【ゴールデンカムイ】未開の北海道で黄金を追う旅路

最近、特に書店やネットで見かけるようになったマンガ「ゴールデンカムイ」2015年の「コミックナタリー大賞・第2位」「このマンガがすごい! 2016 オトコ編・第2位」「マンガ大賞2016大賞」と数多くの賞を受賞している「今、いちばん読んで欲しい漫画」の筆頭です。今回はそんな「ゴーデンカムイ」の魅力についてご紹介したいと思います。

あらすじ

出典:http://www.mangajunky.net

日露戦争後の日本、未開の地が多い北海道が舞台。幼馴染の女性が夫を亡くし金銭的に困窮しているのを知った「杉元佐一(すぎもと さいち)」は北海道で砂金採りをして金を稼ごうとしていた。

そこで偶然に出会ったアイヌの少女「アシリパ」から失われたアイヌの金塊の話を聞く。脱獄した囚人たちに入れられた刺青をつなぎ合わせると、隠された多額の金塊が手に入ると知った杉元は一攫千金とばかりに金塊捜しに参加する。

しかし、杉元以外にも「北海道独立」狙う元新撰組・土方歳三や日本軍部から冷遇された事を怨む第七師団・鶴見と金塊捜しに参加している異常な集団との抗争に巻き込まれていく。

出典:http://pbs.twimg.com

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登場人物

杉元佐一(すぎもと さいち)

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日露戦争で活躍し、その勇猛果敢さから通称「不死身の杉元」呼ばれている。顔に大きな傷を負い、あだ名から強面を創造するが、素直で正直な好青年です。

しかし、戦いとなれば相手を躊躇なく殺す非情な一面も持つ。故郷の友と従軍したが、友は戦死し、同じ幼馴染である友の妻の生活が困らない様にする為、多額のお金を稼ぐ方法を探して北海道に流れ着いた。

アシリパ

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アイヌ出身の少女。活動的なアイヌの少女。本編でも祖母が言及しているが、本来のアイヌの女性はもっと内向的で狩りをしたいりはしないものらしい。

杉元の水先案内人であり、北海道でのサバイバルの師匠。今回の金塊がアイヌ達の集めた金塊である事を知り、さらにはその騒動に父親が巻き込まれ殺されたと金塊捜しに参加、その後で杉本と合流して行動を共にする。

白石由竹(しらいし よしたけ)

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通称「脱獄王」、間接を自由に外せる特技と、歯や体内に様々な脱獄道具を隠している人物。「ゴールデンカムイ」ギャグ担当・・・であるが、やはりそこは囚人、中々に悪党でしたたかな人物。

現在は杉本達に動向しながらも土方とも通じている「二重スパイ」的な位置づけになっている。たしか、この人は板尾創路が映画にしていました、モデルは昭和に実在した「白鳥 由栄(しらとり よしえ)」という人物のようです。

のっぺらぼう(通称)

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網走刑務所で金塊のありかを知る人物、今回の騒動の「元凶」。「のっぺらぼう」のあだ名は、顔の皮を剥ぎ取られて人相が判別不可能である為にそう呼ばれる。

「脱獄した物に金塊の半分をやる。」という約束をして刺青を施した囚人たちに脱獄を促した。

本人だけが知る秘密を何故に囚人の背中に刺青し、そして騒ぎが起こるような情報を渡して多数に分割したのか?謎の多い人物であり、いまだ網走刑務所で存命中の模様。

土方歳三(ひじかた としぞう)

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戦死したと思われていた幕末の志士。網走刑務所に幽閉されていて今回の金塊捜しに参加する。目的は「北海道の独立」らしい。

やはり、幕末の人間であり初老の老人であるが、その斬撃や行動力は健在。そのカリスマと行動力で脱獄者たちをまとめあげ、杉本たちや第七師団と対立する第三の勢力のリーダーとなっている。

牛山辰馬(うしやま たつま)

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土方の片腕とも言える男。柔術の達人で額に鍛錬で出来たと思われる四角いコブ(タコ?)があるのが特徴。凄腕の柔術家であったが、師匠以下10人以上を柔術で殺して網走刑務所に収監されていた。脱獄後に土方にひろわれて片腕として活動している。

鶴見(つるみ)

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第七師団の師団長であり、陸軍中尉。「第七師団」とは大日本帝国陸軍に実在した「屯田兵」を主体とした陸軍師団。過去の戦いで爆弾を受け、額に固定具を付けている、感情が高まるとそこから膿(脳髄液?)が流れ出る。

その傷のせいか、かなりの「サイコパス」で物語中でもその行動はかなり狂人めいたところがある。

レタラ

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アシリパを慕う白いエゾ狼。小さい頃にアシリパと共に過ごした時期があり、その為に彼女に懐き、危険をたびたび救いに現れる。

この時代での北海道でも狼は駆除されて絶滅したと思われるので、最後の1頭として囚人の「二瓶鉄造(にへい てつぞう)」に命を狙われたこともある。

著者「野田サトル」

出典:http://otokoman.hatenablog.com

正直、「野田サトル」というマンガ家はこの「ゴールデンカムイ」を読むまで知りませんでした。しっかりとした設定や時代背景、そしてそれを表現できる優れた画力を持ったマンガ家です。

デビューは2003年の読切マンガ「恭子さんの凶という今日」(別冊ヤングマガジン)だそうです。その後にアイスホッケーを題材にした作品「ゴーリーは前しか向かない」を発表し、これが第54回ちばてつや賞ヤング部門大賞を受賞します。

「ちばてつや賞」は講談社が主催する賞なのですが、受賞後になぜか講談社から集英社へ移籍し「スピナマラダ!」を2011年から2012年まで連載しています。

「ゴールデンカムイ」は2014年から連載開始し、現在も連載中です。そして2016年「マンガ大賞2016」を受賞しました。

書評

出典:http://www.mangajunky.net

やはり物語の本筋も魅力的ながら、しっかりとした考証と取材に基づく「アイヌ文化」に対する深い造詣でしょう。当時のアイヌ達の食事事情に対する細かい描写や情報は物語にしっかりとした実在感を与えています。

さらには「アイヌ」だけに留まらず、当時の「ニシン漁」や「マタギ」など東北地方の事情についても多くの描写があり、読み手を物語に引き込みます。

印象としては少し昔の西部劇を思い出します。よくある西部の無頼者が隠された金塊や盗金を捜して血で血を洗う抗争を繰り広げる。そんなストーリーが明治の北海道で繰り広げられます。

今回、ネットを調べて見たらインタビューで著者である「野田サトル」氏も西部劇をイメージしている言及していました。登場する人物たちも特徴があり非常に魅力的です。

出典:http://anima-daisakusen.biz

囚人の一人であり伝説の狩人「二瓶鉄造(にへい てつぞう)」や執拗に杉元の命を狙う「二階堂兄弟」など変な性格やこだわりを持ったキャラクター達が数多く登場します。

物語の欠点としては、山深い描写が多くて当時の北海道の街中や時代風景が少なくて、我々が通常抱いているノスタルジックでレトロな明治時代的の風景が見当たらない事。

そして、筆者のイメージとしては、開拓当時の北海道で「アイヌと日本人の関係」がこんなに良好だったのか?という疑問が浮かびます。

アシリパがアイヌの民族衣装を着た姿で街中を闊歩し、元第七師団の「谷垣源次郎(たにがき げんじろう)」がアイヌの集落に助けられた時も互いに差別なく接しているのは少し読んでいて違和感を受けました。そこいら辺り、真実はどうなのでしょうか?

参考資料「<コミックナタリーWEB>野田サトル×町山智治.対談」
URL:http://natalie.mu/comic/pp/goldenkamuy/page/3

2次創作

まあ・・・むっさい男ばかりのマンガですから・・・2次創作もまだ少ないです。

出典:http://pbs.twimg.com

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動画

https://youtu.be/njNGDHbX0ss

集英社の宣伝動画ですが、短時間ですがなかなか作品への興味がわく内容です。

あとがき

出典:https://twitter.com

現在は単行本7巻まで刊行されています。最近では珍しいリアルな冒険活劇です。魅力的なキャラクター達と日本史でも近代史のほんのちょっとでしか習わない開拓当初の北海道へどっぷりと浸れます。

ぜひ、今年一番読んでもらいたいマンガの一冊です。