【憂国のモリアーティ】命を懸けてこの国を変える。犯罪卿として暗躍した憂国のモリアーティの魅力をご紹介!

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古くから根付く階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとしたジェームズ・モリアーティを主人公とした憂国のモリアーティの魅力をご紹介していきます。

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憂国のモリアーティとは

憂国のモリアーティはジャンプSQにて連載中で、構成を竹内良輔氏、漫画を三好輝氏による漫画でコナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズを元にしており、宿敵であるモリアーティ教授を主役に据えた物語となっています。

あらすじ

19世紀末の大英帝国全盛期(パクス・ブリタニカ)のロンドンは、産業革命が進む中で着実に勢力を拡大し栄華を極めました。技術の進歩と発展とは裏腹に、呪いのように古くから根付く階級制度によって、人口の3%にも満たない貴族たちが国を支配し、人間同士の差別を強固なものとしていました。

当たり前のように特権を享受する貴族と明日の暮らしもままならないアンダークラス、階級は変わることなく生まれながらに決められた階級に縛られて生きていました。

主人公のウィリアム・ジェームズ・モリアーティは、そんな腐敗した階級制度を打ち砕いて悪を排除し、犯罪による革命を起こし理想の世界を目指す決意を固めます。

ダークヒーローとしてのモリアーティ

モリアーティ教授と言えば、アーサー・コナン・ドイルの推理小説「シャーロック・ホームズシリーズ」に登場する架空の人物で、憂国のモリアーティでも数学教授と犯罪卿の2つの顔を持つことはもちろん同じです。

原作と同じくモリアーティの部下として登場してくるメンバーだけでなく、主人公のウィリアムの兄アルバートは諜報機関のMI6を率いて計画の手助けをしているなど、シャーロックホームズの世界に夢の共演を果たしているのも楽しめるポイントです。

四つの署名を始めお馴染みの名作が憂国のモリアーティのストーリーにもリンクされ、原作への愛も感じられる展開となっています。

憂国のモリアーティのストーリーについて

シャーロックホームズの宿敵モリアーティ教授の世界を浄化するための壮大な計画の物語をご紹介していきます。

犯罪卿モリアーティの始まり

この国の人々は古くからの階級制度によって支配者である上流階級と支配される隷属者に二分されていました。歪んだ国の在り方に辟易していた貴族出身のアルバートは、孤児院で自身と同じ志を持った兄弟と出会います。

貴族という地位に胡座をかき下級層を見下していた両親と実弟の本物のウィリアム、当時のモリアーティ家使用人たちを火災を偽装して屋敷ごと炎上させ殺害し、焼け出されたように見せかけ伯爵位や資産などモリアーティ家の全ての権利を手に入れました。

階級制度に蝕まれた社会を変えるために、ウィリアムは犯罪卿として警察や法で裁けない貴族の悪行を悪によって悪を裁いていきます。

移り住んだ町ダラムでは、その地を代々治める横暴な領主のダブリン男爵に肺炎になってしまった子供を見捨てられ、深い怒りを抱いていた労働者夫婦のバートンとミシェルの依頼を受けウィリアムは犯罪相談役として罰を下しに完全犯罪を企てます。

ウィリアムは一度受けた依頼は完璧な完全犯罪で遂行し、ダブリン男爵に罰を下した後に、報酬として命を差し出してきたバートン夫妻にいつかきっと身分の壁は消え去り悲しみや憎しみの無い世界にしてみせると伝えます。

その命は理想の世界の目撃者として使わせてもらうため、それまで大切に持って生き続けてほしいと命令します。

 

ノアティック号事件

ウィリアムは腐敗した階級制度を無くせば身分の壁は消え去り、悲しみや憎しみもない誰もが平等に生きられる美しい世界が実現出来ると考えていました。

計画を始める上で犯罪は目的じゃなく方法であり、犯罪によって街は舞台と化し、市民は犯罪を目撃する観客となり、この国が階級制度によって歪みが最も顕になるような死を見せる犯罪を起こし、人々の目を覚ますことにありました。

犯罪卿として壮大な計画を企て始め、最初の舞台に選んだのは豪華客船ノアティック号の処女航海の上でエンダース伯爵を標的としていました。
傲慢で派手好きではあるものの端正な顔立ちから貴婦人からの評判は良く社交界でも声が大きい人物ですが、趣味の狩りというものが人狩りを行っているという黒い噂がありました。

地上にいる悪魔を地獄に落とすため、ウィリアム一行は船に乗り込み、アルバートが指揮するMI6による工作が順調に進んでいた中、ウィリアムは宿命となるシャーロック・ホームズとの出会いを果たします。

災難続きに見舞われ苛立ちが隠せないエンダース伯爵は我慢の限界を迎え、ウィリアムの読み通り部屋に人を連れ込み殺人を犯してしまい、ウィリアムの犯罪劇が幕を開けます。

事件終了後に、事態の真実に1人だけ気づいたシャーロックは話の分かる相手を探し、再度ウィリアムと接触します。豪華客船で言葉を交わした2人は、短い時間ながらも互いの稀有な能力を感じ取り、ウィリアムは自身の計画に必要不可欠な存在となりえるか調査することになります。

 

シャーロックホームズの研究

ウィリアムたちが仕立てる犯罪をより多くの民衆に周知する為に、民衆がその境遇に賛同できる犯人、貴族の腐敗を世間に暴く探偵が必要で、探偵こそが僕たちの犯罪の主人公であると考えており、自身が企てる犯罪劇の主人公にふさわしいと、シャーロックホームズを審査することにします。

ウィリアムたちの手引きで、ある伯爵殺しの殺人事件の犯人としてロンドン市警に逮捕されたシャーロックは、背後で糸を引く真犯人を暴くため、ジョン・H・ワトソンと共に捜査に乗り出します。

シャーロックの推理により伯爵殺しの真犯人を見つけたが、彼から犯罪卿について知りたければ自分を殺すことだと選択を迫られるも、シャーロックが目的のために手段を選ばない人間ではないということが明らかになります。

この一件により警察や司法では裁けない特権階級の悪魔どもをウィリアムたちが始末し、シャーロックにその事件を解かせて貴族の腐敗を世に喧伝させる主人公になってもらうと企てます。

一方、自身の嫌疑を晴らし鮮やかに事件を解決したシャーロックは名探偵として一躍ロンドンの英雄となりました。

バスカヴィル家の狩り

ロンドンの貧民街で子供たちの誘拐事件が発生しており、相談者によれば子供は1人も戻ってきておらず、フレッドはそれが貴族の人狩りによるものだという情報を掴みます。

一刻も早く子供たちを救いたい気持ちと、ウィリアムの計画に邪魔になるのではないかという迷いで思い悩むフレッドはモランに相談し、2人でウィリアムに会いに行きます。

フレッドの報告を聞き、ウィリアムは人々に呪いをかける階級制度はおかしいと気づかせるための手段が犯罪であり、悪魔たちを全員この世界から消し去るつもりであること、法でも警察でも裁けない悪なら裁けるのは同じ悪である僕たちの出番だと伝えます。

フレッドはウィリアムに対してどこか遠い存在だと感じていたようだとモランが呟くのを聞き、その気持ちが僕には分かると言うルイスにモランは兄弟なんだから心を隠す必要はない、言いたいことははっきり伝えた方が良いとアドバイスします。

ウィリアムがルイスを作戦に参加させなかった理由は自身のエゴであり、ルイスだけは穢れのない新しい世界で出来うる限り無垢でいてほしかったからだと明かし、その答えを聞いたルイスは新しい世界に兄さんがいないなら僕には何の価値もありませんと告げます。

その言葉を聞いたウィリアムはルイスの気持ちを受け入れ、一緒に罰を下しに行こうとバスカヴィルの元へと罰を下しに向かいます。

ウィリアムはフレッドのおかげで子供たちを救い貴族どもの蛮行を止めることが出来たことに感謝し、君が悪を憎む心を持ち続ける限り僕はいつでも君と共にあると伝え、フレッドは改めてウィリアムに対し厚い忠誠と信頼を新たにします。

 

黄金の軍隊を持つ男

大英帝国とロシア帝国の思惑が交錯し、泥沼化していたアフガン戦争を裏で糸を引いている者を突き止め、戦争を終結へと導くことを課せられたMI6は任務を遂行するべく、アルバートはモラン大佐に極秘任務の遂行を命じます。

アフガン軍が使用していたロシア製の銃がQの分析の結果、ロシア製を装った英国製の銃だという事実が判明し、英国上層部にロシア軍を騙ってアフガン軍を支援し、戦争を終わらせたくない輩がいることが分かりました。

Qにより銃を製造している工場が特定され、モランとマネーペニーは侵入した先でインド総督閣下グラハム・ダンダーデール公爵だということを掴み、アルバートからインドに赴き抹殺するよう命じられます。

過去にモランがアフガンで率いていた小隊が敵の策略により全滅され、因縁の敵であったダンダーデール公爵と仲間を裏切り公爵についていたダリルを始末し過去との決別を果たしました。

 

二人の探偵

シャーロックは事件を難なく解決するも、その裏にいる犯罪卿の正体を掴めず苛立ちを募らせていました。

犯罪卿という至高の謎の虜になったシャーロックは、糸口を求めて捜査したヨークからロンドンへ向かう汽車の中でウィリアムと再会します。ウィリアムと改めて互いを認め合う中、車内で殺人事件が発生し、容疑者はワトソンだとされてしまいます。

真の容疑者を見つけるため、推理勝負を持ちかけるシャーロックに貴族の務めを果たすため事件解決に協力することになります。現場を検証しているシャーロックと比肩する頭脳の持ち主であるウィリアムにたじろぐレストレード警部はまるでホームズが2人いるようだとこぼします。

シャーロックとは違うやり方、犯罪者心理から犯人像をプロファイリングして解決へと導きます。

 

大英帝国の醜聞

陸軍省情報部長官のマイクロフトは、ヴィクトリア女王より王室から盗み出された禁秘の文書を取り戻すよう指令を受けます。賊の名は通称「TheWoman」と呼ばれる、アイリーン・アドラー。

文書奪還の命を受けたアルバートは、アイリーンの調査を開始します。同じ頃、シャーロックの元にボヘミア国の醜聞解決の依頼が舞い込み、アイリーンと接触するも彼女の策にはまり、221Bで共同生活をすることになってしまいます。

この醜聞は彼女が仕組んだ虚構に過ぎず、真の狙いはシャーロックの側にいる事を目的としており、秘密裏に接触してくるであろう相手と安全に交渉出来ると考えていました。

アイリーンの前にアルバートが接触した際に渡された仮面舞踏会の招待状を受け、その後アルバートの元へ現れたアイリーンは交渉を申し出ます。

アルバートは政府からはアイリーンの抹殺を命じられていることを伝え、その場で自身が犯罪卿であることを明かし、アイリーンが自身を犠牲にして貴族に取り入っても世の中は変えられない、この国は根本から変える必要があり劇場型犯罪による民衆への啓示と階級社会をなくすための手段が私にとっては犯罪であることを伝えます。

世界を変えたくて盗んだ文書は手に負えず何も出来なかったアイリーンは、犯罪卿の彼ならば本当に世界を変えてくれるに違いないと感じ、自分の身がどうなろうと絶対彼に文書を渡さなければならないと覚悟します。

シャーロックはアイリーンが政府と話がついているという嘘を見破り、こんなヤバい文書を欲しがっていて政府の手から守ることが出来る力の持ち主はロンドンに1人しかいない、犯罪卿であると推理します。

アルバートに指示された取引場所へと向かったアイリーンは、命の保証を約束され忠誠の証として文書を渡そうとするがシャーロックが現れます。何度考えても自分の中ではアイリーンを守り切れるのは犯罪遂行能力に一切の疑いの余地のない人物に守らせることであり、それは犯罪卿しかいないと伝えます。

アイリーンの命の保証を口にしただけでは納得しないシャーロックに、アルバートは私の名を紙に書いて封印してシャーロックに渡すよう提案します。シャーロックが彼女が死んだもしくは文書の使い道に疑問を感じた場合は封を開けて私の元へ来るが良いと伝え取引が完了します。

アルバートはマイクロフトの元に報告へ向かい、文書の内容を確認しフランス革命を大英帝国が誘発したと証明する文書であったと伝え、マイクロフトはアルバートの目的が何なのか問います。

この国を創り変え自由と平等をこの国にもたらしたいこと、犯罪卿として暗躍していること、フランス革命の独裁者として知られたロペスピエールと同じく自らの死による幕引きを考えていると明かします。

さらに、貴族と市民が手を取り合う必要があり、モリアーティは犯罪という手段で貴族と市民両方に忌み嫌われる共通の巨悪となり、その巨悪を前にして貴族と市民が手を取り合うように仕向けること、私たちの幕引きもロペスピエールと同じ私たちが作り上げるモリアーティの抹殺だと話します。

マイクロフトは社会のために自己犠牲を果たそうとする憂国の志を否定するつもりはないが、計画から逸脱・暴走したと判断した場合は君たちを必ず消すと告げ、犯罪卿計画の容認を取り付けることに成功します。

また、取り返した文書の著述者であるロペスピエールはホームズ家の祖先であり、英国政府に忠誠を誓い続けるのは背負い続けなければならない罪と罰があるからだとウィリアムたちに明かしています。

命を救われたアイリーンはウィリアムに忠誠を誓ってMI6に加わり、女性としての人格を捨てて男装してジェームズ・ボンドとして新たに生まれ変わりました。

同じ頃、シャーロックはあの女は死んだという兄からの報告と自身に接触してきた謎の男から、アイリーンが姿や性別を変えて生きていることを察し、犯罪卿の名が書かれた封を燃やし処分しました。

 

ホワイトチャペルの亡霊

ロンドン東部貧民街に突如現れた連続殺人鬼ジャックザリッパー。

本物のジャックザリッパーはウィリアムたちが火事から助かった後の後見人として世話になったロックウェル伯爵家の執事レンフィールドであり、殺人術を教えてもらった古き師からの依頼を受けて、先生の汚名を雪ぎ、力なき者が蹂躙されているのを見過ごすわけには行かないとウィリアムは仲間と共に捜査を開始します。

東部貧民街は浮浪者や娼婦、孤児などの計量されざる階級下の人々がひしめき合い暮らしているところであり、ロンドンの未解決事件はここを調べれば解決すると揶揄された悪所でした。

ジャックの恐怖は人々の心を支配し、事態はいつしか市警とその街の自警団との対立へと発展しており、この対立から労働者革命を起こすことが事件の首謀者たちの真の狙いだと見抜いたウィリアムは、本物のジャックザリッパーであるレンフィールドをジャックとして自警団の前に登場させます。

共通の敵を前に両者の対立は霧散し、ジャックを捕まえるために団結へと変わっていきます。想定外の事態に混乱する首謀者たちの前にウィリアムが姿を現し、偽ジャックザリッパー達と対峙したウィリアムは彼らに裁きを下し始末します。

首謀者ミルヴァートンは、想定外の事態へと追いやったのがウィリアムであったことを確認すると、その存在を知られることなく姿を消し、ウィリアムについて調査をし始めます。

現場に駆けつけたシャーロックは事件の真相を見抜いており、世を騒がせていた偽のジャックザリッパー達の目的が市警と自警団とを衝突させることにあり、真実を晴らしてもまた要らぬ両者の対立を煽る結果へとなりかねないと判断します。

真実を公表せず、もう現れないジャックを市警と自警団が協力して追いかける状況のままにした方が良いため、都合のいい嘘を吐かざるを得ませんでした。

解決したかのように思えたが、市警が存在しないはずのジャックザリッパーを逮捕したと発表し、保身を図るCIDの冤罪を予見していたウィリアムは、ボンドとパターソン、そしてシャーロックをも動かし暴いて見せました。

一連の事件を経てシャーロックは、犯罪卿が義賊だと確信します。その後、ダラムで授業をしていたウィリアムの元を訪れ、たとえ義賊だとしても奴を必ず捕まえて犯罪の責任を取らせるつもりであると語ります。

奴の謎を暴いてとっ捕まえることが出来るなら命を捨てても構わないと決意を語るシャーロックに、その覚悟があればきっと敵いますよと告げるウィリアムの2人の奇妙な友情はさらに深まっていきます。

 

ロンドンの証人

ジャックザリッパー事件以降、ウィリアムの身辺を探っていたミルヴァートンは、貧民街の少年が貴族を打ち負かしたとある裁判の記録に行き当たります。自身の仕事の邪魔をしてきたウィリアムに容赦しないとし、完全武装した上で戦いに臨み必ず勝利して見せるとしていました。

ウィリアムも自身の過去を調べる者が現れた時、直ちにその素性をこちらが把握出来るようにしており、裁判記録を持ち出したのはメディア王とも称されるミルヴァートンであることが判明します。

貧民街のとある孤児院に身を寄せていた頃、誰かに孤児院のお金を騙し取られたことに気づいたウィリアムは、シスターに代わりバクスター子爵と話し合いをし、彼がお金を返済するつもりはないことを見抜くと、裁判を起こして罰を与えるための策を実行します。

この少年が幼き日のウィリアムだと確信したミルヴァートンは警戒心をますます強め、ウィリアムも自身を標的にしているミルヴァートンを排除すべき最重要の敵であると位置付けました。

ロンドンの騎士

庶民院のホワイトリー議員は市民革命の旗手として注目を集めている人物で、改正選挙法案の提出を進める中、議員の暗殺未遂事件が発生するも暴力には屈せず、平等の実現こそが私の使命であり私の夢であると正義を貫きます。

一方ミルヴァートンはホワイトリーを暗殺しようとしていた貴族院と交渉し、ホワイトリーの処分を依頼された彼は善なる人間であるホワイトリーを完全に悪に染め市民からの信頼を失墜させ英雄の座から引き摺り下ろそうと不穏な動きを見せ始めます。

度重なる脅迫を受けつつも屈せず正義を貫く彼に関心を寄せるウィリアムは、その覚悟を確かめるべく貴族院を窮地に追い込む証拠をアルバートからホワイトリーに託し、貴公ならこの不正の証拠を自身の名誉のためにはきっと使わないと判断したので預けることに決めたと伝えます。

その証拠を武器にホワイトリーは貴族院との交渉に臨むが、ミルヴァートンの卑劣な罠により最愛の弟まで殺害されてしまい、ミルヴァートンから家族を誘拐し脅迫されていた護衛の警官をホワイトリーは怒りに我を忘れて犯人を殺めてしまいます。

卑劣な罠に嵌められてしまったホワイトリーはこの罪を命で償わせてほしいと考えていたが、ウィリアムは犯罪卿として貴方が犯した罪を我々が被り、ホワイトリーをこの国の救世主のまま死んでもらうという道を提案します。

不平等にまみれたこの国にはまだホワイトリーのような平等への希望が必要であると告げ、人々の心に希望の灯を残すことに成功するが、代償として犯罪卿は市民からも忌み嫌われる存在となります。

この事件を聞いたシャーロックだけは真実に辿り着いており、犯罪卿は義賊であり罪なき人間を殺さないのであればホワイトリーが罪を犯していたという事になり、その罪は恐らく何者かに唆されて犯した殺人だと見抜きます。

ホワイトリーの罪が明るみに出れば、この国の平等への道は遠のいてしまうため犯罪卿が彼の罪までも被ったのだと推理しており、ウィリアムが犯罪卿なのではと目星をつけていることを兄のマイクロフトの前で明かします。

 

四つの署名編

ワトソンの婚約者メアリーは、失踪した父親に絡む謎の解明をシャーロックに依頼します。幼き日の父の突然の失踪と毎年1粒ずつ送られてくる高価な真珠、会談を求める差出人の不明の手紙、シャーロックはワトソンとメアリーを連れて指定の場所へと向かいます。

メアリーが持ってきた謎とは血塗られた財宝をめぐるものであり、在処を探す鍵は血文字で書かれた四人の署名でした。真珠の謎は手紙の差出人であるサディアスの父の罪滅ぼしのため、父に代わってサディアスがメアリーに向けて送っていたことが明かされます。

メアリーの父とサディアスの父は思いがけないことから財宝を手に入れるも、その財宝は普通に使えないような黒い金であったことが判明し、危険性から手を引こうとしたシャーロックだがメアリーの狙いが最初から財宝であったことを見抜いたシャーロックは真実を暴こうと決めます。

事件は財宝を狙う賊による殺人にまで発展し、自分が殺されるかもしれない状況になっても財宝を必要としているメアリーがどこまで本気なのか確かめます。

事態の危険性を察知したシャーロックは、財宝への執着心が強い賊自身が財宝をテムズ川底に沈めるよう巧みに追い込み、財宝を回収不可能とし一件落着かと思われたが、メアリーの顔色は優れないままであり、財宝はテムズ川底に沈み回収は不可能だと述べると顔面蒼白になってしまいます。

シャーロックが理由を問いただすとメアリーは財宝を渡さないと結婚を破断させるとミルヴァートンから脅されていたことが判明します。自らの愉悦のために罪なき人々を破滅させる卑劣な手口からワトソン達を救うべく、シャーロックはミルヴァートンとの直接対決を決意します。

シャーロックとワトソンはメアリーが恐喝されている証拠を盗み出すべくミルヴァートンの別邸へと向かう事になります。

同じ頃、ウィリアムはミルヴァートンについて調べ上げており、自身が死んだ場合ウィリアムが犯罪卿だという情報をメディア全てに拡散するよう指示している様でした。ウィリアムは自身の名が世に広まろうがミルヴァートンを始末する決意をしていました。

ミルヴァートンの別邸に着いたシャーロックは激しい銃声を聞き、警察の手配をワトソンに任せ、単身で屋敷に乗り込んだシャーロックの目の前にはミルヴァートンに銃口をむけるウィリアムの姿がありました。

シャーロックに犯罪卿を逮捕させることがミルヴァートンの計画だったが、2人の交友を見抜けずに破綻し、シャーロックの銃弾を受け大荒れの海へと消えていきます。

必ずお前の全てを解き明かし俺の望む形で捕まえてやるとシャーロックはウィリアムに告げ、ウィリアムは捕まえられるものなら捕まえてみなさいシャーロックと返事をして立ち去ります。

 

最後の事件

犯罪卿の正体はウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。シャーロックによるミルヴァートン殺害を引き金に大英帝国中を揺るがす衝撃の報道が駆け巡ります。市民と貴族の両者から忌み嫌われながらも、ウィリアムは自らの計画に基づき、特権階級の人間を粛清し始めます。

緋色に染まった両手の血を拭い去ることは出来ないと全ての罪を1人で背負うウィリアムを救うべく画策するルイスとフレッド。

シャーロックは幾多の事件の裏にある一本の緋い糸に辿り着き、ウィリアムがやりたい事や考えている事、これから何をしようとしているかまで俺には全てが見えるとウィリアムが自分に課した役割を見抜き、ようやく同じ地平に立つことが出来たと実感します。

女王陛下からシャーロックに犯罪卿逮捕の勅命が下り、無二の友人としてウィリアムを救おうとするシャーロックだが、自らの死で大英帝国の浄化の完成を望むウィリアムにより、モリアーティの物語は着実に結末へと近づいて行きます。

犯罪卿の最期はウィリアムが自らの死を計画していることについて納得できず、新しい世界を一緒に見たいと思い、フレッドはルイスと共にシャーロックにウィリアムの命を救ってほしいと秘密裏に接触します。

同日、ウィリアムはシャーロックの元を訪ね、このジェームズモリアーティの物語を終わらせてくれるかと依頼しに来ます。シャーロックは何故お前が犯罪卿として死に拘っているのか問います。

その問いにウィリアムは答えは明白であり、地上の悪魔は全て消し去らねばならず、僕が生まれる前からこの歪んだ世界には悪魔達が蔓延っていたため僕はこの世界が嫌いであったこと、彼らを滅ぼすには僕自身も悪魔になるしか道は無く、今日に至るまでこの国の悪魔どもを一掃し、最後の悪魔が自分自身であるからだと話します。

自身の手は血で汚れきってしまい、悪魔と成り果てた者はどうやったって人間には戻れない、その始末をシャーロックにお願いしたいのだと伝えます。

ウィリアムは立ち去る際に、最後の場所と時間を記した手紙と進むべき未来とは関係のない過去として手紙を残していきました。

最後の事件を迎えるため各自待機している頃、モランはアルバートにこれからどうするつもりなのかと問います。

ウィリアムの元には彼のお陰で救われて忠誠を誓っている集まりであり、最後はウィリアムと共に死んで償う気だったが、ウィリアムは俺たちの罪まで全て背負って1人死ぬつもりでおり、俺たちに生きろと言っている中でアルバートはこのまま生き続けて何をするのかと問います。

アルバートは遺された者にしか出来ないことを成すべきであり、今は共に十字架を背負えずとも後で幾らでも肩代わりできると答えます。

兄弟3人でジェームズモリアーティであり、アルバートもルイスもウィリアムと共に最期を迎えるつもりでいたが、我が弟は初めからこの未来を見据えていたことを悟り、お前1人に罪を背負わせたりなどしないと決意し、アルバートは屋敷に火を放ちます。

東部貧民街のとある場所に、ウィリアムはシャーロック宛の手紙を残しており、シャーロックとの出会いは罪深い計画を一刻忘れてしまうほどに楽しいものであり、唯一の理解者を得られた気がして、互いの立場が無ければずっと一緒に語り合い謎解きに興じていたいとさえ思ったこともあり、年来の友人のように感じていたことを明かしています。

それ故に犯罪卿としての最期を看取るのは他でもないシャーロックに頼みたい理由だと述べています。

決行当日になり、ウィリアムとシャーロックが対決するのを各自見届ける中、ルイスは死ぬ時も最後まで兄と共に死ぬことを望んだが、ウィリアムは望んでおらず、全てが終わった後の世界がどんな結末を迎えようと生きてこの世界を見届ける決意をします。

ウィリアムはシャーロックが探偵としてではなく友達として来たことに感謝し、君だけは生きて還ってほしいと告げ、1人でテムズ川へと落ちていくがシャーロックが怯むことなくウィリアムを抱き抱え2人でテムズ川へと落下してしまいます。

 

憂国のモリアーティのアニメ

憂国のモリアーティのアニメの第1クールは2020年10月から12月までTOKYO MXほかにて放送され、第2クールは2021年4月より現在も放送中です。

2020年10月に1期放送

第1期は1話から11話まで放送されました。

モリアーティの始まり、ノアティック号事件、ウィリアムとシャーロックによる二人の探偵までの話となっています。第1話はアニメオリジナルのストーリーとなっているため、憂国のモリアーティファンは必見です。

2021年4月から2期がスタート

アイリーンアドラーが活躍する大英帝国の醜聞編から第2期が始まりました。現在はホワイトチャペルの亡霊編まで放送されており、アニメではどういった展開で最後の事件が描かれるか楽しみです。

 

憂国のモリアーティ ミュージカル版&舞台版

憂国のモリアーティはミュージカル版と舞台版でそれぞれ公演されています。

2019年にミュージカル第一弾が公演

ミュージカル版ではウィリアム役を鈴木勝吾さん、シャーロック役を平野良さんが演じています。

第一楽章「モリアーティの誕生」、第二楽章「ノアの方舟」、第三楽章「シャーロックホームズの研究」となっており、犯罪卿として暗躍するウィリアムと闇を晴らすヒーローとして選ばれたシャーロックと犯罪劇の幕開けが第一弾では見られました。

第2弾 大英帝国の醜聞

第2弾は2020年夏に公演し、第一楽章「バスカヴィル家の狩り」、第二楽章「二人の探偵」、第三楽章「大英帝国の醜聞」となっています。

犯罪卿として出会う前のウィリアムとシャーロックが推理対決として競い合う二人の探偵や、モリアーティとして暗躍するための犯罪卿計画の容認を取り付けることに成功した大英帝国の醜聞編まで見られました。

第3弾 ホワイトチャペルの亡霊

2021年夏に第3弾の公演が決定しています。ウィリアム達の師であるジャックザリッパーがいよいよ登場し、ウィリアムとシャーロックどちらとも対決する事になるミルヴァートンも登場し、モリアーティ計画が最後の事件に向けて加速していくところです。

昨年のジャンプフェスタ2020にて、鈴木勝吾さんと平野良さんが登壇するステージイベントがありました。また、ジャンプフェスタ2021 ONLINEでの初演公演映像と特別番組の配信連動企画として、2回目の「おうちでモリミュ」の開催が決定するなど、実際に公演を観に行けない方も楽しめる企画がありました。

今後もおそらく鑑賞出来る企画が開催されると思われますので、遠方で観に行けない方など是非チェックしたいところです。

憂国のモリアーティ舞台版

ミュージカル版と異なり、舞台版も公演されています。舞台版ではウィリアム役を荒牧慶彦さん、シャーロック役を北村諒さんが演じています。

2020年1月にcase1が公演され、アイリーンアドラーが活躍する大英帝国の醜聞編までが行われ、続きのcase2が2021年7月公演予定となっており、偽物のジャックザリッパーが登場したホワイトチャペル編から始まるようです。

case1は昨年CSチャンネル日テレプラスにて、TVで初放送されたようです。今後も放送されるかもしれませんが、既にDVDが販売されているので、公演を観に行けなかったけど観たいという方はどちらかでチェック出来ますね。

憂国のモリアーティ小説版について

小説版でも憂国のモリアーティが楽しめる作品が発売されています。

“緋色”の研究

2018年11月2日発売されています。

酒場でとある男がモランのイカサマを見破ったことに興味を持ったウィリアムは、戯れと称してその男に勝負を挑みますが相手の要求は大金を賭けた一発勝負のポーカーでした。

他にもルイスが任務で使用することになった熱帯魚にウィリアムと名づけて飼育に熱中しすぎたり、アルバートとモランのワインの飲み比べ対決、ジョンがシャーロックの変わりに探偵となって名推理を披露するなど、本編では描かれなかった日々の研究記録が初公開されています。

本編とは違って家族のように仲の良さが垣間見えるお話です。

禁じられた遊び

 

2019年11月1日発売されています。

貴族の息子探しの依頼を受けたシャーロックは、貴族が通うクラブに潜入するためウィリアムに協力を仰ぎ捜査を始めます。事件の真相にたどりついた二人ですが、人質を取ったゲーム愛好家の犯人からロシアン・ルーレットへの参加を強制されてしまいます。

また、ボンドがホワイトチャペルの劇団に演技指導、三兄弟が弟子入りの際にジャックに課された試練、マイクロフトの紹介で訪れた休暇先でシャーロックが挑む奇妙な事件などが4本の短編になって収録されています。

いずれも読んでいると本編がより一層楽しめる作品です。

虹を視る少女

2020年10月2日発売されています。

ルイスやアルバートたちに、日頃の感謝の気持ちをこめてプレゼントを贈ろうとしていたウィリアムは、ロンドンにあるデパートを訪れますが、謎の武装集団による襲撃事件が発生し、デパートは瞬く間に占拠されてしまいます。

ウィアリムはデパートで出会った不思議な少女と協力して、襲撃犯を制圧しようと試みます。

他にもモリアーティ家主催で行われるサバイバルゲーム大会で、モランたちが真剣勝負をしたり、シャーロックがグレッグソンの助手になって密室事件を調査する話が収録されています。

 

憂国のモリアーティの今後の展開

現在、単行本は14巻まで発売されており、ジャンプSQでは新章開幕としてルイスがイメチェンしております。

物語は最後の事件を迎えて自らの死でモリアーティの物語を週末へと導こうとしたウィリアムと友人として救おうとしたシャーロックの2人がテムズ川に落ちてから3ヶ月が経過したものの、未だに発見されていませんでした。

ワトソンはシャーロックから聞いたウィリアムたちの意図を汲み、彼のペンネームでもあるコナン・ドイル名義でモリアーティ教授を名探偵の宿敵として描かれており最後の事件を世間に発表しました。また、ウィリアムたちが望んだ通り、貴族院と庶民院が歩み寄りを見せ始めるなど、英国は少しずつ確かな変化を見せていました。

代償としてモリアーティ家はホームズ家と同じく英国に対し永代その罪と罰を背負う一族へとなりました。

アルバートは亡きウィリアムの責を負って罰を受けるとマイクロフトに伝え、MI6長官再任の勅命を辞し、ロンドン塔に自ら幽閉されることを望みました。また、ルイスは姿を消したセバスチャン・モランを除く仲間たちを率いて、公には存在しない女王陛下直属の英国陸軍情報部第6課「MI6」の長官に着任する決意をしました。

14巻の最後にはあれから3年が経ったフランスでシャーロックに似た人物の後ろ姿が確認されており、まだまだ見逃せない展開が待っていそうです。

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