2016年冬アニメでも頭一つ抜けてる『僕だけがいない街』が何故面白いか考察してみた

新作アニメが20本以上とよりどりみどりの2016冬アニメの中でも群を抜いて評価の高い「僕だけがいない街」。その理由は?多方面から考察してみました

『僕だけがいない街』とは

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2016年1月8日より、フジテレビ「ノイタミナ」枠ほかにて放送中のアニメ。原作は「ヤングエース」にて連載されている三部けいによる漫画で、『マンガ大賞2014』2、『マンガ大賞2015』では第4位を獲得。今春には実写映画化も決定しているなど、原作からしてその面白さが認められていることがわかります。その証拠にWeb上の放映前期待度ランキングでは1位に選ばれています。原作からの読者にはヒットの予想は容易かったのかもしれませんね。

「僕だけがいない街」の魅力

ストーリー

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主人公の藤沼悟は29歳にしてピザ屋のバイトで生計を立てる売れない漫画家。ある日、何か悪いことが起こるとその原因が取り除かれるまで直前の瞬間にタイムリープしてしまう特殊能力「再上映(リバイバル)」のせいで子供を事故から守った代わりに自身が怪我を負ってしまいます。

見舞いに訪れたバイト先の同僚・愛梨と親しくなったり悟を心配した母・佐知子が上京してきたりと一気に日常が賑やかに…と思った矢先、何と母佐知子が何者かに殺害されます。実は佐知子は悟の幼少時に北海道で起きた児童連続誘拐殺人事件の真犯人を見抜き、それに気付いた犯人に殺されたのでした。

母殺害の犯人に仕立て上げられた悟はリバイバルを使って事件の阻止を試みます。飛ばされた先は誘拐事件直前の1988年。誘拐犯と母を殺害したのが同一人物であると確信した悟は救えなかった同級生・雛月加代の殺害を阻止し過去と現在両方の事件の決着をつけることを誓います。

過去の記憶を頼りに事件を未然に防ぐべく奮闘する悟の物語は推理ものとしても楽しめますし、実態のつかめない犯人から逃れるというサスペンス要素も加わって先が気になる展開を生んでいます。また、「魔法少女まどか☆マギカ」「STEINS;GATE」「パンチライン」のような主人公が事件解決のために同じ時間を繰り返すいわゆるループものの要素が視聴者を惹きつける大きな要因ではないかと思います。

演出

ストーリーに魅力的な要素がたっぷりなことがわかったところで、今度は演出に注目してみようと思います。アニメならではの演出が光る場面がたくさん!

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まずは悟がリバイバルを使う際の演出。青く光る蝶が画面を横切った後、ネガのような色調に変わりタイムリープへ。「何か異変が起きた」という緊張感が伝わってくるので、特に1話で初めて能力が発動したシーンではこれから何が起きるんだ!?と思わず悟に同調してしまいました。

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リバイバル後はモノローグは29歳の悟、会話は10歳の悟の声と分けられているのも斬新ですね。

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次に度々使われるスローモーションの演出。どうやら事件、ひいては物語の展開を左右する重要人物とエンカウントした時に使われているもよう。2話では雛月と、6話ではリバイバル直前に犯人を視界の端に捉えた時、8話では連続誘拐事件の被害者となる「中西彩」とすれ違う時にそれぞれ使われています。

リバイバル同様緊張感を与える好演出ですね。

繰り返し印象的に使われているモチーフといえばフィルムのようなデザイン。記憶を辿るシーン等で主に使われています。

「再上映」と書いてリバイバルと読むことにちなんで映画のフィルムを意識していると思われます。文字通り過去を再上映しているイメージですね。

3話で悟が雛月に山の上の「クリスマスツリー」を見に連れていくシーンに目を奪われた人も多いのではないでしょうか?満天の星空に反射して煌くつららに彩られた大木を下から見まわすカットはこれまでのアニメの中でも屈指の演出です。

このシーンだけでなく、「僕だけがいない街」では冬の空気感の描写がとても上手くなされていると思います。
雛月がいつもしているマフラーとコート、悟のために編んだ手袋といった冬の装いはもちろん常に積もっている、屋外のシーンでは白く描かれている息、赤くなった鼻が冬を感じさせます。寒々しいトーンの空や学校も真冬の空気感を出すのに一役買っています。

虐待を受けて心を閉ざしてしまった雛月が少しづつ同級生と打ち解けていく中での心情の変化を丁寧に追っているのも視聴者に「雛月を助けてあげたい!と悟に感情移入させるポイントになっています。
8話で大粒の涙を流す雛月にウルッときてしまった人は少なくないはず。

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そして毎回「やられた!」と唸ってしまうのはなんといってもEDへの入りです。必ず先が気になる場面で終わっているので来週も早く見たい!と心待ちにしてしまいます。
実際にTwitterから算出された「4話残留率」は驚異の95%。恐るべし。

2人のヒロイン

雛月加代

リバイバル後の1988年当時の悟のクラスメイト。実の母親から虐待を受け卑屈に振る舞うようになるが悟の努力の甲斐あって次第に他人に心を許し始めています。児童連続誘拐事件の被害者となって死ぬ運命にありますが、果たして・・・?

幼い見た目に反してクールな性格・・・と思いきや案外照れ屋さんだったりと何重にも仕掛けられたギャップ萌えに落ちる人続出。 

片桐 愛梨

悟のバイトしているピザ屋での同僚で女子高生。雛月とは対照的に明るく素直な性格で愛想のない悟にも自ら話しかけてきます。1度目のリバイバル失敗後に危険を覚悟で悟を自宅に匿ったり逮捕のその瞬間までただ一人悟のことを信じ続けてくれた心強い存在です。

OP・ED

「進撃の巨人」「ニャル子さん」など主題歌が火付け役となってヒットするアニメも多い今日この頃。「僕街」はOP・EDも良質です !

OP 「Re:Re:」ASIAN KUNG-FU GENERATION

2004年発売のアルバムに収録された曲を再録という珍しいケースですが「驚くほど歌詞が作品にマッチしている!」と話題に。

ED 「それは小さな光のような」 さユり

儚げな歌声から力強いサビへの展開が耳に残るED。作詞・作曲はKalafinaなどでおなじみ梶浦由記さん。「新世界より」のEDも手掛けた石浜真史さんによる独特のアニメーションにも注目。

最後に

いかがだったでしょうか?「僕だけがいない街」の魅力は優秀なスタッフに支えられ、毎回丁寧に作りこまれていることではないでしょうか。残り話数も少なくなってきましたが、悟は雛月を救えるのか!?真犯人は一体誰!?謎は深まるばかりです。