原始時代・戦国時代って来て今更相撲!?野見宿禰の魅力を考える!!

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今回はバキに登場する「野見宿禰」の魅力を紹介していきたいと思います!
是非、ご覧になってみてください!

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バキ道って何?

1991年に週刊少年チャンピオンで連載を開始したグラップラー刃牙。

K-1が始まる少し前、キックボクシングブームも鳴りを潜め、格闘技がやや下火でアンダーグラウンドっぽかった時代に始まった本作は、地上最強を目指す17歳の少年・範馬刃牙と彼を取り巻く様々な武道家・格闘家の魅力と、「笑ってしまう様な」過激な格闘描写で瞬く間に人気となりました。

グラップラー刃牙は1999年までの8年に渡る長期連載の後、刃牙が「何でもあり」の1DAYトーナメントを制して大団円を迎えました。

その翌号から、直接的な続編となるBAKIが連載されました。

さらなる敵と対戦!

今度の敵は世界中の犯罪者達。

試合場で戦う格闘技から、「路上の現実」ともいうべき実戦へと舞台が移されました。

このBAKIもまた名作ではあったのですが、同時に戦いが間延びしたり、試合でないからこそ、勝敗があいまいになったりと問題も散見される様になってきました。

そしてすべての犯罪者が去り、圧倒的な強さを身に着けた刃牙が、最大の目標であり、母の仇であり、実の父でもある範馬勇二郎に宣戦布告をして、BAKIは幕を下ろします。

グラップラー刃牙、BAKIときて…

さらに次の作品となった「範馬刃牙」では実際に二人が手を合わせる事になります。

この範馬刃牙では、二人の戦いに至る過程で、「2億年前の岩塩層から出土して蘇生した恐竜を捕食する古代人」という、どこから突っ込んで良いかわからないキャラクターや、アメリカ軍に単体で勝利した刃牙のおじいちゃんが登場したりと、これまで以上にツッコミどころが加速したものの、これはこれで面白かったのではないでしょうか。一

そして訪れた大団円

永い永い戦いの末、二人はお互いを認め合い、大団円を迎えます。

その続編として、宿敵である父と和解して日々に退屈していた刃牙の前に新たなる強敵が登場します。

それはクローン技術と交霊術によって復活した、戦国時代~江戸時代に生きた侍・宮本武蔵。

もはや最初期、フルコンタクト空手や同級生のボクサーと戦っていた時代からは想像もつかない事態に陥っていました。

その後に行われた武蔵との死闘も刃牙の勝利で終わりましたが…

地上最強になった刃牙の物語

もはや敵なしとなった刃牙君。

作中でも「かつては見上げていたライバルに追われる立場」と言われる刃牙君は、もはや生ける兵器とでもいうべき存在です。

実際、刃牙道のスタートの時点で、日々に飽いている状態でした。

作者である板垣恵介先生はかつて

「格闘技で避けて通れないのはヤクザ、獣、不良、軍人」

言われていましたが、実際そのすべてを過去の作中で刃牙君は倒しています。

というかこのあたりはすでに「グラップラー」の時点ですべて勝利しており、そこからBAKI~刃牙道の間に原始人や戦国時代の侍まで追加されて、もはや敵を探すのすら難しい状態です。

SNSでは次の敵は宇宙人か魔族くらいしかないとまで言われ、過去、2ちゃんねるでは

「魔界からガーゴイルが侵略してくる」

なんて嘘エンディングが作られて話題になったりもしました。

そんな刃牙君の次の敵は…なんと相撲です。

今更の相撲?

日本の国技であり、2000年以上の歴史を誇る相撲。

日本人なら知らない人はいないでしょうし、世界中でも日本の相撲は有名です。

勿論、相撲取りの身体能力や馬力は計り知れないものがありますが、なぜ今更相撲なのか。

確かに幕内平均体重160㎏、他の格闘技では例を見ない巨体です。

また、とにかく全力を出し切ってぶつかり合う相撲は非常に荒々しい格闘技でしょう。

しかし、刃牙君はこれまで、様々な強敵に打ち勝ってきましたが、それじゃあ相撲取りが大きくて強いからと言って、飛騨の山奥に住んでいた大猿や、体重100㎏を超えるカマキリ、恐竜を捕食する古代人や史上最強の侍に勝てるとは思えません。

二代目・野見宿禰(のみのすくね)

そこに登場したのが野見宿禰です。

ちょっと日本神話や相撲の歴史に詳しい人ならご存知でしょうが、神話の時代、野見宿禰は当麻蹴速(たいまのけはや)という人と日本の歴史上はじめて相撲を取り、勝利した人です。

神話の時代、野見宿禰は当麻蹴速とお互いに激しく殴り合い、蹴り合い、最後は当麻蹴速の腰骨を踏み折るというすさまじい死闘を演じました。

実際、相撲が今の形になったのは戦国時代以降であり、古代の相撲は今でいうバーリトゥードに近いもので、殴る、蹴るはもちろん、パウンドまでを認めたすさまじいものだったそうです。

さて、本作に登場する野見宿禰は神話に登場する野見宿禰の末裔にあたります。

初代の偉業として、石炭を握り固めて圧縮し、金剛石(ダイヤモンド)に換えてしまったという伝説があり(これ自体はバキ道のオリジナルの逸話です)、それと同じことをして見せたことで、彼は二代目・野見宿禰を名乗る事になった人物です。

200200㎏を超える巨体の彼は現役大関を担ぎ上げ、作中で最も力持ちのキャラクターであるビスケット・オリバをあっさりと倒してのける、非常に力強いキャラクターとして描かれています。

しかし、なぜ今になって相撲なのでしょうか。

相撲最強論

恐らく最も平均体重が重い格闘技であり、最も短時間で決着をつける格闘技で、「最強の格闘技は何か」という議論で頻繁に名前があがっていました。

総合武道「空道」を創始した極真空手日本王者である東孝氏は1980年代の著書「はみだし空手」の中で

「様々な格闘技から10人の代表を出すと、一番強いのは大相撲」

と断じた事が、板垣先生にとって強く印象に残られていた様です。

さらに前述の通り、相撲取りの巨体はすさまじいものです。

他の格闘技に関して言えば、地上最強と言われるムエタイで最も層が厚い階級は50㎏、ボクシングでもミドル級が70㎏、柔道でも無差別は100㎏以上という中で、相撲取りの平均は160㎏と規格外の大きさとなります。

しかし、現実では元相撲取りがリングに上がって良い結果を出したことは決して多くありません。

板垣先生が言われるにはそれは皆あくまで「元」であり、現役の力士が異種格闘技の場に上がったことはないではないかと言います。

最近の刃牙の難点を解決してくれる相撲

さて、そんな相撲ですが、刃牙シリーズの大きな問題を解決する手段になるのではないでしょうか。

それは、「間延び」です。

様々な技の応酬とその間のトーク、さらには各キャラクターの回想と、本シリーズの戦闘シーンは加速度的に長くなっていっています。

しかし、相撲の最大の強みは取り組み1回が長くても10秒程度。

作中でも

「怒涛の10秒」

と描写されています。

で、あればある程度技の応酬の量は限られてきますし、実際に本シリーズは1試合1試合がこれまでに比べると短くなっている傾向にあります。

結論:板垣先生が飽きなかったら名作に?

板垣先生は…この言い方をすると失礼なんですが「飽きる」傾向があります。

過去の強いキャラクターを簡単にやっつけて颯爽と登場した強いっぽいキャラクターが、突如あっさりやられる…というパターンで退場する事があります。

登場までにたっっっっぷり時間をかけて、いざ戦いが始まると刃牙君の攻撃2発程度で秒殺…なんて例すらあります。

中には最初から刃牙君の成長の為に登場したキャラもいたでしょうが、あきらかに途中でトーンダウンしたキャラクターもいます。

願わくば、本シリーズも納得がいくオチがつくまで、板垣先生が飽きて「水入り」が入らない事を祈るばかりです…。

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