【”秘密”の夢を輝夜姫は見るか?】清水玲子が描く漫画『秘密』の魅力の秘密を暴け!

今年(2016年)の8月に「秘密 ―トップ・シークレット―」の実写映画が公開されます。

「竜の眠る星」「輝夜姫」などのファンタスティクなSF物語を描いてきた清水玲子の作品で、近未来SFの推理とサスペンスである本作品その魅力についてまとめてみました。

ツイッターの反応

実写映画化される「秘密」について、巷ではどんな反応があるのでしょうか?まずはツイッターから「秘密」「実写化」に関して声を拾ってみました。

出典:http://pbs.twimg.com

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「秘密 ―トップ・シークレット―」というマンガ

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「秘密 ―トップ・シークレット―」というマンガを知らない人の為に基本情報をご紹介しましょう。

あらすじ

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西暦2060年の日本。新たな科学技術は、死者の脳から記憶を可視化する技術を生み出した。 それにより殺人事件の被害者から死ぬ寸前の記憶を読み取り、事件を解決する部署「科学警察研究所 法医第九研究室」が設立された。

しかし、他人の記憶を見るこの技術は事件解決に革新的でありながらも、倫理的に異端視され世間の反発も受けている。 さらには殺される記憶を持つ「被害者の脳」だけでなく「加害者の脳」の記憶とも立ち会う事で、「科学警察研究所 法医第九研究室」の担当者達も疲弊し、精神に異常をきたす者が多く表れていた。

そんな「第九」に配属された「青木 一行」からの視点で、頭脳明晰・容姿端麗な室長「薪 剛」と共に事件を解決してゆく。

登場人物

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青木 一行(あおき いっこう)
物語の主人公、彼が「科学警察研究所 法医第九研究室」に配属された所から物語は開始する。役職は警部、身長189cmの長身でメガネをかけた普通の容姿。性格は実直で素直。

見た感じと共に「好青年」であるが素直すぎて警察官としては少し不安な部分もある。「第九」の一番下っ端であるが故に色々と小間使い的にこき使われているが、何事にも熱心で周囲からも信頼されている。

被害者や加害者にも感情移入しやすく、それ故に「第九」の仕事や存在に思い悩む事も多い。

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薪 剛(まき つよし)
「第九」の室長であり、年齢33歳でありながら童顔で「美青年」にしか見えない。「第九」の最高責任者であるが、実は古参のメンツは秘密を抱え過ぎて様々な形でリタイヤし「第九の唯一の生き残り」である。

性格はドライで冷静沈着、非情な現実主義者で親しい人達とも馴れ合う事がない。部下や周囲に対して不手際は容赦なく叱責し物を言う性格。頭脳は明晰で洞察力にも長け、「第九」で様々な「秘密」を見続けてきた為に脅迫や身の危険を常に抱えている。

冷静を装ってはいるが、実はかなりヒステリックで感情的なのを自制している。また過去に同僚を死なせた事を悔やみ苦悩している。

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岡部 靖文(おかべ やすふみ)
剛毛でガタイの良い筋肉質な風貌でいかにも「現場あがりの警部」という容姿とは裏腹に「第九」のNo2。性格は細やかで「第九」の運営は実質彼が行っているといっても過言ではない。

実のところ、風貌の通り元は捜査一課の敏腕警部。捜査の第一線で活躍していたが、警視総監の密命で「薪の監視役」として「第九」に配属される。しかし、「第九」の仕事を行う内に自分の考えを改め、薪に付き従う様になる。

物語の魅力

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清水玲子のマンガ作品では、他に遥か未来の物語である「竜の眠る星」や異星人が主人公である「輝夜姫」があります。そうした 多くの作品が遠い未来や異世界を舞台としていたのに対して、本作品「秘密」は、現代社会に近い未来であり、もしかすると時間軸の違う「現代」が舞台です。

我々に近い時代・世界を舞台とし、そして登場人物達も今までのシリーズ物と違い、特に特殊な能力に秀でた人物ではなく「等身大の人間」達が描かれています。その作品の魅力は清水玲子の作品群に共通する要素と、「来たるべき未来」という要素によって読者をひきつけます。
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繊細なタッチで綴られる画

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最初に清水玲子の作品を目にした人は、その簡略化されながらも丸みを帯びた独特のペンタッチに驚愕する事でしょう。他の類似を見ないオリジナルな画風は繊細で美しくあり、少女マンガチックでありながらアールヌーボが進化したかの様な独特の雰囲気があります。

独特のタッチで描かれる精密なカラーイラストなどはマンガの域を超えているといえるでしょう。その美しいタッチとは180度相違する登場人物達の心の機微を描き出した物語と相まって、不思議なリアリティを読者へ与えます。

サスペンスと推理

少女マンガ雑誌で主に活躍し、SF等を多く扱っていた清水玲子ですが、本作品はそうしたジャンルとは一線を画する「推理物」かつ「サスペンス物」として充分な完成度を誇ります。

物語の中で張り巡らされた多くの伏線、さらには彼らが事件を解き明かすカギとなる「他人の脳を覗く」という行為そのものが、「死者の尊厳」に関わる根本的な問題をはらんでおり、それに対する第三者達の葛藤や拒絶によって生じる軋轢をも描きます。

描き出される人間の業

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本作品では人間の持つ「業」や「暗黒面」を色濃く描き出しています。これは清水玲子が描く他作品にも共通している「メインテーマ」と言えるものでしょう。 その「業」や「暗黒面」は人や物に対する強い「執着」や「裏切り」「迷い」といった負の感情を躊躇なく描き出します。

それは主人公自身であったり、ヒロインや主要人物の心であったり、強い負の感情をあの繊細で美麗のタッチで「えぐり出し」読者の前に「さらけ出し」ます。人殺しを続ける美しい少女の物語や「誘拐事件の証拠」として送りつけられた「同僚の脳」など、そうしたエグいシチュエーションと繊細な絵の「温度差」が読者を惹きつけ物語へと没入させます。

ですが「人の業」だけでなく、そうした苦悩から生まれる「救済」や「善意」についても物語の結末には書かれており、そうしたダークな物語の最後に見せる「微かな希望」がキャラクター達と読者を魅了して次のエピソードを求める動機となります。

来たるべき未来

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この「死者の脳」を読み解き、死亡した時の状況を可視化するという技術は、遠くない未来に実現する技術かもしれません。今や考えるだけで動く義手やデジタルカメラを脳に直結して視覚を回復する事が可能な時代です。

この作品にある最初のエピソードでは、不可解な死をとげた大統領の「死因」を探る為に世界で初めて「MRI捜査」を実施した物語が語られます。そして、その不可解な死の謎を解き明かした先には、死んだ大統領がひた隠しにしていたプライベートな事情すら白日の下に晒される事となります。

そうした「他人の秘密」暴露するだけでなく、「MRI捜査」に関わった者は、「観てはいけない秘密」を見てしまったが故に、死後に脳を覗かれる「恐怖」に怯える事になります。それは死後に秘密を暴かれた「死者の呪い」のようです。

ツイッターの反応

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動画&各公式HP

https://youtu.be/K_Rd_UEAWEY白泉社『秘密』公式HP:http://www.hakusensha.co.jp/himitsu/
「映画」秘密 THE TOP SECRET 公式HP:http://himitsu-movie.jp/

まとめ

出典:http://www.suruga-ya.jp

ちなみに「秘密 ―トップ・シークレット―」はアニメ版もあります。本作品は単行本12冊まで刊行されています。1冊1エピソードが基本ですからどの巻からでも読み始められます。

ですが、やはり第1巻から読むのが時系列的には一番読みやすく各キャラクターの動向などが理解しやすいでしょう。ちなみに「秘密」は正に「サイエンスフィクション」な作品ですが、「秘密」以外の清水玲子の作品群は、SFでありながら幻想的で魅力的な作品ばかりです、ぜひ一読される事をお勧めします。