【進撃の巨人】エルディア人とは何か?壁内と壁外に分かれた歴史も含めて解説!

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諫山創さんによるダークファンタジー漫画作品『進撃の巨人』。人類を捕食する謎の「巨人」が存在する世界を舞台に、母親を巨人に捕食されてしまった主人公エレン・イェーガーが、巨人を駆逐するために戦い続ける様が描かれます。そんな本作に登場するエルディア人に関してご紹介していきます!

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目次

『進撃の巨人』とは?

『進撃の巨人』は、巨人の捕食対象である人類が、自由を求めて戦い続ける様を描いた少年漫画作品。ベースとなったのは、作者の諫山創(いさやま・はじめ)さんが19歳の頃に「MGP(マガジングランプリ)」において佳作を獲得した短編漫画作品。2009年10月号より、講談社発行の月刊少年漫画雑誌「別冊少年マガジン」が創刊すると同時に連載がスタートし、2021年5月号に掲載された第139話「あの丘の木に向かって」で完結を迎えました。コミックスは全34巻となります。

2019年末の時点で、累計発行部数が1億部の大台を突破するほどに高い人気と評価を獲得している作品。2011年にスピンオフ小説が発売されてから、様々なメディアミックスが行われてきました。コミックスの売上に火をつけたテレビアニメは、第1期が2013年に放送された後、第2期、第3期、第4期「The Final Season」Part.1と放送され、2022年1月にはその続編の放送が開始される予定です。その他にも、ゲーム作品やスピンオフ漫画作品などが発売され、2015年には三浦春馬(みうら・はるま)さん主演の実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』と『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』も上映されました。

物語のあらすじ

本作に登場する主人公は、壁の向こう側に広がる世界に憧れを抱いた少年エレン・イェーガー。エレンをはじめとした人々は、同心円状につくられた巨大な三重の壁の内側にある領域で生活していました。この世界には、人間を捕食しようと追いかける謎の「巨人」が存在し、その巨人たちから命を守るために人々はその領域で生活していたのです。845年、「超大型巨人」による攻撃で「ウォール・マリア」が陥落した日、外から襲来した巨人に母親のカルラを捕食されてしまったエレンは、巨人に対して強い怒りを抱くようになります。

エレンたちは巨人の正体に関して何も知ってはいませんでしたが、エレンが訓練兵団で厳しい訓練を経て、壁外調査を実施する「調査兵団」に入団したあと、この世界の驚くべき真実が次々と明らかになっていきます。壁内人類が脅威に感じていた巨人の正体は、実は元は「エルディア人(または「ユミルの民」)」と呼ばれるただの人間で、「パラディ島」という大陸の沖に浮かんでいる島で暮らしていたエレンたちもまた、その民族の一部であったことが判明するのです。

主人公のエレンもまた、かつて父親であるグリシャ・イェーガーから、「九つの巨人」のうちの2つ「始祖の巨人」と「進撃の巨人」を継承された立場にありました。かつてエルディア人は巨人の力を用いることで世界中の他民族を弾圧し、支配してきました。そのあまりにも惨い歴史から、パラディ島から海を隔てた大国マーレにいるエルディア人は、厳しく迫害されると同時に巨人化することのできる兵力として利用され、エレンたちパラディ島の住人たちもまた、「悪魔の末裔」と呼ばれて人々から憎悪される立場にあったのです。

物語中盤までは、恐るべき力を持った巨人たちとどう戦うかに頭を悩ませていたはずのエレンたちは、その真実が明るみとなったあとは、自分たちに憎悪の視線を向ける海外の国々を相手に、自分たちの安全をどのようにして確保するかを考えざるを得なくなります。その頃、壁内世界の新たな女王ヒストリア・レイスの手にふれたことで、「進撃の巨人」の能力で未来の光景を目撃したエレンは、兵団の仲間たちに真意を打ち明けないまま独自行動をとるようになり、その末に超大型巨人の大群に世界を踏ませる「地鳴らし」を発動させることになるのです。

エルディア人とは?

そんな本作に登場するエルディア人は、かつて巨人の力を用いて他民族を蹂躙し、世界を支配した民族。同族同士の争い「巨人大戦」によってエルディア帝国は瓦解し、その当時のエルディア人の王であるカール・フリッツができる限りのエルディア人を率いてパラディ島の壁内に閉じこもったことで、エルディア人はパラディ島の壁内にいる者たちと、壁外にいる者たちとに分かれるようになりました。

マーレにいるエルディア人は自由に収容区の外に出ることも許されない被差別の立場にありますが、「名誉マーレ人」の称号を獲得した一族に関しては自由な生活を許された立場となっています。マーレにおいてもエルディア人は悲惨な目にあっていますが、マーレ国外に暮らしているエルディア人は、マーレの比ではないほどの苛烈な差別に晒されている様子です。

ここからは、そんなエルディア人に関してより詳しくご紹介していきます!

『進撃の巨人』エルディア人に関する知識1:巨人化能力獲得のきっかけはユミル・フリッツ

エルディア人が巨人化能力を獲得したきっかけは、エルディア人の始祖のユミルという女性にあります。始祖ユミルは実は初代フリッツ王に仕えていた奴隷の1人で、ものが言えないように舌を抜かれ、厳しい強制労働に従事していました。ある日、初代フリッツ王から豚を逃がした罪を問われたユミルは、その罰として追放を言い渡されます。馬に乗った者や犬から追い回され、酷い怪我を負いながら森の中を逃げ続けたユミルは、1本の不思議な巨木に行き当たります。

その巨木の洞の中にあった水溜まりに落ちたユミルは、そこで脊髄に似た形をした何か(「有機生物の起源」だとも言われているもの)と接触。ここで初めての巨人化を果たしたのでした。その後、ユミルは巨人の力を振るうことでエルディアの隆盛に大きく貢献し、その褒美として初代フリッツ王との間に3人の子どもを授かることになります。最終的に、初代フリッツ王を投げ槍から庇った際に、初代フリッツ王が自分との間に子どもを設けてもなお自分のことを奴隷としか見なしていなかったことを知って絶望し、巨人の力で回復せずに息絶えることになりました。

『進撃の巨人』エルディア人に関する知識2:エルディア人の内戦「巨人大戦」の勃発

始祖ユミルが亡くなった後、エルディア帝国はその巨人の力を「九つの巨人」に分け、それを利用することで約1700年ものあいだ他民族を蹂躙してきました。約100年前、世界を支配し敵がもういなくなってしまったエルディア帝国では、「九つの巨人」のうち「始祖の巨人」以外の8つの巨人の力を持つ家同士が争い合う「巨人大戦」が始まりました。

マーレ人の英雄へーロスは、エルディア人同士のこの闘争に勝機を見出しました。巧みな情報操作を行うことでエルディア帝国を瓦解させることに成功し、最終的に「九つの巨人」のうちの1つ「戦槌の巨人」を継承するタイバー家と手を組むことで、それまで勝つことはできないと目されてきたエルディア人の王であるフリッツ王までもをパラディ島へと退かせることに成功したのです。

しかし、これは人々の間で共有されてきた「表の歴史」に過ぎず、実際の「巨人大戦」終結の中身は異なっていました。「巨人大戦」を本当に終結に導いて世界を救済したのは、マーレ人の英雄であるへーロスでも、彼と結託したタイバー家でもなく、彼らに退かされたはずの当時のエルディア人の王であったカール・フリッツ自身だったのです。エルディア人の第145代目の王カール・フリッツは、エルディア人のあまりに長きに渡る凄惨な歴史、エルディア人同士の戦い、そして酷い扱いを受け続けてきたマーレに心を痛めていました。

「九つの巨人」の1つにして全ての巨人の頂点とも言える「始祖の巨人」を継承すると同時に、裏でタイバー家と手を組んだカール・フリッツは、エルディア帝国の歴史を終わらせることを決意。へーロスをマーレ人の英雄として仕立て上げ、計画通りにエルディア帝国を崩壊させた後に、カール・フリッツは自ら可能な限りのエルディア人を引き連れてパラディ島に移住したのでした。

『進撃の巨人』エルディア人に関する知識3:第145代目の王カール・フリッツがパラディ島に三重の壁を築く

可能な限りのエルディア人を連れてパラディ島にやってきた第145代目の王カール・フリッツは、そこに同心円状の巨大な三重の壁を築き、その中に新たな生活圏を築きました。その巨大な三重の壁の土台となったのは、幾千万にも及ぶ超大型巨人の大群。カール・フリッツはパラディ島に退く際、もしも壁内の安息を脅かすことがあれば、壁の中に眠っている超大型巨人の群れを目覚めさせ、世界を踏み潰す「地鳴らし」を発動させると警告しました。

しかし、この脅しは実はカール・フリッツの真意を表したものではありませんでした。カール・フリッツは、エルディア人の罪を嘆き世界の平和を尊ぶ自身の思想を「始祖の巨人」の継承者に引き継がせていくために、「不戦の契り」を生み出していました。「始祖の巨人」は、エルディア人の記憶を改竄したり、身体構造を変化させたり、他の巨人を操ったりすることができるなどの極めて強力な力を持った巨人ですが、それを扱うためには王家の血族であることが必要不可欠でした。

この「不戦の契り」は、「始祖の巨人」を継承した王家の血族のみに作用するもので、「始祖の巨人」を継承すると自動的にカール・フリッツの思想に支配されてしまうようになります。これにより、「始祖の巨人」を継承した王家の血族は、カール・フリッツの思想に合わないほとんどの「始祖の巨人」の能力を行使することができなくなってしまったのでした。

カール・フリッツがこのようなものを生み出した理由は、エルディア人の罪深さを自覚していたこと、そして平和を祈る心にありました。カール・フリッツは、もしも力をつけたマーレが王家の命や「始祖の巨人」を奪うつもりであればそれを受け入れ、エルディア人を殲滅したいのであればそれすらも受け入れるつもりでいました。そもそもエルディア人、巨人は存在してはならず、その間違いを正すことを受け入れるつもりでいたのです。しかし、いつか滅ぶ日までのその束の間の時だけは、壁内で争いのない平穏を享受したい。それだけはどうか許してほしいと願っていたのでした。

『進撃の巨人』エルディア人に関する知識4:マーレではエルディア人は収容区で生活

このような経緯からエルディア人は世界的に憎まれる存在となり、またそのエルディア人は壁内で暮らす者たちと、壁外で暮らす者たちで二分されることになりました。かつてマーレはエルディア人から虐げられていましたが、今やその立場は逆転し、今度はエルディア人がマーレで虐げられるようになりました。マーレでエルディア人は収容区で生活すること、そして腕章を身につけることを義務づけられ、その収容区の外に出るときには必ず許可を取らなければいけませんでした。

エレン・イェーガーの父親のグリシャ・イェーガーは、マーレの収容区で生まれ育ちました。幼い頃、彼は飛行船を見るために妹のフェイを連れて無断で収容区を抜け出しました。川辺で飛行船を見ていたときに、マーレ治安当局の職員に見つかってしまったグリシャは、自分が妹の分まで制裁を受けることを申し出ます。グリシャが制裁という名の暴力を受けている間に、フェイはもうひとりの治安当局の職員によって家まで連れて行かれたはずでしたが、翌朝無残な遺体となって発見されることになりました。たとえ幼い子どもであっても「エルディア人が無断で収容区から出た」というだけで、そのような凄惨な被害を受けることになったのです。

『進撃の巨人』エルディア人に関する知識5:「エルディア復権派」は告発されて「楽園送り」にされた

妹のフェイが亡くなった一件をきっかけに、マーレ政府に対して憎しみを抱くようになったグリシャ・イェーガーは、反体制地下組織「エルディア復権派」からの勧誘を受けて、その組織に入ることを決意します。そこでグリシャは、ダイナ・フリッツという女性と出会います。彼女は、第145代目の王カール・フリッツと共にパラディ島に行くことを選択せず、大陸に留まることを選択したフリッツ王家の一族ただ1人の末裔で、いつか再びエルディアが立ち上がることを願いながら収容区に隠れ潜んで生きてきたのでした。

グリシャとダイナは出会った翌年に結婚し、ジークという名前の息子を授かりました。2人はジークがエルディア人解放のための希望になってくれることを望み、「エルディア復権派」にとって都合の良い人間になるように洗脳教育を施しました。7歳になった頃、両親からまともに自分自身を見つめられなかったジークは、自分と祖父母の命を守るために両親をマーレ当局に告発することを選択。その結果、「エルディア復権派」は「楽園送り」に処されることになってしまったのでした。

「楽園送り」とは、エルディア人の反逆者を船でパラディ島まで輸送した後に巨人化薬を投与し、知性のない「無垢の巨人」にして壁外を彷徨わせ続ける刑罰のこと。実質的な死刑とも言えるものでした。その刑に処されたことで、グリシャ以外の「エルディア復権派」のメンバーは無垢の巨人にされ、あるいは殺されることを前提でその場で逃がされました。グリシャは「エルディア復権派」の支援者であった「フクロウ」ことエレン・クルーガーによって命を救われた際に、彼から「九つの巨人」の1つである「進撃の巨人」と、「始祖の巨人」を奪還する任務を託されることになりました。その後、壁外で医者として働く間にカルラという女性と親密になり、彼女との間に主人公エレン・イェーガーをもうけたのでした。

『進撃の巨人』エルディア人に関する知識6:「九つの巨人」を継承した「マーレの戦士」が戦場で活躍

マーレの戦士とは、マーレの政府管理下にある「九つの巨人」を継承した大陸のエルディア人のこと。「九つの巨人」は知性を失わないままそれぞれの固有能力を行使することのできる特別な巨人で、マーレ管理下には「超大型巨人」「鎧の巨人」「女型の巨人」「獣の巨人」「顎の巨人」「車力の巨人」の7つがありました。国力維持を維持するため、マーレはパラディ島に持ち去られた「始祖の巨人」を手中に収めるべく、エルディア人の中から「マーレの戦士」になれる人材を募ることにしたのです。

応募資格は、5〜7歳の健康な男女。体力や射撃能力といった様々な分野の試験で合格した者がマーレの戦士候補生となり、その後、厳しい訓練や実戦経験を積んだ上で、その中からごく少数の者のみが「マーレの戦士」として「九つの巨人」を継承することを認められます。マーレの戦士本人と、その人に連なる一族は「名誉マーレ人」の称号が与えられ、抑圧された他のエルディア人とは違い、マーレでの自由な生活を保証されることになります。マーレの戦士や戦士候補生の中には、家族から「名誉マーレ人」の称号を獲得することを望まれてそれを目指した者もいれば、一族の身の潔白を証明するためにそれを目指した者もいます。

「獣の巨人」の継承者 ジーク・イェーガー

ジーク・イェーガーは、「獣の巨人」の継承者にして「マーレの戦士」の戦士長。エレンの異母兄でもあり、パラディ島に来る前のグリシャ・イェーガーと、大陸に留まることを選んだエルディア人王家の血を引くダイナ・フリッツとの間に生まれました。エルディア人の地位向上を目指した反体制地下組織「エルディア復権派」に所属していた両親から洗脳教育を受け、過剰な期待による重圧と、愛してもらえない虚無感を覚えながら育ちました。

父親のように慕った先代「獣の巨人」の継承者であるトム・クサヴァーからの助言を受け、自身と祖父母の命を守るためにやむを得ず両親をマーレ政府に告発。これによってマーレに対する忠誠心を示したこと、さらに自身の脊髄液を何らかの形で摂取したエルディア人を「叫び」によって無垢の巨人にできる特別な能力から、被差別のエルディア人の身でありながらマーレからの高い忠誠を得ていましたが、裏では「安楽死計画」を着実に進めていました。

「安楽死計画」は、「始祖の巨人」の力でエルディア人の身体から生殖能力を奪うことで、緩やかな滅びを迎えさせようとするもの。これはジーク自身の悲壮な生い立ちと、かつて自分がエルディア人であることを黙っていたせいで妻と子どもを失うことになったクサヴァーとの交流から生まれた計画で、エルディア人がいなくなれば世界は巨人の脅威に怯えずに済むし、そもそもエルディア人は生まれることがなければ酷く苦しむこともなかったという考えから生まれたものでした。ジークは、かつてカール・フリッツが生み出した「不戦の契り」を出し抜くため、異母弟で「始祖の巨人」の力を持ったエレンと協力することを目指すことになります。

ジークが継承した「獣の巨人」は、従来マーレでは特に戦闘で役立つことのない巨人だとして注目されていませんでしたが、ジークが継承した後は大変長い両腕と肩力を駆使した投擲によって高い制圧能力を獲得するようになり、マーレでも高い注目を集めるようになりました。「獣の巨人」は継承者によって姿が変化し、ジークの場合は全身が体毛に覆われ、極めて長い両腕を持ったオランウータンのような姿になりました。

「鎧の巨人」の継承者 ライナー・ブラウン

ライナー・ブラウンは、「鎧の巨人」の継承者にして「マーレの戦士」の副戦士長。マーレ人の父親とエルディア人の母親との間に生まれた男性で、母親と共に名誉マーレ人になって自由な生活を保証される立場になれば、父親と一緒に暮らすことができるという想いからマーレの戦士になることを目指しました。実際は、マーレ人がエルディア人との間に子どもをつくることは重罪であり、露見を恐れた父親からは拒絶された立場にあったことが後に明らかになっています。

優れた能力こそありませんでしたが、マーレへの忠誠心、そして同じマーレの戦士であったマルセル・ガリアードが軍に対して行った印象操作によって、「鎧の巨人」を継承することが決定。その後、「始祖の巨人」奪還任務を負ったマーレの戦士の1人として、「超大型巨人」の継承者であるベルトルト・フーバーと協力して845年にパラディ島のシガンシナ区を襲撃。この出来事で無垢の巨人に母親を捕食されてしまった主人公エレン・イェーガーは、巨人に対して強烈な憎しみを抱くようになりました。

他の「マーレの戦士」たちと共に壁内に潜伏した後、エレンの同期として訓練兵団に所属。その後は調査兵団の兵士として活躍しながら、裏ではマーレの戦士として活動していましたが、次第に「兵士としての自分」と「戦士としての自分」との衝突に苦しみ、精神が分裂していくようになりました。「始祖の巨人」奪還に失敗してマーレに帰還した後は、パラディ島で罪なき人々の命を奪った罪悪感に苛まれて自殺さえも考える日々を過ごし、マーレでエレンと再会した際に戦意を喪失してしまいましたが、マーレの戦士候補生のガビ・ブラウンたちからの助けを求める声を聞いて再起。

その後、マーレを裏切ったジーク・イェーガーの目論みを阻止するためにパラディ島に向かいましたが、エレンとジークの接触を阻止することができず、エレンによる「地鳴らし」の発動を許してしまうことになりました。最終的に、かつての兵団での仲間たちやマーレの戦士隊の者たちと協力して、エレンを止めるべく尽力することになります。

ライナーの継承した「鎧の巨人」は、その名前の通り硬質化した皮膚が特徴的な巨人。その皮膚には壁内人類の所有していた火砲程度ではダメージを与えることが不可能なほどの頑丈さがあり、巨人全体の弱点であるうなじなども覆われてしまっているため、立体機動装置を武器としている兵団にとってはまさに天敵とも言える強さを誇りました。とはいえ、皮膚の頑丈さにも限界はあり、壁外人類の戦艦の主砲クラスの武器や、壁内人類が後に用意した雷槍にはダメージを受けていました。

「超大型巨人」の継承者 ベルトルト・フーバー

ベルトルト・フーバーは、「超大型巨人」を継承したマーレの戦士。ライナー・ブラウンらと共に「始祖の巨人」奪還任務を負ったマーレの戦士の1人で、845年に「超大型巨人」としてシガンシナ区の壁を破壊し、壁内人類を巨人の危機にさらしました。壁内に潜入後は自分の素性を隠し、他のマーレの戦士と共に、主人公エレン・イェーガーの同期として訓練兵団に所属。その後は調査兵団に所属しながら、「始祖の巨人」を取り戻すことのできる機会を伺っていました。

ウォール・ローゼの壁上で、唐突に自分から正体を明かしたライナーと一緒に巨人化し、巨人化能力を持つ同期のエレンとユミルを拉致。命がけで追跡してきた調査兵団にエレンを奪い返されてしまうことになりましたが、巨人の群れに襲撃されて危なかったところをユミルによって救われ、シガンシナ区まで撤退することができました。

ライナー同様、パラディ島で仲良くなった者たちに対する思い入れはありましたが、シガンシナ区決戦ではその想いを吹っ切り、「超大型巨人」として調査兵団を死闘を繰り広げました。最終的に、同期のアルミン・アルレルトによる命がけの陽動作戦に引っかかり、人間の姿に戻ったエレンによってうなじを斬られて本体を引きずり出され、敗北しました。

ベルトルトが継承した「超大型巨人」は、その名前の通り、無垢の巨人の身長をを軽々と凌駕するほどの推定60mという巨体が特徴的な巨人。マーレでも「破壊の神」と形容されたほどの超強力な巨人で、巨大な腕を振るうだけで大規模な破壊活動が可能です。また、全身の肉を消費しながら熱風を起こす特性を持ち、巨人化の際に起こる衝撃波とその熱風能力をあわせることで、大規模な爆発が起こったような甚大な被害をもたらすことが可能です。

「女型の巨人」の継承者 アニ・レオンハート

アニ・レオンハートは、「女型の巨人」を継承したマーレの戦士。母親の浮気相手がエルディア人であったという理由で、生まれて間もない頃に親に捨てられたアニは、外国から来たエルディア人の血を引く男性に育てられました。彼の目的は、アニをマーレの戦士にすることで「名誉マーレ人」の称号を得て自分の暮らしを豊かにすることで、アニに自分が生まれた国の格闘術を叩き込みました。

アニはその男性にとって自分はただの道具でしかないと認識していましたが、マーレの戦士として「始祖の巨人」奪還任務に向かう朝にこれまでのことを謝罪され、名誉マーレ人の称号も何もかもを捨ててもかまわないから無事に帰ってきてほしいと懇願されました。その男性は本当に自分の父親と呼べる存在だったのだと認識を改めたアニは、パラディ島に旅立った後は必ず養父の元に帰ることを目標にして生きてきました。

845年に起こったシガンシナ区陥落で壁内に侵入した後、同じマーレの戦士のライナー・ブラウンやベルトルト・フーバーと共に素性を隠した上で訓練兵団に所属。調査兵団に所属したライナーやベルトルトとは異なり、アニは憲兵団に所属しました。壁外調査中の調査兵団を「女型の巨人」の姿で襲ってエレン・イェーガーを拉致しようとするも失敗し、後に同期のアルミン・アルレルトに正体を見破られて、交戦の末に身柄を拘束されました。その際、養父との約束を思い出したアニは、自分の身体を超硬質の水晶体に閉じ込めることによって追及から逃れました。

物語終盤で、「始祖の巨人」の力を掌握したエレンが「地鳴らし」を発動したことと連動して水晶体から解放され、憲兵団の同期だったヒッチ・ドリスに助けられて外で食事をとっていたところ、アルミンたちと偶然再会。彼らと共に、エレンを止めるための戦いに挑むことになります。

アニの継承した「女型の巨人」は、その名前の通り、巨人では珍しい女性的な丸みを帯びた体型が特徴的な巨人。叫び声で無垢の巨人を呼び寄せることのできる能力を持っており、また、他の巨人の能力を発現しやすいという特性も持っています。女性型であるがゆえの軽やかでしなやかな体躯は運動能力と瞬発力に優れ、アニが会得した格闘技との親和性も高くありました。

「顎の巨人」の継承者 ポルコ・ガリアード

ポルコ・ガリアードは、「顎の巨人」を継承したマーレの戦士。マーレの戦士候補生だった頃、成績では最下位であったはずのライナー・ブラウンが自身を差し置いてマーレの戦士に選出されたことや、兄のマルセル・ガリアードがそのライナーをかばって亡くなったことから、ライナーとはぎくしゃくとした関係が続いていました。

ポルコの先々代の「顎の巨人」の継承者は兄のマルセル。彼は「始祖の巨人」奪還任務のためにパラディ島にやってきたあと、後に兵団で主人公エレン・イェーガーの同期となるユミルに捕食されたことで死亡しました。その後、マーレにやってきたユミルがを捕食したことで、ポルコは「顎の巨人」を継承。それ以降は、以降はマーレの戦士の1人として、「顎の巨人」の力を用いて戦場で敵を倒してきました。

マーレ軍がパラディ島を奇襲した際に、巨人化したライナーがエレンがもみ合っていたところで間接的に「始祖の巨人」の力にふれたことで、兄のマルセルの記憶の一部を把握し、自分を差し置いてライナーが「鎧の巨人」の継承者に選ばれた理由は、兄のマルセルがポルコの命を守るためにわざと軍に対して印象操作を行ったためだったのだと知ることになりました。

ポルコの継承した「顎の巨人」は、その名前の通りの非常に硬い顎と、小柄な体躯が特徴的な巨人。ユミルが継承した際は、大きな顔に鋭い牙がある程度のものでしたが、他の者が継承した際には鎧の巨人のように硬質化した特殊な顎と爪が発現しました。その顎には、「戦槌の巨人」の結晶をも噛み砕けるほどの威力があります。

「車力の巨人」の継承者 ピーク・フィンガー

ピーク・フィンガーは、「車力の巨人」を継承したマーレの戦士。たった1人の家族である父親にまともな医療を受けさせるためにマーレの戦士になることを目指し、ライナー・ブラウンらと同時期に「車力の巨人」を継承してマーレの戦士となりました。「始祖の巨人」奪還任務には参加せず、「獣の巨人」の継承者であるジーク・イェーガーと共にマーレに留まることになりましたが、850年にパラディ島に上陸してジークと共に戦いに参加することになりました。

普段は気だるげでマイペースな側面が目立ちますが、優れた判断力と分析力があり、戦場では手勢の「パンツァー隊」を率いて戦います。パラディ島を奇襲した際には、主人公エレン・イェーガーを罠にはめて「顎の巨人」の継承者であるポルコ・ガリアードに捕食させようと試みるも、失敗。ポルコに自分の右手を切らせることで「車力の巨人」と化し、仲間たちと共に戦いに臨みました。

「始祖の巨人」の力を掌握することに成功したエレンが「地鳴らし」を発動した後は、世界を救うべく、調査兵団団長を務めるハンジ・ゾエをはじめとした調査兵団の者たちと協力することになります。最終決戦で巨人化したエレンと相対した際には、「車力の巨人」の特性である驚異的な持続力を活かして多くの巨人を撃破しました。

ピークの継承した「車力の巨人」は、馬のような面長の顔と、四足歩行を基本とした体躯が特徴的な巨人。非常に機動力に優れた巨人で、作中では主に運搬役を担当。戦闘では、背中に重火器を搭載することによって、移動型の巨大戦車のような活躍をしていました。特別な能力こそ持ってはいませんが、数か月間は巨人の状態でいることができるほどの桁違いの持続力があります。

『進撃の巨人』エルディア人に関する知識7:「戦槌の巨人」を継承するタイバー家は讃えられた存在

タイバー家は、エルディア帝国の元貴族家。マーレで「九つの巨人」の1つである「戦槌の巨人」を継承してきた家で、収容区での生活を義務づけられた他のエルディア人とは異なり、個人の広い敷地で生活をしています。また、エルディア人であるにもかかわらず腕章も身につけておらず、他の者たちとは違って迫害を受けることもなく、むしろ現在も「救世主の末裔」として褒め称えられた存在であることから、エルディア人の中にはタイバー家に対して好感情を抱いていない者も存在しています。

タイバー家がそのような別格の扱いを受けているのは、かつてエルディア帝国で同族同士が争いあった「巨人大戦」が勃発した際に、マーレ人の英雄であるへーロスと手を組み、エルディア人の王であるフリッツ王に対して反旗を翻したことにあります。実は現在のマーレ国の影の管理者はタイバー家なのですが、国を動かす権限自体はマーレ側に委託しているため、マーレが現在のような形になったのはあくまでマーレ自身の意思が大きく反映されています。

先述した通り、「巨人大戦」を実際に終結させて世界を救ったのはフリッツ王自身であり、タイバー家は本当はフリッツ王に反旗を翻したのではなく、フリッツ王と手を組んだ立場にありました。当時のフリッツ王である第145代目の王カール・フリッツができる限りのエルディア人を連れてパラディ島に移った際に、タイバー家は大陸に留まることを選び、「戦鎚の巨人」と共に代々「巨人大戦」の真実とその後の歴史を継承してきたのでした。

『進撃の巨人』エルディア人に関する知識8:「エルディア人」と「ユミルの民」の違いは何?

主人公エレン・イェーガーたちは「エルディア人」とも「ユミルの民」とも呼ばれていますが、この2つの違いはいったい何でしょうか? 作中では、この2つの言葉はだいたいイコールで使用されていますが、厳密に分けると、エルディア人のうち巨人になれる者が「ユミルの民」で、ユミルの民をを含んだ全体の総称が「エルディア人」となります。

初めに巨人化能力を獲得した始祖ユミルは、そもそもエルディア人によって奴隷化された他部族の女性でした。始祖ユミルと交わる前のエルディア人が存在しているのです。作中でエルディア人と呼ばれる人々は、王と支配層、そして始祖ユミルを初めとした奴隷たちの末裔だと考えられ、このうちの始祖ユミルの血を引いた子孫たちが「ユミルの民」なのです。

物語中盤で、パラディ島では調査兵団を中心とした兵団によるクーデターが起こり、王政府が崩壊することになります。「調査兵団」「駐屯兵団」「憲兵団」の三兵団を束ねる総統であるダリス・ザックレーは、王政府の重鎮に対して倒錯的な拷問を実施しますが、その時にその重鎮の口から「ザックレー…。今に見てろよ…。お前のその血は奴隷用の血だ…。我々名家の血筋とは違ってな…」という言葉が飛び出します。この「奴隷用の血」というのがユミルの民のことで、王政府の重鎮たちはユミルの民とは異なる他人種系のエルディア人だったのでした。

テレビアニメ「The Final Season」の放送に期待!

ここまでエルディア人に関するさまざまな知識をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

圧倒的な力を持つ巨人たちに抵抗していたはずのエレン・イェーガーたちパラディ島の住民こそが、実は巨人の元であったエルディア人(ユミルの民)の一部であり、しかも過去に世界を蹂躙したことで憎まれた立場にあったと明かされた際は、本当に驚きましたよね。テレビアニメ『進撃の巨人』の「The Final Season」の続きは、2022年1月から放送予定です。アニメの最後まで、エルディア人たちの活躍を見逃さないでくださいね。

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