているため執事の花岡が片時も離れず側についています。

側にいない時でもすぐに駆けつけられるよう、二海堂にはGPSがつけられているらしいが本人は魔法みたいだと気にしていないようです。

二海堂の体が弱いことに気づいている者はいるが、二海堂自身の願いで周囲には明かされておらず、詳細は島田や会長、零といった一部しか知らないでいます。

 

島田開

3月のライオン 4 (ジェッツコミックス)

A級八段の棋士で30代半ばの宗谷冬司と同じ年齢かつ奨励会の同期であるが、痩身で頭髪が薄いこともあって40代の後藤と同年代に見られてしまっています。普段は比較的穏やかな人物ですが、対局に際しては好戦的な一面も見せる地道に歩む努力の人です。

二海堂の兄弟子で小さい頃から見てきた二海堂とはお互いに「坊」「兄者」と呼び合う仲の良さであり、後輩思いで二海堂にとっては兄貴分のような存在となっています。

零とは獅子王戦の挑戦者決定トーナメントで対戦し、二海堂から桐山の頭をかち割ってほしいと頼まれ、視野が狭くなっていた零をハッとさせるような一手を見せ対局に勝利します。

決勝戦で後藤正宗に勝利した後、見学に来ていた零を自身の研究会に誘い、次第に交流を深めていきます。

山形県の過疎化が進む山村の出身で、教えてもらった将棋にのめり込み、果実の収穫や酪農などを手伝って奨励会への交通費を自身で稼ぎ、プロ棋士となった苦労人です。

孤立する老人を無くす仕組みを作るために集まった帰りには日用品や食材と一緒に家まで送る将棋クラブを創り出すなど情に厚い人物であり、その人柄に惚れ込んで長年島田を取材してきた記者もおり、零や二海堂など慕っている後輩も多いです。

故郷のじいさん達の期待や恩に応えるため必死で努力を怠らない自他共に認める努力の人であり、向上心が高く棋力向上のために持てる限りのエネルギーを将棋に全て注ぐため、女性には見捨てられてばかりいるようです。

10代の奨励会在籍時から胃痛持ちであり、ひどい時には寝込むこともあるようで、地方に対局時には心配した零が付き添っていくなどしています。

また幼い頃から自他ともに認める雨男であり、将棋イベントに出演したうちの約7割で雨を呼んでおり、会長もそろそろイベント出禁にしようかと悩ませています。

零が自身とあかりに接点を持たそうと誘ってくるのは大人は何倍もデリケートなんだと不快感を示すが、プロになりたての頃から知っている零がひなたの横で笑顔でいる様子にはホッとした様子で見守っています。

原作者曰く島田のモデルは佐々木蔵之介さんであり、映画版で本人が島田を演じたことをとっても喜んでいるそうです。

宗谷冬司

棋界のトップに君臨するタイトルホルダーであり、15歳でプロ入りして以降、史上最年少の名人位、7大タイトル独占という偉業を成し遂げている人物です。

連載当初ですでに5冠(名人・獅子王・棋神・聖竜・玉将)を有しており、その他には名人位6連覇・通算12期、玉将戦は5連覇という記録を持ち、対局で会うこともない零はぼくたちの国の神さまの子供という雲の上の存在である印象でした。

京都市の銀閣寺の近くで祖母と暮らしており、30代後半で島田開と同年齢だが、宗谷の容姿はプロになった中学生の当時とほとんど変わっておらず時間が止まっているようだと感想を述べる人も少なくありません。

あらゆる戦型を指しこなすオールラウンダーであり、10年ほど前からストレスが原因とされる突発性難聴を持病として抱え、時折耳が聞こえなくなってしまっています。

そのために記者からの質問の返答でも言動がおかしく見えることもありますが、とんちんかんな事を言っても元々が天然であったため、それでも何事もなくまかり通ってきてしまっています。最初の頃は病院にも行っていたが、静かで面倒くさくなくていいと言い出し治療を放っておく始末です。

少々頭がイカれたような言動も将棋が鬼のように強いため、周りは帰って天才ゆえの奇矯と周囲から好意的に受け取られてしまっています。宗谷の障害を認識しているのは会長の神宮寺や後に事情を知った零など、ごくわずかな人のみとなっています。

若手との対局では相手側が一番得意とする戦法で最大限の力まで発揮させてぶつかるスタイルをとっており、零も同じく宗谷からの質問状となる一手をもらい最善手で戦ったが宗谷との対局は今までにない不思議な感覚だったと言っています。

宗谷はあまり表情のない不思議ちゃんとも呼ばれる浮世離れした人物でしたが、話が進むにつれ様々な表情が現れ人間らしさが出てきています。

幸田家

「幸田柾近(こうだ まさちか)」
零の師匠であり養父。零の実父とは友人で過去には奨励会で競い合った仲であり、彼が事故で亡くなった際に家族を失った零を内弟子として引き取る事を決意します。零が一人暮らしを始めた今も父として心配し気にかけています。

「幸田香子(きょうこ)」
幸田家の長女で零より4歳年上で義姉にあたります。激しい気性は棋風にも現れており零が幸田家で暮らすことに反発していました。

奨励会に所属していたが、零に勝てないことを理由に中学2年生の時に辞めさせられ、父に人生を否定されたと感じて深く傷つき、その後は街で遊び回るようになってしまいます。

容姿に恵まれ、人を惹きつけるカリスマ性を持つが、将棋を辞めて以降はヒビが入ったグラスのように常に寂しさを抱えていました。零に対しては時にゼロと呼んで辛辣な態度で接する反面、部屋に上がり込んで自身の本音を吐いたりするなど複雑な関係性が見られます。

妻帯者である後藤に好意を抱き、その関係に悩んでおり、零も止めようとしたが過去に殴られてしまっています。零と喧嘩している場面を見たモモからは、魔女なの?と呼ばれ恐れられてしまっています。

「幸田歩(あゆむ)」
幸田家の長男で零と同い歳だが、零に将棋の腕を追い抜かれて落ち込み、自ら将棋を放棄し、家にこもってテレビゲームばかりするようになって塞ぎがちな少年へとなってしまいます。努力出来るのも才能だと言い放った息子に父は衝撃を受けます。

林田高志

零が通っている駒橋高校の男性教師で高校1年時に担任を務めています。将棋雑誌に詰将棋の投稿作品が採用されたこともあるほどの将棋ファンであり島田開の大ファンです。

零が駒橋高校に編入した際にも素性にすぐ気付き、校内で孤立しがちな零を私生活含めて気にかけており、担任で無くなった後も将科部の顧問となり引き続き面倒を見るほか、ひなたが巻き込まれたいじめや川本家と誠二郎の問題にも親身に相談に乗っている零の良き理解者です。

後に3年生である野口たちが部活を止めて将科部が部員不足を理由に零以外の部員は全員教員という将棋部に変わった際には、零に対する他の教員たちの指導依頼をシャットアウトしていたこと、その理由がこっそり自分だけ指導を受けて強くなりたかったことが明らかになっています。

あかりに一目惚れしており、誠二郎の件やあかりを助けるためにも自分があの家で暮らしたらと口に出していますが零に内心で即却下されています。

三月祭りをきっかけに島田と面識を得たことで友人のような間柄になったと同時に島田があかりと知り合ったことから二人が付き合ったらしっくりくると不安がっています。

野口英作

放課後理科クラブの部員で、零より1学年先輩の男子生徒。天然パーマと髭を生やし落ち着いた性格から、先輩からも先輩もしくは部長と呼ばれていました。野口英世に眼鏡をかけさせたような外見をしています。

部員不足のため廃部の危機を迎えていましたが、零を部員に加えて放課後将棋科学部となります。

優しく面倒見の良い性格で零の立場も理解した上で、学校以外でも零が困っていると助力しており、零の良き理解者となっています。零自身も好きな先輩として慕っており、大学進学後も頼られています。

零と戦う棋士達

3月のライオン 13 (ヤングアニマルコミックス)

 

「藤本雷堂(ふじもと らいどう)」

鹿児島県出身で棋竜のタイトルホルダー。

曲者揃いのA級に所属しており言いたい放題の棋士ではあるがファンが多く、その藤本節を喜んで聞いています。強面で滅多に挫けない鋼のメンタルを持っており、褒め言葉に弱い上に気に入った相手には素直でない好意を示すというどこか憎めない人物です。

棋竜位を通算8年保持しており十分な実力を持っているにも関わらず、一人で盛り上がった際にはとんでもないイリュージョンを起こしてしまう癖があることでも有名です。

才能がある若者も大好きでネチネチと絡んでしまう癖があり、零との対局では一方的に喋りまくり浮かれてとんでもない失態を招いてしまいます。

零が急いで帰京したがっているのに気づくとその理由を聞きたがり負けを素直に認めず、最終新幹線の時間まで粘るという非常に大人げない態度に出ています。

 

「横溝億泰(よこみぞ おくやす)」

細身で眼鏡をかけている30代の七段の棋士。

スミスや一砂とつるむことが多く、気さくでコミュニケーション力が高く、零にも勝利の言葉をかけたり、初めての将棋イベントに参加する零にアドバイスしたりなど面倒見の良い先輩です。

初心者への指導将棋が上手で相手にヒントを出したり参加している人を愉快にさせたり、大盤解説などで解説を担当する際は場を盛り上げることに長けた司会の達人でもあります。B級1組の順位戦最終局で滑川に敗れB級2組への降級が決まり、それ以来滑川が苦手になっています。

「三角龍雪(みすみ たつゆき)」

金髪のおかっぱで眼鏡をかけている高身長で26歳の六段の棋士。通称はスミスと呼ばれ、飄々とした人物で零を後輩として可愛がっている一方で棋士として一目置いており、一砂とは気が合うらしく行動を共にしている事が多いです。

後藤との対局に敗北後に捨てられた子猫を見つけ、苺の箱に入っていたことから「いちご」と名づけて飼うことを決めます。初めは飼うことに乗り気ではなかったものの、今では対局の後にすっ飛んで帰るほど溺愛していますが、いまいち懐かれていない様子。

「滑川臨也(なめりかわ いざや)」

実家は葬儀屋を営んでおり手助けする日もあることからいつも黒いスーツを着用している細身の棋士。立てば不吉、座れば不気味、歩く姿は疫病神などと言われ疎まれているが、本人は人間がとても好きだとインタビューで公言しており、誤解を受けることが多いのも全く気にしていません。

対局の場では勝敗だけでなく相手のあるがままの姿を見せてくれることも重視しており、あらゆる策を駆使してきます。

特に相手にとって重要な対局であればあるほど顕著になるため、結果的に相手がペースを崩してしまうため対局相手の望みとは逆の方向に連れて行く死神と評されています。気に入った相手の場合はもっと長く楽しみたいと粘りを見せ、零との対局では千日手からの差し直しへ誘導しようとまでしています。

「後藤正宗(ごとう まさむね)」

幸田の弟弟子であり、激しい気性の持ち主で激しい気性の持ち主で剛直な風貌と威圧感を備えており、香子の苦しみを見かねた零が絡んできた際には容赦なく殴り倒しています。

真摯に勝負を挑んだ三角に対しては感想戦でアドバイスを送り、実績の乏しい棋士が島田をからかった際は不快感を露わにし、タイトル戦に出れずに終わるかもしれない自分の人生の心配でもしてろよと鋭い一言を放って黙らせるなど一本筋の通った人物でもあります。

長期入院中の妻がおり零の前では香子をストーカー呼ばわりしているが、香子に妻の日用品を買わせたり家から叩き出したりと突き放すような態度を取っている一方で腕時計を買い与えたり、無意識に抱き寄せたりもしています。

3月のライオンのストーリーについて

2020年12月現在、15巻まで発売されている3月のライオンのストーリーについてご紹介していきます。

零が棋士の道を選んだ理由

桐山零は、幼いころに交通事故で両親と妹を失い、葬式の場で揉めている親戚が施設に入れようと話しているのが聞こえ、そこに現れた父の友人である棋士の幸田に将棋が好きかと聞かれ、涙を流しながら「はい」と答える零。

将棋は元々苦手であったが、忙しい父と一緒に過ごせる大事な時間であったため一生懸命に頑張っていました。

この選択で将棋の家の子になることになり、幸田は内弟子として引き取ることにします。

幸田家での受難の日々

幸田の家では、同じく棋士を目指す実子の香子たちと上手く馴染めませんでした。父は将棋を愛しており良くも悪くも全てが将棋中心であったため、彼の視界に入るには将棋で強くなるしかありませんでした。

気性も棋風も激しい香子は反発し殴られることもあり、弟の歩は零と同い年だが塞ぎ込むようになってしまいます。3人で過ごすことは無くなり、いたたまれない零は将棋に没頭し続けめきめきと腕を上げて史上5人目となる中学生であった15歳でプロ棋士になりました。

中学卒業後に六月町にて1人暮らしを始めた零は1年遅れで高校に編入するが、1歳年上ということもあり周囲に溶け込めず校内で孤立し、将棋の対局においても結果が出ずに不調が続いていました。

温かく迎えてくれる川本家

ある日、棋士の先輩にお店で無理矢理お酒を飲まされ酔いつぶされ放置されて路上で倒れていたところ、偶然通りかかった川本あかりに出会い介抱されます。

六月町の近くの三月町に住んでおり、初めてだけどどこか懐かしい雰囲気の川本家との交流が始まり、その家族との出会いは孤独だった零の心をホッと温かくさせてくれる安心できる場所でした。

初対面でみっともないところを見られてしまっているあかりには何となく逆らえない零は、度々お家ごはんに招かれています。

家を出て一人暮らしを始めた後に幸田と対局した際は、今までにもクラスの降級がかかった長年の一進一退を見てきたが故に、自分が勝てばリーグ入り間近だった父の戦績を落としてしまうことに対する罪悪感や勝負の世界にまつわる葛藤を抱えて対局をし見事に勝利したが、その夜招かれた川本家で緊張の糸が解け気を失ったように寝てしまいます。

川本家の猫たちも最初は痩せ細ってガリガリだったが、あかりにご飯をたらふくもらってご満悦の表情で寝ています。

零が戦う将棋の世界

零は自分の力だけで生活することが出来れば、そこが自分だけの居場所になるんじゃないかと必死で盤に喰らいついていました。零は将棋のプロとして生きるため、一癖も二癖もある大人に混じって対局しています。

プロとなった1年目は今まで積み上げてきたものの貯金でなんとか前へ進むことが出来たが、2年目の今は2連敗をくらって昇級する目を失ってしまい、停滞してしまっている自分に悩んでいたがその先へ進む理由が見つからず、負けることは悔しくて葛藤していました。

1年遅れで編入した高校生活

自分にとってやっぱり必要かと思い1年遅れで編入した私立駒橋高校で担任となる林田と出会い、将棋のファンである彼は学校生活以外でも孤立しがちな零を気にかけてくれる良き理解者へとなっています。

高校生活も順調ではなく移動教室などイベント事に対局が理由で参加出来ないことに行かなくて済むことに内心ホッとしている自分にガッカリしている様子も見られます。

出席日数が足りず大量のレポートを作成している際に野口が所属している放課後理科クラブのメンバーに実験の手伝いをしてもらったことから交流が始まり、その後は林田の提案で放課後理科クラブと合体した放課後将棋科学部(将科部)に所属し部活動を体験することになります。学校であったことを誰かに話したいと思ったり少しずつ零の心境に変化が生じていきます。

二海堂の存在

幼少期から子供将棋で零と何度も対局を重ねており、二海堂は零を心友かつ終生のライバルであると自称しています。学校などで友人がいない零にとっては唯一の友人とも言える存在ですが、熱血すぎて引いてしまっているところもあります。

零との対局時には並々ならぬ執念を燃やしており、対局前には気合が入りすぎて違う漫画の人みたいになってると言われるほどの気合を入れています。

島田の弟弟子であり島田の研究会に所属しています。幼い頃から腎臓を患っているため身体が弱く、対局中に気分を悪くすることも少なくなく、自身に情けをかけられることを嫌がり、将棋でも弱い者扱いされるのを嫌がり真摯にぶつかってきます。

将棋に対するひたむきな姿勢を持ち、停滞していた零を心配しテレビ越しに激励を送ってくれるなど、晴信と過ごすうちに零も彼のことをライバルと認識するようになっていきます。

アニメキャラクターのボドロに似ていると感じたことからモモも懐いており、ふくよかな体型に目がないあかりは川本家に招待し、腎臓系の病気を患っていると見抜いて手料理を振る舞うなど可愛がられています。

島田開との出会い

名人戦と並ぶ2大タイトルの1つである獅子王戦トーナメントにて、義姉の香子を巡る因縁を持つ棋士の後藤との対決に零は士気を上げます。

後藤との対局を意識するあまりに視野が狭まって浅はかな思考になってしまい、はるかに格上であるA級棋士の島田を侮っていたことを島田本人に見透かされて、惨敗だった自分の対局を大いに恥じて走って帰宅しています。

その後、島田と後藤の対局を見た零は、身を投げてまで勝利にしがみ付いたことがあっただろうかと胸が熱くなり、目を背けていた前に進むという選択をするため、島田の研究会に参加したいと申し出ます。

イジメに立ち向かうひなた

4月になり出席日数が危なかったものの零は無事に高校2年に進級することが出来ました。同じ頃、中学3年生になりクラス替えがあった川本家の次女ひなたがいじめ問題に巻き込まれたことを知ります。

小学生の頃から仲良しだった佐倉ちほがいじめられていることを放っておけず、助けようとしたがいじめは無くならず、ちほはついに転校してしまうことになってしまいます。ちほをかばったため、今度はひなたがいじめの標的へと変わってしまいました。

涙を流しながら、それでも私がしたことは絶対間違っていないと叫ぶひなたの屈しない強さを見て衝撃を受ける零…幼い頃からいじめを受け孤独を抱えてきた心の傷から救われたと感じた零は、何があっても彼女を守ると誓います。

川本家では祖父の相米二が待っており、ひなたに「すごい勇気だ、お前はすごい!俺の自慢の孫だ!友達を助けたんだ、胸をはれ!」と激励します。その言葉を聞きながら零は自分がひなたに何をしてあげられるのか必死で考えます。

林田に相談し、いじめが解決しても居場所が無くなってしまうことだってあるから、本人の気持ちを置き去りにせずひなたがどんな風に解決を望んでいるのか聞くことが大事だとアドバイスをもらいます。

一方、あかりは妹がいじめられている事実を知った時に相米二のように言ってあげられなかった自身の本音を零にもらします。母の代わりとして頑張ってきたが、どうしてなの、正義なんてどーでもいいから逃げて欲しかったと思ってしまった自分を情けないと感じていました。

零は、家族に辛い目にあってほしくないと思うのは当然であり、自分は孤立していた時に誰かに助けてもらうなんて恐ろしくて申し訳なくて望めなかったから、ひなたの言葉に僕は救われたと感じたことをあかりに伝えます。

ひなたは学校であったいじめのことを少しずつ話し、ひなちゃんはどうしたい?と優しく聞く零、学校でも自分は味方だと出てきてくれた高橋くんも心強い存在となります。

それでもいじめは無くならず変わらなかったが、ひなたはいじめが辛いと感じているだけじゃなく、担任に相談しても協調生がないと言われ、いじめをしたクラスメイトや先生に対して悔しくて腹の底から煮え繰り返るほど怒っている状況でした。

零はひなたの力になりたいがどうやったら力になれるか解らないけど必要とされる存在でいたいと強く願い、勝ち進んでいる対局にも今まで以上に熱が入るようになります。

また、対局に勝ちたいのも純粋な欲ではないことを恥じていたが、必要とされたい、だから強くなりたい、それのどこが不純なんだ、お前に出来ることを一個一個やるしかないんだよと林田に背中を押されます。

一方、新人王トーナメントの対局中に二海堂が倒れ入院することになったことを知った零は、二海堂が訊かれるのを嫌がっていたことも病気のことも薄々気づいていたが、島田にちゃんと教えてほしいと懇願します。

二海堂が小4の時に出会った島田は、対局後に倒れた彼と執事の落ち着いた対応を見て長い闘病生活をしていることをすぐに理解し、将棋は勉強した分しか上手くならないため棋譜を見て驚きます。

彼の病は難病とされるもので一生付き合ってゆかなければならないものであり、色んな事を我慢しなければならない生活の中で唯一ヒーローとなって暴れ回ることが出来るのは将棋の81マスの盤上のみなのだと島田は話します。

話を聞いた零は、倒れた二海堂の分まで頑張ると新人王決戦に向けて意気込みます。同じ日程でひなたは修学旅行で京都へ行くが、彼女の現状を考えれば苦しいものであることが容易に想像できました。

みんなそれぞれの居場所を勝ち取るために戦っているのだと感じた零は、新人戦で勝ってくるとひなたに宣言し、帰ってきたら甘味屋さんで好きなもの全部のせていいからみんなで行こうと約束します。

二海堂が倒れた時の棋譜を見て、自身の持てる力を尽くさずに千日手に持ち込んで二海堂を棄権に追いやった行為に怒りを燃やし対局に臨みます。

零は彼からの自分を大切にしてくれという言葉を思い出し、山崎を決勝で破り新人王になります。

新人戦で勝利した零は、ひなたが1人で大丈夫だろうかと身を案じて自由時間である今ならばと思い、大阪から修学旅行先の京都まで駆けつけます。

知らない街で心細く泣きそうになっていたひなたは、駆けつけてくれた零の姿を見て安堵し涙を流します。知らない街の川辺りだったが、零が隣にいると知っている場所にいるみたいに落ち着木、その後はもらった胃薬も効いたようで晩御飯もしっかり食べることが出来たと明かしています。

修学旅行から帰った後は約束通り、甘味屋さんで好きなものをありったけ乗っけて食べまくりお腹がはち切れそうなほどでしたが、その帰り道にひなたが笑っている姿を見てホッとするあかりでした

その後、新人王となった零は将科部の面々から祝福を受け、名人位のタイトルホルダーである宗谷との記念対局に臨むことになります。

ひなたのいじめ問題も学年主任の介入で三者面談をすることとなり、いじめた本人は悪いことしたなんて思っていないことに腹を立てていたが、そんな奴らのために私が私の人生を棒にふる理由はひとつもない、最後まで学校に来て生きて卒業さえすれば私の勝ちだとあかりに宣言します。

クラスで個別に個人面談でいじめの実態を聞き、クラスのみんなも次は自分かもと怯えて過ごすのは終わると気がつき、いじめた張本人たちの謝罪で一応の解決を見せました。

ようやく解決したことを話すひなたは久しぶりに柔らかい空気をまとって笑っており、その姿を見た零は自分が力になれただろうかと落ち込むが、ひなたにそんなことないと言われて改めて彼女のためならば何だってするという思いを誓います。

新人王として臨んだ記念対局

今まで雲の上の存在であり記憶の中でしかいなかった宗谷と記念対局をすることになった零は、前夜祭の中で対局者の挨拶やスポンサーの方への挨拶など大勢の人に囲まれ初めてで慣れない事ばかりで緊張していました。

いつもこんな世界にいる宗谷の佇まいに尊敬するが、記者からの質問にとんちんかんな事を言ったり天然なのだろうかと思う零。

翌日、いよいよ宗谷との対局が始まるが、宗谷からの質問状となる一手をもらい途中で自分の悪手に気がつくも最後まで最善手で戦ってみたらどこまでいけるかと夢中になり、頭の中で駒音がパチパチと光っていると感じます。

自分の中で悪手だとなった一手から手を離す時に指の表面を引きはがすような感覚があり、手を離した瞬間に敗着だと気がつくが、対局が終わって感想戦になった際に無言だったが宗谷にそういうもんだよと言われたことにびっくりしたと述べています。

翌日、対局から帰る新幹線が台風の影響のため途中で止まってしまい、ホームで見かけた宗谷を探して声をかけるが彼には何も届いていないように見え、放っては置けないと思い宗谷と一緒に宿泊出来るホテルを探し無事に辿り着き、お互い部屋に入る際に宗谷から感謝をされます。

零が部屋で休んでいると会長から電話があり、宗谷は10年ほど前からストレスが原因とされる突発性難聴を持病として抱え、時折耳が聞こえなくなってしまっていることを聞かされます。

宗谷も最初の頃は病院に行っていたが、静かで面倒くさくなくていいと言い出し治療を放っておく始末であり、この障害を認識しているのは会長の神宮寺をはじめ、ごくわずかな人のみとなっていると明かされ、零の記憶の中でいつも1人でいたことに切なさを感じます。

同じ頃、島田は棋匠線で66歳の現役でタイトル通算14期を迎える柳原を相手に初タイトルへと挑戦します。

柳原は一緒に戦ってきた仲間もいつしかいなくなり、みんなの分までと託されたたすきや自分が一番上になってどれくらい経っただろうかと思いにふけります。

解説は桐山と二海堂が担当していたが、技術も経験も積み重ねてきた2人だからこその粘り合いの対局になっており、自分が劣勢になっていることを悟った柳原は思わず含み笑いをしてしまいますが、みんなに託された夢は手放しちゃいけないものだと奮起します。

精一杯頑張った人間が最後に辿り着く場所が焼野ヶ原であってはならない、時が経てば一面の緑になる、それを一緒に見るんだと願い、次々と息を飲むような一手を繰り出す柳原。

2人の激闘に棋士ならば誰もがこんな将棋を指してみたいと心のそこから思わずにいられないような対局は、島田の負けで柳原の永世棋匠獲得となります。

零が通う駒橋高校への進学を決意したひなたのために、零は家庭教師としてひなたの受験勉強を全力で支援します。苦手な数学も零のおかげで平均点が30点も上がるほどでした。あかりは自分が受験の時にお母さんがよく夜食に作ってくれた甘やかしうどんをひなたにも振る舞います。

応援してくれる家族のためにも絶対に頑張って駒橋高校に通うと決意したひなたは無事合格することが出来ました。

零はひなたのためにもヘタな成績を残さないよう一局を隅々まで丁寧に指せたおかげでB2クラスに昇級する目前でした。ひなたが知らないところでピンチに立たされたりとか耐えられないので、手の届くところに来てくれると聞いて絶対に受からせようと思ったと零は明かしています。

ひなたの高校生活がスタート

零はついに学生生活最後の高校3年生を迎えていたが、一人ぼっちでいることは変わらずだったが以前とは違って孤独を感じることなくぼんやりと過ごせていることに前に進めただろうかと考えていました。

校内では、ひなたの姿を度々見かけることができ、入学後すぐに出来た友人と気が合うらしく、しょっちゅう一緒に明るく楽しげな様子で零は遠くから見守りつつホッとしています。その様子をあかりたちにも報告すると嬉しいと泣きながら喜んでいました。

零は3年間過ごした高校生活も移動教室と修学旅行も行かずじまいだったが、結局何も変わらなかったがまぁいっかという気持ちになっているのが不思議だがさっぱりとしていることに林田も安心した様子でした。

 

川本家に波乱をもたらす誠二郎の存在

穏やかな日々を過ごしていたが、ある日祖父の相米二が不整脈で倒れて入院することになり、心細いあかりやひなたの助けになろうと零も協力することにし、あかりの負担を少しでも減らそうと頼まれた買い物をして家に向かいます。

家に着くとふとおかしいと違和感を感じた零は家を出て行ったはずの3姉妹の父である誠二郎が突然家に上がり込んでいる状況でした。

強張っているひなたの表情が気になり、あかりからの連絡を見てすぐさま零はひなたのモモの側に座り込みます。お腹を空かせているモモにご飯を食べさせて欲しいと零はひなたに席を外すように声をかけます。

他人の分際で出しゃばるのはあり得ないことだと分かっているが、あかりからの「ひなとモモの側にいて」というお願いがただ事じゃないという事は理解し、5歳のモモに一度も会っていなかった人間が相米二の入院と同時に突如出てくるなど違和感だらけでした。

あかりが帰ってくると、誠二郎が一緒に暮らそうと提案するが、彼の魂胆は3姉妹をこの家から追い出し、新たな妻子を移り住まわせることにあると後に判明します。伯母の美咲も駆けつけ誠二郎は一時退散しました。

美咲から誠二郎があかりたちに何をしてきたのか聞いた桐山は、林田や先輩の野口の助けを借りて情報を集め、あまりに無責任な誠二郎の実態を知ることになります。

零は誠二郎の目論みを阻止するため、あかり、ひなた、美咲が揃った川本家で調べて分かった誠二郎の実態を暴露しますが、予想の斜め上すぎて皆んなを驚愕させます。

部外者である桐山に暴露されていることが面白くない誠二郎は家族の話であり他人には関係ないと吐き捨てますが、桐山はひなたとの結婚を考えているから他人事なんかじゃないんですと宣言します。

誠二郎を一旦引き下がらせることに成功したものの、ひなたには零の想いが全く伝わっていないことに衝撃を受けます。

美咲も3姉妹のためにお店を常連のお客に任せて連日泊まりに来ていたが、任せていた日の方が8倍ほど売り上げが良いことに安心して任せていました。

未だに諦めていなかった誠二郎は、零が大阪で藤本雷堂との対局の間に3姉妹を言いくるめようとしていたが、3姉妹が外出して不在のため近くの喫茶店で時間を潰しているところを大阪から飛んで帰ってきた零が見つけます。

段々と強硬手段をとってくるようになった誠二郎に、これ以上長引くようなら弁護士を立てて前向きに面倒な方向へ持っていくと伝える零は、誠二郎が去った後に川本家の前で倒れてしまいます。

翌日、誠二郎は3姉妹の異母妹を連れてくるという強硬手段に出てきたが、気持ちのいい日曜日だから全部終わりにするならこんな日だときっぱりと誠二郎にあかりとひなたから絶縁宣言をします。誠二郎もこれには効いたのか絶縁を受け入れざるを得ず異母妹の手を引いて帰っていきました。

誠二郎はその後やってくる事はありませんでしたが、精神的なショックからかあかりが体調を崩して寝込んでしまいます。

 

三月町の夏祭り

入院中の相米二の元へお見舞いに行き、誠二郎の報告をする零と美咲。ひなたにプロポーズした零に相米二はそうなってくれりゃいいなと前から思っており、お前の思い詰めやすい部分は俺の孫が助けてやれるだろうと思うからお前になら任せられると喜びます。

また、あかりは母と祖母を看取り妹2人を育て上げるという役割を自ら進んでやってのけてきたこと、同じ年頃の人間がデートしたり旅行したり大学行ったりしている間、あかりはずっとモモを背負って三日月堂を手伝っていたのでした。

モモが大学を出て就職する位まではまだまだ頑張らないとと言うあかりが抱える心の問題を聞かされた零は、少しズレている考えではあるもののあかりに必要なのは彼女を支えてくれる人生の伴侶だという解決策を思い立ちます。

誠二郎との再会で消耗していたあかりとひなたを気遣い、雷堂か鹿児島で行われるタイトル戦に招待された零は3姉妹を一緒に連れて行きます。楽しそうに遊んでいる姿を見てホッとする零だが、ひなたとの関係性は全く進んでいませんでした。

相米二も無事に退院し三日月堂を再開させ、皆んなが楽しみにしていた三月町の夏祭りの売り物について考え、ちほから届いた梅シロップと生姜シロップを使ったゼリーと冷やし白玉シロップの3種類に決まります。

売り場で忙しい中、盆踊りに行きたいモモのために二海堂に連絡しお願いする零、二海堂が大好きなモモは喜んで盆踊りや屋台に向かいます。二海堂も息抜きになればと島田を誘っており、三日月堂に島田が現れます。

突然の雷と土砂降りの雨でずぶ濡れでハイになってみんなで笑って夏祭りは終了となってしまったが、あかりが作ってくれたカレーをみんなで食べたその夜は幸せな夏休みの夜だったと零は感じます。

夏祭りでの一件以降、林田はあかりに対する好意をはっきりと自覚し何もしなかったらいつかは誰かに取られるってことだと思い立ち、あかりがいるバー美咲に赴くが同じタイミングで島田と遭遇します。

緊張していたことと、島田とあかりのやり取りに胸が痛くなってしまった林田は情けないことに記憶がほとんどなく次に気がつくとファンである島田の家の居間で寝かされていたところでした。

自分の失態に驚愕しお金を払っていないことに気づいた林田だが、島田に次は先生のおごりって事でとカッコ良く言われてしまいますが、あかりの目にどう写っていたかが気がかりでした。

夏祭りが終わった後に待ち構えていたのは、新聞社の棋戦である東陽オープントーナメントの本戦であり、早々に宗谷と当たることになる二海堂は気持ちだけでも当たり負けしないようにしないとと真っ直ぐで眩しい表情をしており、零も負けまいと挑みます。

当日張り切って挑むが、宗谷ですら負けたことがある本気の辻井に手も足も出ず早々に敗退してしまいます。一回戦で勝ち進んだ二海堂が宗谷名人相手に善戦したのを目の当たりにしたが体調を崩して倒れてしまいます。

病院で気がついた二海堂宛に宗谷から途中で終わってしまった対局の続きについての棋譜が届き、また対局しようなと言われているようで嬉しいと微笑む二海堂を見て、嫉妬だけではなく宗谷の視界に入るために改めて強くなる決意をします。

トーナメント戦の終了後、零は夏祭りの夜に僕が信頼している島田か林田のどちらかがあかりを支えてくれたらいいなと考え、みんなでハゼを釣ろうと島田と林田を誘い、あかりとの接点を持たせようと動きます。

当日、零はひなたと楽しそうに釣りを楽しむが、零の見え見えの行動に大人の男ってのはガキの20倍はデリケートなんだと島田と林田は不満を漏らし、林田は島田にあかりのことをどう思っているのか本音を聞きます。

島田は正直な話自分でもよく分からず、自分は将棋に打ち込み過ぎて今まで見事にフラれてきたようなしょうもない人間だから女の人には申し訳ない生き物であると話し、幸せとかよりもタイトルが欲しいとつぶやく島田の姿に林田は胸を痛めます。

釣ったハゼを含めてフライをたくさん食べた後、みんなで花火をした夜、ひなたと仲良く過ごしていた零であったが、当のひなたは零とあかりがお似合いだと思うと島田たちに本音を漏らしており、一同は無言で零のこれからの苦労を察します。

文化祭とひなた

林田たちの職団戦と学校生活最後の文化祭が重なったことを残念に思う自分に気付いた零は、自分の世界がいつの間にか広がっており、学校生活のイベントに心だけは間に合ったんだと感じます。

職団戦が進む中、ひなたから文化祭の様子がメールで届き、彼女がどんな思いで「良かったら、無理しないでね」と零に来てほしいと言っているのか考えると胸を痛め、文化祭に行こうと決意します。

一方、零を待っていたひなたは友人に好きな人なんでしょと聞かれるが、でも姉と零が付き合ってくれるといいなと思っていると言うひなただが、本音は父のように途中で消えてしまったらと考えるのが怖いという不安からくるものでした。

大好きだけど姉なら零のことをずっと離さないでいてくれると涙を流すひなたに、ひなたが付き合えばいいじゃんという友人だが頑固で聞かないところがあるひなたは、零が到着した姿を発見します。

島田や横溝の計らいで文化祭に間に合った零は、来てくれて嬉しいと泣くひなたに優しく微笑みます。後夜祭のキャンプファイヤーの前で、ひなたに改めて自身の想いを告白する零。

ひなたは一度も好きって言われてないから零の気持ちが分からなかったというと、零も確かに口に出していなかったことに驚きもう一度告白します。

獅子王戦の予選を勝ち進んでいた零は、準決勝で野火止あづさ、決勝で彼の師匠の田中と対局します。辛くも両名を退けて本戦出場を決めた零だが、対局中に真っ暗な部屋に放り込まれる感覚が、以前よりも早まっていることに恐怖を覚えます。

林田にアウトプットばかりでインプットが追いつかなくてバランスが取り戻せない感じかと言い当てられ、ずっと零を見てきた林田は零が探していたのは自分が生きていいと思える場所を探してたんだと気づき激励します。

失くしたもの、手に入れたもの、失くしたくないものを抱えて零は自身の気持ちと向き合い、次の対局へと気持ちを向けます。

3月のライオンのアニメと映画

3月のライオンはアニメ化と映画化されました。

アニメは第1シリーズ&第2シリーズが放送

NHK総合にて第1シリーズが2016年10月から2017年3月まで放送され、同年10月から2018年3月まで第2シリーズが放送されました。

担当声優さんは桐山零役に、機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズで主人公の三日月・オーガスを演じた河西健吾さん、3姉妹の川本あかり役は茅野愛衣さん、ひなた役は花澤香菜さん、モモ役は久野美咲さんが演じました。

監督は羽海野先生が大ファンだという新房昭之氏で喜びのコメントを出しています。

第1シリーズでは、獅子王戦トーナメントを勝ち進めた島田の研究会へ入り、学校生活でも放課後理科クラブと合体した放課後将棋科学部を設立し部活動を体験する話、第2シリーズではひなたのいじめ問題を解決し、ひなたの受験が無事合格し高校生活のスタートを切るところまでアニメ化されました。

実写映画は2017年3月18日に前編、同年4月22日に後編が公開

2017年3月18日に前編が公開され、同年4月22日に後編が公開されました。監督は大友啓史さん、桐山零を演じたのは神木隆之介さんでイメージにぴったりです。

後編終盤は原作と違ってオリジナルエピソードが含まれており、3姉妹と誠二郎の絶縁もこういう形もあるんだねと思ったり、香子の辛さや苦しみがより感じたり、宗谷名人との対局に引き込まれたり…

正に映画ならではのストーリーとなっているので、原作ファンも楽しめる作品であることに間違いありません。

3月のライオンの今後とまとめ

3月のライオンはまだ完結していません。今後はどうなるのでしょうか?

16巻の発売予定

3月のライオン 15 (ヤングアニマルコミックス)

15巻が2019年12月末に発売されているので約1年経っているところを見ると、2020年12月末に発売されるのではとされていますが休載も続いていたので発売決定したという情報はまだありません。

16巻の内容として、零も高校3年生であり受験や進路といった悩みを抱えているクラスメイトの存在や、ひなたの将来の夢など、零の世界が広がったことにより向き合う姿にほっこりします。

続きが気になるので発売日が早く決まることを願っています!

 

読み終わると心があったかくなる

3月のライオンがただの将棋漫画ではないことをお分かりいただけたでしょうか。

羽海野先生も将棋を職業とした1人の男の子の人生を描いているとおっしゃっており、零の孤独も心の成長も世界の広がり方もその1つ1つがじんわりと来るものがあります。

中でも川本家の皆んなとの場面は微笑ましく、時に衝撃を受けるほどグッと心に突き刺さる名言もあり、何よりも読み終わった後に心がほっこりしてあったかくなる素敵な作品です。

読まれたことがない方は是非読んでみてくださいね。

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