ジブリ作品:【もののけ姫】キャラクター紹介

カテゴリーまとめはこちら:アニメ / ジブリ

宮崎駿監督による長編アニメーション映画作品『もののけ姫』。タタリ神を殺したことと引き換えに死の呪いを受けた青年・アシタカが、森を切り開いて鉄をつくるタタラ場の者たち、森を守らんと戦うサンや犬神と出会い、森と人との間に立って戦いを止めようと奔走する様が描かれます。そんな本作に登場するキャラクターに関して、声優情報も交えてご紹介していきます!

記事にコメントするにはこちら

目次

『もののけ姫』とは?

『もののけ姫』は、1997年に公開されたスタジオジブリによる長編アニメーション映画作品。監督・脚本を務めるのは、『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』などで知られる宮崎駿(みやざき・はやお)さん。宮崎駿さんによる長編アニメーション映画ではお馴染みであり、映画『菊次郎の夏』や映画『おくりびと』の音楽を手がけたことでも知られる久石譲(ひさいし・じょう)さんが音楽を担当しています。

1997年7月に公開されたあと、興行収入193億円を記録し、当時の日本映画の歴代興行収入の第1位になりました。その後、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大を受けて新作映画の供給が困難になったことを踏まえ、同年6月から8月にかけて全国の映画館で再上映が行われた結果、正式な興行収入記録は201.8億円になりました。第21回日本アカデミー賞の最優秀作品賞、第1回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞など、数多くの賞にも輝いています。

物語のあらすじ

物語の舞台は、室町時代の頃の日本。東と北の間にあると言われるエミシの隠れ里に住む青年・アシタカは、里を襲ったタタリ神を矢で射ったことをきっかけに、右腕に死の呪いを受けてしまいます。呪いのために里を離れざるを得なくなったアシタカは、自分の運命を切り開くためにも、タタリ神が来たはるか西方の地を目指して旅をします。

そこでアシタカが出会ったのは、森を切り開いて鉄をつくるタタラ場の住人たちと彼らを率いるエボシ御前、森を守るために戦う山犬一族、そして山犬と共に生きる人間の娘のサンでした。アシタカは自身に呪いを与えたタタリ神が発生した理由を知り、森と人とが争い合わずにすむ道はないのかと苦悩することになるのです。

ここからは、そんな本作に登場するキャラクターに関して、声優情報も交えてご紹介していきます!

『もののけ姫』キャラクター紹介その1:主人公 アシタカ

アシタカは、本作の主人公。年齢は17歳。端正な顔立ちをした青年で、東と北の間にあると言われる「エミシの隠れ里」の次期族長となるべく育てられたことから、立ち振る舞いに気品があります。寡黙で正義感が強く、冷静沈着で言動も温和で優しいですが、その内には荒々しい情熱を秘めています。里を守るためにタタリ神の命を奪ったことと引き換えに、死の呪いを右腕に受けました。掟に従って髷(まげ)を切ったアシタカは再び里に戻ることはできない身分となり、呪いを解くための手がかりを求めてはるか西方へと旅立つことになりました。

もともと高い身体能力の持ち主で弓の名手でもありましたが、タタリ神による呪いを受けてからは、その呪いの印である右腕の「赤黒い痣」によって、アシタカ自身の憎悪や殺意に呼応して彼の命を蝕むことと引き換えに強大な力を得られるようになりました。その力は、タタラ場の大人10人がかりでやっと持ち上げられる城門を重傷を負った身でありながらアシタカたった1人で持ち上げられるほど。弓矢を扱えば、直撃した野伏の頭部を兜ごと吹き飛ばしてしまうほどの速力を持たせることも可能です。この「赤黒い痣」は大きな力を発揮する際に、「タタリヘビ」というウネウネとした黒い蛇状に変化することもあります。

物語序盤では自分の呪いを解くための手がかりを探し求めていたアシタカですが、物語後半からは森と人間との調停をするために奔走するようになり、シシ神を巡る神たちと人間たちとの戦いに身を投じていくことになります。最終的に、首を奪われたことで死の呪いを振り撒いて暴走していたシシ神に対し、ヒロインのサンと協力して首を返したあと、右腕に痕は残ったものの赤黒い痣は消えさり、死から免れることができました。

アシタカの声優は松田洋治(まつだ・ようじ)さん

そんなアシタカの声を担当するのは、アクトレインクラブに所属する俳優・声優の松田洋治さん。1967年10月19日生まれで、東京都世田谷区出身。血液型はO型。5歳の頃に劇団ひまわりに入団し、1974年に放送されたテレビドラマ『母の鈴』で子役デビューを果たしました。声優としては、映画『タイタニック』においてレオナルド・ディカプリオさんが演じたジャック・ドーソン役の吹き替えで有名。宮崎駿さんの手がけた作品では、他にも『風の谷のナウシカ』のアスベル役を担当。ラジオドラマ版の『シュナの旅』の主人公・シュナ役も担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その2:アシタカの相棒 ヤックル

ヤックルは、本作の主人公であるアシタカの相棒。「アカシシ」と呼ばれる大カモシカで、現代では絶滅したという設定の架空の偶蹄類。人間が騎乗用に使役できるほどに体躯が大きく、長旅にも耐えられるほどに頑丈でタフな動物です。さらには馬よりもはるかに軽やかに疾走することができ、丘陵や山岳地帯では馬の追従を振り切ることも可能です。

エミシ一族は古くから騎乗用としてアカシシを使役しており、エミシの隠れ里ではヤックルの他にもアカシシの個体が飼われている描写があります。アシタカの相棒であるヤックルは主人のアシタカのことを大変よく慕っており、アシタカが重傷を負った際にサンから「すきな所へ行き、すきに生きな」と言われても傍を離れずに彼を守り、自身が矢を受けた際にアシタカから「ここでまっててくれ!」と言われても彼についていきました。

アカシシは今作だけでなく、宮崎駿さんが過去に描いた絵物語『シュナの旅』や、宮崎吾朗(みやざき・ごろう)さんが監督を務めた『ゲド戦記』にも登場するなど、宮崎駿さんが関係した作品に複数回に渡って登場しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その3:ヒロイン サン

サンは、本作のヒロイン。年齢は15歳。本作のタイトルにある「もののけ姫」と呼ばれる少女で、「サン」という名前は1980年に宮崎駿さんがアニメ企画案として構想した作品のヒロインが「三の姫」であったことに由来しています。額と両頬に赤い三角形の入れ墨を入れており、戦闘の際は頭に耳と赤い土面のついた白い山犬の毛皮を被ると共に尻尾のついた白い山犬の毛皮でできたマントを羽織り、山犬の牙でつくられた短剣と槍を用います。

まだ生まれて間もない頃に、山犬の牙を恐れた人間たちに生贄として投げ捨てられたあと、山犬のモロの君によって育てられました。そのため、モロの君のことを母親のように慕っており、モロの子どもである山犬たちとも兄弟のような関係を築いています。自分は山犬であると信じ、常にそうであろうと意識しているためか、勇猛かつ苛烈な気性で、時に極端な行動に走ることもあります。

森を穢す人間のことを酷く嫌って、森を守るためならば死をも恐れずに戦おうとする強い使命感を抱き、巨大な山犬にまたがって、タタラ場やエボシ御前を相手に何度も襲撃を繰り返していました。しかし、醜いと思っていた自分のことを「美しい」と言ったアシタカの言葉に酷く動揺し、彼との出会いをきっかけに荒ぶる神々と人間との間で心が揺れ動くようになっていきます。

初めのうちはエボシ御前との戦いを邪魔したアシタカのことを殺さんとしていましたが、タタラ場から去るときに重傷を負ってしまったアシタカをシシ神が延命させたことで、アシタカのことを手助けするようになりました。その頃から、傷の具合を気にかけるような優しい一面を覗かせるようになります。

サンの声優は石田ゆり子(いしだ・ゆりこ)さん

そんなサンの声を担当するのは、風鈴舎に所属する俳優の石田ゆり子さん。1969年10月3日生まれで、東京都出身。身長164cmで、血液型はA型。高校1年生の頃に自由が丘でスカウトされてモデルになり、1988年に放送されたテレビドラマ『海の群星』で俳優デビューを果たしました。テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の土屋百合役や、映画『四日間の奇蹟』の岩村真理子役などで有名。スタジオジブリ制作の映画作品では、他にも『平成狸合戦ぽんぽこ』のおキヨ役、『コクリコ坂から』の北斗美樹役を担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その4:サンを育てた犬神 モロの君

モロの君は、シシ神の森を守護する犬神。白い毛並みに二本の尾を持った山犬で、その大きな身体は5mは優に超えています。人語を解するような高度な知能と強靭な力を持っており、その恐ろしげな容姿から人間に凶暴な印象を抱かれることもありますが、実際は基本的に温和で争いを好まない性格の持ち主。森を穢す人間のことを憎みながらも、当の人間から自身に捧げる生贄として投げ捨てられた赤子のサンを殺さず、2匹の実子とともに子どもとして受け入れて育ててきました。

人間であっても、アシタカのように森への敬意を忘れない者については距離を取りつつも襟元を開いて接しますが、彼がサンを人として解放するべきだと主張したときには厳しい態度で怒りを露わにし、その一方でサンの将来のことを考えて彼女にアシタカと共に生きる道もあると諭したこともありました。100年ほど前まで恋仲の関係だったということもあって、巨大な白い猪神である乙事主(おっことぬし)のことを「少しは話のわかるやつ」と称していますが、その一方で、力を失いつつある現状に対する恐れから、闇雲に人間に突撃しようとする猪族のことを浅はかだと断じています。

シシ神の森を侵すエボシ御前に対して激しい憎しみを抱いており、彼女の命を常に狙っています。エボシ御前から石火矢による傷を負わされたこと、さらに寿命が迫ってきていることで既に身体が弱っていますが、同じように石火矢の傷を受けてタタリ神と化した猪神・ナゴの守と違って自分の死を受け入れています。最終的に、タタリ神と化した乙事主に取り込まれてしまったサンを救うための戦いの中で力尽きましたが、死に際にエボシ御前への執念で首のみで動き出し、彼女の右腕を食いちぎった後にシシ神の体液の中に飛び込みました。

モロの君の声優は美輪明宏(みわ・あきひろ)さん

そんなモロの君の声を担当するのは、オフィスミワに所属する歌手・俳優・演出家の美輪明宏さん。1935年5月15日生まれで、長崎県長崎市出身。小学生の頃から声楽を習い、国立音大付属高校を中退した後に16歳でプロの歌手として活動を開始。1957年にシャンソン「メケ・メケ」を日本語でカバーして一躍人気を博し、日本のシンガーソングライターの元祖として「ヨイトマケの唄」の他にも多数の唄を制作してきました。宮崎駿監督の長編アニメーション映画作品では、他にも『ハウルの動く城』の荒地の魔女役を担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その5:犬神の兄弟 モロの子

モロの子は、白い毛並みをした2頭の犬神の兄弟。名前は作中で呼ばれていないため不明。母親であるモロの君と同様に、彼らも人語を解する高い知性と精神性を兼ね備えていますが、まだ若いためか荒々しく血気盛んな性格しています。子どもとはいっても既に獅子や虎に近い巨体になっており、人間を乗せたまま難なく森の険しい地形を走破できるほどの並外れた運動能力を有しています。

モロの君の元で一緒に育ったサンとは同胞及び姉弟のような強い絆で結ばれていて、彼女に対して侮辱的な発言する者はたとえ森の動物であろうと容赦しません。序列としてはサンの方が上にあるようで、基本的に彼女の命令や指示に従っています。サンを乗せて共に人間たちに立ち向かっており、エボシ御前をはじめとしたタタラ場の人間には憎しみの感情を隠そうともしませんが、森やそこに住まう者に対して敬意を払うアシタカのことはある程度認めていて、物語終盤では森と人を調停するために走り回る彼と事実上の共同戦線を張ることになりました。

モロの子の声優は渡辺哲(わたなべ・てつ)さん

そんなモロの子の声を担当するのは、株式会社アウルムに所属する俳優の渡辺哲さん。1950年3月11日生まれで、愛知県常滑市出身。身長181cmで、血液型はA型。1975年に劇団シェイクスピア・シアターを旗揚げに参加し、全38作品中37作品に出演。これまでに映画『シン・ゴジラ』の郡山肇(内閣危機管理監)役、大河ドラマ『おんな城主 直虎』の大久保忠世役などを担当しています。声優としては他にも、スタジオジブリの映画『猫の恩返し』のムタ/ルナルド・ムーン役や、テレビアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両津銀次役を担当した経験があります。

『もののけ姫』キャラクター紹介その6:タタラ場の長 エボシ御前(ごぜん)

エボシ御前は、工房集落「タタラ場」の指導者。彼女による指示のもと、タタラ場では当時の重要な戦略物資であった鉄をつくりだす技術に加え、改良を加えた強力な石火矢の製造技術を持ち、それを背景として領主に屈せず集落としての独立性を保っています。全ての人間が平等に人間らしく生きることのできる社会をつくるため、また自分たちの生活を豊かなものとするために、シシ神の森を切り開こうとしていることから、山神をはじめとした森の神々と対立しています。彼女自身、石火矢の扱いに関しては卓越した腕を持っており、高い身体能力を誇るサンと斬り結ぶことができるほどの戦闘能力を有しています。

神や祟りといった迷信に囚われず、合理的な思考によって自然を征服しようとする「近代人」としての性格を持つキャラクター。猪神のナゴの守に致命傷を与えてタタリ神に変貌させ、それを射ったアシタカが死の呪いを受けるきっかけをつくった張本人でもあります。アシタカやサンの事情を踏まえれば「敵役」とも言える存在ではありますが、人身売買された女性や病人(おそらくハンセン病患者)といった行き場のない社会的弱者を差別せずに積極的に保護し、知識と職を与えて人間らしい生活が送れるようにするなど、指導者として非常に高い人徳と情を併せ持った存在でもあり、単純な善悪の価値判断で測ることはできません。

その一方で、敵対する者に対しては一切の容赦はなく、必要と判断すれば部下を見捨てることも厭いません。目的のために手段を選ばない冷徹さと苛烈さがあり、森に住まう者だけでなく人間からも恨みを買っていることを自覚した上で、清濁を併せ呑む覚悟で理想郷建設のための「国くずし」に邁進しています。作中では、ジコ坊ら「唐傘連」と手を結び、石火矢衆を率いてシシ神の首を取ることに成功しましたが、首を失ったシシ神の暴走を招き、その最中に首だけの状態となったモロの君に右腕を食いちぎられることになりました。シシ神が消え去った後は、これまでの自身の所業を反省し、生き残ったタタラ場の者たちと共に新しい村をつくることを決意しました。

本編でふれられることはありませんでしたが、実はかつてタタラ場の女性たちと同じように人身売買された凄絶な過去があります。倭寇の頭領に買い取られて強引に妻にさせられていましたが、後に夫である頭目を自らの手で殺した後に、明の兵器を携えて日本へと戻ってきたのでした。この過去の経験が社会的に弱い立場にある者たちに手を差し伸べ、人らしく生きる手段を提供する原動力になっていた模様です。宮崎駿監督は当初エボシ御前を作中で死亡させるつもりでしたが、途中で生き残らせることに決め、とはいえただ生かすのも疑問だったことから隻腕にするというところに落ち着けたそうです。

エボシ御前の声優は田中裕子(たなか・ゆうこ)さん

そんなエボシ御前の声を担当するのは、アニマ出版に所属する俳優の田中裕子さん。1955年4月29日生まれで、大阪府池田市出身。身長は160cm。明治大学在学中の1978年に文学座に入って俳優活動を始め、1979年に放送されたNHK連続テレビ小説『マー姉ちゃん』の磯野マチ子 役でデビュー。1983年に放送されたNHK連続テレビ小説『おしん』では主人公の田倉しん役を演じ、アジアやイスラム圏を中心に世界的に有名な俳優となりました。スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画では、他にも『ゲド戦記』のクモ役を担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その7:エボシ御前の側近 ゴンザ

ゴンザは、タタラ場の指導者であるエボシ御前の側近。禿頭の大柄な男性で、ちょび髭を生やしています。タタラ場では牛飼いや、エボシ御前の護衛を務めるワラットの頭目を務めており、エボシ御前が倭寇の頭目であった自身の夫を殺害して日本に戻ってきたときに、唯一ついてきた配下でもあります。短気かつ威張り屋な人物であり、タタラ場にやってきたアシタカは間者ではないかと疑念を持ちますが、本人は至って真面目。密かにエボシ御前に対して好意を抱いている模様です。

ゴンザの声優は上條恒彦(かみじょう・つねひこ)さん

そんなゴンザの声を担当するのは、ケイセブン中村屋に所属する俳優・歌手の上條恒彦さん。1940年3月7日生まれで、長野県東筑摩郡朝日村出身。身長176cmで、血液型はO型。俳優としては、テレビドラマ『3年B組金八先生』に登場する社会教師の服部肇役や、テレビドラマ『やすらぎの郷』の白鳥洋介役などで知られています。スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画では、『紅の豚』のマンマユート・ボス役や『千と千尋の神隠し』の父役も担当。海外映画では、ディズニー映画『リトル・マーメイド』のセバスチャン役の吹き替えで有名です。

『もののけ姫』キャラクター紹介その8:番子のまとめ役 トキ

トキは、タタラ場の番子のまとめ役。番子とは、4日5晩もの長い間、絶えずタタラを踏むことで、砂鉄を溶かすための火を消さないようにする女衆のこと。エボシ御前の側近であるゴンザを言い負かし、夫の甲六(こうろく)に対してもきつい言葉を投げつけるような、はっきりとした物言いをする人物で、エボシ御前やゴンザがタタラ場にいないときのリーダー的な役割を担っています。

触れると命を奪われてしまうシシ神の体液がタタラ場を襲ったとき、アシタカから受けた「水で進行が遅くなる」という助言を守って、タタラ場の者たちを湖へと避難誘導しました。タタラ場が燃えて壊滅していく様を見た甲六が「もうだめだ!! タタラ場が燃えちまったら、なにもかもおしまいだ」と絶望的な言葉を吐いた際には、「生きてりゃ何とかなる」と言って、危機的な状況であっても折れない胆力を見せました。

トキの声優は島本須美(しまもと・すみ)さん

そんなトキの声を担当するのは、フリーランスで活動する声優の島本須美さん。 1954年12月8日生まれで、高知県高知市出身。身長160cmで、血液型はA型。1979年放送されたテレビアニメ『ゼンダマン』の第3話に登場したゲストキャラクター・イブ役を担当して、声優デビュー。有名な役には、『それいけ!アンパンマン』のしょくぱんまん役や、『めぞん一刻』の音無響子役などがあります。宮崎駿監督の作品では、他にも『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリス・ド・カリオストロ役、『風の谷のナウシカ』のナウシカ役なども担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その9:トキの夫の牛飼い 甲六(こうろく)

甲六は、タタラ場で番子のまとめ役を務めるトキの夫で、牛飼いの1人。明るくドジですが憎めない性格の持ち主で、妻のトキにはまったく頭が上がらない様子。牛飼いは、タタラ場では主に男性の職業で、馴らした牛に荷物を取りつけて米や鉄の運搬を行っています。その運搬は、山犬のモロ一族に襲撃されて下手をすれば死んでしまうほどの危険な作業で、移動中は石火矢衆に護衛されているものの、それでも山犬による襲撃で甚大な被害が出ています。

作中では、豪雨のなかで米の運搬作業をしているなか、モロの子の山犬に襲撃されて谷へと転落。このときに牛飼いの中では甲六を含めて3人が転落し、川を流れていた甲六だけがアシタカに救助されて生還を果たしました。アシタカと共にタタラ場に向かう最中、コダマが目の前に出現した時には怯えながら「こいつらはシシ神を呼ぶんだ」とアシタカに教え、アシタカからシシ神のことを「大きな山犬か?」と尋ねられたときには、「もっとおっかねぇ化物の親玉だ」と答えました。

谷底に転落した際に負った怪我の影響で、エボシ御前率いる男衆のシシ神退治には参加せず、タタラ場で留守番をすることになりました。女衆によるタタラ場防衛隊に参加し、タタラ場に侵攻してきたアサノ軍と戦いましたが、腕を負傷していたために役に立たず、さらにアシタカが訪れた際に預かっていた弓矢を手渡したものの、蓑と鞍を一緒に持ってこなかったので、妻のトキから「この役立たず!」と責められることになりました。シシ神の体液でタタラ場が燃え落ちた後も生き延び、アシタカとサンがシシ神に首を返した際に発生した風で大地に緑が芽吹いた際に、「スゲェ、シシ神は花咲かじじいだったんだァ……」と呑気に口にしました。

甲六の声優は西村まさ彦(にしむら・まさひこ)さん

そんな甲六の声を担当するのは、オフィスにしむらに所属する俳優の西村まさ彦さん。1960年12月12日生まれで、富山県富山市出身。身長178cmで、血液型はA型。「劇団文化座」を経て、三谷幸喜(みたに・こうき)さん率いる「東京サンシャインボーイズ」に入り、数多くの三谷脚本作品に出演してきました。近年では、映画「家族はつらいよシリーズ」の平田幸之助役、大河ドラマ『麒麟がくる』の明智光安役などを担当。スタジオジブリ作品では、声優として他にも『ギブリーズ episode2』の野中くん役や『風立ちぬ』の黒川役を担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その10:山犬に夫を殺された番子 キヨ

キヨは、タタラ場で番子の仕事をしている女性の1人。山犬に対して夫を殺された恨みを抱いており、サンと山犬たちがタタラ場を襲撃した際に石火矢を携えて登場しました。

エボシ御前とサンの戦いを仲裁したアシタカが2人とも気絶させてしまった後、サンを担いでその場を離れようとするアシタカに対して「おまちっ! 逃がしはしないよ! よくもエボシさまを…」と言って、銃口を向けました。自身に背を向けて歩き始めたアシタカを撃つのをためらっていましたが、隣にいたタタラ場の女性からやめるように促された際に、誤って石火矢を作動させてアシタカを撃ち抜いてしまうことになりました。

キヨの声優は都築香弥子(つづき・かやこ)さん

そんなキヨの声を担当するのは、フリーランスで活動する俳優・声優の都築香弥子さん。かつては「香月弥生(かづき・やよい)」の名義で活動していましたが、2006年から2010年にかけて劇団四季に所属したのをきっかけに本名と同じ名義にしました。俳優としてこれまでに、舞台『赤毛のアン』のレイチェル・リンド役、舞台『夏の夜の夢』のハーミア役などを担当。スタジオジブリの長編アニメーション映画作品では、声優として他にも『ハウルの動く城』のレティー役を担当した経験があります。

『もののけ姫』キャラクター紹介その11:牛飼いのまとめ役 牛飼い頭

牛飼い頭は、タタラ場で牛飼いの仕事をしている者たちをまとめている人物。作中ではアシタカに対して終始協力的な態度で接しており、アシタカがサンとエボシ御前による戦いを仲裁した後、サンを担ぎながらタタラ場の門を自力を開けようとしたとき、石火矢による重傷を負っていたアシタカの身を案じて「だんな! いけねェ。死んじまう!!」と言って止めようとし、「世話になった」と言って去る彼をそのまま見送りました。

映画後半では、エボシ御前の行方を探しているアシタカに協力。アシタカに毒針を放って殺そうとした唐傘連を農具で殴ったり、エボシ御前の元に案内させるために猪たちの死骸の間からモロの子を救助しようとしているアシタカのことを、その場にいた他の者たちと共に手助けしました。モロの子と共にアシタカがその場を離れる際に、彼から弓矢と、怪我を負ったヤックルを預けられています。

牛飼い頭の声優は名古屋章(なごや・あきら)さん

そんな牛飼い頭の声を担当するのは、フリーランスで活躍していた俳優・声優の名古屋章さん。1930年12月8日生まれで、東京都千代田区出身。身長170cmで、血液型はAB型。2003年に、72歳で肺炎のために亡くなりました。生前は、俳優としてテレビドラマ『HOTEL』の中島五郎役、特撮テレビドラマ『ウルトラマンタロウ』の朝日奈勇太郎隊長役などを担当。声優としては、『空飛ぶゆうれい船』の嵐山役、「トイ・ストーリーシリーズ」のMr.ポテトヘッドの吹き替えなどを担当していました。

『もののけ姫』キャラクター紹介その12:タタラ場の別棟に住む病者 病者の長

病者の長は、エボシ御前に引き取られてタタラ場の別棟で暮らしている病者の1人。そこで生活している病者たちは新石火矢の製造を任されていて、これの開発に成功しています。病者の長は、彼らの中で最も症状が重く、顔全体を包帯で覆ったまま寝たきりの状態にあります。

アシタカに死の呪いを与えたタタリ神を生み出しただけにとどまらず、石火矢でさらに新たな恨みと呪いを生み出そうとしているエボシ御前に対し、呪いを受けたアシタカの右手がアシタカ自身の怒りに反応するかのように刀を引き抜こうとした際、病者の長は「お若いかた、わたしも呪われた身ゆえ、あなたの怒りや悲しみはよくわかる。わかるが、どうかその人を殺さないでおくれ。その人はわしらを人として扱ってくださった、たったひとりの人だ。わしらの病をおそれず、わしのくさった肉を洗い、布をまいてくれた。生きることはまことに苦しくつらい……。世を呪い、人を呪い、それでも生きたい……。どうかおろかなわしにめんじて……」と、アシタカに語りかけて、彼の怒りを鎮めました。

病者の長の声優は飯沼慧(いいぬま・けい)さん

そんな病者の長の声を担当するのは、文学座に所属していた俳優・声優の飯沼慧さん。1926年5月17日生まれで、大阪府出身。2011年に、85歳で呼吸不全のために死去しました。生前は、テレビドラマ『新選組血風録』や『燃えよ剣』で新見錦役を憎々しく演じ、テレビドラマ『部長刑事』で沼部長刑事役としてレギュラー出演し、お茶の間では「沼さん」の愛称で親しまれていました。スタジオジブリの長編アニメーション映画作品では、声優として他にも『ゲド戦記』のルート役を担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その13:石火矢衆の一員 ヤ七

ヤ七は、石火矢衆の一員。石火矢衆は、「師匠連」と呼ばれる謎の組織からエボシ御前へとシシ神退治を条件として貸し与えられた傭兵集団で、白い頭巾と柿色の着物を身にまとっています。その名前の通り明から輸入した石火矢を用いてもののけたちと戦うほか、鉄や米の運搬作業時の護衛を務めたり、タタラ場全体の警備を務めたりもしています。

ヤ七は、タタラ場の者たちによる豪雨の中での米の運搬作業中、サンと山犬たちに襲撃されて谷底へと転落。川辺で瀕死の状態でいたところを、通りかかったアシタカによって助けられ、タタラ場へと運んでもらうことになりました。この時、牛飼いの甲六も一緒に助けられています。アシタカは無事にタタラ場にたどり着いたときにヤ七を助けてくれたことを石火矢衆から感謝され、後にタタラ場を襲撃したサンを抱えたまま外に出ようとした際は、「あなたは仲間を助けてくださった。敵にしとうありません。どうかおもどりを」と、止められています。

ヤ七の声優は坂本(さかもと)あきらさん

そんなヤ七の声を担当するのは、よしもとクリエイティブ・エージェンシー東京本部に所属する俳優の坂本あきらさん。1949年7月31日生まれで、埼玉県出身。身長167cmで、血液型はO型。1973年に劇団「東京ヴォードヴィルショー」に旗揚げから参加し、1995年まで所属。「笑っていいとも!」の初代月曜レギュラーとして出演したほか、「オレたちひょうきん族」などにも出演し、明るいキャラクターで人気を博してきました。声優としては、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の花山理香役を担当した経験があります。

『もののけ姫』キャラクター紹介その14:「師匠連」の一員 ジコ坊

ジコ坊は、謎の組織「師匠連」の一員。赤鼻をした小柄な中年男性で、僧体に高下駄を履いています。「師匠連」の一員として、巨大な唐傘を携えた集団「唐傘連」、石火矢を携えた傭兵集団「石火矢衆」、通常の狩人よりも山野の知識に長けた「ジバシリ(地走り)」を動かせる立場にあり、帝からの勅命を受けてシシ神の首に宿る不老不死の力を狙っています。

終始笑みを浮かべて飄々とした態度を崩さない人物で、目的のためには手段を選ばないような腹黒い側面もあります。タタラ場の指導者であるエボシ御前に石火矢衆を送り込んだ張本人で、彼女のことを捨て駒程度にしか思っていなかった節がありますが、彼女からも特に信用されてはおらず、お互いを目的を達成するのための手段として利用し合っていた様子。一本歯の高下駄を履きながら岩場を軽々と駆け回ったり、ヤックルと並走したりできるほどの高い身体能力を持ち主で、普段は実力を隠していますが、実は呪いの力で強化されたアシタカと対等に渡り合えるほどの武術の手練れでもあります。

物語の立ち位置的には「悪役」とも言えますが、善悪で簡単に割り切れるような人物でもなく、物語序盤で戦に巻き込まれたところをアシタカに助けられたあと、閉鎖的な集落に育ったゆえに市場で米を購入する際に上手く交渉ができずに困っていたアシタカの手助けをしました。その後は流れでアシタカに同行して一緒に粥を食べ、アシタカからタタリ神からの呪いの件で相談を受けた際にシシ神の森の存在を教えました。この時の出来事をきっかけにお互いに対して人として好感を持っていたようで、その後もジコ坊は打算なしでアシタカの無事を気にかけ、物語終盤でアシタカはジコ坊のことを殺したくはないと本人に訴えています。

物語後半でエボシ御前によるシシ神狩りに同行し、彼女による石火矢の一撃でシシ神の首を桶の中に入れることに成功するも、それによって暴走し始めたデイダラボッチによって部下の大半を失うことになりました。その混乱のなかで生き延びた唐傘連2人と石火矢衆1人と桶を乗せた輿を担いでシシ神の森を抜けるも、シシ神に首を返さんとするアシタカとサンに見つかってしまいます。アシタカが無事であったことに安堵したあと、部下ともども彼らに抵抗するも、最終的に観念して桶の蓋を開け、2人がデイダラボッチに首を返還するところを見届けました。ラストシーンでは、首を取り戻したデイダラボッチにより生み出された風の力で芽吹いた森を見て、「イヤァー、まいった、まいった。バカには勝てん」と笑っています。

ジコ坊の声優は小林薫(こばやし・かおる)さん

そんなジコ坊の声を担当するのは、ニコフイルムに所属する俳優の小林薫さん。1951年9月4日生まれで、京都府京都市出身。身長175cmで、血液型はA型。俳優としてこれまでに、映画『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』のオトン役、テレビドラマ『深夜食堂』のマスター役、テレビドラマ『Dr.コトー診療所』の星野正一役などを担当。スタジオジブリのアニメ作品では、声優として他にも『ギブリーズ episode2』のトシちゃん役、『ゲド戦記』の国王役を担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その15:エミシの隠れ里の娘 カヤ

カヤは、エミシの隠れ里に暮らす少女。年齢は13〜14歳。アシタカのことを「兄(あに)様」と呼んでいますが、エミシの隠れ里のように小さな集落では自分より年上の人物のことをみな「兄様」や「姉様」と呼称するならわしがあり、カヤはアシタカの実の妹というわけではなく、エミシの隠れ里が認めた彼の許嫁でした。

作中では、タタリ神がエミシの隠れ里を襲撃した際、里の少女たちと共に襲われそうになったところをアシタカによって助けられました。その後、タタリ神から死の呪いを与えられたアシタカが里から旅立たなくてはならなくなった際には、見送りをしてはならないという里の掟を破って罰を受けるのを覚悟でアシタカの前に現れ、エミシの乙女が己の変わらぬ心の証として異性に贈るならわしのある黒曜石の小刀を贈りました。後にこの小刀は、モロの子を通してアシタカからサンへと贈られました。声は、サン役と同じ石田ゆり子さんが担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その16:エミシの隠れ里の老巫女 ヒイ様

ヒイ様は、エミシの隠れ里の老巫女にして里のまとめ役。里を襲撃したタタリ神を弓矢で射ったアシタカが右腕に死の呪いを受けたあと、里の男性におぶられて登場し、アシタカの許嫁であるカヤにひょうたんに入った水をアシタカの右腕にかけてやるように促しました。その後、倒れたタタリ神に対して「この地に塚を築き、あなたのみたまをお守りします。うらみを忘れしずまりたまえ」と頭を下げ、タタリ神の肉が溶けて死にゆく様を見届けました。

石や木片、葉っぱなどを並べて吉凶を占うことができ、タタリ神から死の呪いを受けてしまったアシタカのことを占い、アシタカに自分の運命を見据える覚悟あるかどうかを問うた上で、彼に対して何か不吉なことが起こっている西の土地に赴き、曇りなき眼で物事を見定めるなら呪いを解く道が見つかるかもしれないと助言を与えました。タタリ神の死体の中から出てきた石火矢のつぶてを与えたあと、髷を切ったアシタカに対して掟に従って見送りなしで旅立つように言い渡しました。

ヒイ様の声優は森光子(もり・みつこ)さん

そんなヒイ様の声を担当するのは、オフィス・モリに所属していた俳優・歌手の森光子さん。1920年5月9日生まれで、京都府京都市出身。血液型はB型。2012年に、肺炎による心不全のために93歳で亡くなりました。1935年に映画『なりひら小僧・春霞八百八町』でデビューし、舞台『放浪記』で2017回の主演記録を達成するなど、生前は昭和・平成を代表する俳優として名を馳せました。声優としては、海外ドラマ『ジェシカおばさんの事件簿』のジェシカ・フレッチャー役、ディズニー映画『ブラザー・ベア』のタナナ役の吹き替えを担当した経験があります。

『もののけ姫』キャラクター紹介その17:生死を司る森の神 シシ神

シシ神は、生死を司る森の神。神々のなかでは下級に位置しており、月の満ち欠けと共に誕生と死を繰り返しています。昼は、サルのような赤ら顔をしたシカのような姿をしており、ネコのような目鼻、ヤギのような耳、カモシカのように長い体毛、蹄のある鳥のような脚といった様々な動物的特徴を持ち、頭頂部からは樹木の枝のようなツノを生やしています。

水上を歩くことが可能で、地面を歩くと足元では植物が一斉に成長しては枯れていきます。傷を癒したり、命を吸い取ったりできる能力を持ち、作中ではその力でアシタカが受けた石火矢の傷を癒していました。夜になると、「ディダラボッチ」と呼ばれる巨人のような姿に変化。その半透明な身体には縞や渦巻き模様があり、頭から背中にかけては多数のツノを生やしています。夜の森を徘徊しながら森を育てており、日の出が訪れる前に決まった場所で元の姿に戻っています。

『もののけ姫』のキーキャラクターと言える存在で、アシタカはシシ神の力を借りることでタタリ神から受けた死の呪いを解こうとしており、エボシ御前はシシ神の森を切り開こうとしており、帝の勅命で不老不死の力を持ったシシ神の首を手にいれるためにジコ坊たちはエボシ御前と結託しており、サンや山犬たちはシシ神の森を守ろうとしています。シシ神の存在を巡って、作中ではキャラクターたちが戦いを繰り広げることになりました。

昼から夜の姿に変化しようとした瞬間にエボシ御前の石火矢に撃たれて首を奪われてしまった際は、残された身体がデイダラボッチへと変化しながら奪われた首を求め、黒ずんだ半透明の泥の津波のようなもので無差別に生命を吸い取っていく暴走を始めました。最終的に、ジコ坊から奪還した首をアシタカとサンが返還したことでその暴走は収まりましたが、デイダラボッチのまま日の出を迎えたことで、そのまま倒れて暴風を巻き起こして消滅しました。その風を受けたことで、森には再び緑が芽吹き始め、タタラ場の傷病者たちやヤックルの傷も癒えて、アシタカも薄い痣だけを残して死の呪いから解放されることになりました。

『もののけ姫』キャラクター紹介その18:巨大な白い猪神 乙事主(おっことぬし)

乙事主は、四本牙を持った巨大な白い猪神。齢500歳という高齢ということもあって視力は既に失っていますが、重傷を負っても巨大な岩を体当たりで砕けるほどに身体能力が高く、また嗅覚が失われた視力を補えるほどに優れているため、鼻が利く限りは自由に歩き回ることが可能です。感知能力も非常に鋭く、陰遁の処置を施して潜んでいたジコ坊たちの存在に気がついたり、嗅覚を潰された状態であっても一族の毛皮の気配を感じ取ったりすることも可能。アシタカの呪われた右腕の匂いをかぐことで、タタリ神と化した猪神・ナゴの守の最期はどうであったのかを汲み取ったりもしていました。

犬神のモロの君とは旧知の間柄にあると同時に昔は恋仲にあり、森を侵す人間を憎む点では意見が一致していたものの、人間への対抗方針に関しては意見が異なり、100年ほど前に別れました。モロの君いわく「少しは話の分かるやつ」ではありますが、たとえ死ぬと理解していても猪族としての誇りを優先してしまうところがあり、実際、作中ではモロの君との別れ際に「たとえ我が一族、ことごとく滅ぶとも、人間に思い知らせてやる」と呟いています。自分の一族が人間に食料として狩られかねないほどに弱体化していることを危惧してもいる様子です。

作中では、猪神・ナゴの守の死を受け、シシ神の森を守護するために鎮西(九州)から海を渡って来訪。他の猪神を率いて人間たちに大攻勢を仕掛けましたが、その中で全身から血を流すほどの重傷を負ってしまいます。サンに連れられてシシ神の池に向かっていた途中、死んだ猪神たちの皮を被って近づいてきたジバシリを、黄泉の国から蘇ってきた一族の戦士たちだと誤認し、サンの制止も聞かずに錯乱状態に陥りながらシシ神の元へと走り、サンを取り込んだ状態でタタリ神へと変貌しました。

そのままシシ神の池までやってきた際、モロの君に「もう、言葉までなくしたか……」と嘆かれ、最後の力を振り絞った彼女によって、自身の身体から生えていた赤黒い蛇状の触手の中に取り込まれていたサンを奪還されました。その後、池の上を歩いてきたシシ神の力によって、命を落とすことになりました。

乙事主の声優は森繁久弥(もりしげ・ひさや)さん

そんな乙事主の声を担当するのは、アクターズセブンに所属していた俳優の森繁久弥さん。1913年5月4日生まれで、大阪府枚方市出身。身長168cmで、血液型はB型。2009年に、老衰のために96歳で死去しました。昭和の芸能界を代表する俳優の1人で、生前は映画・舞台・歌唱などの幅広い分野で活動。特に、ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』のテビィエ役で有名です。『もののけ姫』では乙事主役以外にもエミシの老人役も担当し、声の仕事では他にもディズニー映画『ヘラクレス』のナレーションや、『ドラえもん のび太と翼の勇者たち』の鳥野守博士役も担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その19:タタリ神になった猪神 ナゴの守

ナゴの守は、シシ神の森に暮らしていた猪神。乙事主率いる鎮西(九州)の猪神一派とは同族であったようで、彼らからは美しく強い兄弟だと評価されていました。シシ神の森に暮らす猪神を束ね、森を切り開こうとする人間たちを実力で排除し続けていましたが、エボシ御前が石火矢衆を率いて討伐に乗り出すと状況は一変。同胞たちは殲滅されて自身も重傷を負い、森を離れるなかで深手の毒で気がふれ、身体は腐り、呪いを集めてタタリ神へと変貌しました。

物語序盤で、シシ神の森から遥か遠く離れたエミシの隠れ里に襲来。赤黒い蛇状のものに全身を覆われたクモのような姿になっており、動くだけで足元の地面を焼けただれたようなものに変え、無差別に呪いと死を撒き散らしていました。里の少女たちを襲おうとした際、神殺しを決意したアシタカによって左目を射抜かれ、アシタカの腕に触手を伸ばして呪いを残した後に、額を矢で射抜かれて倒れました。

それによって身体を覆っていた赤黒い蛇状のものが払われて本来の姿と意識を取り戻しましたが、ナゴの守の魂を慰め鎮めたいと願う里の者たちに対して、「けがらわしい人間どもよ。わが憎しみと苦しみを知るがいい」と、呪詛の言葉を吐いて絶命。その身体はすぐに腐って溶け始め、後には悪臭を漂わせる骸骨のみが残されました。

ナゴの守の声優は佐藤允(さとう・まこと)さん

そんなナゴの守の声を担当するのは、俳優の佐藤允さん。1934年3月18日生まれで、佐賀県神埼市出身。身長は173cm。2012年に、急性肺炎のために78歳で死去しました。1956年に公開された『不良少年』の一郎役で映画デビューを果たし、1958年に公開された映画『俺にまかせろ』の栗原英一部長刑事役で初主演担当。主役の荒木従軍記者役に抜擢された『独立愚連隊』が出世作にして代表作となりました。他にも、映画『セーラー服と機関銃』の関根組長役、映画『はつ恋』の白川雪松役なども担当しています。

『もののけ姫』キャラクター紹介その20:猿神 猩々(しょうじょう)

猩々は、「森の賢者」と讃えられる猿神。ニホンザルよりも大型の霊長類で、赤く光る瞳の持ち主。人語を話すことが可能です。森を奪った人間に強い憎しみを覚えており、夜ごと崩れた斜面に集まっては、森を取り戻すため木を植えようとしています。

作中では、人間を倒すための知恵を手にいれるために人間を食べようと考え、サンに対して重傷を負ったアシタカを渡すように要求しましたが、サンに対して侮辱的な発言をしたことを怒ったモロの子から「無礼なサルめっ! そのクビかみくだいてやる!!」と吠えられ、追い払われることになりました。重傷を負った乙事主がサンに連れられてシシ神の池に赴こうとしていた際には、「おまえたちのせいだ。おまえたちのせいで、この森おわりだ」と言って木の枝を落とし、猪神の皮を被った状態で森に入ってきたジバシリを「生きものでも人間でもないもの」と恐れて逃げ出しました。

『もののけ姫』キャラクター紹介その21:森の精霊 コダマ(木霊)

コダマは、豊かな森林に暮らす精霊の一種。白い半透明の身体を持ち、ガイコツのような頭を動かすとカラカラと音を鳴らすことができます。アシタカが初めてコダマを目にした際に「ここにもコダマがいるのか」と驚いていたことから、エミシの隠れ里周辺にもいる様子。アシタカに命を救われた甲六からは、シシ神を呼ぶことができると恐れられていました。

人間に対して特に敵意は抱いていないようで、作中ではコダマの多く集まった樹を見て「これがおまえたちの母親か。立派な樹だ」と言ったアシタカの真似をしてみたり、怪我人を連れて森の中を歩くアシタカを導いたりしていました。キャラクターデザインは、森に何かがいるのが見えるというスタッフによるもの。エボシ御前の石火矢によりシシ神の首が飛ばされたあと、デイタラボッチの黒い液体に命を吸われたことで落下していった個体も多くありましたが、ラストシーンでは生き残った1体が揺らしてカラカラと音を鳴らしていました。

『もののけ姫』は清濁では語りきれない名作!

ここまで、『もののけ姫』に登場するキャラクターについて、声優情報も交えてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

『もののけ姫』は、清濁や善悪では簡単に割り切ることのできないキャラクターが多く登場するのが魅力ですよね。ぜひ、これを機会に、映画の方をご覧になってみてくださいね。

記事にコメントするにはこちら