世紀を超えて復活する名作剣客活劇…るろうに剣心北海道編

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20世紀末、週刊少年ジャンプで大人気となった明治時代を舞台にした剣客漫画『るろうに剣心』。18年の時を経て復活した北海道編の魅力と見どころに迫ります!

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るろうに剣心とは?

正式名称は『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』、タイトルの通り、明治時代である明治10年を舞台に、元維新志士の刺客であった緋村剣心こと『人斬り抜刀斎』と彼を取り巻く仲間たち、そして幕末~明治時代の様々な人間の思いが交差するチャンバラアクション漫画です。
迫力たっぷりのアクションシーンと、魅力的なキャラクター描写により高い人気を得て、入れ替わりの激しい週刊少年ジャンプで1994年から1999年までの5年間連載することとなりました。
後に実写映画やミュージカル、TVアニメにOVAと様々なメディアミックスを経て2017年、18年の沈黙を経て、かつて連載中に構想を練られていた『北海道編』がジャンプスクエアにて連載開始しました。

作者・和月伸宏先生

作者である和月伸宏先生は、24歳で初の連載作品としてるろうに剣心の連載を開始しました。
ご本人も他に様々な作品を執筆されていますが、それ以上に有名なのは、様々な高名な漫画家の師匠であった事でしょう。
現在日本で最も人気の少年漫画・ワンピースの尾田栄一郎先生、シャーマンキングの武井宏之先生、大人気野球漫画・Mr.FULLSWINGの鈴木信也先生、ノルマンディーひみつ倶楽部やグラナダ-究極科学探検隊-のいとうみきお先生、そして残念ながらお亡くなりになりましたが、鬼が来たりてや少年探偵Qで有名なしんがぎん先生などが、和月先生の下で腕を磨いてプロデビューされています。

かつてのるろうに剣心(1994年~1999年)

時は幕末、倒幕を掲げる維新志士とあくまで徳川幕府を守ろうとする侍の間で争われた明治維新の頃、最強の剣客と言われる暗殺者がいました。
彼の名は緋村剣心、通称人斬り抜刀斎。
1000年以上前から伝わる無敵の抜刀術である『飛天御剣流』を修めた彼は維新の為に無数の要人を暗殺し続けていました。
それから10年、人を斬らないと誓いを立て、その意思表明として刃を逆につけた『逆刃刀』を手にした剣心は一介の浪人として東京府で流浪人として人助けをしたりしていましたが、人斬りとしての過去は常に彼を苦しめ、さいなめ続けました。

時にはかつての仇敵に挑まれ

時には幕末の人斬りが忘れられぬ者と戦い

そして時にはかつて斬り捨てた妻の弟に復讐をされ

何度も何度も過去と戦い続け、ついにすべてを背負い、生きていく覚悟を持って、物語は幕を閉じることとなりました。

劇間…るろうに剣心から北海道編までの間は?

るろうに剣心の劇終から北海道編開始までの18年間、和月先生は決して休まれていたわけではありません。
るろうに剣心のリライトや完全版の為の書下ろしなどのるろ剣関連のお仕事と、それに加えていくつかの連載をされていました。

GUN BLAZE WEST

るろうに剣心とほぼ同時期の1875年(明治8年)のアメリカ西部を舞台に、ガンマンにあこがれる少年、ビュー・バンズがガンマンや犯罪者に伝わる伝説の地「GUN BLAZE WEST」を求めて旅をするという物語でした。
時代背景を合わせて侍によるチャンバラではなく、ガンマンによる撃ち合いをテーマに進め、後にはるろうに剣心とのクロスオーバーも考えていたみたいですが…残念ながら人気が振るわず1年経たずに連載終了となってしまいました。

武装錬金

るろうに剣心やGUN BLAZE WESTとうってかわって、現代の日本が舞台の作品です。
錬金術で作られた人間を食べる化け物・ホムンクルスと、それと戦う錬金術師たちの活躍を描いたアクション漫画です。
過去の作品と違って敵が化け物で仲間も能力者だけあって大人気となりました。
特にヒロイン・津村斗貴子の魅力とアンチヒーローとも言うべき蝶野攻爵のキャラクターはネットを中心に大人気となり、単行本は300万部以上を売り上げる大人気作品となりました。

エンバーミング

るろうに剣心やGUN BLAZE WESTと同時代の19世紀末のヨーロッパを舞台に、人間の死体から作られた人造人間=フランケンシュタインによる血なまぐさい戦いを描いたアクション漫画です。
特筆すべきはそのストーリー性でしょう。
「少年漫画の基本は笑顔とハッピーエンド」
と公言する和月先生とは思えないアンハッピーな結末の多い作品として知られています。
月刊誌の連載・途中での長期中断があったものの、連載期間は実に8年と和月先生史上最長となっています。

登場人物達

緋村剣心(ひむらけんしん)

最強の古流剣術『飛天御剣流』を修めた剣豪にして暗殺者です。
150㎝少々の小柄な体格に優しそうな顔、そして飄々とした態度ではありますがその本質は最強と言われた剣客のもので、過去の贖罪、生き残った者の責任といったものを背負い込んで生きています。
モデルは幕末四大人斬りの1人である『河上彦斎』。
彼も150㎝程の小柄な体格で、見た目こそ女性の様だったけれど伯耆流居合の達人だったそうです。

相良左之助(さがらさのすけ)

幕末、長州藩、薩摩藩を中心として作られた赤報隊の生き残りである東京の喧嘩屋です。
とてつもない打たれ強さと怪力で名を馳せ、他の剣豪などと異なり素手での戦闘を得意としており、剣心の頼れる仲間と言えるでしょう。
過去の連載の最期にて政府高官に手を挙げた事で指名手配となり、日本を脱出して幕を閉じる事となりました。
ちなみに和月先生の構想では後の作品であるGUN BLAZE WESTに出演する予定もあったそうです。

斎藤一(さいとうはじめ)

上記2名と異なり、実在の人物ですが、当然漫画らしく脚色はされています。
かつては新選組の隊長として維新志士であった剣心とライバル関係にあり、戦後は藤田五郎と名前を変えて警察官として任務に当たっています。
剣心と異なり、悪人を殺すことに一切の躊躇がなく、その点で剣心と対立することがあるものの、同じ幕末の動乱を生き抜いた心強い味方でもあります。
藤田五郎という警察官として余生を生き72歳まで生きた史実とは異なり、北海道編では明治16年、舞台の5年前から北海道警察に勤務して、後述の劍客兵器を追いかけています。

志々雄真実(ししおまこと)

剣心にとって最強のライバルであった志々雄真実は剣心が引退した後に人斬りとして暗躍した剣豪です。
鋸状の刀『無限刃』で敵の肉を引き裂き、刃に付着した人の油を発火させる事で斬撃と火炎両方で攻撃をする不思議な剣術を使用します。
かつて弱肉強食を標榜し、日本を転覆して独裁国家を築こうとテロ行為を行っていましたが、剣心との対決の最中、『限界を超えて』戦いを続けて人体発火現象を起こし、炎の中に消えていきました。
そのため北海道編では故人となりますがその思想や人間性は後世の人物に多大な影響を与えました。

長谷川明日郎(はせがわ あしたろう)

彼は元々田舎の山奥の孤児で、様々な軽犯罪を繰り返していて悪太郎(あしたろう)と呼ばれていました
喰う事にすら困る日々を過ごす中、せめて腹いっぱい飯が食いたいという気持ちだけで志々雄一派に入り、下っ端の構成員として下働きをしていました。
しかし組織壊滅後、残骸となったアジト跡から志々雄の愛刀『無限刃』を拾い、腰に据えて軽犯罪を繰り返していました。
後に剣心につかまり、現在は剣心の妻である神谷道場預かりとなり、名前も同じ読みの『明日郎』と改めています。
北海道編の実質的な主人公の1人と言えるキャラクターです。

井上阿爛(いのうえ あらん)

海外への密航を企てて懲役3カ月となった16歳の美少年です。
当時としては比較的珍しい上品な洋装とナルシスト的な言動が目立つ彼ですが、実は外国人とのハーフで、日本での差別を気にして海外へと逃避行を企てようとしていました。
明日郎と釈放の日が同じだった事から縁を持ち、同様にトラブルに巻き込まれて結果神谷道場預かりとなっていますが、明日郎と違って武道にはあまり興味がなく、体力もあまりありません。
明日郎同様、北海道編の実質的な主人公の1人と言えるキャラクターです。

久保田旭(くぼた あさひ)

明日郎同様に志々雄一派で働いていた彼女ですが、明日郎とは面識がありませんでした。
現在でも残党と交流があり、明日郎の持っている無限刃を奪い取ろうと画策をしていました。
しかし実質は使い走りの捨て駒の様な扱いであり、それに気づいた彼女は絶望し、彼女に代わって一派の追っ手と戦おうとする明日郎を見て改心し、彼と和解しました。
その後に上記2人同様神谷道場預かりとなって現在に至ります。
志々雄一派であることを差し引くと今時の女の子、といった感じで、洋風の煌びやかなものや甘いものに眼がありません。
明日郎、阿爛同様、北海道編の実質的な主人公の1人と言えるキャラクターです。

劍客兵器達

鎌倉時代の元寇でモンゴルと戦った鎌倉武士の末裔を自称する彼らは、国内の内乱には目もくれず、海外からの侵略に対抗する為、ひたすら修行を続けた人間兵器達です。
1000年近い修行の末に開発された独特の武装と『赫力』(せきりき)という特殊能力で、人間を凌駕する身体能力を誇ります。
覇権主義、帝国主義がはびこる世界情勢を鑑みて、彼らは自分達に唯一足りない『実戦経験』を積むために北海道の警察や軍を襲撃する『実検戦闘』を開始しました。
一人一人が一騎当千のつわものです。

見どころ

1800年代末という、世界中で文明化が進みながらも古いものがまだまだ残っている時代は、エンバーミングやGUN BLAZE WESTを見てもわかる通り、我月先生お気に入りの時代です。
特にまだまだ開拓が続く北海道という土地は、『ゴールデンカムイ』等でも描かれている通り、日本でありながらも当時最も危険であったロシアの近隣という非常にデリケートな土地でもあります。
ゴールデンカムイが日露戦争後であるのに対して、北海道編は日露戦争のちょっと前です。
主な敵である劍客兵器達はその微妙な空気を読み取って活動を開始しました。
それに対するは剣心達だけではなく、前作から続投の斎藤一や、永倉新八といった実在達です。
彼らが『史実』とどう絡み合いながら物語を紡いでいくか…和月先生の発想力に大きな期待ができるのではないでしょうか!

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