水木しげるの死去を悲しむファンの声と歴史ある絵・イラスト画像をまとめてみた

2015年11月11日に漫画家「水木しげる」氏が他界されました。死因は多臓器不全、通夜、葬儀・告別式は近親者のみにて行われました。

その後の「お別れの会」では約7800人の弔問客が訪れ、日本のマンガ創世期を支えた重鎮の死を悼みました。 「手塚治虫」「石ノ森章太郎」「赤塚不二夫」、現在の世界に誇れる日本のマンガ文化を作り出した漫画家が、ほぼ全て鬼籍に入ってしまいました。

筆者も物心ついた頃から水木しげる氏のマンガや当時放映していた鬼太郎を見ていましたし、妖怪や怪奇と「目に見えないもの」を愛され、描き続けていた方だからでしょうか?

私には水木しげるとは、 「死」と無縁な存在な気がしていて、逝去の報を知った時には知人の不幸を知らされた様な気持ちになりました。

様々な人々に影響を与え、人々に愛された方でしたので、様々なお悔みの言葉がネットで発信されています。 今回は、そうした「水木しげるの訃報」に対する反応や氏の個性的なイラストをまとめてみました。

ツイッターの声

一番初めに「水木しげる氏、逝去」の報を人々に知らせたのはネットニュースではないでしょうか?そしてネットで様々な方が水木しげる氏の訃報に対して反応しました。

出典:http://pbs.twimg.com

水木しげるという人物

出典:http://mantan-web.jp

「水木しげる」という人物に関して、我々はどれだけの事柄を知っているのでしょうか?ほとんどの方は、「ゲゲケの鬼太郎」等に代表される「妖怪」マンガの大御所という認識の筈です。

確かにそれは間違いではありませんが、彼の「妖怪に対する愛情」「目に見えないものに対する畏敬」は様々形になって日本の各所へ影響を与えました。

戦争の生き証人

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現役漫画家の中では唯一と言っても良い「戦争経験者」
一兵卒としての見た戦争を克明に漫画として記録し、コミカルな絵柄でありながら過酷な戦争体験を「総員玉砕せよ」として発表しています。

「はだしのゲン」が戦争被災者の立場から描かれているのに対し、戦争参加者、しかも一般兵からの立場で描かれた作品は極めて珍しいと思います。

怪奇マンガの重鎮

出典:http://www.maniado.jp

怪奇漫画家としてはここで上げるまでも無く、揺るぎない実績です。特に「手塚治虫」は水木しげる氏の「妖怪漫画」に対抗して「どろろ」を執筆し、あとがきでも「自分でもこんなマンガがかけるのだ」と対抗心を明言しています。

そして、「手塚治虫」「石ノ森章太郎」は、「医療」「時代劇」など様々なジャンルに果敢に挑戦し、マンガ界の新たな開拓者でした。 しかし、水木しげる氏は、そうした「開拓者」達とは一線を画し、怪奇と幻想の世界を描き続けました。

しかし、彼自身がそれに固執し新たなジャンルを開拓しなかった訳ではありません。コミカルな絵柄と緻密な劇画から世間を風刺し、社会に潜む理不尽な事柄を笑い、時には糾弾する事をマンガというオブラートに包んで発表しています。

その現代社会や現代人の持つ理不尽を痛烈に批判するスタイルは、彼のどの作品にも見受けられます。この一貫したスタイルは、先の2人の作品群には見られない特徴です。

妖怪博士

出典:http://hrfmania.blog69.fc2.com

「砂かけ婆」や「子泣き爺」、昭和の高度成長期の日本にあって、忘れられかけていた「妖怪」を掘り起し、21世紀である今日まで人々の一般知識としてその存在を残した功績は素晴らしい物があります。

「ぬりかべ」などは水木しげるの描いた姿がスタンダードなデザインとなりました。西洋妖怪「バックベヤード」などは水木しげる氏の創造した妖怪です。

この様に彼自身は旺盛な好奇心から様々な分野からデザインや知識を吸収し、妖怪に対してもその時代にあったクリエイテイブな活動を行っています。 そうした活動が実を結び、今は「妖怪検定」なる資格検定も存在します。ちなみに資格取得者数は約2,800人です。

生み出された作品群の特徴

スクリントーンがまだ珍しい時代から描き始めた水木しげる氏のペンタッチは緻密で点描を用いた幻想的な絵を得意としています。 同時期に居た「手塚治虫」や「石ノ森章太郎」が絵画から緻密さをそぎ落とし、記号化しデフォルメしたマンガの発達に貢献しました。

水木しげる氏も、その方式を踏襲しながらも背景や怪異に対しては写真の様な緻密で精細な描写を多用し、独特の世界観を生み出しています。 また、先にも説明した社会風刺を込めた作品も数多く発表しています。少しその中からご紹介しましょう。

「心配屋」

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「世にも奇妙な物語」で、SMAPの稲垣吾郎が主演をした作品の原作です。この話を読んだ時に、痛烈な現代社会への矛盾を指摘した手法と文言に目からウロコが落ちる程でした。

水木しげる氏は他にも「ヘンラヘラヘラ」「原始さん」などで現代社会に生じた問題や歪を的確に捉え、子供にも理解出来る様に噛み砕いて漫画にしています。

「鬼太郎夜話」

出典:http://chiutar.exblog.jp

多くの人々が知っている「鬼太郎」とは、品行方正であり正義の味方です。しかし、「鬼太郎夜話」では、それとは真逆な鬼太郎が描かれています。 この話の中で、彼は自分が人間と違う存在であり、自分を害する人間は容赦なく罰し、場合によっては殺すという我々の知る彼とは違う振る舞いを見せます。

彼を育てた恩人を生きたままで地獄へ送ったり、あの「ねずみ男」から金を奪い、タバコを吸うという姿もあります。ですが、今の鬼太郎よりも活き活きとした人間らしい鬼太郎が描かれています。

この後、鬼太郎は世間に知れ渡り認知度が上がるにつれて、正義の味方であるスーパーマンな存在へと変化して行くのです。

「コロポックルの枕」

出典:http://page6.auctions.yahoo.co.jp

何回か描き直しをされている作品です。それだけ思い入れが強い作品なのでしょう。水木しげる氏には珍しい(?)SF作品です。 「サイボーグ」などコズミックホラーも手掛けていた水木氏、本作品では有史以前に存在し、超文明を有していた人類が宇宙人たちに滅亡させられる顛末が描かれます。

この作品ではヒーローは登場しません、ページをまくる毎に人類は駆逐され、ひとつの文明が滅びる記録が坦々と展開します。死と隣り合わせであった戦争経験者だからでしょうか、水木しげる氏の作品では「死」は特別な事柄ではなく、誰にでも平等に訪れる物であるというシチュエーションは本作以外にも多々見られます。

ゲゲゲの女房

出典:http://blog.goo.ne.jp

普通、偉大な漫画家を描く第三者視点の作品は、その当時に一緒に行動していた「熱烈な信者」による物が多いのに対し、本作品は最も近く最も第三者的な立場である「妻から見た”水木しげる”」が書かれています。NHKのドラマと映画にもなり、大変話題になりました。

ファンのお別れイラスト

pixivでは様々な「お別れイラスト」が発表されました。少しそうしたファンの作品をご紹介します。

水木しげる先生の名言『幸福の七か条』

https://youtu.be/9E1LX85eTAQ

まとめ

出典:http://gegegerash.r1012.com

怪奇と幻想の深淵から現代社会を覗き込み、その滑稽さと理不尽をコミカルなキャラクターと緻密な写実的筆致で描き続けた「水木しげる」氏は健康な時分に階段から転倒し、大怪我を負います。

治療の為に入院し、その転倒した怪我とは別に発症した多臓器不全にて亡くなりました。自身の漫画に描いていた様に、突然でありながら避けられない「死」によって「あの世」へと旅立たれたのでした。