【進撃の巨人】「不戦の契り」とは何か?それを破れる抜け道も含めて紹介

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諫山創さんによるダークファンタジー漫画作品『進撃の巨人』。人類を捕食する謎の「巨人」が登場する舞台を世界に、巨人に母親を捕食されてしまった主人公の少年エレン・イェーガーが、巨人を駆逐するために戦い続ける様が描かれます。そんな本作に登場する「不戦の契り」とはいったい何か? 本記事ではそれについて詳しく解説していきます!

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『進撃の巨人』とは?

『進撃の巨人』は、巨人の捕食対象である人間たちが、自由を求めて戦い続ける様を描いたダークファンタジー漫画作品。ベースになったのは、作者の諫山創(いさやま・はじめ)さんが19歳の頃に「MGP(マガジングランプリ)」で佳作を獲得した短編漫画作品。2009年10月号より講談社発行の月刊少年漫画雑誌「別冊少年マガジン」の創刊と同時に連載が始まり、2021年5月号に掲載された第139話「あの丘の木に向かって」で完結。コミックスは全34巻となりました。

2019年末の時点で累計発行部数が1億部の大台を突破するほどの高い人気と評価を受けている作品で、2011年にスピンオフ小説が発売されて以降、様々なメディアミックスが展開されてきました。コミックスの売上に火をつけたテレビアニメは、2013年に第1期が放送された後、第2期、第3期、第4期「The Final Season」Part.1と続き、2022年1月からはその続きの放送が始まる予定です。その他にも、スピンオフ漫画作品やゲーム作品なども発売され、2015年には実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』と『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』も上映されました。

物語のあらすじ

本作に登場する主人公は、まだ見ぬ壁の外の世界に対する憧れを抱いた少年エレン・イェーガー。エレンをはじめとした人類は、同心円状につくられた巨大な三重の壁に内側の領域で生活していました。この世界には、人類を捕食する謎の「巨人」が存在し、巨人たちから身を守るために人々はその内側で生活していたのです。845年、「超大型巨人」の襲撃で「ウォール・マリア」が陥落した日、外から来た巨人に母親を捕食されてしまったエレンは、巨人に対する強烈な怒りを抱くようになります。

エレンたちは巨人の正体に関して何も知りませんでしたが、エレンが訓練兵団での厳しい訓練を経て、壁外調査を行う「調査兵団」に入団した後、この世界の様々な真実が明らかになっていきます。壁内人類が恐れていた巨人の正体は、実は元は「エルディア人(または「ユミルの民」)」と呼ばれるただの人間であったこと、そして「パラディ島」と呼ばれる大陸の沖に浮かぶ島で暮らしていたエレンたちもまた、その一部であったことが判明するのです。

主人公のエレンもまた、かつて父親のグリシャ・イェーガーから「九つの巨人」のうちの2つである「始祖の巨人」と「進撃の巨人」を継承した立場にありました。かつてエルディア人は巨人の力を利用して世界中の他民族を弾圧してきました。その惨たらしい歴史から、パラディ島から海を隔てた大国マーレで生活するエルディア人は、激しく迫害されると同時に巨人化できる兵力として利用され、エレンたちパラディ島に暮らす者たちもまた「悪魔の末裔」として人々から憎悪される立場にあったのです。

物語中盤まで巨人とどうやって渡り合うか頭を悩ませていたはずのエレンたちは、その真実が明らかになったあとは、自分たちに憎悪の目を向ける海外の国々を前に、どうやって自分たちの安全を確保するかを悩まざるを得なくなります。その頃、壁内世界の女王ヒストリア・レイスの手にふれたときに、「進撃の巨人」の力で未来の光景を目撃してしまったエレンは、仲間に真意を打ち明けないまま独自行動をとるようになり、その果てに世界を滅ぼさんとする力を行使することになるのです。

「不戦の契り」とは?

そんな本作に出てくる「不戦の契り」とは、エルディア人の第145代目の王カール・フリッツと「始祖の巨人」が交わした契約のこと。「始祖の巨人」は全ての巨人の頂点に立つとも言える極めて強大な力を持った巨人で、その力を行使するためには王家の血を引いていることが必要でした。「不戦の契り」は「始祖の巨人」の力を継承した王家の人間にのみ効力を発揮するもので、カール・フリッツの平和思想に縛られることによって、そのほとんどの力を行使することができなくなってしまうのです。

いったい何故、カール・フリッツはそのようなものをつくり出したのか。また、その契約を出し抜いたり、あるいは無力化するような手段はあるのか。ここからは、そんな「不戦の契り」に関してより詳しくご紹介していきます!

『進撃の巨人』不戦の契りに関する知識1:「始祖の巨人」とは何か?

「始祖の巨人」は、エルディア人の始祖に当たるユミル・フリッツが獲得した巨人化能力にして「九つの巨人」の1つ。「九つの巨人」は、始祖ユミルが亡くなった後にその力が9つに分けられて生まれた特別な巨人のことで、巨人化すると知性を失ってしまう「無垢の巨人」とは違い、知性を失わずそれぞれ固有の能力を発揮することが可能です。その「九つの巨人」の力を継承した場合、その人物は「ユミルの呪い」を課せられて、継承してから13年経つと身体が衰弱して死を迎えることになります。

「始祖の巨人」は、全ての巨人の頂点とも言える巨人であり、作中で度々台詞に出てくる「座標」とはこれのことを指しています。「始祖の巨人」の力を扱うためにはエルディア人王家の血を引いていることが必要不可欠。王家の血を引く「始祖の巨人」の継承者はこの力を行使することで、エルディア人の記憶を改竄したり、身体構造を改造したり、他の巨人を自由に操ったりすることなどが可能です。この力の強大さは、さすが全ての巨人の頂点に立つ「始祖の巨人」と言うべきでしょうか。

『進撃の巨人』不戦の契りに関する知識2:「不戦の契り」をつくった第145代目の王カール・フリッツとは?

1800年以上前のこと、エルディア人の始祖であるユミル・フリッツは、不思議な巨木の下の洞にたまっていた水の中に落ちてしまった際に、脊髄のような形をした何か(「有機生物の起源」とも言われるもの)に接触しました。それをきっかけに始祖ユミルは巨人化能力を獲得し、エルディア帝国は始祖ユミルが亡くなった後にその力を「九つの巨人」に分け、それを行使することによって約1700年もの長きに渡って他民族を蹂躙し続けてきました。

約100年前、世界を支配したことで敵がいなくなってしまったエルディア帝国では、「九つの巨人」のうち「始祖の巨人」を除いた8つの力を持つ家同士が、結託と裏切りを繰り返しながら戦い合う「巨人大戦」が勃発しました。エルディア人同士のこの内紛に勝機を見出したマーレ人の英雄へーロスは、情報操作を行うことによってエルディア帝国を瓦解させることに成功し、最終的に「戦鎚の巨人」を継承するタイバー家と協力することで、それまで勝つことは不可能とされてきたエルディア人の王たるフリッツ王までもをパラディ島に退かせることに成功したのです。

しかし、実はこれはあくまで人々の間で共有されてきた「表の歴史」でしかありません。本当に「巨人大戦」を終結させて世界を救済に導いたのは、マーレ人の英雄へーロスでも、彼と手を組んだタイバー家でもなく、当時のエルディア人の王であったカール・フリッツ本人だったのです。第145代目の王カール・フリッツは、エルディア帝国が他民族を弾圧し続けてきた凄惨な歴史、エルディア人同士の内紛、そして長きに渡って虐げられ続けてきたマーレに対して強く心を痛め、「始祖の巨人」を継承すると同時に裏でタイバー家と協力し、エルディア帝国の歴史に終止符を打つことを決めたのです。

計画通りにエルディア帝国が瓦解した後に、カール・フリッツは可能な限りのエルディア人たちを引き連れてパラディ島に移住し、そこに三重の壁を築きました。エルディア人が、主人公エレン・イェーガーたちのようにパラディ島に暮らす者たちと、海外に暮らす者たちに分かれたのは、このような経緯があったのです。

『進撃の巨人』不戦の契りに関する知識3:カール・フリッツが「不戦の契り」を交わした理由

エルディア人たちを引き連れてパラディ島に移住した際、第145代目の王カール・フリッツはもしもパラディ島の壁内に暮らす者たちの安寧を脅かすことがあれば、三重の壁を築く際の土台として使われた超大型巨人の大群を目覚めさせて世界を踏み荒らさせる「地鳴らし」を発動させると言い残し、パラディ島には手を出さないように警告しました。しかし、この警告はただの脅しにすぎず、実際の効力を発揮できるものではなかったのです。

カール・フリッツは、自分以後の「始祖の巨人」の継承者に自身の思想を引き継がせるために、「始祖の巨人」との間に「不戦の契り」を交わしていました。「不戦の契り」はエルディア人王家の血を引く「始祖の巨人」の継承者にのみ影響を及ぼすもので、王家の血を引く者が「始祖の巨人」を継承した場合、自動的にカール・フリッツの思想に縛られてしまい、その思想に合わない「始祖の巨人」のほとんどの能力を行使することが不可能になってしまったのです。

いったい何故、カール・フリッツは「始祖の巨人」の力にそのような縛りを設けることにしたのでしょうか? それは、カール・フリッツ自身がエルディア人の罪の重さを強く自覚していたため。もしもこれまでエルディア人に弾圧されてきたマーレが、エルディア人王家の命や「始祖の巨人」を奪うことを求めればそれを受け入れ、さらにエルディア人が殲滅されることを求めれば、それをも受け入れるつもりでいました。エルディア人が1000年以上もの月日をかけて行ってきた罪は、それほどまでに重いと考えていたのです。ただ、いずれエルディア人が報復を受ける日がくるまでの間だけは、争いのない束の間の平和を生きることだけは許してほしいと思い、「地鳴らし」という脅しを世界に向けて発信したのでした。

『進撃の巨人』不戦の契りに関する知識4:王家の人間が「始祖の巨人」を継承するとどうなる?

第145代目の王カール・フリッツは、可能な限りのエルディア人を連れて三重の壁の内側に移住した後、「フリッツ」から「レイス」に名字を変えて初代レイス王と名乗りました。壁内に一糸乱れぬ平和を築くため、カール・フリッツは「始祖の巨人」の力を用いて壁内のエルディア人の記憶を改竄することで、壁内に移住する前の歴史と巨人に関する真実を隠蔽。それから約100年の間、レイス家は表向きはただの地方貴族として振る舞いながら、裏では壁内の最高権力者として強い影響力を及ぼしてきたのでした。

レイス家の「始祖の巨人」の継承者は代々「ユミルの呪い」で死を迎える前に、自ら巨人化薬を打って無垢の巨人と化した親族に捕食されることで、「始祖の巨人」の継承をし続けてきました。かつてレイス家の一員であるウーリ・レイスは、兄のロッド・レイスと一緒に先代「始祖の巨人」の継承者である父親に対し、「始祖の巨人」の力で巨人の脅威から人類を解放するように訴えかけるような純粋な性格の持ち主でした。しかし、父親を捕食して「始祖の巨人」を継承してからはカール・フリッツの平和思想に囚われるようになってしまい、壁内人類がいずれ報復を受けて滅びることを受け入れて、その時まで束の間の楽園を築こうとするような考えの持ち主になってしまいました。

ロッド・レイスの娘のフリーダ・レイスもまた、「始祖の巨人」の力を継承する前はウーリと同様にカール・フリッツの思想に抗うつもりで、「私に任せて、父さん。先祖の亡霊なんかに私は負けないから」と口にしていました。しかし、継承後はウーリと同様にカール・フリッツの思想に取り憑かれてしまうようになり、その影響から「私たちは罪人だ」と呟いて悲しむような情緒不安定な一面を見せるようになりました。「不戦の契り」による影響力はそれほどまでに大きく、抗うことの極めて難しいものだったのです。

『進撃の巨人』不戦の契りに関する知識5:「不戦の契り」を交わす「抜け道」は?

第145代目の王カール・フリッツ(初代レイス王)が「始祖の巨人」との間に交わした「不戦の契り」によって、王家の血を引くものであろうと、そうでなかろうと、誰も1人では「始祖の巨人」の力のほとんどを扱うことができなくなっていました。しかし、実はこれを出し抜くことのできる抜け道が存在していたのです。それは、王家の血を引かない「始祖の巨人」の継承者と、王家の血を引く「九つの巨人」のうち「始祖の巨人」を除いたいずれかの継承者、あるいは王家の血を引く無垢の巨人が接触した場合に可能になっていたのでした。

エレン・イェーガーはダイナ巨人と接触して偶然「抜け道」を利用

主人公エレン・イェーガーの父親であるグリシャ・イェーガーは、845年に「超大型巨人」の襲撃を受けて壁が崩壊した日にレイス家の元を訪れ、彼らから「始祖の巨人」の力を奪いました。そして、その力を息子のエレンに継承したのです。エレンは、「始祖の巨人」の奪取を目論む「マーレの戦士」のライナー・ブラウンとベルトルト・フーバーに連れさらわれてしまった際、調査兵団による追跡と無垢の巨人の群れによる襲撃を受けるなかで、かつて自身の母親を捕食した無垢の巨人に再び遭遇しました。

その無垢の巨人は、実は元はダイナ・フリッツという王家の血を引く女性でした。窮地に陥った際、エレンはそのダイナ巨人の手のひらにぺちんと拳を叩きつけることで、偶然「不戦の契り」を出し抜くことに成功しました。それによって、エレンの意思に呼応した無垢の巨人たちが、周りの人間たちには目もくれずに一斉にダイナ巨人を襲い出し、その肉を食いちぎってしまったのです。さらに、エレンは「来るんじゃねぇ!! てめぇら!! クソ!! ぶっ殺してやる!!」と叫ぶことで、また全く意図せずに周りの巨人たちを操作し、ライナーやベルトルトから逃れることに成功したのでした。

ジーク・イェーガーはパラディ島が生き残る術としてヒストリア・レイスに子孫を残すように提案

ヒストリア・レイスは、主人公エレン・イェーガーの兵団の同期の1人。レイス家の当主であるロッド・レイスと、その家の使用人であった妾のアルマとの間に生まれた少女で、かつて王家の穢れを清めるという目的から中央第一憲兵に殺されかけたことがありましたが、名前を変えて慎ましく生きるのならという条件で生かされ、それ以後は「クリスタ・レンズ」という偽名で生きてきました。調査兵団が王政に対してクーデターを仕掛けたことでレイス家の真実が明るみとなり、巨人化したロッドを自らの手で仕留めたヒストリアは、それ以後壁内の女王として即位することになります。

パラディ島の者たちが、エルディア人に対する深い憎しみを抱く海外の国々との関係に悩み出すようになった後、ジーク・イェーガーと彼の配下「反マーレ派義勇兵」による仲介により、パラディ島にとって唯一の友好国となる「ヒィズル国」の特使キヨミ・アズマビトが来訪します。ジークはエレンの異母兄で、「マーレの戦士」の戦士長としてマーレに忠誠を誓う身でありながら、エルディア人を解放するために暗躍している人物でした。

ヒィズル国は約100年以上前にエルディア帝国と同盟関係にあった国で、「巨人大戦」の混乱の中で将軍家の忘れ形見はパラディ島に取り残されてしまいました。その末裔が、本作のヒロインであるミカサ・アッカーマンだったのです。キヨミは将軍家の子孫であるミカサとの取り次ぎを条件に、さらにパラディ島の他には採掘されない地下資源も視野に入れて、ジークの取り計らいに賛同してパラディ島までやってきました。

エレンたちと相対したキヨミは、ジークの「取り計らい」に関する説明を行います。それはエルディア人と世界を救済する「秘策」のことで、パラディ島を「地鳴らし」で守るために必要な過程のことでした。ジークは「不戦の契り」を出し抜く手段を既に知っており、その中には王家の血筋ではない「始祖の巨人」の継承者と、王家の血筋の巨人化能力者双方を継続的に維持することが含まれていました。これにより、女王ヒストリア・レイスは、ジークの保有する「獣の巨人」を継承するのみならず、可能な限り子どもを増やすことを求められることになったのです。

それは、ヒストリアを初めとした王家に連なる者たちがこれから先も何代にも渡って、家畜のごとく子どもを産むことを求められ、さらに巨人の継承の度に殺害されていくことを意味していました。ヒストリアはパラディ島の存続させるためには「地鳴らし」が必要だと理解し、その提案を受け入れると口にしましたが、エレンはその犠牲は受け入れられないと反対。ヒストリアは、そんなエレンの言葉に思わず涙ぐみました。その後、ヒストリアの中でどのような心境の変化があったのかは不明ですが、ヒストリアは幼馴染の青年との間に子どもを身ごもり、物語終盤で出産しています。

エレン・イェーガーとジーク・イェーガーが接触して「座標」に到達

主人公エレン・イェーガーの異母兄であるジーク・イェーガーは、マーレにおいてグリシャ・イェーガーとダイナ・フリッツとの間に産まれた人物でした。ダイナ・フリッツは、第145代目の王カール・フリッツと共にパラディ島には行かず、大陸に残ることを選んだフリッツ王家の一族ただ1人の末裔で、反体制地下組織「エルディア復権派」と合流した際に、そのメンバーであったグリシャと出会い、結婚したのでした。

エレン・イェーガーは、パラディ島にやってきたグリシャと壁内で生まれ育ったカルラという女性の間に産まれた少年でした。エレンは王家の血を引かない「始祖の巨人」の継承者で、ジークは王家の血を引く「獣の巨人」の巨人化能力者でした。物語終盤で2人が接触したことで「不戦の契り」を出し抜くことに成功し、2人は全てのエルディア人が空間を超えて繋がる「道」の全てが交わる「座標」に到達しています。

『進撃の巨人』不戦の契りに関する知識6:ジーク・イェーガーは長い時をかけて「不戦の契り」の無力化に成功

エレン・イェーガーと共に「座標」に到達したジーク・イェーガーは、驚くべきことに「『不戦の契り』を無力化していくことに成功した」と口にしています。第145代目の王カール・フリッツ(初代レイス王)が「始祖の巨人」との間に交わした「不戦の契り」がある限り、王家の血を引く人間は「始祖の巨人」の力のほとんどを行使することができないはずでした。

全てのエルディア人が空間を超えて繋がる「道」の世界には、エルディア人の始祖であるユミル・フリッツが留まっていました。彼女は実はフリッツ王に従う奴隷の立場にあった女性で、死した後もその世界で王家の命令に従って巨人を創り続けていたのです。ジークは「始祖の巨人」を継承してきた歴代のレイス家の者たちとは違って、カール・フリッツの思想に拘束されないまま「座標」へと到達しました。

現実の時間の流れが及ばない「道」の世界に到達した後、ジークはエレンが目覚めるまでの間に気の遠くなるほどの長い時間を始祖ユミルと共に過ごすなかで、「不戦の契り」を無力化していくことに成功しました。それにより、王家の血を引くジークは「始祖の巨人」の力を行使することが可能になったのです。

ジーク・イェーガーの実現しようとした「安楽死計画」とは?

「座標」において、ジーク・イェーガーは自身の悲願であった「安楽死計画」を実現させようとしていました。「安楽死計画」とは、「始祖の巨人」の力を用いて全てのエルディア人から生殖能力を奪うことで、エルディア人に緩やかで安らかな終わりを迎えさせようとするものでした。

反体制地下組織「エルディア復権派」に所属するグリシャ・イェーガーとダイナ・フリッツの間に産まれたジークは、両親からまともに自分自身の気持ちを考えてはもらえず、その組織にとって都合の良い人間になるように洗脳教育を受けて育ちました。先代の「獣の巨人」の継承者であり、父親のような存在でもあったトム・クサヴァーからの助言を受け、7歳の頃にジークは自分自身と祖父母の身を守るためにマーレ政府に両親を告発しました。

両親に「道具」のように扱われてきた辛く悲しい経験をしてきたジークは、そもそも自分たちエルディア人は生まれてこなければこんなにも苦しまずに済んだという想いを抱くようになり、さらにエルディア人が生まれてきさえしなければ世界は巨人の脅威に怯えずに済むと考えたことから、「安楽死計画」を実現させることで世界を救おうとしたのです。

『進撃の巨人』不戦の契りに関する知識7:最終的に「不戦の契り」を破って何が起こった?

「安楽死計画」を実現するために、ジーク・イェーガーは始祖ユミルに対して「すべてのユミルの民から生殖能力を奪え!!」と命令しました。ジークは「無駄だ。エレン…。一度動き出した始祖ユミルを止めることなど、この世の何者にもできない」と口にしましたが、王家の血を引くジークからの命令を忠実に実行しようとする始祖ユミルをエレン・イェーガーは後ろから抱きしめて引き止めました。

エレンの「終わりだ。オレがこの世を終わらせてやる。オレに力を貸せ。お前は奴隷じゃない。神でもない。ただの人だ。誰にも従わなくていい。お前が決めていい。決めるのはお前だ。お前が選べ。」という言葉を受けて、虚ろであった目に光を取り戻した始祖ユミルは、ジークではなくエレンの方の願いに応えて「地鳴らし」を発動させます。その結果、パラディ島の三重の壁の土台になっていた超大型巨人の群れが目覚め、世界を踏み荒らし始めることになったのでした。

超大型巨人の行進は人類の8割を虐殺するまで続き、調査兵団兵士長のリヴァイが自ら首を差し出したジークを仕留めたことで、ようやく止まることになりました。エレンの方は幼馴染のミカサ・アッカーマンの手で仕留められ、それをきっかけに巨人の力がこの世から消失し、始祖ユミルもようやく永い眠りにつくことになりました。

テレビアニメ「The Final Season」の放送に期待!

ここまで「不戦の契り」に関してご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

物語初期の頃に、エレン・イェーガーはダイナ巨人と接触したことで偶然「始祖の巨人」の力を行使して周りの巨人たちを操ることに成功しましたが、まさかそれが第145代目の王カール・フリッツの交わした「不戦の契り」を出し抜く手段だったと後の展開で明らかになったときには、本当に驚かされましたよね。

テレビアニメ『進撃の巨人』の「The Final Season」の続編は、2022年1月から放送される予定です。そちらの方では、エレンとジークが接触することで「不戦の契り」を出し抜き、「道」の世界に到達するシーンが描かれるはずです。テレビアニメの放送を楽しみにしていきましょう!

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