アニメ「バナナフィッシュ」の最終回はしんどい?涙腺崩壊の結末とその後を解説

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『BANANA FISH』は、謎の言葉「バナナフィッシュ」の意味を追い求める主人公達とマフィアとの激しい抗争を描いた作品です。2018年に放送されたアニメ版では、海外ドラマのような緊張感あふれるストーリーや、主人公ふたりの固い絆が多くの人々の心を掴みました。この記事では、不朽の名作と呼ばれる本作の最終回ともう一つの最終回をネタバレ。国内外のファンの評価も紹介し、不朽の名作と言える理由に迫ります。

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目次

「BANANA FISH」とはどんな作品?

アニメ『BANANA FISH』は、1985年から1994年まで「別冊少女コミック」で連載された吉田秋生先生のマンガが原作です。
ニューヨークで繰り広げられるストリートキッズとマフィアの激しい抗争、美しき孤高の天才少年・アッシュと慈愛に満ち溢れた少年・英二の絆を全20巻、アニメでは全24話で描いています。
原作漫画の累計発行部数は1200万部以上。連載から35年以上が経過した今もなお、多くの読者から「名作」として高く評価されてきました。
1994年にはラジオドラマ化され、2005年から2012年にかけて3度にわたって舞台化。
映像化不可能とまで言われた本作でしたが、2018年に吉田秋生先生の漫画家活動40周年を記念してアニメ化されました。
『呪術廻戦』や『ユーリ!!!on ICE』などで知られるアニメ制作会社「MAPPA」が制作し、現代風のアレンジを加えた美麗な作画と、海外ドラマのような息をつかせないストーリーで新たなファンを獲得しています。

主人公は、たぐいまれなルックスとIQ200を超える知能、卓越した戦闘力を兼ね備えた17歳の少年、アッシュ・リンクス。
彼には戦地から廃人状態になって帰ってきた兄がおり、兄が呟いた言葉「バナナフィッシュ」の謎を追うことになります。
「バナナフィッシュ」をめぐり、かつて従っていたマフィアのボスと対峙することになったアッシュ。
壮絶な過去を持つ彼は奥村英二に支えられながら、優れた頭脳と戦闘力を駆使して次々襲いかかる強敵や逆境に立ち向かう物語です。
ゴルツィネ率いるコルシカ・マフィアやチャイニーズマフィア、アメリカ合衆国政府までも目をつける「バナナフィッシュ」の正体とは?
苦しい戦いの末にアッシュと英二はどうなってしまうのか。
最後まで目が離せなくなるクライムサスペンス作品です。

最終回までのストーリーを紹介  

物語はイラク戦争(原作ではベトナム戦争)中、突然錯乱状態になった兵士グリフィン・カーレンリースが、仲間たちに向かって銃を乱射する場面から始まります。
仲間のマックスは彼を取り押さえましたが、グリフィンは「バナナフィッシュ」という言葉をつぶやくだけでした。
それから数年後、瀕死状態の男性が「バナナフィッシュ」とある住所をアッシュに言い残し、薬の入ったペンダントを渡します。
その言葉をアッシュは耳にしたことがありました。廃人状態になってしまった兄がよく呟いていた言葉だったのです。
男を襲撃したのはアッシュの部下の少年たち。彼らはマフィアの首領・ゴルツィネの指示で動いていました。
ゴルツィネがバナナフィッシュに関わっていると悟ったアッシュでしたが、ゴルツィネもアッシュをつけ狙い、刺客を差し向けます。
実はゴルツィネは政府高官や軍部と通じており、「バナナフィッシュ」を交渉材料に、ヘロインの輸送経路を入手しようとしていました。さらにアッシュを手に入れて、自分のそばに置こうと考えていたのです。


一方、ストリートキッズを取材しようと日本からカメラマンの伊部俊一と助手で大学生の奥村英二がアッシュの元を訪れます。
追手との戦いでアッシュに助けられた英二は、アッシュの仲間とともにバナナフィッシュをめぐる戦いに身を投じていくことになりました。
アッシュは冤罪で収監された際に兄の戦友でバナナフィッシュを追うジャーナリストのマックス・ロボと出会います。
その後マックスはアッシュと英二と伊部、アッシュの友人のショーターの5人で手掛かりを探しに、アッシュの故郷とロサンゼルスへ旅に向かいました。
アッシュの故郷でアッシュの壮絶な生い立ちを知った英二は、とてつもない孤独を抱えたアッシュを支えたいと強く思います

瀕死の男から聞いた住所にあった博士の家で、彼らはバナナフィッシュの正体を掴むことに成功したアッシュ。

バナナフィッシュは、投与した時に人の自我を奪い、催眠で人の命令を必ず実行させる薬物。命令を遂行した後も投与された人間は苦しみ続け、やがて自殺してしまうという危険な代物でした
アッシュの兄が仲間を銃で乱射した一件もバナナフィッシュによるものだったのです。
しかしゴルツィネと手を組む李一族に従わされていたショーターが英二を誘拐。アッシュ、伊部、マックスの3人もゴルツィネの手下にとらえられてしまいます。
ゴルツィネの屋敷に連行された彼らは、バナナフィッシュの人体実験を見せつけれます。実験体に使われたのはショーターでした。
バナナフィッシュの入った注射をされ「英二を殺せ」と命令されたショーターはもがき苦しみます。
わずかに意識を取り戻したショーターは、アッシュに自分を殺すように言いました。アッシュは彼を苦しみから解き放つため、拳銃で彼の命を奪います。
親友の命を奪ってしまったことを悔やむアッシュ。英二は彼に「世界中が君の敵に回っても僕は君の味方だ」と本心を伝えたのでした。
その後ゴルツィネの手下になっていたオーサーがアッシュとの決闘を申し込みます。決闘に応じたアッシュは、英二に危害が及ばないように彼を帰国させようと航空機のチケットを手配しました。
一人で背負い込むアッシュが気がかりな英二はアッシュの元へ。高架上でナイフで切りあいをしていたアッシュとオーサーを見かけますが、アッシュはオーサーの動きの隙をついて彼を刺し殺すのでした。


負傷したアッシュは病院へ搬送。彼は病院でもゴルツィネの手下に狙われ、国立精神衛生センターへ連行されました。
国立衛生センターでは、バナナフィッシュを使った人体実験が秘密裏に行われており、センター長のマナーハイムは、IQ180の知能を持つアッシュを実験に使うことを考えます。
実験を止めさせるようゴルツィネは言いましたが、アッシュは病室を脱走。
病院に収容され、廃人状態になっていた科学者のドーソン博士も助け出し、マックスと伊部の助力で国立精神衛生センターから逃げることに成功します。

またしてもアッシュに逃げられ、意地でもアッシュを屈服させたいゴルツィネは、かつてアッシュに戦闘のノウハウを教えた家庭教師・ブランカを呼び出しました。
ブランカは遠くのビルからアッシュたちの隠れ家の窓を狙撃。
次なる敵がブランカだと悟ったアッシュは、英二を守るために自らの身とバナナフィッシュについて調査した全てのデータをゴルツィネに差し出すことにしました。
一方、英二とアッシュの部下や、ショーターの部下だったシンたちのグループもゴルツィネの主催するパーティーに潜り込み、アッシュを助け出そうと動き出します。
救出されたアッシュは自然史博物館に立てこもり、仲間が捕まる一大事を人質交換で乗りきりました。

ゴルツィネにさらなる打撃を与えようと、彼が経営するクラブに潜入したアッシュは児童売買の証拠写真を掴むことに成功します

ゴルツィネは、アッシュ達ストリートキッズをつぶすためにフォックス大佐率いる精鋭の傭兵部隊を派遣。
アッシュは戦闘慣れしているケインとマックス達と、英二とマックスの妻のジェシカらとシンたち華僑のメンバーの二手に分かれ、傭兵部隊をおびき寄せようとしました。
しかしマックス達は拘束され、心配したジェシカは後戻りするなど、予期せぬ事態に陥ります
仲間を捕らえられたアッシュは、投降せざるを得ませんでした。
マックス達は精神衛生センターに送られ、アッシュもフォックス大佐の尋問を受けました。
同性愛者であるフォックスからの屈辱的な尋問をこらえるアッシュでしたが、シンや英二たちが駆けつけ、脱出することができました。
アッシュは潜入取材で得た写真や資料をジェシカに託し、国立精神医療センターに捕らえられたマックス達を助けるために戦う決意をします

戦いに行くアッシュを止めたい英二は、彼と話し合っていましたが月龍が仕向けた刺客に撃たれてしまいます。
アッシュ達を狙ったのはシンの部下たち。アッシュが英二といる時の隙をついて銃撃したのです。怒り狂ったアッシュは、容赦なく拳銃を撃ちました。
英二は救急車で運ばれましたが、手術が必要なほどの重傷を負いました。

アッシュの大切な人を同胞が傷つけたことに心を痛めるシン。仲間を助けた後、もし情けをかけてくれるのであれば、アッシュと決闘したいと伝えします。
シンを心配する異母兄のラオは憎まれ口を叩き、アッシュと距離を取ることにしました。
その後、ブランカはアッシュに自分を雇わないかと誘います。
アッシュは交渉に応じ、ブランカの運転で英二のいる病院に向かいました。
アッシュは英二と再会を果たしますが、英二の元に警察のチャーリー達が近づいてきます。
このままではアッシュが捕まると思った英二は、アッシュに「行けー!」と声を振り絞りました。

英二の元を去ったアッシュは、国立精神医療センターの近くへ。傭兵部隊は人質を取り、アッシュ達を待ち伏せしています。
戦いが始まる直前、ゴルツィネに連絡が入りました。児童売買をしていたことが記事になるというのです。

ゴルツィネが乗る車を見つけたアッシュの部下たちは銃撃。アッシュはゴルツィネを人質にし、精神医療センターに囚われた仲間の解放を求めます。
センター長の代わりに現れたのは、フォックス大佐でした。バナナフィッシュのことを知ったフォックス大佐は、ゴルツィネを拳銃で撃ち抜きます。
絶体絶命のピンチに陥ったアッシュ。
果たして彼はこの戦いに勝利し、ゴルツィネの悪事を世間に公表することができるのでしょうか。


最終回に登場するメインキャラクターを紹介

ここからは最終回に登場する主要人物を紹介しましょう。

アッシュ・リンクス(CV.内田雄馬)

ニューヨークのスラム街にいる不良少年達のリーダー。
狙撃力や身体能力が高いだけでなく戦略にも長けており、仲間から一目置かれています。
才能にあふれ、部下からも慕われているアッシュですが、実は心の傷を抱えていました。
8歳のときに少年野球チームの監督に無理やりベッドに連れ込まれ、性的虐待を受けたアッシュは恐怖のあまり監督の頭を撃ち抜きます
街を出たアッシュは、やがてコルシカマフィアのボスであるディノ・ゴルツィネが経営する高級少年売春クラブへ売り飛ばされました。
やがてアッシュはゴルツィネに見初められ、元ソ連の暗殺者・ブランカの指導を受け、格闘術と射撃術など戦闘のノウハウを叩き込まれたのでした

その後、スラム街で不良少年達から一目置かれるようになったアッシュは、廃人状態になった兄が呟いていた言葉「バナナフィッシュ」の正体を追い求めることに。
スラム街で「バナナフィッシュ」と住所を言い残して亡くなった男がゴルツィネの命令で殺されたことから、ゴルツィネがバナナフィッシュに絡んでいることに気づきました。
そして、日本から来た英二と運命的な出会いを果たし、彼の運命は大きく動き始めます。
バナナフィッシュの実験台にされたショーターを、苦しみから解放するためとはいえ撃ち殺してしまい心に傷を負うアッシュ。
同じ痛みを分かち合おうとする英二の優しさに触れ、彼だけにありのままの感情を見せていくのです。
英二を守り抜くためにはどんな犠牲も痛みもいとわない。どんな逆境も恐れず、優れた頭脳と卓越した戦闘能力を武器に、強敵との戦いに挑みます。

奥村英二(CV.野島健児)

奥村英二は、カメラマンの助手をしている19歳の大学生。
かつては棒高跳びの選手でしたが、足を負傷したために諦めざるを得なくなりました。
選手時代の英二を撮影していたカメラマンの伊部に誘われてニューヨークへ、ストリートキッズの取材に訪れます。
アッシュに比べて、知能が高いわけでもなく身体能力も比較的普通ですが、素直で優しい性格の持ち主。
ストリートキッズ達とも別け隔てなく接し、アッシュとも心を通わせていきました。
英二はバナナフィッシュをめぐる戦いの中でアッシュの抱える孤独感や悲しみを察知し、彼の支えになりたい、彼を守りたいと思うようになります。
やがてアッシュと英二は互いを強く信頼し、胸の内を話せる仲に。
しかし敵に英二がアッシュの弱点だと悟られてしまい、敵にさらわれたり、命を狙われたりすることも多々あります。
どんなピンチでも決して諦めずアッシュを強く信じて、自分も一緒に戦う。慈愛と強い心をあわせ持った青年です。

伊部俊一(CV.川田紳司)

伊部俊一は、英二とともにニューヨークを訪れたカメラマン。
英二が棒高跳びの選手だった頃に彼を撮影し、評価されたことをきっかけにプロのカメラマンとなりました。
スランプ状態だった英二を元気づけるために彼をニューヨークに連れて行きましたが、英二と一緒にバナナフィッシュに関する事件に巻き込まれてしまいます。
軽々と空を舞い、無垢で純粋な性格を持つ英二に尊敬と憧れを抱いており、英二を守ろうと過保護になってしまうところも。
アッシュの生い立ちを知ってからは彼の心の傷や孤独感を理解し、支え合う英二とアッシュを温かい眼差しで見守っています

マックス・ロボ(CV.平田広明)

マックスは、バナナフィッシュの謎を追うフリーのジャーナリストです。
アッシュの兄であるグリフィン・カーレンリースと同じ隊に所属した元軍人で、錯乱した彼の足を銃で撃って取り押さえたのもマックスでした。
ニューヨーク市警で仕事したこともあり、ポリスアカデミー時代の同期だった刑事のチャーリーの頼みで刑務所にいるアッシュの面倒を見ることになります。
刑務所では同じ部屋にいたふたりですが、マックスがアッシュの兄であるグリフィンの足を撃ったことを知って、アッシュは激怒。
恨みつらみをマックスにぶつけて殴り合いの大喧嘩に発展します。
一度部屋を変えた後も喧嘩を続けるアッシュとマックスでしたが、グリフィンが亡くなり、会えなくなったことを悔やんでいたマックスの姿を見て、アッシュはバナナフィッシュについて知っていることを彼に打ち明けました。
刑務所を無事に出た後も、マックスはアッシュとともにバナナフィッシュの謎を追います。
変装でアッシュの父親役を演じることもありますが、本当の父親のようにアッシュのことを心配し、彼のことを信頼しています

ジェシカ・ランディ(CV.深見梨加)

ジェシカは、ロサンゼルスに住むマックスの元妻で雑誌編集者です。
マックスとジェシカの間には幼い息子がいますが、マックスよりも収入があるため息子の親権は彼女にありました。
マックスは弁護士を立てて親権をめぐって彼女と争っていましたが、バナナフィッシュに関する事件にジェシカ親子も巻き込まれてしまいます。
李一族の手下の人質になり、心身傷ついて立ち直るまでに半年かかった彼女でしたが、雑誌編集者としてゴルツィネの悪事を公にするために立ち上がります。
アッシュもマックス同様にジェシカを信頼し、彼女にゴルツィネの経営する児童売春クラブに関する情報や資料を渡しました。
マフィアと最前線で戦うマックスのことを思い銃で戦い、記事で悪事をさらけ出す。愛情と強さを兼ね備えた女性です。

シン・スウ・リンCV.千葉翔也)

シンは、亡きショーターの代わりに中国系アメリカ人のストリートキッズのリーダーとなった少年です。
身長も低く、顔つきもまだあどけなさが残っていますが、仲間思いで強い責任感を持っています
シンはかつてリーダーだったショーターのことを誰よりも慕っていました。そのためショーターの命を奪ったアッシュを許すことができませんでした。
現場にいた李月龍がショーターの亡くなった状況をきちんと話さなかったため、シンはアッシュになにか事情があったのではと思い始めます。
後に英二から事情を聞いたシンは、アッシュと英二に協力。バナナフィッシュをめぐる戦いに彼も身を投じることになりました。
責任感が強く、一部の部下の裏切り行為に対するけじめとして全てが終わってから一対一の勝負をしようと提案します。

ケイン・ブラッド(CV.三宅健太)

ケインは、アフリカ系アメリカ人のストリートキッズを束ねるリーダーです。
オーサーとアッシュが決闘する前に、この決闘を見過ごしてほしい、ニューヨークのダウンタウンには手を出さなないことをアッシュと約束しました。
「ハーレムの黒い魔王」や「ブラッディケイン」という通り名を持つほど腕が経つのですが、心身共に傷ついたアッシュを心配したり、励ますなど思いやりのある一面も持っています
アッシュのことを強く信頼し、精神衛生センターに囚われた仲間を解放するための最後の戦いに挑みます。

ブランカ(CV.森川智之)

ブランカは、アッシュに戦闘技術を教えた家庭教師です。
彼はアッシュと出会う前、ある国家の特殊工作員として戦っていましたが、政治犯の父を持つ女性と恋に落ち、愛する気持ちを知ります
最愛の女性をテロ事件で失い、本名も祖国も捨てて殺し屋として孤独に生きてきたブランカでしたが、庭教師としてゴルツィネに雇われ、教え子であるアッシュに優しくすることで心の隙間を埋めていきました。
アッシュを指導した後に、カリブでひっそりと一人暮らしをしていたブランカでしたが、アッシュを手に入れたいゴルツィネの命令で呼び戻されます。
遠く離れたビルからアッシュのいる部屋の窓を狙撃するなど、圧倒的な戦闘力を持ち、アッシュを追い詰めていきました
初登場時はアッシュと敵対していましたが、実はアッシュのことをとても心配しており、ゴルツィネの元でも生きてほしいと望んでいました。
アッシュがゴルツィネの養子にされた後、ブランカは月龍と契約し、彼の護衛として働くことに。
アッシュの英二と一緒にいたいというゆるぎない想いに心動かされ、月龍の元を離れ、アッシュに付くことを決意。
最終決戦を前にアッシュを英二が運ばれた病院へ連れて行き、ふたりを再会させました。たった一人の大切な人を守るために戦うアッシュを応援し、最前線で戦います。

ディノ・フランシス・ゴルツィネ(CV.石塚運昇)

コルシカマフィアのボスで、アメリカの政財界や軍部にも顔が利く権力者。
バナナフィッシュを政府の官僚や軍人に売り込み、裏社会のトップになる野望を持っていました。
一方で年端も行かない少年を取り押さえ、政治家や権力者をお得意様に男娼として売り飛ばすこともしています。
主人公のアッシュも彼に搾取され、心に大きな傷を負いました。
アッシュを見初めたゴルツィネは、後継者にしようと彼を教育。アッシュの才能を開花させます。
その後、アッシュはゴルツィネに反抗するようになりました。ゴルツィネは思い通りにならないアッシュを意地でも支配下に置こうと、「私がこの手で殺す」、「はく製職人を呼んではく製にしてもらう」などと愛憎渦巻く感情を彼にぶつけていきます。
チャイニーズマフィアの李家とも手を組んだり、アッシュの師匠であるブランカを雇ったり、精鋭の傭兵部隊とアッシュを戦わせるなどあらゆる手段でアッシュを屈服させようと目論むゴルツィネ。
アッシュの大切な人をえげつない方法で傷つけることもいといません。
飽くなきアッシュへの独占欲、支配欲を持つ悪の首領です。

エドアルド・L・フォックス(CV.堀内賢雄)

フォックスは、ゴルツィネが雇ったフランス人傭兵部隊のリーダーです。
元コルシカ駐屯外人空挺部隊の大佐だったフォックスですが、公式記録ではフォックスも彼の部隊も死亡者扱いになっています。
頭さえ無事なら身体がどうなっても構わないという条件のもと、執拗にアッシュを追い詰めていきます。
屈辱的で残忍な手段も目的のためならいとわない、サディスティックな性格の持ち主です。

李月龍(CV.福山潤)

月龍は、チャイニーズマフィアの一族・李家の末弟にして兄たちに復讐心を燃やす青年です。
バナナフィッシュの手がかりだった屋敷に住むドーソン博士の養子だと名乗って、アッシュの前に現れました。
月龍は6歳の時、母親を腹違いの兄たちによって惨殺された過去を持っています。
兄達の命令に従いながらも、復讐するチャンスを見計らってきました。
アッシュの隙をついてバナナフィッシュのデータを兄の元へ持ってくることができなかった月龍は、罰として身柄をゴルツィネに渡されます。
ゴルツィネの屋敷で月龍は、バナナフィッシュによって自我を壊され、アッシュを殺そうとするショーターの姿と彼の最期を見てしまうのでした。
自分と同じ凄惨な過去を持つ者だと思っていたアッシュの逃亡を援助。彼らが銃撃戦を繰り広げている最中、混乱に乗じてバナナフィッシュの開発者の一人を脅してサンプルを奪いました。
その後、薬で次男の華龍を廃人状態にさせて支配力を高め、やがてゴルツィネと手を結び、李家を自分のものにしていきます。
アッシュの心の支えである英二に嫉妬や憎しみを抱いており、執拗に彼をつけ狙い、命を奪おうとしています。

ラオ・イェン・タイ(CV.斉藤壮馬)

ラオは、シンの部下で彼の腹違いの兄です。
シンと同じようにラオも前のリーダーであるショーターを慕っており、彼の命を奪ったアッシュを強く憎んでいます。
シンは英二からアッシュがショーターの命を奪った事情を聞いていますが、ラオは何も知らないためアッシュへの不信感は人一倍大きいです。
アッシュと英二を狙ってきた同胞二人をアッシュに撃ち殺されたことをきっかけに、彼への敵対心を強めました。
腹違いの弟であるシンのことが大切で、死ぬ覚悟でアッシュと戦うと決めたシンをとても心配しています。

23話までの死亡キャラは誰?

多くの犠牲者を出しながら怒涛の展開で進んでいく『BANANA FISH』。
最終回に至るまで、敵味方関係なく多くの血が流れました。
アッシュ達を支えた人、最悪の敵など、戦いで命を失ったキャラクターを紹介しましょう。

スティーブン・トムソン(CV.竹内栄治)

スティーブン・トムソンは1話で、アッシュに粉薬入りのペンダントとバナナフィッシュに関する住所を伝えて亡くなった男性です。
アメリカ軍の情報部に所属した時期もありましたが、除隊して保険の調査員をしていました。
彼の弟は、アッシュの兄と同じく戦争中に行われたバナナフィッシュの人体実験の犠牲者。
弟が亡くなった本当の理由を知ろうとしたスティーブンは、必死になってバナナフィッシュの開発者であるアレクシス・ドーソンとバナナフィッシュの情報を突き止めます
バナナフィッシュをゴルツィネから奪ったことで目を付けられて、アッシュの部下である少年たちに暗殺されてしまいましたが、通りかかったアッシュが彼と出会ったことでアッシュの運命の歯車は大きく動き出しました。

スキップ(CV.村瀬歩)

2話で亡くなったスキップは、アッシュの子分の少年です。
年齢は10代前半ほど、人とすぐ仲良くなれるような性格の持ち主で、日本から来た英二ともすぐ親しくなりました。
年の割にしっかりしており、情報収集力もあり、アッシュにとって頼れる仲間でした。
ゴルツィネの手下のマービンがアッシュを狙っていたところ、彼をかばって銃で撃たれて亡くなってしまいました。

マービン・クロスビー(CV.石塚賢)

スキップの命を奪ったマービンも、2話で亡くなっています。
誤ってスキップを撃ち殺した後、車で逃走したマービンでしたが、ゴルツィネは彼を見放し部下によって殺されてしまいました。
マービンを追って彼のいる部屋に足を踏み入れたアッシュは彼の遺体を発見。
それと同時に警察が駆け付け、マービン殺害の容疑をかけられてしまいます。

実はマービンは同性愛者で、10代前半のアッシュに性的虐待をしていました。
アッシュにとって彼は自分を傷つけ、一生消えない傷を作った人間の一人。
大人への不信感を募らせる原因となった一人でした。

グリフィン・カーレンリース(CV.布施川一寛)

4話で亡くなったグリフィンはアッシュにとって、育ての親ともいえる大切な兄。そして、戦時中はマックスとともに戦った仲間でした。
大切な人に手紙を書いて送るような心優しい人でしたが、戦場のつらさに耐えきれず、ドラッグに頼ったのではないかと言われていました。
しかし、バナナフィッシュの開発者の一人であるエイブラハム・ドーソンの悪事を知ったために、投与されたことが判明します。
仲間を殺すように命じられ、意識を奪われてマシンガンを乱射させた後、グリフィンは廃人状態に。
介助が必要な状態になっていたため病院に入院していましたが、アッシュは彼を病室から連れ出し、一人で兄の看病をしていました。ある日、ドクター・メレディスのところへ診察を受けていたグリフィンは、英二達を追っていたエイブラハム・ドーソンと再会。グリフィンはすでに死んだはずだと思っていたエイブラハムは動転し、彼を撃ってしまいます。

胸を負傷したグリフィンはドクター・メレディスの治療を受けていましたが、亡くなってしまいました。

彼の死は電話を通じてマックスの耳に届き、アッシュもマックスから知ります。ふたりにとってかけがえのない大切な人でした。

ジェニファ(CV.釘宮理恵)

6話で亡くなったジェニファは、アッシュの父の3人目の妻です。
ケープコッドの町で夫のジムと二人でダイナーを切り盛りしています。
気弱そうに見えますが、高圧的な話し方をするジムの気持ちを理解しつつ、アッシュのことを気遣い、優しく接することができる人です。
グリフィンとアッシュの家にアッシュ達一行が訪れた際も、「朝食を食べにきてね」と声をかけていました。
しかしゴルツィネの追手が現れ、ジムとジェニファーを人質にしてしまいます。
激しい戦闘を繰り広げる中、追手はアッシュの隙をついてジェニファを銃撃。そのまま帰らぬ人となりました。

ショーター・ウォン(CV.古川慎)

ショーターはアッシュの親友で、チャイナタウンにいる少年たちを束ねるリーダーです。
気さくで面倒見もよくて仲間思い。アッシュとは刑務所にいた時からの付き合いで、アッシュ達がピンチになった際はすぐに駆けつけ、助けてくれました。
ドーソン博士の家で月龍と接触した際、アッシュ達の味方に付くか、姉やチャイナタウンの仲間たちを見捨てるかの板挟みに苦しみ、渋々後者を選びます。
それでも月龍の様子を常にうかがい、誘拐してきた英二に何かあってはいけないと常に英二のそばにいました。
しかし、月龍とともに英二とショーターはゴルツィネの屋敷に連行され、ショーターはバナナフィッシュの実験台に使われてしまいます。
エイブラハム・ドーソンから英二を殺すように命じられたショーター。
自我を失いそうになりながらも必死で堪え、アッシュに自分を殺してほしいと頼みます。
ショーターの苦しみを解くために、英二を助けるためにアッシュはショーターの胸をめがけて引き金を引きました。
その後、アッシュはショーターの命を奪ったことを悔やみます。
残されたチャイナタウンの少年たちもアッシュに不信感を抱くようになりました。

エイブラハム・ドースン(CV.林勇)

エイブラハム・ドーソンは、バナナフィッシュを開発した科学者の一人でゴルツィネの協力者でした。
バナナフィッシュは彼とその兄が小遣い稼ぎで作ったドラッグ。
出来のいい兄に劣等感を抱いていたエイブラハムは、兄が隠していたバナナフィッシュを持ち出し、ゴルツィネに売却しました。
バナナフィッシュは、投与した人物の自我を壊し、一種のマインドコントロールができる薬物であるため兵器として使えるように、研究を進めています。
グリフィンとショーターにバナナフィッシュを投与した犯人であり、アッシュにとって因縁の人物です。
10話ではショーターを使った人体実験後、エイブラハムは月龍の麻酔針にかかり、ラボの中で身動きが取れない状態でした。
ショーターの遺体を弔いにラボを訪れたアッシュに、命乞いをするエイブラハム。ショーターの遺体が解剖されているのを見たアッシュは怒り、エイブラハムをマシンガンで何度も銃撃。
彼の息の根を止めた後もラボを爆発させ、何も残らない状態にしたのでした。
大切な人を救えなかった悔しさと奪われた怒りでいっぱいになったアッシュ。
10話のクライマックスは、大切な人を失った彼に感情移入せずにはいられない場面となりました。

フレデリック・オーサー(CV.細谷佳正)

オーサーは、アッシュを嫌う不良青年です。
昔アッシュによって指を傷つけられ、銃を握れなくなったことをきっかけにアッシュに強い憎しみを抱いています。
アッシュを狙うコルシカマフィアと協力し、アッシュを抹殺しようと企てていました。
目的のためならどんな手段もいとわない残忍な性格の持ち主。
ゴルツィネの屋敷を訪れた大統領首席補佐官とも握手できるほど肝が据わっており、野心に満ち溢れた人物です。
ゴルツィネも彼の働きぶりを認めており、一時は幹部候補生としてそばに置いていました。
何度もアッシュを狙ってきたオーサーですが、月龍やゴルツィネのようにアッシュを神格化はしておらず、「ただのガキ」という認識を持っています。
13話でアッシュとオーサーは一対一の決闘を繰り広げますが、ナイフによる戦闘はほぼ互角。英二の声を聴いたアッシュは、残された力を振り絞り、オーサーの首元にナイフを刺します。
大量出血で体勢を崩して高架からそのまま落下し、亡くなりました。
何度もアッシュと戦ってきたオーサーでしたが、真剣勝負でアッシュに敵いませんでした。

李王龍(CV.江川央生)

李王龍は、月龍の腹違いの兄でチャイニーズマフィアにして、中国系アメリカ人たちを束ねる李一族の長兄です。表向きは華僑銀行の頭取を務めています。
李一族は他の民族の干渉を嫌っており、アッシュは王龍と交渉して協力関係を結びましたが、ゴルツィネが根回しを行いアッシュと敵対するようになりました。
月龍とショーターを差し向けて英二を誘拐させるなど、自分の手を汚すことなく悪事を働いています。
母を惨殺し薄汚いやり方で支配する李一族に恨みを持つ月龍は、王龍と二人きりの時に手下を呼び、王龍をマシンガンで銃殺。
次男の華龍も薬物で廃人状態にさせており、月龍は実質上李一族のトップになりました。

ウィリアム・キッパード(CV.櫛田泰道)

キッパードは、ゴルツィネと癒着した共和党の上院議員。
少年愛の性癖持ちでゴルツィネの経営するクラブの常連でもありました。
アッシュはクラブに所属する少年を装い、彼の家に潜入。
彼とゴルツィネの背後にいる人物について尋問していたところ、遠く離れたビルから彼の頭部をめがけて銃弾が貫通。
そのまま息を引き取ってしまいます。
キッパードを暗殺したのは、ゴルツィネが雇った殺し屋・ブランカ。かつてアッシュに戦闘のノウハウを叩き込んだ恩師でした。
キッパードを暗殺した際、アッシュはブランカの仕業だと気づいていませんでしたが、並のプロの仕業ではないと動揺しました。

トーマス・ホルストック(CV.松川裕輝)

ホルストックは、アメリカ陸軍に所属する大佐でゴルツィネとともにバナナフィッシュの兵器運用計画に携わっているとされた人物です。
18話で交通事故で亡くなったと報道されていますが、アッシュはキッパードを暗殺した人物が事故に見せかけて殺したのではないかと考えました。
部屋にあったヘミングウェイの小説から、小説を愛読する凄腕の殺し屋・ブランカの犯行ではないかと予想するアッシュ。
その後、遠く離れたビルからマンション内にいた英二を目がけて飛んできた銃弾を見て、ブランカの所業だと確信したのでした。

「BANANA FISH」最終回あらすじ【ネタバレ注意】

前置きが長くなりましたが、最終回の内容を紹介します。
多くの血を流し、何度も傷つきながらもゴルツィネの悪事をくじこうと戦ってきたアッシュ達。
国立精神医療センターを舞台に最終決戦が繰り広げられます。
フォックス大佐によってゴルツィネが撃たれて驚くのもつかの間。怒涛の展開が押し寄せます。
結末はネタバレを含みますので、苦手な方は飛ばしてご覧ください。

バナナフィッシュをめぐる戦いに決着

フォックス大佐との人質交換に失敗したアッシュ。
バナナフィッシュもアッシュもに入れたいフォックス大佐は国立精神医療センターを爆発させてヘリでアッシュを連れ出そうと考えていました。
ヘリにアッシュを乗せる傭兵達でしたが、アッシュは逃げ出します。
一方ブランカを筆頭にシンたちもセンター内にいる人質を解放するために動き出しました。
センター内で銃撃戦を繰り広げるケイン達に、マックスの元妻のジェシカも加勢します。
人質はすべて助け出され、ジェシカもマックスと無事に再会。
マックスはもう一度結婚してほしいと言い、ジェシカもうなずくのでした。
その後、アッシュはバナナフィッシュの研究を行っていた精神医療センター長のマナーハイムを拘束。
しかしマナーハイムは撃たれてしまいます。
フォックス大佐と命がけの戦いを繰り広げたアッシュは、電動ドリルで腹部を攻撃して勝利しました。
戦闘の最中、マナーハイムが落としたアタッシュケースを見つけたシン。爆発の衝撃で建物から落ちそうになってしまいます。
ケースの中にはアッシュにとって大切なものが入っていると思っているシンは、ケースを握りながら必死に耐えていました。
そこに駆けつけたアッシュは、シンにケースを捨てて両手を貸すように言います。
シンを助け出そうとしたアッシュですが、再びフォックス大佐が行く手を阻みます。
アッシュを狙うフォックスでしたが、横から一発の銃弾を撃たれ亡くなりました。
フォックスを撃ったのは、拳銃で撃たれたはずのゴルツィネでした。ゴルツィネは銃口をアッシュに向けていましたが、アッシュを見つめながら炎の中に落下していきました。
シンは、大切なケースを捨ててどうして自分を助けたのだと質問します。
アッシュはこんな馬鹿げたことはおしまいにしようとシンに言いました。仲間がどう思うか不安だったシンでしたが、アッシュはみんなも納得すると返しました。
バナナフィッシュをめぐる戦いは終わったのです。

政府高官とゴルツィネファミリーによる悪事が白日の下にさらされる!

その後、政府高官が未成年の少年たちを売春していたことがニュースで報じられました
アッシュとマックス、ジェシカの努力は報われたのです。
アッシュのことを心配していたマックスでしたが、アッシュからのメールが届き、一安心するのでした。

ブランカとお別れ、英二の見送りをためらうアッシュ

アッシュはブランカに報酬を渡しに行きました。
ブランカは、明日英二が日本に帰ることを伝えます。
しかしアッシュは自分は疫病神で、英二と関わるべき人間ではなかったと話しました。
アッシュは英二と初めて会った時を思い出します。
アッシュを怖がりも警戒もせず、受け入れてくれた英二の温かさや誠実さが体の中に流れ込んできて、自分を満たしてくれたと言いました
もう英二と会うことができなくても彼を思うことぐらい許されるだろうと、アッシュは空港へ見送りに行かないつもりでした。
ブランカは「一緒にカリブに来ないか」と誘いましたが、アッシュは断りました。

英二からの手紙

英二が帰国する日、彼の病室にシンが訪れます。
アッシュのことを心配する英二ですが、アッシュは英二のところを訪れることはありませんでした。
英二はシンに、アッシュの元に手紙を届けてほしいと頼みます。
アッシュならきっと図書館にいると思った英二は、シンに図書館へ行くように言いました。
シンは図書館でアッシュに手紙を渡します。
なぜ英二に会いに行かないのかと怒るシン。
アッシュは、英二を元の世界に返したい、殺し合いの世界に二度と彼を関わらせてはいけないとシンに言いました。
シンは英二に伝えることはないかと尋ねましたが、アッシュは何も答えませんでした。

英二は、アッシュの気持ちを理解していましたが、本当にアッシュはそれでよかったのかと悩んでいました。
アッシュは英二の手紙を読みます。
その手紙には、英二のアッシュに対する思いがたくさん込められていました。
英二は伊部にアッシュを残酷な運命から守りたかったこと、何があっても彼を信じると決めたことを話しました。
英二への思いが込みあがって走り出したアッシュですが、アッシュはラオに腹部を刺されます。
どこかでアッシュの呼び声がして振り向いた英二でしたが、再会することはできませんでした。
アッシュはとっさにラオを拳銃で撃ちます。
決闘する運命からシンを守るため、ラオはアッシュを刺したようでした。

幸せそうな寝顔

負傷したまま図書館へ引き返したアッシュは、英二の手紙の続きを読んでいました。
君は一人じゃない、僕がそばにいる。僕の魂は君とともにある。
最後の一文に涙したアッシュは、そのまま笑みを浮かべて眠りにつきました。
図書館の職員はあまりにも幸せそうな寝顔だったため、起こそうか迷っていましたが、呼び止められてアッシュの元から離れていきました。

「BANANA FISH」最終回のここが素晴らしい!

悲しい結末と英二のアッシュへの思いに涙がこみあげてくるアニメ『BANANA FISH』。
30年以上前の作品ですが、今見ても何度観ても同じ場面で涙があふれだす人もいるのではないでしょうか。
ここからは最終回のすばらしさを4つの項目に分けて紹介します。
後世に伝えたい名作といえる理由にも迫ります。

ラストバトルで使用された曲が最高に熱い!

マフィアも合衆国も目がくらむ薬物バナナフィッシュをめぐる戦いの最終戦。
人質奪還に向かうシンとブランカに部下たちが傭兵部隊と戦う場面で、13話まで使用された主題歌『found & lost』が使用されました。

百発百中のブランカの活躍、手に汗握るアッシュとフォックス大佐の対決を爽快感と熱量があふれる音楽で盛り上げていました。
たくさんの犠牲に悔し涙を流しながらも、ゴルツィネの悪事を白日の下にさらそうと前を向いて進んできたアッシュ達。
彼や仲間たちの熱量とアッシュの思いを歌詞や音楽から感じ取ることができて、最終決戦をより一層印象的なものにしていました。
クライマックスまで一気に盛り上げていく主題歌と最高にハラハラドキドキさせられる戦闘シーンは必見です。

石塚運昇さんの演技がどこまでも素晴らしかった!

最終回では、オープニングテーマの後に2018年8月13日に亡くなられたゴルツィネ役の声優・石塚運昇さんへの感謝のメッセージが映りました。
亡くなられたのはちょうどアニメが放送中だった頃で、石塚運昇さんの声を最後まで聞けないのではないかと不安に思っていたファンも多くいました。
実際の最終回はというと、セリフこそ少なめでしたが石塚運昇さんは最後までゴルツィネを演じきっていました。
彼の最期の場面では原作にはなかったアッシュを見つめる描写があり、どこまでもアッシュを一途に思ってきたことが分かります。
アッシュをどんな形であれ掌握したいというゴルツィネをはまった演技で最後まで演じきった石塚運昇さん。
最後の最後まで悪役でしたが、他の悪役よりも存在感と心を揺さぶるものがあり素晴らしい演技でした

石塚さんの演技によって魅力的なラスボスとなったゴルツィネ。
彼の最期にも注目してご覧ください。

英二の気持ちのこもった手紙に心を揺さぶられる

最終回で一番涙腺を刺激される場面は、日本へ帰る英二からアッシュにあてた手紙の場面です。
手紙に綴られていたのは、アッシュを押し流されるような運命から守りたかったこと。アッシュは一人ではない、いつも自分がそばにいるという心強くて温かい言葉でした。
大人から性的虐待を受け、生きるために銃を取りたくさんの命を奪うことしかできなかったアッシュを、初めて受け入れてくれた英二。
彼の優しさと、アッシュを大切に思う気持ちが文面や語りから感じ取れ、受け取ったアッシュのように心を動かされます。
アッシュは大事な彼を守るために、帰国させたり戦いに加わるのを止めたりしていましたが、英二の本心をこの手紙で知り、思わず走り出していました。
英二を見送るつもりはなかったアッシュでしたが、彼の心境を変える力がこの手紙にはあったのでしょう。
いつも優しさと誠実さでアッシュの心の隙間を満たしてくれた英二は、アッシュにとってかけがえのない人だったのだなと再実感させられます。

友情を超え家族のような深い愛情と強い絆で結ばれたふたりの関係。うまく言葉に言い表せない最高の関係だったことに涙を誘われます。
アッシュのこれまでの人生で手にしたことのなかった幸せを感じ取れるだけでなく、英二がアッシュにとってどれほど救いだったかを想像するだけで泣けてきますよね。
今まで見せたことのないアッシュの穏やかな寝顔で物語は終わりましたが、たとえ物語が悲しい結末であったとしても英二の温かいメッセージは、アッシュだけでなく多くの視聴者の心の奥を少し優しい気持ちで満たしたのではないでしょうか。
英二の手紙の場面は、最終回のクライマックスにふさわしい涙腺崩壊の名場面でしょう。

最終回を観てからエンディング曲を聴くとさらに泣ける

最終回を観るだけでも感動できる『BANANA FISH』ですが、最終回まで観て主題歌やエンディングテーマを聴き、映像を見直すと、さらに感動できます。

なかでも14話から使用されたエンディングテーマ『RED』は、最終回の後に映像を見たり、歌詞の和訳を観るとしみじみ泣けるのでオススメです。
歌っているのは、前半戦のオープニングテーマを歌っていたSurvive Said The Prophet
歌詞から、英二とアッシュの互いを守りたい気持ちや、自分と一緒にいると英二を危険にさらし、傷つけてしまうと思いながらも離れたくない葛藤が感じ取れ、涙がこみあげてしまいます
血で真っ赤に染まった人生を歩んできたアッシュと、純粋な心と慈愛に満ちた英二。アッシュにとって自分と違った人生を歩んできた英二はありのままの自分を認めてくれるかけがえのない人であり、本心は彼と別れたくはなかったのでしょう。
アッシュの本心を垣間見ることができるこの楽曲を聴くと、アッシュに感情移入してしまい、胸が張り裂けそうな切なさで泣けてきます。
エンディングアニメーションも必見です。
明るい笑顔で手招きする英二の手を取りたいけれど、自分が彼の世界に行くことを許されるのかどうかわからない。
そんなアッシュのもどかしさと英二への憧憬を感じさせる映像
となっています。
ライ麦畑で満面の笑みを浮かべる英二と、彼を離れたところから憧れのまなざしを向けるアッシュ、ふたりの近いようで遠い距離感を、アッシュの立場から考えると涙がこみ上げてきますよね。
最終話の結末や英二のアッシュを守りたかった気持ちを考えると、どうしようもなく胸の奥が締め付けられます。
アッシュの心境が手に取るように伝わってくる、そんな素晴らしい楽曲とエンディングアニメーションをじっくりとご覧ください。

アッシュの幸せを願うファンにとって最終回はトラウマ? 

衝撃的な結末の最終回だったため、切なさで泣いてしまったファンやしばらく観なおすことができないでいるファンも多いようです。
無事に仲間たちを助け出し、ゴルツィネやアメリカ政府の悪事を世の中に知らしめることができたのでこのままハッピーエンドになると思いきや、まさかの展開に胸を痛めた人も少なくないのではないでしょうか。
ツイッターでも2か月間うつ状態だったとつぶやく人や、最初の一週間は毎晩泣いていた、思い出すだけで涙が出るという人もいました。
できれば日本に行って楽しく過ごしてほしかったという声も見られました。
図書館でのアッシュの笑顔でどうにか正当化させて、崩れそうなメンタルを保っている人もいるようです。
今まで見せることのなかったアッシュのあの穏やかな笑顔は、わずかに残された救いなのかもしれません。
トラウマかもしれませんが、見た後に、悲しみだけでなくほんのわずかな幸せを与えてくれる最終回と言っていいでしょう。

Twitterでの最終回の感想、海外からの反応は?

最終回を観たファンの感想ツイートを見ると、「大きな喪失感に襲われた」、「しばらく立ち直れない」という声が多い中、「英二がアッシュを運命から護っていた。英二が離れた瞬間にアッシュはああなる運命だったのでは?」という感想がありました。
もし、英二とアッシュが出会っていなければ、アッシュは自分を憎む誰かに命を奪われた可能性もなくはありません。
他にも、「アッシュは最期に、初めて17歳の少年になれた」「あまりにもつらいけれど、アッシュにはこの結末しかなかったんだな」など、アッシュの笑顔を見て、彼が心から幸福でいられたのならハッピーエンドなのかもしれないという意見もありました。

 


海外の方のツイートも、「最後は空港にたどり着いて英二と再会できると思ってた」、「観たあと、眠れなくなった」「観たあと回復するまでに時間がかかった」「誰かがラオにアッシュがショーターを殺した理由をきちんと説明していたら、あの結末にならなかっただろう」と日本のファンと同じような反響を寄せています。

連載開始から30年以上、アニメ放送開始から3年以上になりますが現在も国内外の多くのファンの心を動かし続ける、凄まじい力を持った最終回ですね。

もうひとつの最終回!「光の庭」のストーリーをネタバレ 

少し優しい気持ちと喪失感でいっぱいになる最終回ですが、原作漫画には真の最終回と呼び声の高い番外編が存在します。そのタイトル名は、「光の庭」。最終回から約7年後の英二とシン、伊部の姪である暁(あきら)を中心に描いた作品です。


物語は、暁が3年ぶりに英二に会いにニューヨークへ行くところから始まります。
英二を待つ暁の前に現れたのは、英二の友人を名乗る青年・シンでした。
シンに連れられてアパートに向かった暁は英二と再会を果たします。
写真家になった英二は今度個展を開くことになりました。
現在のシンは大学生でありながら、実業家としても活動し、ハーバード大学の大学院でMBAを取得することを目標に動いています。
シンはたびたび英二の家を訪れており、暁と3人で食事をすることもありました。
ある日、英二の個展の手伝いにマックスとジェシカの息子のマイケルがやってきました。
マイケルは「アッシュの写真は出さないの?」と英二に尋ねます
「ちょっといいのがなくてね」と返す英二でしたが、暁はアッシュの名前に聞き覚えがあるような気がしました。
暁は英二の保存していた写真を観ていると、いくつか写真のない個所を見つけます。
英二が大切に思っていたアッシュの写真ではないかと思った暁は、アッシュがどんな人だったのか興味を持ち始めたのでした。
暁はシンにアッシュについて尋ましたが、シンはとてもきれいで賢い人だと話します。
英二に憧れを抱いていた暁は、英二にとって忘れられない人であるアッシュをうらやましく思っていました。

英二だけでなくシンもアッシュの死を悔やんでいました。
自分が届けた英二の手紙がアッシュの隙を生み、兄が彼の命を奪ったことに強い罪悪感を抱き、一生自分がこの罪を背負っていくものだと思っていたのです。

マイケルからアッシュが男性であると知った暁は、アッシュと英二の関係をシンに尋ねました。
英二とアッシュは魂の奥深いところで結びついていた、そして自分の兄がアッシュの命を奪ったとシンは打ち明けます。
そこに英二が通りかかり、アッシュの故郷であるケープ・コッドへ撮影に行こうと言いました。
翌日、ケープ・コッドに行った英二たちはアッシュに似た後姿の男性を見つけますが、アッシュではありませんでした。
その後、シンと暁を撮影した英二は、シンとふたりで話をしていました。
暁は両親が不仲であることを自分のせいだと思っていること、そして女の子に生まれたことで父親から愛されていないのではと思っていると言いました。
そして自分の手紙がアッシュの隙を作り、亡くなったことを知っていたと英二は話します。
ラオがアッシュの命を奪い、腹違いの弟であるシンの心に深い傷を作ったことも気づいていたのです。
英二は一生懸命生きたアッシュの姿とわずかな時間ながらも彼とともに生きれたことを誇りに思いつつ、シンに一人で罪を背負わせたことを謝りました。
「あんたのそばにいていいのかな」と尋ねるシン。
英二は、「アッシュの代わりはどこにもいない、君の代わりがいないのと同じさ」と返します。
二人の会話を見ていた暁にも「君も世界でたった一人の君だよ」「君も君の名前も大好き」だと伝えました。
その晩、英二は今までしまっていたアッシュの写真を映し出し、懐かしい日々を思い出し、涙を流します。ニューヨークに戻った英二は、ギャラリーの一番奥に「夜明け」というタイトルを付けたアッシュの写真を展示しました。
その写真をじっと見つめ、涙を流すシンを見た暁は彼の手を握り、ふたりでその写真を見つめたのでした。

暁が日本に帰国する日、暁は女に生まれてよかったとシンに話します。
言い合いをしながらもシンは「いい女になって、またニューヨークに来いよ」と暁に言うのでした。

「BANANA FISH」は人を愛すること、生きることの大切さに気づかせてくれる

英二とアッシュの魂の奥で結ばれた絆と、登場人物たちの様々な愛や憎しみを描いた『BANANA FISH』。
あらゆる危険から英二を守ろうと必死になるアッシュや、妻を失った過去を持ちながらもアッシュの幸せを願ってきたブランカ、凄惨な過去を持ちながらも必死に戦い続けるアッシュを命がけで支援するマックスなど、誰かを思う人物たちが精いっぱい戦う姿や協力し合う姿に心動かされます。
アッシュを手に入れるためならどんな手段も惜しまないゴルツィネの異様な執着心も、歪んだ愛情表現の成れの果てかもしれません。
無償の愛、自己犠牲的な愛、強い信頼関係で結ばれた友情や憎しみの混ざった愛まで描かれ、誰かを思うことが人を動かす力になると痛感させられます。
人生でたった一人、自分を無条件に愛してくれる人に出会ったアッシュは、英二の存在を支えに過酷な状況を潜り抜けてきました。
目を覆いたくなるような残酷な展開もありましたが、アッシュと英二を観ていると、大切な人と同じ場所で同じ時間を生きることがどれほど幸せで尊いものなのか伝わってきます。
切なくてしんどい結末かもしれませんが、英二とアッシュの二人の関係性は心を揺さぶるものがありますね。
一度見たけれど最終回で立ち直れなくなった方も、まだ観たことのない方も、ぜひアッシュと英二、そして登場人物たちの血の通ったドラマをぜひご覧ください。

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